新生児の時期を過ぎ、徐々に起きている時間が長くなってくると、そろそろうつ伏せの練習のタイミングです。
早い時期からうつ伏せをすると、首が早く座るなど、赤ちゃんにとって良い運動になると言われていますが、「うつ伏せをする時期や方法が分からない!」というママも多いのではないでしょうか?
うつ伏せの練習は、親子のふれあいとしてもとても楽しいもの。
そこで、今回は安全で効果的にうつ伏せの練習をする方法やタイミングなどを、詳しくご紹介します。
目次
1、赤ちゃんのうつぶせ練習はいつからできる?
赤ちゃんの健康状態に問題がなく、機嫌が良ければ、生後間もなくからうつ伏せの練習を始めて良いと言われています。
こちらの動画は、生後1ヶ月頃の赤ちゃんがうつ伏せの練習をしているところです。
わずか生後1ヶ月程度の赤ちゃんでも、手伝いがあれば上手にうつ伏せができることが分かりますね!
また産院によっては、生後間もない入院中に、医師や助産師によってうつ伏せにする場合もあるようです。
生後1ヶ月を過ぎたあたりから赤ちゃんの様子をよく観察し、必ず赤ちゃんのそばについて、無理のない範囲でうつ伏せの練習を少しずつ始めてみましょう!
2、うつぶせ練習で赤ちゃんが得られるメリット
生後早い時期からのうつ伏せは、赤ちゃんにとってよい影響があると言われていますが、具体的にはどのようなメリットがあるのでしょうか?
赤ちゃんの体のメカニズムをまじえながら、詳しくご紹介します!
(1)首すわりが早くなる
赤ちゃんをうつ伏せにすると、最初のうちは丸まったままですが、慣れてくるとうつ伏せ姿勢のまま頭を持ち上げます。
この動作により首筋の筋肉が鍛えられるため、首座りが早くなります。
さらに、生後間もない赤ちゃんだけに見られる「原始反射」にも、首座りが早くなる秘密が隠されています!
赤ちゃんはうつ伏せにされると手足を伸ばしますが、これは「迷路反射」と呼ばれる原始反射によるものです。
迷路反射は平衡感覚を保ち、調整するために備わっており、この反射のおかげで、頭を動かしたときに起こる変化への対応や、体のバランス感覚などが養われると言われています。
うつ伏せの状態がこの反射を促すことになるため、結果として首座りが早くなるのです。
この迷路反射は、生後3ヶ月~4ヶ月には徐々に消えていくため、生後早い時期にうつ伏せ練習を開始する理由はこんなところにもあるようです。
(2)肩や背中などの筋肉が発達する
赤ちゃんは、うつ伏せにされると頭を持ち上げますが、それと同時に背中を反らせます。
この動作は、仰向け姿勢では鍛えることのできない首、肩、背中など、体の背面のトレーニングになり、筋肉の発達を促します。
首、肩、背面の筋肉は、ズリバイやハイハイ、そして歩く時にも通じる筋肉です。
うつ伏せの練習が進むと共に、その後の成長がますます楽しみになりそうですね!
(3)肺が鍛えられ、呼吸が深くなる
赤ちゃんはうつ伏せにされると首を持ち上げ、背中を大きく反らせます。
この動作により胸が大きく開くため、肺が鍛えられ呼吸が深くなるとも言われています。大人が深呼吸するときに、手を上げて大きく胸を開くのと同じです。
さらに、赤ちゃんをうつ伏せにすると、肺が下にきて心肺機能が高まり、呼吸や心拍が落ち着くというと見解もあります。
(4)げっぷをしやすい
赤ちゃんは母乳やミルクと共に、余分な空気も飲み込んでしまうため、げっぷをして胃から出してあげる必要があります。
げっぷをさせるには、赤ちゃんを縦に抱いて背中をトントンさする方法が一般的ですが、赤ちゃんをうつ伏せにすると、赤ちゃんの体重が自分のお腹にかかるため、げっぷが出やすいと言われています。
3、うつ伏せの効果的な方法と押さえておくべきポイント6つ
赤ちゃんのうつ伏せ練習の際には、安全性を十分に確保した上で大切なポイントがいくつかあるため、ご紹介します。
(1)うつぶせを練習する場所はどこ?
うつ伏せを練習する場所は、適度な硬さのある場所が良いでしょう。
硬めの布団の上や、絨毯の上、プレイマットの上、ママのお腹の上も安心感がありおすすめです。
その際、赤ちゃんの顔は横向きにしてあげましょう。
柔らかくフワフワした布団の上などでの練習は、たるんだシーツや柔らかい布団が赤ちゃんの口や鼻を塞いで赤ちゃんが窒息する恐れがあるためやめましょう。
(2)うつぶせを練習するのに良い時間は?
大人にとっては簡単なうつ伏せですが、赤ちゃんにとってはとても体力を使う運動です。十分に体力が残っている午前中や、お昼寝から起きた機嫌の良い時に行いましょう。
練習は成長の過程で絶対にしなければならないものではないので、赤ちゃんが眠たい時や、お腹が空いて機嫌が悪いときに無理に練習するのはやめましょう。赤ちゃんはもちろん、親も負担になって効果は半減。
(3)安全にうつ伏せにするコツは?
赤ちゃんをうつ伏せにするには、片方の手で首と肩を優しく持ち、もう片方の手でお腹を支えてゆっくりと反転させます。
しかし、まだ首が座っていない赤ちゃんをうつ伏せにするのは、少々恐いと感じるママもいると思います。
そんな時は、赤ちゃんを抱っこした状態でママが仰向けになり、そのまま赤ちゃんをゆっくりと横にずらしてうつ伏せにする方法もあります。
またうつ伏せから仰向けに戻す際は、赤ちゃんの股の間に手を入れてお腹を支え、もう片方の手で頭を支えて、ゆっくりと戻しましょう。
この時注意したいのが、赤ちゃんの腕が体の下敷きになり、ひねるようなことがないようにしましょう。腕の脱臼など、思わぬ怪我につながることがあります。
適切な方法で、安全に楽しくうつ伏せにチャレンジしてみましょう!
(4)はじめは数秒から挑戦する
赤ちゃんをうつ伏せにするときは、はじめは様子を見ながら1日1回、数秒程度のごく短い時間からスタートしましょう。
赤ちゃんは、まだ仰向けにしか慣れていません。いきなり長時間うつ伏せの練習をさせるのは避けましょう。
練習中は必ず、赤ちゃんから目を離さず赤ちゃんの負担になったら中断するなど対応してください。
また、首の座っていない赤ちゃんをうつ伏せのまま寝かせた場合、思わぬ事故につながることもあります。
楽しく練習して、練習が終わったら仰向けに戻してあげましょう。
(5)慣れてきたら徐々に秒数を伸ばしていく
まだ慣れていないうつ伏せに、はじめは戸惑って泣いてしまう赤ちゃんもいるかもしれません。しかし、慣れてくると、見える視界の変化を楽しんでいるかのように、足をばたつかせたり、首を持ち上げてキョロキョロしたり、周りの世界に興味津々になってきます!
こうなれば、赤ちゃんの様子を見ながら、少しずつうつ伏せの時間を伸ばしてあげましょう!目安としては、1回数分程度、1日に数回まで増やしてみましょう。
きっと、今までに見たことのない、楽しそうな赤ちゃんの表情を見ることができますよ。
(6)不安がっている場合は?
はじめてうつ伏せをした赤ちゃんは、不安そうに泣いてしまうことがよくあります。
「怖くないよ~!〇〇がみえるねぇ!」など、優しく声を掛けながら、背中をさするなどして、赤ちゃんを安心させてあげましょう。
それでも泣き止まず、一層激しく泣く場合は、一旦うつ伏せを中断しましょう。
うつ伏せの練習は強制ではなく、赤ちゃんとママが楽しく行うものです。無理はせず、徐々に慣らしていきましょう!
4、うつぶせ練習で絶対に注意したい事
赤ちゃんが安全にうつ伏せの練習をするためには、いくつかの注意点があります。
(1)うつぶせのまま寝かせてはだめ?
赤ちゃんをうつ伏せにすることに、怖いイメージを持っているママがいるかもしれませんが、その理由は何でしょうか?
おそらく、寝返りの打てない赤ちゃんがうつ伏せで寝てしまい、窒息することを心配しているからでは?
まだ寝返りをうつことができない赤ちゃんを、うつ伏せのまま放置して寝かせることは、窒息の可能性もあるため非常に危険です。絶対にしないで下さい。
しかし、うつ伏せの練習は、「うつ伏せで寝かせること」とは全く違います。
うつ伏せになること自体は、ズリバイやハイハイを出来るようになる過程で欠かせない動作です。そのため、赤ちゃんがうつ伏せの練習をすることは、危険で怖いことばかりではありません。
赤ちゃんの様子を見ながら、適切な方法でうつ伏せの練習をしてあげましょう!
(2)柔らかすぎるものの上での練習は気をつけて!
首がすわる前の赤ちゃんは寝返りができないのはもちろん、首を自由に動かすこともできないため、うつ伏せの練習をする場所には注意が必要です。
柔らかい布団の上などで、うつ伏せの練習をすることはやめましょう。柔らかい素材は、うつ伏せの状態で赤ちゃんの顔が沈みやすいため、窒息してしまう可能性があるのです。
また、赤ちゃんの顔の周りにタオルやガーゼ、布団、ぬいぐるみなどを置かないようにしましょう。これらが原因となる窒息のリスクが高まります。
環境を整えることで、思わぬ事故から赤ちゃんを守ることができます!十分に気を配ってあげましょう!
(3)機嫌が悪い時は無理にうつぶせにしないで
うつ伏せ練習をしているとき、赤ちゃんは大人が思う以上にとても頑張っています!生後間もない赤ちゃんにとって、うつ伏せは簡単なことではないのです。
無理にさせず、機嫌のいい時を見計らって再チャレンジしましょう!
(4)うつ伏せの状態のまま寝かさないで!乳幼児突然死症候群(SIDS)について
乳幼児突然死症候群(SIDS)をご存知ですか?
乳幼児突然死症候群とは、それまで元気だった赤ちゃんが、ある日突然死亡する病気です。1歳未満、特に4ヶ月~6ヶ月の赤ちゃんに多いのが特徴です。
この病気は、未だにはっきりとした原因が分かっていませんが、「防御反射の異常」が原因なのではと、考えられています。
乳幼児は寝ている時、極短い時間の無呼吸や、呼吸リズムに狂いが生じることがあります。普通なら簡単にリカバリーできるのですが、この状態から抜け出せず、突然死してしまうという説です。
さらに、乳幼児突然死症候群は、ほとんどの場合寝ている時に起こり、特にうつ伏せで寝かされている赤ちゃんの発症頻度が高いことが明らかになっています。
うつぶせ寝と突然死の因果関係やメカニズムははっきりと分かっていませんが、うつ伏せで寝ている赤ちゃんの発症率が高いというデータがある以上、危険回避のためにも、生後間もない赤ちゃんを、うつ伏せのまま寝かせることはやめましょう。
5、動画で見る年齢別うつ伏せ練習、他の子はどうしてる?
赤ちゃんがうつ伏せの練習をしているところを、月齢別に見てみましょう。どの子も一生懸命頑張っていて、とても可愛らしいです!
是非、お子さんのうつ伏せ練習の参考にしてみてください。
(1)生後26日
生後26日の赤ちゃんがはじめてうつ伏せの練習をしている映像です。まだ頭を上げることはできませんが、手足を延ばす迷路反射のような様子が見てとれます。
(2)生後1ヶ月
生後1ヶ月を過ぎた赤ちゃんが、ママの膝の上でうつ伏せ遊びをしています。
頭を上手に持ち上げている様子が伺えますね。
(3)生後1ヶ月半
生後1ヶ月半の赤ちゃんがうつ伏せをしています。げっぷを上手に出せていますね。
首をぐっと持ち上げてうつ伏せしている様子に、ご両親も驚ています!
(4)生後2か月
生後2ヶ月の赤ちゃんがうつ伏せをしています。助産師さんから、「タオルを丸めて脇に挟み、手を前でクロスさせると首を持ち上げやすい。」というアドバイスを受け、実践されています。
赤ちゃんが首を持ち上げ、楽しそうにしている様子が見てとれます。
(5)生後2ヶ月別バージョン
生後2ヶ月のこちらの赤ちゃんも、頑張ってうつ伏せの練習をしています。パパやママが、優しく声掛けしていますね。
うつ伏せで頭を持ち上げる行動は、赤ちゃんそれぞれに個人差があります。焦らず気長に練習してみましょう。
(6)生後3か月
生後3ヶ月の赤ちゃんがうつ伏せの練習をしています。途中で疲れて、ママの方を見ながら上手に休憩していますね。
まとめ
いかがでしたか?
うつ伏せの練習は、きちんと安全を確保して正しく行えば、赤ちゃんの成長の手助けになります。その後の首すわり、ハイハイと我が子の成長を楽しみにしながら、
うつ伏せの練習でお子さんとのコミュニケーション楽しんでみてくださいね!ただし、練習の際には、必ずお子さんのそばで目を離さないようにしてくださいね。
趣味は薬膳料理とヨガ。
よく食べよく寝る元気いっぱいの息子(3歳)のママ。
かわいいけれどいつも足にまとわりついてくる甘えん坊の息子の将来が心配。
あと仕事と育児で毎日がいっぱいいっぱい。
きちんと料理や掃除をしたいのに家事の時間が確保できないのが悩み。