小学校入学を期に、子どもに「お小遣い」を検討している人も多いでしょう。
しかし、無駄遣いしないか?いくら渡せばいいのか?子どもにお金を持たせると思わぬトラブルが起きるのでは?など、躊躇している人も多いでしょう。
そこで今回は、金融広報中央委員会「知るぽると」のデータをもとに、お小遣いについて徹底的に調査しました!
- お小遣いの相場は?
- みんな何歳からお小遣いを渡しているの?
- お小遣いの正しい渡し方やルールが知りたい!
- お小遣いを渡すメリットが知りたい!
このようなママパパは、是非続きをお読みください。
お小遣いが「金融教育」になる!?そんな耳寄り情報もお伝えしますよ。
目次
1、子どものお小遣いの実態
お小遣いの相場は?お小遣いは何歳から渡すべき?そんな疑問に迫るべく、お小遣いの実態を調査しました。
(1)お小遣いの相場
こちらのグラフは、金融広報中央委員会「知るぽると」の「子どもの1か月あたりのこづかい額」(2019年/令和元年度)を参考に、子どものお小遣い額の平均を年代別に示したものです。
小学校1・2年生~5・6年生までは、月平均1,000円前後の金額を推移しており、大きな差はありません。しかし、中学生になると一気にお小遣い額が跳ね上がり、月平均2,510円もらっていることが分かりますね。
また、驚くのは、就学前の子どものお小遣いの平均金額が、1,829円と高額なこと!これは、小学生のお小遣い額の2程度に相当します。
ポイント✔:小学生のお小遣いは月平均1,000円程度。就学前の子は月平均1,800円程度もらっている。
(2)お小遣いはいつから渡す?
続いて、お小遣いをいつから渡しているのか?金融広報中央委員会「知るぽると」2015年度調査「子どものくらしとお金に関する調査」(第3回)のをもとに、みていきましょう。
こちらのグラフは、各学年のお小遣いの「有無」(2015年)を示したものです。
小学生の約7割、中学生の約8割が、お小遣いを「もらっている」と回答していることが分かりますね。小学校1・2年生でも、お小遣いをもらっている子が7割という結果に、少々驚いたママパパもいるでしょう。
また、こちらのグラフは、小学生のお小遣いの「もらい方」(2015年)を示したものです。
どの学年も「毎日もらう」という回答は極少数で、「定期的にもらう」と「時々もらう」が大多数を占めていることが分かりますね。
また、小学校1・2年生に着目すると、「時々もらう」が「定期的にもらう」の約2倍にのぼっています。これは、小学校低学年の子は「お小遣いはもらうが、必要な時にその都度もらっている子が多い」ことを示していると言えますね。
※「定期的にもらう」とは、「1週間に1回もらう」、「〇日に1回もらう」、「月に1回もらう」の3つを合算したものです。
ポイント✔:小学校低学年でも、お小遣いをもらっている子が7割以上!ただし、小学校低学年の場合は定期的ではなく、必要に応じて渡しているケースが多い。
(3)お小遣いの使い道
続いて、子ども達はお小遣いをどのように使っているのか?その使い道をみていきましょう。
こちらの表は、金融広報中央委員会「知るポルト」の2015年度調査「子どものくらしとお金に関する調査」(第3回)を参考に、小学生のお小遣いの使い道をまとめたものです。
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小学校1・2年生 |
小学校3.4年生 |
小学校5・6年生 |
1位 |
お菓子やジュース |
お菓子やジュース |
お菓子やジュース |
2位 |
おもちゃなど |
ゲームソフトやおもちゃ類 |
ゲームソフトやおもちゃ類 |
3位 |
ゲームをする |
ゲームをする |
まんが |
学年問わず、第1位はお菓子やジュース!その他はゲームやおもちゃ、まんがという結果になりました。
ポイント✔:子ども達は、お小遣いで自分が欲しいものを購入している!
2、子どもにお小遣いを与えるメリット
未就学児や多くの小学生がもらっているお小遣い。何となく管理が難しそうなイメージがありますが、実はメリットが沢山あることが分かっています!
(1)金銭感覚が身に付く
自分でお小遣いを使う経験は、「お金について考える」絶好のチャンス!お金を「支払う」「貯める」という行動を通し、金銭感覚が養われると言われています。
幼少期の生活環境や習慣は、子どもの金銭感覚に大きな影響を及ぼします。
子どもが小さいほど「まだ管理ができないから、お小遣いを渡すのは早い!」と思われがちですが、親の目が届く今がお小遣いデビューのチャンスです。
(2)計画性が育まれる
子どもがお小遣いをもらうと、計画性が養われると言われています。
最初はお小遣いを一気に使っていた子どもでも、徐々に「お金は有限だ」ということを学びます。
この経験を活かし、
- 欲しいゲームのためにお小遣いを貯金する
- 一日に〇円しか使わないなど、節約をする
など、「お金を使う計画」が立てられるようになりますよ。
(3)お金の大切さを実感できる
親がお金を管理して必要な時に必要な分だけ渡せば、余計な心配がなく安心ですよね。しかしこれでは、子どもが「お金の大切さ」を知ることができません。
あくまでも「お小遣いの範囲内」で欲しいものを手に入れることで、子どもに「お金が勿体ない!」「大切に使おう!」という意識が生まれるのです。
(4)金融教育ができる
日本では、子どもの前でお金の話をするのはタブーと思われがちですが、イギリスなど諸外国では、金融教育が盛んに行われているのをご存知でしょうか?
日本では、未だ十分な金融教育が行われていないのが現状です。しかし、お小遣いを与えることで、金銭教育を家庭で施すことに繋がります!
子ども自身がお金を使う経験を通し、金融教育の第一歩を踏み出しましょう。
いかがでしょうか?お小遣いには、沢山のメリットがあることが分かりましたね。このメリットを最大限に引き出すために、次でご紹介する「お小遣いの正しい渡し方」をおさえましょう!
3、子どものお小遣い!正しい渡し方はコレが正解!
お小遣いのメリットを引き出す!お小遣いの正しい渡し方をご紹介していきます。
(1)3つのお小遣いの渡し方
お小遣いには、「定額制」「報酬制」「都度払い」の3つの渡し方があります。
- 定額制:月や週など、一定期間に決まった額のお小遣いを渡す
- 報酬制:お手伝いなどの対価としてお小遣いを渡す
- 都度払い:必要な時に必要に応じた額のお小遣いを渡す
こちらの表に示すように、3つの渡し方にはそれぞれメリット・デメリットがあると言われています!
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メリット |
デメリット |
定額制 |
一定期間内をもらったお小遣いでやりくりする必要があるため、お金の管理能力が育まれる |
定期的に「お金はもらえるもの」という意識が根付きやすい |
報酬制 |
お金を稼ぐことの大変さやお金の有難みを、身をもって知ることができる |
「お金がもらえないならお手伝いはしない。」など、金銭至上主義になりやすい。 |
都度払い |
親が子どものお金を管理するため、余計なトラブルの心配がない。 |
お金を考えて使う習慣が身に付かないため、金融教育の効果は低い。 |
金融教育という観点からみれば、「定額制」か「報酬制」を選ぶのがおすすめで、さらにその中でも、お金の管理能力を養いたいなら「定額制」、お金を稼ぐことの大変さ知るには「報酬制」、という分類ができそうですね。
また、「都度払い」はママパパが安心できるものの、金銭教育としての効果は低いと言えそうです。
このように、「3つのお小遣いの渡し方」にはそれぞれ特徴がありますが、幼い子にとってはどの方法が正解なのでしょうか?次でみていきましょう。
(2)小学校低学年頃までは「定額制」がおすすめ
ズバリ、小学校低学年頃までの子どもには「定額制」がおすすめです。
先にお伝えしたように、定額制はお金を使う基礎とも言える「やりくり」を経験することができます。欲しいゲームのために今月は貯金する。お小遣いがなくならないように少しずつ使う。など、お金の管理法を学ぶのに最適です!
さらに、親がお小遣いの金額をあらかじめ決められるのも、定額制の良いところ。使いすぎない金額を見極めれば、使い道を子どもに一任しても安心です。
一方、報酬制は仕事の対価としてお金をもらうため、「お金がなくなったら、また手伝いをすればいいや。」という考えに陥らないとも言い切れません。また、「対価のためにもっと仕事(手伝い)がしたい!」という子どもと、「これ以上は渡し過ぎ!」と考えるママパパの間で、いざこざも発生しがちです。
このような理由から、お子様に金銭教育を施したいなら、お小遣いデビューをする頃=小学校低学年頃までは、「定額制」で様子をみるのが安心でしょう!
4、子どもにお小遣いを渡す時のルール
続いて、お小遣いを渡す時のちょっとしたコツをみていきましょう。ルールを設けることで、お小遣いがより有意義なものになりますよ。
(1)お小遣い帳を活用する
お小遣いをもらい始めたら、お小遣い帳をつけることを子どもに約束させましょう。
お小遣い帳は、
- 欲しい物の目標を立て、達成するための計画を立てることができる
- よく考えて、必要なものを買う習慣が身に付く
- お小遣い帳に目を通すことで、お小遣いの収支を親が把握できる
などの良い面が沢山あります!お小遣いのメリットを最大限に得るためにも、是非、お小遣い帳を活用することをおすすめします。
(2)お小遣いで「何をまかなうか?」を明確にする
お小遣いの使い道を、子どもに一任するのはちょっと心配…。そんな時には「お小遣いで何をまかなうのか?」を明確にすることをおすすめします。
こうすることで、子どもが「お小遣い&おねだり」の両方から、欲しいものを手に入れることが防げます。例えば、家がカードゲームだらけになるのが好ましくない!と考えるなら、お小遣いではお菓子や文具しか買えないというルールを決めましょう。
(3)お小遣いの「額」を決める
お小遣いで何をまかなうか?が決まったら、次にお小遣いの額を決めましょう!
もし、学校で使う文具、毎日のオヤツ、バス代などをお小遣いでまかなうなら、相場の月額1,000円では足りないかもしれません。何にいくら掛かるかを計算し、見合った額を子どもに渡すのがポイントです。
やりくりを覚えるなら、お小遣いの「額」は一定にするのが近道!その意味でも、「定額制」が 幼い子どもにはおすすめです。
(4)足りなくなっても補充はNG!
お小遣いをもらい始めたばかりの子は、瞬く間に使い切ってしまうこともあるでしょう。
「お金が足りなくてオヤツがないよー!」と泣かれると、ついお金を追加で渡したくなりますが、それでは「都度払い」と変わりませんよね。
やりくりを覚えるためにも、心を鬼にしてお小遣いの追加は行わないようにしましょう。
いかがでしょうか?お小遣いによる金銭教育を成功させるには、親がある程度コントロールすることが大切だと分かりましたね。
5、子どものお小遣いにまつわる体験談
お小遣いを渡すコツが分かったところで、続いて、お小遣いにまつわる先輩ママの体験談をみていきましょう。
- 私自身、お小遣いをもらった経験がありませんでした。必要な時に必要な額を親にもらう、「都度払い」が習慣だったんです。ところが、実際に家庭をもってみると、自分のやりくり下手が露呈…。お金を計画的に使うことが大人になってもできないままでした。この経験を活かし、子どもにはお小遣い制を導入!成人した娘は、やりくり上手に育ちましたよ!(50代・20代の子を持つ女性)
- 小学校2年生の娘は、毎日のオヤツと文具代をお小遣いでまかなっています。先日一緒に買い物に出掛けた際、「そう言えば消しゴムなかったでしょ?買ったら?」と声を掛けると、「今は買わない!近所の文具屋さんの方が安いから。」と言っていました。お金を計画的に使う習慣が付いていることに、大変驚きました。(30代・8歳の子を持つ女性)
- お金の有難みを知って欲しくて、「報酬制」でお小遣いを渡すことに。ところが、始めてみると子どもが沢山手伝いをしたがり、報酬をどんどん渡す羽目に。お手伝い一回につき30円と少額にしたつもりでしたが、10回もすればあっと言う間に300円に…。どんどん額が膨れ上がったため、定額制に変更しました。(40代・7歳の子を持つ女性)
皆さんの体験談から、お小遣いはただ渡すだけではなく、ルールを設けることが大切!ということがよく分かりましたね。
家庭ごとにルールを定め、お小遣いを実りある物にして下さいね。
6、子どものお小遣い+αは「金融教育」
お小遣いを主軸として、プラスαでできる金融教育も沢山あります。
- 親の仕事の話をする
- 親子で買い物に行く
- お小遣いを計画的に使う場を設ける(誕生パーティーやプレゼント交換など)
- 銀行や郵便局を利用する
など、お金の大切さや使い方、仕組みなどを教える機会を設けましょう。
特に親の仕事の話は、子どもは興味深く聞いてくれます!なぜ衣食住に困らないのか?なぜ習い事ができるのか?など、お金の大切さや稼ぐことの難しさを、正直に話すのもおすすめです。
7、番外編!子どもの電子マネーとの付き合い方
電子マネーは大変便利!現金より安く決済できる場合もあるため、私達の生活に深く浸透していますよね。塾や習い事に行くときに、少額をチャージして子どもに持たせている人もいるでしょう。
しかし、ピッとかざせば決済できることから、「何でも買える魔法のカード」と思っている子も少なくありません。
「目に見えないお金」である電子マネーは、大人でもルーズな使い方になりがち。子どもに持たせる場合は、ルールを決めることが絶対条件です!
- 「電子マネー=お金」ということをしっかり説明する
- あらかじめ決めた目的以外に使わない
- 1回当たりの限度額や月ごとの限度額を決める
- 親が使用履歴をチェックする
- 子どもに持たせたままにせずその都度回収する
など、各家庭でルールを決め、それを守ることを約束させましょう。
まとめ
「お金の管理は早すぎる。」と、足踏みしているママパパ!お子様が幼い今こそ、お小遣いデビューに最適な時期です。
使い道は子どもに一任しつつ、きちんとルールを設けることで、余計なトラブルは防げます。
お小遣いは金融教育の第一歩! 将来に渡って役立つ「金銭感覚」を、お子様に伝授してあげましょう。
趣味は薬膳料理とヨガ。
よく食べよく寝る元気いっぱいの息子(3歳)のママ。
かわいいけれどいつも足にまとわりついてくる甘えん坊の息子の将来が心配。
あと仕事と育児で毎日がいっぱいいっぱい。
きちんと料理や掃除をしたいのに家事の時間が確保できないのが悩み。