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グラグラ乳歯は家で抜ける?正しい対処法と歯科を受診するタイミング

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「子どもの乳歯がグラグラしている!」そんな時、どんな対処をすればよいかご存知ですか?

「ママパパが抜いてあげればいいんでしょ?」と、簡単に考えている人もいるかもしれませんが、全てのケースが家で対処できるわけではありません

今回は、「子どもの乳歯」に大注目!乳歯の正しい抜き方はもちろん、歯医者を受診すべきケースについても、詳しくお伝えしていきます。

お子様の乳歯が抜けるのは、健やかな成長の証です。正しい知識を身に付け、きちんと対処してあげましょう。

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1、なぜ乳歯は生え変わるの?

そもそも、なぜ乳歯は生え変わるのでしょうか?

実は、乳歯の生え変わりには「体の成長」が大きく関係しています。

赤ちゃんは母乳やミルクのみで栄養を補うことができるため、歯は必要ありません。ところが、成長するに従って固形物を食べなければ栄養が不足してしまいます。

そこで登場するのが「乳歯」です!生後1~2年の間に乳歯が生え揃うことで、効率的に栄養摂取が行えるようになるのです(乳歯が生えるペースに合わせて、私達は子どもに離乳食を与えますよね。)

そして、「頭」や「顎」が大きく成長する6~12歳頃にかけて、乳歯が抜けて「大きい歯=永久歯」が生えてきます!

永久歯は、エナメル質や象牙質の厚みが乳歯の約2倍!しかも、乳歯は20本しかないのに対し永久歯は32本(親知らず含め)も生えます。

体の成長に合わせて歯が生え変わることで、私達は効率的な栄養摂取ができるよう、プログラムされているのですね。

2、乳歯が抜ける時期

先にお伝えしたように、乳歯は「6~12歳頃」にかけて順番に生え変わります

(出典:公益財団法人ライオン歯科衛生研究所|https://www.lion-dent-health.or.jp

こちらは、乳歯が生える年齢を分かりやすく示した図です。

最初は下の前歯2本が生え始め、次に「上の前歯」、「奥歯」という順序で生え変わっていることが分かりますね。

また、ピンクで示された歯は新しく加わる追加歯で、6~21歳頃にかけて続々と生えてきます。

新しく生えた永久歯は、表面が粗く汚れが付きやすいという特徴があります!虫歯になりやすい状態でもあるため、正しい歯みがきはもちろん、歯医者さんでフッ素塗布を行うのがおすすめです。

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3、乳歯がグラグラした時の対処法と注意点

 
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乳歯は家で抜いてもいいの?どんな抜き方が正解なの?グラグラ乳歯の正しい対処法をみていきましょう。

(1)基本的には自然に抜けるのを待とう

6歳頃になると続々と抜け始める乳歯!グラグラした状態は気持ち悪く、ご飯も食べにくそうですよね。

「一刻も早くどうにかしてあげたい!」という気持ちは分かりますが、乳歯はトラブルがない限り自然に抜け落ちるのを待つのが基本です!

糸を巻き付けて引っ張ったり、無理やり引き抜いたりすると、

  • 歯茎に傷がつく
  • 歯根が折れる
  • 強い痛みを伴う
  • 出血が止まらなくなる

など、トラブルを招くことがあるため、無理やり引き抜くことは絶対にやめましょう

最近ではハイチュウやキャラメルを食べさせて抜歯する方法が話題ですが、おすすめとは言えません!

どうしても家で抜きたい場合は、次の方法を参考にして下さい。

(2)抜きたい場合は乳歯の状態をよく観察!

家で抜きたい場合は乳歯の状態をよく観察することが大切です

  • グラグラしていて今にも抜けそう
  • 乳歯と歯茎がかろうじて繋がっているだけ
  • 固いものを噛むと抜けそう

など、簡単に抜けそうな兆候があれば、ママパパが抜いてあげるのもよいでしょう。

上記のような状態の乳歯は、ほとんど傷みがなくポロッと抜けます。もし痛みを感じるようなら、抜くのは時期早々というサイン!もう少し時間を置いて、様子を見るようにして下さい。

(3)家庭でできる乳歯の抜き方

家庭で乳歯を抜く場合は、以下の手順を参考にしましょう。

①ガーゼなどで歯を包んで抜く

乳歯は小さくツルツル滑るため、指で掴むのが困難!消毒したガーゼなどで乳歯全体を包み、滑りにくいようにしてから抜きましょう。

この時、いきなり引っ張るのはNGです!最初は前後左右に乳歯を動かし、ねじりながら引っ張りましょうこうすることで、歯茎と歯の間に隙間ができて抜けやすくなりますよ。

②止血する

無事に歯が抜けたら歯茎を圧迫して止血をしましょう!

消毒済みのガーゼなどで歯茎を抑えると、2~3分で出血は止まります。万が一血が止まらずどんどん溢れてくるようなら、すぐに歯科医院を受診しましょう。

③頻繁なうがいは控える

乳歯を抜いた後には穴が空きます。この穴が塞がるためには、血の塊ができることが大変重要です。

激しいうがいや抜いた後の穴を触ったりすると、穴が塞がるのを妨げてしまいます乳歯を抜いた後は頻繁なうがいは控え、軽くすすぐ程度にしましょう。

④乳歯を抜いた後は柔らかい食事を!

歯ごたえがあって沢山噛まなければならない食事は、せっかく塞がりかけていた抜歯後の穴を、傷付けてしまう可能性があります。

抜歯後2~3日間は柔らかい食事を心掛け、穴が塞がるのを待ちましょう

家で乳歯を抜くコツは、お分かり頂けましたか?

家で対処できるか否かを正しく判断し、安全に乳歯を取り除いてあげましょう。

4、乳歯の生え変わりトラブル!歯医者を受診すべきケースとは

 
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お伝えしたように、家庭で乳歯をぬくことができるのは今にも抜けそうで引っ張っても痛みを伴わない時だけです。

以下のようなケースは、トラブルのもとになるため必ず歯科医院を受診するようにして下さい。

(1)過剰歯

「過剰歯」とは、正常な歯の数よりも多い歯のことを指します。

過剰歯は歯並びが悪くなったり、正常な歯の根を溶かしたりする原因になるため、早めの抜歯が推奨されています

乳歯が抜けた後すこし尖った永久歯が生えてきたなぁ…。と思ったら、実は過剰歯だった!というケースもあるようです

過剰歯の詳細は、レントゲンを撮らなければ分かりません。少しでも気になる場合はすみやかに歯科医院を受診し、適切な治療を受けましょう。

(2)乳歯が抜けていないのに永久歯が生えてきた

乳歯がまだ抜けていないのに、永久歯が生えてくることも珍しくありません。

「乳歯はいつか抜けるから、放っておいても大丈夫なのでは?」と思う人もいるかもしれませんが、それは間違いです。

確かに、乳歯がグラグラしていればそのうち抜ける可能性が大きいですが、そうでない場合は永久歯の位置がずれることがあるため抜歯が必要!

子どもの将来の歯並びを美しくするためにも、永久歯が見えているのに乳歯が抜けない場合は、必ず歯科医院を受診して下さいね。

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(3)乳歯が抜けたのに永久歯が生えてこない

乳歯が抜けたのに、待てど暮らせど永久歯が生えてこない…。このようなケースも少なくありません。

2・3ヶ月生えないのはさほど気にする必要はありませんが、半年以上たっても生えてこない場合は注意が必要。

  • 生まれつき永久歯がない
  • 過剰歯が永久歯が生えるのを邪魔している
  • 歯茎が硬すぎる

など、何等かの問題が潜んでいることがあるため、歯科医院を受診しましょう。

私の娘は、乳歯が抜けてから5か月間ほど永久歯が生えてきませんでした。心配になって歯科医院を受診したところ、何と歯茎が硬いため永久歯が生えてこられないことが判明!

歯茎を少し切開してもらい、無事に永久歯が生えました。

(4)乳歯がずっと抜けない

乳歯がずっと抜けない時にも、速やかに歯科医院を受診しましょう。

通常なら6歳頃から順次抜け始める乳歯ですが中には大人になっても乳歯が抜けない人もいます

このようなケースは大人乳歯と呼ばれており、先天的な永久歯の欠如が原因です。もともと永久歯がないため、乳歯の生え変わりも起きないのです。

乳歯が抜けない原因が、全て大人乳歯というわけではありません。しかし、何等かの問題で生え変わりが起きない、または遅れていることが予想されるため、歯科医院を受診して正しい処置を受けましょう。

(5)生え変わりの順序がバラバラ

先にお伝えしたように、乳歯の生え変わりには順序があります。

この順番が大きく狂ってしまうと、歯の中心がずれて歯並びに影響を及ぼすこともあるようです

生える順番が少々前後するのはさほど心配いりませんが、入り乱れるように生える場合は歯科医院を受診しましょう。

※永久歯が生える順序については、【2、乳歯が抜ける時期】をご参照下さい。

(6)歯茎が腫れている

乳歯が抜けた後や乳歯がグラグラしている時に、子どもが歯茎を痛がることがあります。これは、乳歯が抜けた後の穴に、雑菌が繁殖して炎症を起こしていることが原因です。

また、永久歯が生えている最中にも歯茎が腫れることがあります。これは、新しく生えている永久歯と歯茎の隙間に、汚れが入り込んで炎症が起きているためです。

いずれの場合も放置すると悪化し、膿を伴って化膿することもあります!無理に自宅で対処しようとせず、速やかに歯科医院を受診して下さいね。

いかがでしょうか?歯の生え変わり時期にはトラブルもありますが、お口の問題を発見しやすいタイミングでもあります。

少しでも不安がある時には、必ず歯科医師に相談するようにして下さい。

5、豆知識!乳歯が抜けた後の習慣

さて、無事にお子様の乳歯が抜けると、抜けた歯はどうすべきか悩みますよね。

日本では下の歯は屋根の上に、上の歯は縁の下に投げることが多いですが、世界には様々な習慣があるようです。

  • まくらの下に入れると、妖精がお金にかえてくれる(アメリカ・カナダ)
  • ネズミのように丈夫な歯を願い、ネズミの穴に入れる(バングラディッシュ)
  • 太陽にむかって投げる(エジプト)

など、国や地域によって異なります。

そして、最近日本でも流行しているのが、「乳歯ケース」に乳歯を入れて保管する方法です!

もともとはヨーロッパの習慣なのですが、「マンション暮らしで屋根に投げらない。」、「可愛らしい小さな乳歯を思い出にとっておきたい。」という需要から、日本でも人気が出ています。

国産桐箱を使用した、名入れできる乳歯ケース!抜けた乳歯をまとめて入れることができるので、無くす心配もありません。

可愛らしい歯の妖精をモチーフにした乳歯ケース。まるで絵本のようなデザインで、置いてあるだけでワクワク!乳歯が抜けた日付を記入することもできますよ。

まとめ

グラグラした乳歯の、正しい対処法をお伝えしました。

乳歯は家で抜くこともできますが、それは痛みがなく今にも抜けそうな時のみです!

歯科医院を受診すべきケースをお伝えしましたが、それ以外に少しでも気になることがあれば、迷わず歯科医院を受診して下さいね。

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