子どもの食べるスピードが遅すぎて、食事の度にイライラ…。色々工夫をしてみたけれど、効果がなく焦っている人もいるでしょう。
実は、食べるスピードの問題は焦れば焦るほど悪循環!頑張らずにゆったり構える方が、徐々に良い方向に向かうことをご存知でしょうか?
今回は、「頑張らない」でお子様の食べるスピードを上げる方法をご紹介!
- 子どもの食べる早さが遅いため、入学後の給食が心配。
- 「早く食べなさい!」と食事の度に叱ってしまう。何かいい方法がないか知りたい!
- なぜこんなに食べるのが遅いのか?原因を知りたい。
- 食べるスピードが遅いと、子どもにどんな影響があるのか知りたい。
- 結局ほとんど食べない日も。栄養状態は大丈夫?
このような悩みがある人は、是非続きをご覧ください。
目次
1、子どもの食事が遅い理由
食べるのが遅いのはなぜ!?その原因を探っていきましょう。
(1)食事に興味が湧かない
食事に対する興味や、食べよう!という意思が湧かないために、食べるスピードが遅い子がいるようです。
- 食事中、側にあるもので遊んでいる
- スプーンを持ちながらも、手遊びや自分の髪をいじっている
このような子は、食事中に違うことを考えて「心ここにあらず」な状態です!食事の他に気を取られることが多いため、ご飯を食べることを忘れてしまっているのです。
せっかく作った食事には目もくれず、手遊びやおもちゃで遊ぶ姿に、毎回イライラしてしまう人もいるでしょう。ダラダラとしているうちに、気付けばもうお昼!なんてことも珍しくないようです。
(2)お腹が空いていない
食べ物を消化吸収する力は、子どもによってそれぞれ。少しの量で足りる子もいれば、沢山の量を食べなければ満足できない子もいます。
例えば、3~5歳の子どもは1日に1,200~1,400kcalが必要と言われていますが、これはあくまで目安です。
1日に1,200~1,400kcalを摂取するには、
・朝食:ごはん1杯、野菜の味噌汁、卵焼き
・間食①:果物
・昼食:お肉と野菜の焼きそば
・間食②:ヨーグルト
・夕食:ごはん、ハンバーグ、スープ、サラダ
この量を完食する必要があるため、「こんなに食べられない!」という子がいても不思議ではありません。お腹が空かなければ当然食欲も湧かないため、結果として食べるスピードも遅くなってしまうのです。
(3)嫌いな食べ物が多い
好き嫌いが多い子は、食事も遅くなりがちです。出された食事に嫌いな食べ物があると、「食べたくない…。」という気持ちが先行してしまい、食事が進まなくなってしまうのです。
この場合、「好き嫌いの問題」と「食べるスピードの問題」がダブルで訪れるため、ママパパにとって大きな悩みの種になってしまいます。
(4)体調が悪い
普段はよく食べるのに急に食べるスピードが落ちたなら、体調不良の可能性があります。便秘や急な発熱、腹痛などの前触れかもしれないため、注意しておきましょう。
(5)マイペースな性格が関係していることも
食べる早さには、その子の性格が関係していることも!のんびり屋の子は、食べるのに時間が掛かることがあるようです。
成長と共に他者を意識するようになれば、「自分も急いで食べよう!」という意識が芽生え、食べるスピードも徐々に改善されると言われています。
その子の個性だと思い、気長に待ちましょう。
2、子どもの食事が遅いと、どんなデメリットが生じるの?
食べるのが遅いと、日常生活で困ることがありますよね。
- みんなと同じ早さで食べられないため、給食の時に困る
- 食事が憂鬱な時間になる
- 食事を食べずにオヤツを食べる量が増える
など、ママパパが心配になることも少なくありません。
特に、給食の時間が不安!というママパパは多いでしょう。学校にもよりますが、給食を居残りで食べさせる場合もあるようです。
また、家庭で「早く食べなさい!」と日常的に叱られていては、食事の時間そのものが憂鬱で楽しくないものになり、益々食べない…。その結果、ついオヤツに手が伸びるという悪循環に陥ることも。
何とかしたいと必死になるママパパもいると思いますが、「過度な心配」はやめて下さい!なぜなら、ママパパの焦りや不安、心の不安定さが、子どもの食べる早さをさらに遅くさせてしまう懸念があるのです。
3、子どもの食事が遅くても大丈夫!心配する必要がない3つの根拠
不安になる必要なし!子どもの食事の遅さを、過度に心配する必要がない根拠をお伝えします。
(1)過度な心配がマイナスの影響を与える
1つ目の根拠は、「ママパパの過度な心配が、子どもにマイナスの影響を与える」ということです。
給食は大丈夫か?栄養バランスが偏るのでは?という不安や心配が、いつの間にか「怒り」や「苛立ち」に変わってしまうことがあるのです。
すると、早く食べなさい!もうオヤツ抜き!小学生になれないよ!など、脅しに近い方法で無理やり食べさせようとしてしまい、子どもが委縮してしまいます。このような状態では、食事のスピードが上がるなんてもってのほか。反対に益々遅くなり、偏食が進んでしまう子もいるのです。
ママパパの不安を子どもにぶつけるのは、百害あって一利なし!過度に心配し過ぎず、ゆったり構えることが解決への近道です。
(2)栄養失調になることはまずない
2つ目の根拠は、食べないからと言って「現代日本の食生活で、栄養失調になることはまずない」ということです。
三度の食事を決まった時間に食べなくても、一食に時間が掛かりすぎても、決まったものしか食べなくても、栄養失調で痩せこけることはほとんどありません。
体調を崩さないことさえ気を付ければ、過度に栄養状態を心配する必要はありませんよ。
(3)成長曲線の範囲内なら大丈夫
3つ目の根拠は、「成長曲線の範囲内で成長していれば大丈夫」ということ!
子どもの成長の目安は、母子手帳に掲載されている「成長曲線」で知ることができます。この成長曲線の範囲内であれば、年相応に育っていると同時に、食べるのが遅いながらも「成長に必要な分は食べている」という証拠になります。
反対に、成長曲線のカーブが全く大きくならない場合や下がっている時には、速やかに医師に相談することが必要です。
4、「頑張らない」がポイント!食事が遅い子どもとうまく付き合う秘訣とは
食事が遅い子とうまく付き合うには、頑張らないのがコツです!【焦らない・叱らない・楽しむ】の3つを食事にうまく取り入れ、パクパク食べる子へ一歩前進しましょう。
(1)食べたい時に食べさせよう
食が進まず残してばかり。ダラダラして一向に食事が進まない。そんな時には、思い切って食べたい時に食べさせる方針に切り替えましょう!
いくら食に興味がない子どもでも、流石に丸一日食べずにはいられません。「お腹空いたー!」と言い出したら、オヤツではなく残しておいた食事を与えましょう。
①食事を出してみて、食べないようなら下げる。
②お腹がすいた!と言い出したら、残しておいた食事を与える。
③オヤツがいい!とぐずったら、「ご飯を食べ終わってからね!」と優しく諭す。
④完食したら大袈裟なくらい褒めてあげる。
①~④の手順なら、子どもは空腹を感じて食事に集中!親も、食べさせようと躍起になる必要がないため楽です。親子にとって、Win-Winの方法と言えそうですね!
オヤツを欲しがる対策としては、「置き菓子」をしない手もあります。オヤツは、頑張って食べた時のご褒美にするのもおすすめですよ。
(2)「食事=訓練」にしない!楽しい雰囲気を重視しよう
ママパパが食事の時間や量ばかりに集中してしまうと、食事の時間が訓練のようになりがちです。厳しい表情の母親を目の前にして食べるご飯は、子どもにとって楽しいものとは言えませんよね。
お子様が食事に対してプラスのイメージを持つには、ママパパパと一緒に楽しむのが一番です!
そのためには、
- 「ちゃんと食べなさい。」「早くしなさい。」など、命令口調はしない
- 食事中の団らんを楽しむための、時間的余裕を確保する
- 子どもと一緒に料理を作ってみる
- 子どもと一緒に野菜を育ててみる
など、楽しい工夫をしてみましょう。料理や家庭菜園は大変そうに思われがちですが、意外に親も楽しめます!是非、チャレンジしてみましょう。
※簡単にできる家庭菜園の方法は、「理科にも食育にも効果抜群!子どもと楽しむプランター家庭菜園のすすめ」をご覧ください。
(3)バイキング形式を食卓に取り入れよう
好き嫌いが多いために、食べるスピードが上がらない…。そんなお子様には、バイキング形式の食事がおすすめです!
バイキングのように食事を大皿に盛りつければ、子どもが好きな物を好きな分だけ食べることができます。「あなたの分よ。」と、目の前に置かれた食事はノルマのようでプレッシャーを感じますが、大皿ならそれがありません。
プレッシャーがないと楽しい時間が過ごせますし、「みんなが食べているから、自分も食べてみようかな…?」という気持ちにもなりやすいのです。
「バイキングレストランごっこしよー!」と一声かければ、子どもは大喜び!テンションを上げて食事を楽しんでくれますよ。ママパパにとっても、お皿を洗う数が減るという嬉しいメリットがありますね。
(4)野菜嫌いはフルーツで代用
お皿の野菜が見えただけで、拒絶反応を示して食べてくれない…。ひき肉などに混ぜ込んでも、絶対に探してお箸でよける。
このような筋金入りの野菜嫌いは、なかなか厄介!解決しようとあの手この手を尽くしても、なかなか食べてくれない場合も多く、食事の時間も長くなりがちです。
そんな時は潔く、フルーツで栄養補給するのもおすすめです!オレンジやリンゴなど、子どもが好む果物を食卓に出せば、喜んで食べてくれますよ。
生野菜や青臭い野菜だけに、大切な栄養が含まれているわけではありません。無理に食べさせようとせず、子どもが能動的に、そして意欲的に楽しめる食卓を目指しましょう。
※果物を食べる時は適度な量を心掛け、食べ過ぎには注意しましょう。
(5)沢山体を動かそう
体を動かすとエネルギーを沢山使うため、空腹を感じやすいと言われています。外で沢山遊んだ日には「何となくよく食べるなぁ。」と感じるママパパも多いでしょう。
幼児が体を動かすことは、食事のスピードを上げる以外にもメリットが沢山!体力や運動能力の向上のためにも、適度な運動は欠かせません。
幼児期には元気よく体を動かし、ご飯を美味しく食べましょう!
5、先輩ママパパの体験談
食べるのが遅い子をもつママパパは、どんな工夫をしてきたのでしょうか?体験談をご紹介します。
(1)お弁当箱を極小に!
娘の通う幼稚園は、毎日お弁当が必要でした。娘の好物を入れ、色味も鮮やかになるよう工夫していたのですが、お弁当を残して帰る日が続きました。聞けば、お弁当の時間にほとんど食べようとしないそうなのです。
そんな時、「○○ちゃんはお弁当より他のことに興味があるようです。できればお弁当箱をかなり小さいものに変えて、食べた!という達成感を感じさせてあげたいのですが…。お母さん、協力頂けますか?」と先生に言われました。
そこで、娘用に5cm×5cmほどの極小お弁当箱を用意!ほんの小さなおにぎりとソーセージ、卵焼きだけのミニ弁当ですが、その日のお弁当は完食。「ママ―全部食べたよ!」と自信満々な笑顔は忘れられません。年長の今では、食べる量も随分増えました。あの時、焦らずに対応して本当に良かったと思っています。
ポイント✔:極小お弁当箱は、食べるのに興味がない子や小食の子におすすめ!達成感を感じるため、食事が楽しくなりますよ。
(2)急いで欲しい時は好きな物だけ出す
我が家の下の子は食べるのが遅いです。上の子は20分で終わるのに、下の子は朝食に1時間以上も掛かります。
朝は一番忙しい時間なので本当に困り果て、どうしても急いで欲しい時は好きなものばかり出そう!と割り切りました。
ソーセージ、クロワッサン、野菜ジュース、など、好きな物ばかりだと早く食べ終わります!子どもが嫌いな食材は、余裕がある週末の食事で出して帳尻を合わせています。
ポイント✔:忙しい朝の時間は割り切りも大事!魚や野菜など、「子どもが嫌いだけど食べさせたい食材」は、余裕のある日に出しましょう。
(3)頑張らない食事を実践
3歳の息子は偏食が酷く、納豆、白ご飯、お味噌汁以外全く食べてくれません。当然、嫌いなものが出た時は食事のスピードも遅く、時間をかけても食べない日が多々ありました。
心配に思う気持ちはもちろん、世間体も気になり、沢山の工夫をしましたが全くダメ…。きつく叱ることも増えてきて、親子共に食事の時間が苦痛になっていました。そんな時、「納豆、味噌汁、ごはんって、すごく健康的よ!そこまで気にしなくてもいいわよ。」と実母に言われ、心が軽くなりました。
以来、息子は納豆と味噌汁が中心の食事ですが、私が叱らなくなったからか、食事中に明るい表情が増えました!しばらく偏食は改善しそうにないですが、ゆったり構えてみようと思っています。
ポイント✔:ママパパの過度な心配は、時にお子様の負担になることも。ゆったりと構え、食事を楽しむことを重視しましょう!
まとめ
食べるのが遅いと、ついイライラ…。思わず強く叱ってしまうこともありますが、それは何の解決にもなりません。
【焦らない・叱らない・楽しむ】の3つを心掛けるのが、食べるのが遅い子とうまく付き合う近道です!
ご紹介した「頑張らない方法」で、食べるのが遅い子とゆっくり向き合ってみてはいかがでしょうか?
趣味は薬膳料理とヨガ。
よく食べよく寝る元気いっぱいの息子(3歳)のママ。
かわいいけれどいつも足にまとわりついてくる甘えん坊の息子の将来が心配。
あと仕事と育児で毎日がいっぱいいっぱい。
きちんと料理や掃除をしたいのに家事の時間が確保できないのが悩み。