赤ちゃんの鼻から血が出ている姿を見ると、大抵のママは慌てると思います。
「何か病気のサイン?!」「どうやって鼻血を止めたらいいの?!」と、思わず慌ててしまいますよね。
赤ちゃんの鼻血は大人とは違った理由があり、またその鼻血の原因によってもその対処法は変わってきます。
そこで今回は、いざ鼻血が出ても大丈夫!鼻血の出る「原因」、「正しい対処法」、「病院に行くべき症状」に着目し、それぞれ詳しくご紹介します!
ただし、安易に自己判断はせず、気になることがあれば、かかりつけの小児科や耳鼻科に相談しましょう。
1、なぜ鼻血が出たの?その原因とは
赤ちゃんの鼻血の原因は何なんでしょうか?
赤ちゃんの鼻血のほとんどは、「鼻の中にできた傷」からの出血ですが、その傷ができる背景には、赤ちゃんならではの特徴があります。
ここでは、赤ちゃんの行動や体調、生活環境などに触れながら、赤ちゃんの鼻血の原因について、詳しくみていきます。
(1)赤ちゃんの鼻血の原因を探る
赤ちゃんの鼻血の大半は、鼻の入り口近くの「キーゼルバッハ部位」と呼ばれる、血管が密集している箇所からの出血が原因です。
鼻の粘膜が未熟な赤ちゃんは、大人なら何てことのない些細なことが原因で、キーゼルバッハ部位の血管が破れ、出血してしまうのです。
特に、赤ちゃんの以下のような行動は、鼻血の原因に多くあります。
①大泣きした
赤ちゃんは大泣きしている時、全身にかなり激しい力を入れます。そのため、血圧が上昇し、鼻の粘膜の血管が破れて鼻血が出てしまいます。
このような鼻血は、少量であれば一時的なものが多いため、過度に心配する必要はないでしょう。
②鼻をいじった
赤ちゃんが指で鼻をいじると、キーゼルバッハ部位に傷がつき、鼻血が出ます。この場合も、少量の出血であれば過度に心配する必要はありません。
しかし、傷が治る過程で瘡蓋(かさぶた)ができて痒くなり、また鼻をいじって出血する、という悪循環になる可能性があります。
もし赤ちゃんに鼻をいじる癖があっても、叱ったりして無理にやめさせないようにしましょう。ストレスで余計に鼻を触り、別の癖が出てしまうことも。
このような場合は、気をそらして鼻を触らないようにすることと、赤ちゃんの爪を常に短く切っておく、マスクや手袋をつけるなど、傷をつきにくくする対策をとりましょう。
③鼻をぶつけた
転んだりして鼻をぶつけた場合にも、鼻血が出ることがあります。
少量の出血なら、キーゼルバッハ部位からの出血だと思われるやめ、過度な心配はいりません。
しかし顔から転んで鼻を強打し、大量に出血している場合は注意が必要。鼻骨の骨折などの可能性があるため、素人判断は危険です!速やかに医療機関を受診しましょう。
④頭を強く打った
頭を強く打った後の鼻血は、頭蓋骨の骨折などが原因の、危険なケースであることも。この場合もすぐに医療機関を受診しましょう。
詳しくは、このあとご紹介する「(2)頭を強打した後の鼻血は危険!」をご覧ください。
⑤のぼせた
赤ちゃんの新陳代謝は非常に活発。そのため、大人なら何ともない行為でも、のぼせてしまうことがあります。
のぼせの原因で多いのは、お風呂です。お風呂に入ると、体温が上昇し血流も良くなるため、それが原因で鼻血が出ることも少なくありません。
長風呂は避け、赤ちゃんの様子に気を付けながら入浴しましょう!
また、意外に盲点なのは就寝中です。寒さを心配し、沢山布団をかけてしまいがちですが、赤ちゃんは暑がり!暑すぎると、就寝中でものぼせてしまいます!
大人が少し肌寒いかな?と思う程度が、赤ちゃんにとって調度いい場合が多いため、布団の着せ過ぎや室温に注意しましょう。
⑥風邪や副鼻腔炎・蓄膿症・アレルギー性鼻炎を患っている
赤ちゃんや子どもがよくかかる、風邪や副鼻腔炎、蓄膿症、アレルギー性鼻炎などが原因で、鼻血が出ることも珍しくありません。
病気が原因で鼻の粘膜に炎症が起きると、普段より出血しやすくなるため、鼻血が出やすくなります。
また、鼻をかみすぎることで鼻の粘膜が乾燥し、出血することも。鼻水を強くかむことは避け、市販の吸引機などで、こまめに吸ってあげることをおすすめします。
なお、これらの病気は適切な治療で治ります。かかりつけの耳鼻科や小児科を受診し、鼻血の原因を根本から断ちましょう!
⑦原因が思いつかない
ママは特に原因を思いつかないのに、赤ちゃんが鼻血を出している場合もあるでしょう。
赤ちゃんは、ママが目を離した隙に鼻をいじったのかもしれませんし、ぶつけたのかもしれません。
原因が分からずに出血していると不安になりますね。しかし出血が少量で、すぐに止まるようなら、しばらく様子をみて、気になる場合は医療機関を受診しましょう。
(2)頭を強打した後の鼻血は危険!
頭を強打した後の鼻血は、頭蓋骨の骨折などが原因の、危険性が高いケースも考えられます。
頭蓋骨を骨折すると、血液と鼻水が混ざったような液体が、鼻から大量に出てくることがあります。一見すると鼻血のようですが、これは血液ではなく、頭蓋骨の中の髄液が、骨折箇所から漏れ出ているとても危険な状態です。
このような鼻血が出た場合は、すみやかに医療機関を受診する必要があります!
赤ちゃんが頭蓋骨を骨折するような事故には、高所からの転落などがあります。ベランダなど、転落の危険がある箇所に赤ちゃんが立ち入れないよう、事前に万全の対策をしましょう!
(3)ママのカフェイン摂取量
まだ授乳中の赤ちゃんなら、ママのカフェインが原因で鼻血が出る可能性もあります。
人は興奮すると血圧が上がり、その結果鼻血が出ることがありますが、カフェインには、この興奮作用があるのです。
そのため、ママがコーヒーなど、カフェインを多く含む飲み物を好む場合、母乳を通してカフェインが赤ちゃんに移行し、その結果鼻血が出るということも完全に否定はできません。
では授乳中のママは、コーヒーを一切飲まない方がいいのでしょうか?
内閣府の食品安全委員会では、カナダ保健省の「カフェインの安全な摂取基準値」の提供を受けています。
それによると、妊婦または授乳婦及び妊娠を計画している女性は、カフェインを1日に300mg未満(コーヒーでは、8オンス(237mL)カップ2杯強までに留めるべきだとされています。
(出典:内閣府 食品安全委員会|http://www.fsc.go.jp)
授乳中のママでも、コーヒーならばカップ2杯強までは飲むことができるのですね。赤ちゃんの健康のためにも、鼻血が出る出ないに関わらず、カフェインを含む飲み物は適切な量を守りましょう!
2、今すぐできる!正しく鼻血を止める方法とやってはいけない止血法
赤ちゃんが鼻血を出してしまった時は、正しく止血することが大切です。誤った方法をとると、喉に入ったり、かえって血が止まりにくくなることも。
ここでは、正しい止血法と誤った止血法を、具体的にご紹介します!
(1)正しい鼻血の止血法とは?
赤ちゃんの鼻血の正しい止血法には、3つのステップがあります!
①赤ちゃんを落ち着かせる
赤ちゃんは鼻血が出ている時、びっくりして泣いていることが多いと思います。泣いて興奮している状態ではうまく止血できないうえ、血圧が上昇し血流が増え、ますます出血することもあります。
そこで、まずは赤ちゃんを安心させてあげることを優先しましょう!
簡易的にタオルやティッシュを鼻に当てて抱っこし、赤ちゃんに優しく声を掛けながら、落ち着かせましょう。
ある程度落ち着いたら、次のステップ2に進みます、
②座らせる
赤ちゃんが泣き止んだら、次は楽な姿勢にしてあげましょう。この時仰向けに寝かせると、鼻血が喉の奥に流れ込み、赤ちゃんは苦しがって嫌がります。
できれば前かがみに座らせ、血液が喉に流れ込むのを防ぎましょう!
さらに、頭を心臓よりも高い位置に持ってくることで、血が流れにくくなり、止血が促されます。
③止血する
赤ちゃんが正しい姿勢になったら、次は止血を施します。
鼻の入り口から1cmほどの、小鼻の部分を指で摘まんで圧迫しましょう。5~10分程度圧迫すれば、ほとんどの場合、出血は止まります。
ここまでの3ステップを押さえておけば、いざという時に大人が慌てずに済むため、是非覚えておくことをおすすめします!
(2)首の後ろをトントン、そして鼻にティッシュを詰める、はやめよう
「鼻血が出たら、首の後ろをトントン叩くといい!」とよく聞きますがが、実はこの方法に明確な根拠がないことをご存知ですか?
一説では、首の後ろに鼻血を止めるツボがあるためとも言われていますが、信憑性はあまりないようです。
首の後ろを叩くことで首を痛めるなど、弊害の方が大きいことも。
また、鼻にティッシュを詰めて止血するのも、赤ちゃんにはやめましょう。
赤ちゃんの鼻の粘膜は薄いため、ティッシュをグリグリ詰めることが刺激となり、粘膜をさらに傷つける恐れがあるからです。
ティッシュは、流れてくる鼻血を抑えるのみにしましょう。
(3)鼻血が止まったあとに避けておいたほうがよいこと
赤ちゃんの鼻血が止まった後、すぐに入浴することは避けましょう。
入浴することで血流が良くなり、せっかく止まった血が、再び流れ出す可能性があるからです。また、入浴自体がのぼせの原因となり、鼻血を誘発することもあります。
鼻血が出た後の赤ちゃんは、着衣や顔などが血で汚れているため、一刻も早く入浴させてあげたい気持ちは分かりますが、さっとシャワーで流すだけか、できるだけ時間をあけて入らせましょう。
3、こんな鼻血はすぐに病院へ!
赤ちゃんの鼻血の大半はすぐに止まり、過度に心配する必要はありません。しかし、時に重大な病気の症状の一つであることも。
ここでは、重大な病気に関わる鼻血と、そうでない鼻血の見分け方をご紹介します。
(1)病院に行くべき鼻血の判断基準は?
病院に行く必要があるかどうかの判断基準は「正しい止血法を実践しても30分以上鼻血が止まらない時」です!
30分以上止まらない鼻血は、重大な病気やケガが原因のこともあり、自宅で止血することは困難です。すみやかに医療機関を受診しましょう!
(2)重大な病気と心配ない鼻血の見分け方
正しい止血法ですぐに止まる鼻血は、基本的に心配のない鼻血です。しかし、以下のような特徴の鼻血は、重大な病気の兆候の可能性があります。
- 正しい止血法をしたにも関わらず、鼻血が一向に止まらない
- 出血が大量の場合
- 長時間ダラダラと出血し続ける場合
- 身に覚えがない鼻血が、頻繁にでる場合
これらの症状が頻繁に起こる場合、小児白血病や、血友病といった血液の病気も考えられます。
小児白血病とは、子どもに起こる血液のがんで、小児がんの中で最も多いと言われています。がんと聞くととても恐ろしい病気に聞こえますが、医療技術の進歩と共に、小児白血病の長期生存率は非常にアップしています。
また、血友病は先天的に血液が止まりにくくなる病気です。昔は不治の病とも言われましたが、現在は適切な治療で、天寿を全うできるようになってきています。
白血病や血友病の可能性がある場合、鼻血以外にも複数の症状が表れます。例えば、スネの部分にアザや赤い点状の出血反が出ている、怪我をした時に血が止まらない、歯茎から血が出ている、倦怠感があるなど、様々です。
何れにしても、これらの症状が少しでもきになる場合は、念のため医療機関に相談しましょう。
その他、ママから見て「これは何かがいつもと違う!」と感じる鼻血の場合は、迷わず病院へいきましょう!
まとめ
いかがでしたか?
赤ちゃんの鼻血は、ほとんどの場合過度に心配する必要はなく、適切な処置法で、止めることができます。
赤ちゃんの鼻血に関する正しい知識を身につけ、いざという時、慌てず冷静に対処しましょう!
趣味はHIPHOPダンスとショッピング。
最近では3歳になる娘と渋谷や原宿の古着屋巡りがブーム。
仲良しな反面、口が達者になった娘との言い合いも増え、毎日イライラする事も多し…。
子育ての息抜き時間を、どう上手く確保すればいいのか模索中。