子育て中の多くのママが経験している「おねしょ問題」。なかなか進まないトイトレに、頭を悩ませている人もいるでしょう。
中には、
- 小学生なのに未だに寝る時はオムツ…。
- 年長さんなのに、昼間にうんちやおしっこを漏らすので心配。
など、ある程度大きくなった子どものお漏らしに、悩んでいる人もいるようです。
実は、このようなケースは「おねしょ」ではなく、「夜尿症」という病気かもしれません。
今回は、「おねしょ」と「夜尿症」の違いに着目し、それぞれの対策を詳しく掲載!夜尿症のチェックシートや、夜尿症を診察できる全国の医療機関も紹介していきます。
目次
1、「おねしょ」とは
まずは、「おねしょ」について詳しく見ていきましょう。
(1)おねしょのメカニズム
おねしょは、無意識のうちにおしっこが膀胱から溢れ出てくることが原因です。
体が成長途中の幼児は、膀胱の容量と尿の量のバランスが整っていません。小さな子どもは排尿を抑える能力が未熟なため、少しの尿でもすぐにおしっこをしてしまうのです。
このように、幼児期に見られるおねしょは、成長途中の子どもにとって当然のこと!過度に心配する必要はなく、成長と共に徐々におさまることがほとんどです。
(2)おねしょはいつおさまる?
幼児にとっておねしょは仕方のないことだと分かっていても、親はつい、「スムーズにオムツが卒業できればいいなぁ。」と願ってしまいますよね。
一体子どもは、何歳頃になれば完全にオムツなしで過ごせるのでしょうか?
個人差はありますが、3歳頃にはオムツが外れる子が多いと言われており、4歳頃にはほとんどの子が就寝中もパンツで過ごせているようです。
しかし、中には5~6歳になってもオムツが外れず、悩んでいるママパパもいます。周囲の子がどんどんオムツを卒業する中、不安や焦りを感じている人もいるでしょう。
冒頭で紹介したように、このようなケースは「夜尿症」という病気の可能性があります。夜尿症とはどんな病気なのか?次でみていきましょう。
2、夜尿症とは
夜尿症とは何なのか?おねしょとどこが違うのか?治療でなおすことはきるのか?詳しくみていきましょう!
(1)夜尿症のメカニズム
夜尿症は、
①抗利尿ホルモンが正常に機能していない
②膀胱の容量が年齢の割に小さい
という、主に2つの原因で引き起こる病気です。
抗利尿ホルモンとは、文字通り利尿を妨げるホルモン!昼間の分泌は少ないですが夜間は多量に分泌されるため、抗利尿ホルモンが正常に機能している人は、就寝中におねしょをすることはほぼないのです。
しかし、夜尿症の子どもは抗利尿ホルモンが正常に分泌されていません!夜間多量に分泌されるはずの抗利尿ホルモンが少ないために、寝ている間も尿がどんどん作られてしまうのです。
また、夜尿症の子どもは「膀胱の容量」が年齢の割に小さいというケースもあります。①や②が単体で起こる場合もあれば、①と②が同時に起こっている場合もあるようです。
(2)「おねしょ」と「夜尿症」の違い
ここまで読んで頂くと、おねしょと夜尿症は明確に違うことが分かりますね。
おねしょは成長と共に自然におさまる生理現象ですが、夜尿症は病気です。そのため、おねしょと夜尿症には異なる特徴が表れます。
特に注目すべきポイントは、「年齢」です。
- おねしょ…幼児期に就寝中おもらしをする。3~4歳頃には自然におさまる。
- 夜尿症…5歳以降で月1回以上のおねしょが3ヶ月続く。
もしお子様が5歳を過ぎてもおねしょが続くようなら、夜尿症の可能性も否定できません。以下のチェックシートを活用し、病院を受診しましょう。
3、【チェックシート付】夜尿症かも?と思ったら病院を受診しよう
(1)夜尿症は病院へ
夜尿症は、治癒開始後1年で50%、1年半で75%、2年で85%が治るというデータがあります。根気強く治療を続けることが大切なため、子どもが夜尿症かも!?と感じたら、まずは医療機関を受診しましょう。
- おねしょ卒業!プロジェクト おねしょで悩むお子様とご家族へ:https://onesho.com/patient/clinic/
こちらのサイトでは、夜尿症を相談できる全国の医療機関が検索できます。是非ご活用下さい。
(2)夜尿症チェックシート
下の図は、病院を受診すべきか否かの目安が分かるチェックシートです。お子様が夜尿症かも?と思う場合は、チェックしてみて下さいね。
※チェックシートはあくまで目安です。気になる点があれば、病院を受診することをおすすめします。
4、家庭ですべき「おねしょ」&「夜尿症」の対処法
おねしょや夜尿症とうまく付き合うために!家庭ですべき対処法をお伝えします。
(1)おねしょの対処法
①就寝前の水分摂取を控えめにする
膀胱が尿でいっぱいになるのを防ぐために、寝る前2~3時間の水分摂取を控えめにしましょう。その分昼間に水分を多めにとり、水分不足を招かないよう気を付けて下さいね。
ただし、夏場など脱水症状が気になる季節は、水分を控えることは危険です!水分を欲しがるのを我慢させてまで、おねしょ対策をするのは控えましょう。
②寝る前にトイレに行く
寝る前にトイレに行くことは、おねしょ対策では必須!
物理的に膀胱を空にできるのはもちろん、「寝る前にトイレに行ったから大丈夫!」という安心感を、子どもに与えることができますよ。
③おねしょ対策グッズをフル活用!
おねしょをすると、寝具が濡れて困ってしまいますよね。冬場は乾くのが遅いため、特に大変!ママパパがイライラする原因にもなり得ます。
そんな時は、おねしょ対策グッズをフル活用しましょう!
防水シーツやおねしょパンツ、おねしょ用スリーパーなどを併用し、寝具の濡れを防いで下さいね。
④怒らない!焦らない!褒める!
膀胱が十分に成長するまでは、無意識のうちにおしっこが出てしまいます。つまり、子どもはわざとお漏らしをしているわけではありません。
- もう〇歳なのにまたおねしょ!?いけない子だね!
- 布団が濡れたらママが大変なんだよ!
- ○○ちゃんは、もうオムツなしで寝ているのに…。
など、子どもを責める言動は絶対にやめましょう。
お漏らしをしてしまった子どもは、ただでさえストレスを感じています。ママパパが焦る気持ちも分かりますが、子どもに追い打ちをかけるような言動をしては、益々おねしょが悪化することにもなりかねません。
おねしょは膀胱の未発達が原因で、ママパパのしつけの問題ではありません!成長と共に徐々におさまるため、寛容な態度を心掛けましょう。
(2)夜尿症の対処法
続いて、夜尿症の対処法をみていきましょう。
夜尿症を治すには医療機関を受診することが大前提。医師の指示に従い、根気強く治療することが大切です。しかし、お漏らしに対するストレスを軽減してあげるなど、家庭でできる対処法もあります。
①親が夜尿症を正しく理解する
夜尿症は、子ども自身が気を付けたり、親が厳しくしつけることでなおるものではありません。
そこをはき違えてしまうと、子どもが辛い思いをしたり、親子関係にひびが入ったりする可能性があります。
夜尿症とは何なのかを正しく理解するためにも、担当医と連携し正しい知識を得ましょう。
②怒らない!焦らない!褒める!
おねしょ同様に、夜尿症は怒ってなおるものではありません。
子どもを責めず、治療の約束を守ったり、おねしょをしなかった日には思いきり褒めてあげて下さいね。
③子どもの辛さを理解する
自分ではどうにもならない状況に、苦しんでいるのはお子様です。
治そう!という強い意志を持ち続けることができるよう、ママパパは言葉や態度で子どもをサポートしてあげることが大切です。
5、【実録】おねしょ&夜尿症に悩んだママの心構え
(1)夜のオムツだけが外れない(39歳・男の子のママ)
もうすぐ5歳の息子は、未だに就寝時はオムツをしています。日中のオムツはむしろ早く外せたので、どうしたものかと悩みました。
幼稚園の先生に相談したところ、膀胱の発達なども関係しているので、小学校入学までは様子を見ましょう!とアドバイスをもらいました。
- 寝る前にトイレに行く
- 朝起きたらすぐトイレに行ってパンツに履き替える
という習慣をつけましたが、しばらくは改善せず…。病院を受診しようか迷っていた入学目前に、おねしょが無くなりました!コツコツ習慣づけをしたのが良かったのかな?と思っています。
心構えのポイント!:おねしょには、焦らず根気強く対処しよう!
(2)子どもに辛く当たり反省(32歳・女の子のママ)
年中の終わりになっても、オムツをつけていた娘。周りの子がどんどんオムツを卒業する中で、私は焦りとイライラが募っている自覚がありました。
ある日、思い切って普通のパンツを履かせたところ、勢いよくリビングの絨毯にお漏らし…。その瞬間、娘のお尻を思いきり叩いてしまい、大泣きさせてしまいました。
それ以降、娘はオムツを着けていることを気にするようになり、「人に言わないで」と言うように。
「あぁ、この子なりにすごく気にしているのに、私は酷いことをしてしまった…。」と反省しました。人と比べず、1日に1回でもトイレにいけたら褒めるようにしています!
心構えのポイント!:ママパパの焦りは百害あって一利なし!他の子と比較せず、子ども自身の成長を見よう。
(3)親子二人三脚でなおした夜尿症(35歳・女の子のママ)
母親である私自身が、子どもの頃夜尿症でした。
下の子は3歳でオムツが外れたのに、上の子は小学校に入学しても夜はオムツ…。子どもには40%の確立で遺伝すると聞いていたので、「もしかしたら…。」と覚悟はしていました。
自分自身、おねしょで親に叱られた記憶が色濃く残っていたので、
- 一緒になおそうね!など、プラスの声掛けを意識する
- おねしょは気にしなくて大丈夫。絶対なおるよ!と言い聞かせる
など、子どもには「優しく!」をモットーに接しています。
私が皆さんに伝えたいのは、夜尿症は治療できるということ!大人になった今では、お漏らしの辛さより、親から叱られた記憶の方が色濃く残っています。そうならないためにも、焦らず叱らず接してあげて下さい。
心構えのポイント!:夜尿症についてママパパが理解し、子どもと二人三脚でなおそう!
(4)友達との「お泊り」をきっかけに病院を受診!(40歳・男の子のママ)
私の息子は、小学校2年生になっても夜のおねしょがありました。昼間はちゃんとトイレに行けていたので、「おねしょは自然になおるでしょ。」と、呑気に構えていたんです。
そんな時、仲良しの友達と泊りがけで遊びに行くことに!「お漏らししたらどうしよう…。」と不安がる息子を心配に思い、ネット検索で初めて「夜尿症」のことを知りました。
夜尿症は病気、治療が必要という文言に、今まで呑気に構えていた自分を反省…。適切な治療を行った結果、数か月程でほとんどおねしょがなくなりました!
心構えのポイント!:夜尿症とおねしょは違う!呑気に構えず病院を受診することも大切です。
まとめ
「夜尿症」と「おねしょ」の違いは、お分かり頂けましたか?
夜尿症の1番の対処法は、病院を受診して医師の適切な判断を仰ぐことです。「うちの子、夜尿症かも?」と思ったら、思い切って診察を受けましょう。
また、おねしょでも夜尿症でも、子どもを強く叱るのはNGです!お子様の辛さを理解し、優しく寄り添うことを心掛けましょう。
3歳と6歳の子を持つママライター。子ども達を「食うに困らない人間」に育てるべく、0歳から様々な幼児教育を実践!その効果が出ているかはさて置き…育児と仕事に全力投球中の30代です。夫と家事全般の優先順位が下がる一方なのが悩みの種。