あなたのお子様は、キー!ギャー!という「奇声」を発することがありますか?
子どもの奇声は、慣れている私達親でも決して聞き心地の良いものではありませんよね。不特定多数の人が集まる場では、「親のしつけが悪いからだ!」「わがままな子だ!」と感じる人が少なくないのも現状です。
公共の場では奇声を出さないで欲しい・・・!そんな想いが小さな我が子に届くはずもなく、悩みを抱え外出もままならないママパパもいるでしょう。
そこで今回は「子どもの奇声の要因」と「適切な対処法」を徹底調査!年齢別に詳しくお伝えしていきます。
奇声を聞くのが嫌だというママパパの気持ちも分かりますが、子ども自身も辛い思いをしています。この記事を参考に、是非奇声への正しい対処法を覚えましょう!
目次
1、奇声をあげる子どもは最近増えている?
子どもの「奇声」は、キー!ギャー!ウー!など、大人にとっては意味を持たない「音」を大声で発することを指し、何か嫌なことがあって泣いたり暴れたりする行動とは異なります。
スーパーでお菓子欲しさに泣きながら叫ぶような行動は、「奇声ではない」と言うとイメージしやすいかもしれませんね。
実は今、ネットを中心に「子どもの奇声がひと昔前に比べて増えている!」という声が挙がっているのをご存知でしょうか?これには、少子化で幼い子どもに慣れていない人が増えていることや、周囲に対する親の配慮が足りないことなど様々な要因が考えられます。
ただ一つ、現代の日本社会では、奇声へ向けられる目が温かいものだとは言いにくいのが現状のようです。
特に、頻繁に奇声を発する子を持つママパパは苦労も多く、自分のしつけが悪いのでは?もしかして発達障害?と思い悩む人も少なくありません。
周囲の理解もなかなか得られず、ママパパも不安にさせる子どもの奇声とは、一体何が原因なのでしょうか?
2、親のしつけの問題?奇声の原因とは?
子どもが奇声を発するのは親のせいだ!そんな周囲の声に、心が穏やかでいられるママパパはいませんよね。奇声の原因は一体何なのか?本当にしつけの問題なのか?詳しく見ていきましょう。
(1)奇声は親のしつけの問題ではない
まず、「子どもの奇声は親のしつけの問題」と言い切ることは到底できません。
もちろん、物事の善悪が分かる年齢にも関わらず「ふざけて」や「わざと」親を困らせようとして奇声を発する場合は、親のしつけや子どもとの関わり方に原因があると言われても仕方がないかもしれません。
しかし、この記事をお読みのママパパの多くは、おそらく善悪の区別が未熟な「幼児」の奇声に困っているのではないでしょうか?
この幼児の奇声は、子どもの「心」と「体」が成長するうえで大切な意味を持っており、成長段階で見られる現象の1つとも言われています!
そのため、決して親のしつけが問題なのではなく、成長の印と捉えることもできるのです。
(2)「奇声」の原因は「発達段階」で変化する
幼児の心と体の成長に深い意味を持つ「奇声」とは、一体どういうことなのでしょうか?
実は子どもの奇声は「発達段階」ごとに異なる意味を持っていることが分かっており、それを理解してあげることで対処がスムーズに進む可能性があるのです!
- 不快感
- 何らかの要求
- 不安または楽しい気持ち
- 言葉で表現できないもどかしさ
などを、「奇声」という形で子どもなりに表現しているとも言われています。
そのため「なぜ奇声を発しているのか?」ということを、私達親が冷静に見極めてあげることこそが解決への近道!慌てず騒がず、子どもの心に耳を傾けてあげましょう。
その際のヒントになる「発達段階ごとの奇声が持つ意味」については、後ほど詳しく解説していきます!
(3)「奇声=発達障害」は誤り!
あまりにも奇声が頻繁に起こると、この子は病気なの?もしかして発達障害?と、不安になってしまいますよね。
確かに、発達障害の子が奇声を発するケースがあるのは事実です。
しかし、奇声を頻繁に発するからと言って、ただちに発達障害と判断するのはあまりにも早計すぎます!発達障害の診断は到底素人ができるものではなく、まして3歳頃までは専門家でも判断がつきにくいと言われているのです。
そうは言っても、奇声をあげる子を目の前にすると不安を感じてしまいますよね。実は、筆者もその不安を感じた一人。下の子がまだ言葉が喋れない1歳前の頃、頻繁にキー!ギャー!という奇声を発していた時期がありました。
奇声には意味があるということを理解していたつもりでしたが、私を悩ませたのは「上の子との比較」だったのです。
上の子が1歳前後の時はこんな奇声をあげたことはない!何かがおかしい!悩みのループにはまってしまい、「奇声・発達障害」というワードを何度検索したか分かりません。
しかし、今3歳と6歳に成長した子ども達を見ていると、二人の性質は全く違うのがよく分かります!きょうだいでも違う人格。奇声を発する子とそうでない子がいても何ら不思議でないことを、当時の私に教えてあげたいくらいです!
※ただし、年長頃になっても奇声が減らないなどの不安がある場合は、小児科医に早めに相談してみましょう。
3、年齢別に見る奇声の原因と対処方法
年齢別!奇声の原因を知っておけば対処も楽々。奇声の原因に合わせた適切な声掛けで、親子でハッピーな時間を過ごしましょう!
(1)0歳〜1歳
0歳~1歳の赤ちゃんは、喃語や奇声に近い叫びで周囲とコミュニケーションをとろうとします。
①何かを訴えている時
赤ちゃんは何か要求を訴える時には、奇声をあげることがあります。お腹が空いてミルクを飲みたい時、おむつが汚れて気持ち悪い時など、奇声や泣くことで親に何とかしてもらおうとするのです。
この時は、優しく声を掛けながら赤ちゃんの要求を満たしてあげるのが一番!赤ちゃんは安心し、奇声も止まることがほとんどです。
②眠たい時
赤ちゃんは、眠たい時にアー!ヴー!など、何とも言えない声を上げることがあります。(夕方の場合「たそがれ泣き」の可能性もあり。)
そんな時は、赤ちゃんが眠りやすい環境を整えてあげましょう。部屋を暗くしたり、安心させるために抱っこでユラユラしたりすると、スムーズに眠りに入ることができますよ。
筆者の子も、2歳過ぎまで入眠の際は毎回ヴー!という奇声をあげており、止まったのはごく最近!それまでは必ずと言っていいほど、低いトーンの奇声を上げながら眠ろうとしていましたよ。
③不安な時
人間には、生まれつき「防衛本能」が備わっています。そのため、赤ちゃんでも不安や恐怖を感じた時には奇声を上げてアピールしたり、大声をあげることで精神を落ち着かせようとしていると言われているのです。
この時の赤ちゃんは何かに怯えているため、優しく落ち着いたトーンで語り掛け、抱きしめてあげましょう。それでも興奮状態が続くようなら、環境を変えてみるのがおすすめ!外に連れ出したり、好みのおもちゃに注意をそらしたりしてみましょう。
筆者の子がまだ0歳の頃、夜中に突然目覚めて興奮状態になったことが何度かありました。その際は、夫が外に連れ出すと落ち着いてくれることが多かったです!
④楽しい時
赤ちゃんは楽しい!おもしろい!と感じた時、キー!キャー!という奇声で喜びを表現することがよくあります。
この時の赤ちゃんは楽しい気持ちが先行し、つい奇声も大きくなりがちです。家ではそのままでも問題ありませんが、公共の場では困ってしまうこともありますよね。
そんな時には、落ち着いたトーンでゆっくりと赤ちゃんの相手をしてあげましょう。まだ分からないかもしれませんが、「シーッ。」と言ったら静かにすることを徐々に教え始めるのもおすすめです。
筆者の子も色んな声を上げて遊んでいる時期がありました。一時期叫びに似た奇声をあげることもあったのですが、落ち着いたトーンで語り掛けることを1週間ほど続けると、満足したのかその後は奇声も減ったように思います。自分がどんな音が出せるのか、試して遊んでいたようです。
このように、赤ちゃんの時期は奇声や大声を上げるのが普通です!これはしつけでどうにかなる問題ではないため、叱らず、気にし過ぎないことを心がけましょう。
赤ちゃんの場合は、不快過ぎるほど大声になることも少ないです。神経質になりすぎないよう、穏やかな気持ちで過ごしましょうね。
(2)2〜3歳
うまく言葉にできないもどかしさが奇声で現れる、2~3歳。ママパパは困惑することもしばしばですよね!子どもが何を訴えたいのか、下記を参考に見極めてあげましょう。
①自己主張をしている時
2~3歳は立派な自我が芽生えているのに、自分の主張をまだ上手に表現できないもどかしさを抱えています!それが、奇声や大声となって表れることがあるため、「ママパパは、あなたの主張をちゃんと分かっているよ!」ということを示してあげることが大切です。
具体的には、子どもの主張を代弁したり、主張を頭ごなしに否定せず一旦受け止めてあげてから親の意見を言ったりするのがおすすめですよ!
②思い通りにいかない時
何かやりたいことがあるのに上手くいかない時、子どもは奇声を上げて暴れることがありますよね!
そんな時は、やりたいことができるようにママパパがサポートしてあげることが大切です。ただし、主役はあくまで子ども!手を出しすぎてしまうと、一層子どもの怒りに火を付けてしまうことがあるため注意して下さいね。
筆者の子も、私が一緒にやってあげると落ち着くことがよくあります。しかし、やはり手伝い過ぎると納得がいかないようなので、そのバランスにはいつも苦労しています。
自分でやりたい!自分でできた!このような体験は子どもを成長させるきっかけにもなるため、子ども自身の気持ちを否定しないよう、気をつけて接してあげましょう。
③親の関心をひきたい時
子どもは、親の関心をひきたい時にわざと甲高い奇声をあげることもあるようです。
赤ちゃんの場合は、泣いたら極力赤ちゃんの元へ行くのが鉄則です。特に生後0ヶ月~6ヶ月頃までは、親子間の愛着形成にとって大変重要な時期!「泣いたらママパパが来てくれる」という安心感から、正常な愛着が育まれていくのです。
一方その時期を過ぎた2歳~3歳の時期は、親子間のゆるぎない愛着の元、奇声をあげて親の注目を集めようとしています!「奇声を上げれば絶対に親が来てくれる。」という構図は決して良いとは言えないため、毎回駆けつける必要はありません。
しかし、子どもの心に溜まっているものを吐き出させてあげるために、子どもと向き合う時間を作ることは疎かには出来ません!少し落ち着いた頃を見計らって、子どもの気持ちを代弁しながら話を聞いてあげましょう。
④楽しく興奮している時
2~3歳頃になると、楽しくて興奮している時に奇声を発することがよくありますが、これが少々厄介!特に外出時などは、興奮して走りながら奇声をあげることも少なくありませんよね。
こうなると周りに迷惑を掛けるばかりか、転倒などの衝撃で怪我をする可能性もゼロではないため、毅然とした態度で注意することを心がけましょう。
- なぜ今奇声を出すのがいけないことなのか話す
- しっかり子どもの気持ちに寄り添い、落ち着いたトーンでゆっくり話す
- 感情的に叱らない
など、激しく叱らず、落ちついて子どもの気持ちを汲み取りながら話すのがポイントです。
しかし、それが出来れば苦労しない!というのが私達親の本音ですよね。筆者は、羞恥心から公衆の面前で声を荒げることができず、家に帰ってから激しく叱責したという苦い経験があります。
子どもはその場で言われなければ、一体なぜ叱られているのか理解できません。そのため、私の行動は全く効果がないうえ、親子共に嫌な気持ちだけが残る結果となってしまいました。
子どもの奇声でイライラした時には、深呼吸や体を動かすなどして、一旦心を落ち着かせてから接するように心がけましょう!
(3)4〜5歳
奇声の多くは、3歳頃までにおさまると言われています。
- 3歳を過ぎても奇声がおさまる気配がない
- 何度言い聞かせても、親の言葉が耳に入っていない様子が見受けられる
- ほとんど目を合わさず奇声をあげ続けている
このような状況がある場合は、発達障害などと自分で決めつける前に、まず小児科を受診しましょう!
医師の適切な判断のもと今後の方針を相談できるうえ、必要であれば専門の医療機関を紹介してもらうことも可能です。
まとめ
奇声は親のしつけの問題ではなく、ほとんどの場合が「発達段階の過程」のため気にし過ぎる必要はありません!
しかし、周囲の目は、子どもより奇声を放置している親に向けられることが多いのも現実です。
大切なのは、奇声の原因を理解しどう対処するか!子どもの気持ちに寄り添い、耳を傾けてあげることを心がけましょう。
【本記事のライタープロフィール】
ユリエ
3歳と6歳の子を持つママライター。子ども達を「食うに困らない人間」に育てるべく、0歳から様々な幼児教育を実践!その効果が出ているかはさて置き…育児と仕事に全力投球中の30代です。夫と家事全般の優先順位が下がる一方なのが悩みの種。
3歳と6歳の子を持つママライター。子ども達を「食うに困らない人間」に育てるべく、0歳から様々な幼児教育を実践!その効果が出ているかはさて置き…育児と仕事に全力投球中の30代です。夫と家事全般の優先順位が下がる一方なのが悩みの種。