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赤ちゃんの視力はどれくらい?新生児〜3歳までの視力と視覚を徹底解剖!

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産まれて間もない新生児の赤ちゃんに、じっと見つめられているように感じたことはありませんか?「まだ生まれたばかりなのに、もう見えているの?!」とびっくりした経験があるママも、多いと思います。

赤ちゃんはどのくらい見えていて、成長とともにその視力はどのようになっていくのでしょうか。実は、赤ちゃんと視力・視覚の関係を正しく理解することで、月齢に合ったお世話や知育に役立てられます。今回は、一般的な視力の発達過程を、新生児期~3歳まで全て掲載します。

目次

1、新生児期から既に目が見えている?

 

新生児の赤ちゃんは、一体どれほどの視力があるかご存知でしょうか?

新生児が見やすい色や、見ている景色に触れながら、詳しくご紹介します!

(1)新生児の頃に既に0.01~0.02ある

視力は0.01~0.02ほどあり、明るさ(まぶしい・暗い)の認識をすることはできているのです!

個の視力では、はっきりと物を見ることはできませんが、ぼやっとした影のような世界が見えていると言われています。

(2)新生児期に識別できる色

新生児の赤ちゃんでも識別できる色。それはずばり「黒・白・グレー」です!

その他の色は、まだ認識することができないため、ぼやっとした影を見ています。

「影しか見えていないなら、おもちゃや絵本を見せる意味がないのかな?」と感じたママもいるかもしれませんが、それは違います!

 

赤ちゃんは様々な刺激を受けることで、脳の回路をどんどん増やし、成長していきます。視力も同様に、刺激を与えてあげましょう。

新生児でも楽しむことができる、絵本や遊びがあるのでご紹介します!

  • どうぶつ絵本 はじめまして グザヴィェ・ドゥヌ著 (価格:¥1,296)

出典:amazon

ほとんどの絵を、新生児が識別しやすい白と黒だけで描いた、珍しい絵本です。

新生児期には視力の刺激に、成長すれば動物の絵本として、長く楽しむことができる一冊です

  • すこやかあかちゃんえほん しろとくろ 新井洋行著 (価格:¥810)

出典:amazon

こちらも、白と黒で描かれた本。「しろ」と「くろ」が伸びたり縮んだり、リズミカルに動きます。

初めての読み聞かせに、ピッタリの本です!

(3)新生児期に見られる赤ちゃんの目の仕草

新生児の赤ちゃんは、まだ焦点を合わせることができません

そのため、1点を見つめることはできず、キョロキョロと眼球を動かしていることがほとんどです。

徐々に一点を注視できるようになり、ママやパパの頭の部分に注目するような仕草も出てきます。これは、黒い髪が新生児にとって認識しやすいことが関係していると言われています。

こちらは、生後3日目の新生児の赤ちゃんの動画です。キョロキョロ動く目の動きに、ご注目下さい!

(4)ママやパパと目が合わないのは病気ではない?

新生児の赤ちゃんと目が合わず、「何か病気では?」と不安になるママやパパもいるかもしれませんが、心配しなくても大丈夫。

新生児の赤ちゃんは、ぼやっとした影しか見えていないうえ、焦点を合わせることができないので、目を合わせることができないのです。

成長と共に、徐々に視線が合うようになることがほとんどなので、あまり気にしすぎないようにしましょう。

 

2、新生児期〜3歳までの赤ちゃんの視力・視覚発達をチェックしよう

 

赤ちゃんは、いつごろから目が見えているのでしょうか?

月齢や年齢別に、詳しくご紹介します!

(1)新生児〜1ヶ月の視力

新生児期の赤ちゃんの視力は、0.01~0.02ほどだと言われています。

新生児期の赤ちゃんは、明暗が分かる程度で、まだ物をはっきり識別することはできません

また、焦点を合わせる能力が未発達なため、ぼやっとした影のようなものしか見えていないと言われています。

(2)2〜3ヶ月の視力

生後2ヶ月~3ヶ月頃の視力は、0.02~0.03ほどだと言われています。

この頃になると、動くものを目で追う「追視」ができるようになり、目の前で動く物に反応する様子も見られます

さらに、白・黒・グレーの他に、赤・黄色・緑など、認識できる色も増えていきます。

ママやパパの笑顔や、おもちゃに反応するなど、少しずつ視覚でコミュニケーションをとることができるようになります!

(3)4〜5ヶ月の視力

生後4ヶ月~5ヶ月頃の視力は0.04~0.08ほどだと言われています。

この頃になると、さらに認識できる色も増え、動くものに対する反応も早くなります

また、この時期は寝返りなどが始まる時期です。自分で動けるようになった赤ちゃんの視覚は、更に発達が促されます。

今まで仰向けの体勢で、天井しか自分で見ることができなかった赤ちゃんにとって、寝返りなどで見える景色は驚きの連続。これが刺激となり、脳の回路がどんどん繋がっていきます!

(4)6ヶ月〜11ヶ月の視力

生後6ヶ月~11か月頃の視力は、0.08~0.2ほどだと言われています。

この時期はズリバイやハイハイを経て、つかまり立ちも出来るようになってきます。

赤ちゃんに見える世界はこれまでと比べ物にならないほど広がり、見える景色も大きく変わります。それがさらなる刺激となり、視力もどんどん発達していくのです。

このようなことから、生後6ヶ月~11か月頃は、生涯で1番視力が発達する時期だと言われています。

(5)1歳〜3歳の視力

1歳~2歳の頃の視力は、0.6~0.8と言われており、視力の悪い大人よりも、よく見えていることも多いです。

さらに3歳になると、50%以上の子が視力1.0になり、5歳までにはおよそ80%の子どもが視力1.0になると言われています

個人差はありますが、多くの子どもが5歳ごろまでに、日常生活に困らない視力に達することがほとんどです。

3、視力を鍛えよう!知育につながるそのメリットとは?

 

視力を正常に発達させるためには、形や光などの外的刺激を、両目に同時に受ける必要があると言われています。

実は、この「外的刺激」と「視力の発達」には、非常に深い関係があり、0歳~2歳までは、たった1日目隠しをしただけで、視力の発達に影響があると言われているほどです

ここでは、赤ちゃんの視力の発達をサポートする方法や、そのメリットをご紹介します!

(1)視力を鍛える事によるメリット

視力トレーニングは、集中して一点に焦点を合わせたり、物体を目で追ったりする方法が中心のため、好奇心や集中力、記憶力の発達に有効だと言われています。

視力トレーニングは、視力のみならず、脳全体の発達に役立つと言えそうですね

他にも、視力トレーニングにより脳が発達するので、以下のような効果が期待できると言われています。

  • 物事をよく見ることができる
  • 細かい動きや違いに気付くことができる
  • 正しい判断ができる
  • 豊かなアイディアが湧く
  • 早く知恵がつく

特に赤ちゃんの頃は、全身がセンサーと言っていいほど、刺激に敏感に反応し、脳が急速に発達している時期です

積極的に刺激を与え、視力のみならず、脳全体の発達をサポートしてあげましょう!

(2)視力を鍛える方法とは?

①焦点を合わせるトレーニング

新生児期~生後1ヶ月ほどの赤ちゃんは、まだうまく焦点を合わせることができません。遊びを通じて焦点を合わせる練習をしてみましょう!

  • ママと視線を合わせる

赤ちゃんの視野はとても狭く、その中に入って来たものしか見ることができません。そこで、ママが赤ちゃんの視野に顔を入れ、目線を合わせてみましょう。

ポイントとしては、まず赤ちゃんの鼻にママの鼻が着くほど近づきます。その後、少しずつ顔を離していきます。目安は、赤ちゃんの顔との距離が、30cm~50cmほどです。

この時、赤ちゃんに優しく声を掛け、コミュニケーションをとりながら行いましょう!

  • 注視遊び

注視遊びは、新生児期から気軽にできる目のトレーニングです。

赤ちゃんは、三原色、中でも赤い色がよく見えます。そこで、赤いボールやオーナメントを紐で吊るし、赤ちゃんに見せてあげましょう。(新生児の場合は黒い物を吊るしましょう。)

月齢が進むにつれて、ボールを注視したり、目で追ったり、様々な反応をみることができます!

②追視のトレーニング

生後2ヶ月~3ヶ月頃になると、動くものを目で追う追視が始まります!

  • 鏡を使った追視遊び

鏡を赤ちゃんに見せ、動く自分を目で追わせることで、追視を促すトレーニングです。

座った体勢や仰向けの体勢で、赤ちゃんの顔を手鏡に映し、ゆっくりと上下左右に動かしましょう。

はじめは興味を示さない子も、段々と上手に目で追うようになります!

また、生後2ヶ月~3ヶ月頃の赤ちゃんは、鏡に映っているのが自分だとは、まだ認識できません。しかし、繰り返し見ているうちに自分であることに気付きます。

「鏡を使った追視遊び」は、追視の練習だけでなく、自分自身の認識もできる、遊びです。

  • 赤ランプを使った追視遊び

赤ちゃんが、より興味を持って追視できるよう、赤いランプを用いた追視トレーニングもあるようです。

懐中電灯やペンライトを薄く赤い布で覆い、即席の赤ランプを作ります。それを、赤ちゃんの顔から25cmほど離れた位置に持っていき、動かしてみましょう。

赤ちゃんの視覚の発達具合をみながら、はじめはゆっくり左右に動かしましょう

③動体視力のトレーニング

  • ボール遊び

ころころと転がるボールを使った遊びは赤ちゃんも大好きですよね。

普段何気なくしている、このボール遊び。実は動体視力を鍛えるトレーニングになるのです!

コロコロ転がってくるボールを、赤ちゃんが目で追うことで、自然と動体視力が鍛えらます。ママも一緒になって遊ぶと自然と赤ちゃんへの言葉かけも増えてコミュニケーションになり、一石二鳥ですね。

4、目が見えるようになってきたときに注意すべきこと4点

 

赤ちゃんの視力が発達するにつれ、注意すべきことがいくつかあるので、ご紹介します。

(1)こんなに見えない!どのように見えているのかをチャイルドビジョンで確認しよう

子どもの視野は、私達大人が思っている以上に狭いことをご存知でしょうか?

子どもの視野は、大人の2/3程度と言われているのです。

そのため、道路で車や自転車が見えていないことも、しばしばあります。道に転がるボールなどに夢中になると、子どもの視界はさらに狭くなり、重大な事故にも繋がりかねません。

子供が見ている世界は、大人とは全く違うため、子供の不意な行動を理解できないこともあると思います。

そこで、実際に子どもの視野を体験できる「チャイルドビジョン」という道具があります

(出典:東京法規出版|https://www.tkhs.co.jp

子どもの視野を簡単に体験できるチャイルドビジョン。東京都福祉保健局のホームページ上で、型紙を無償でダウンロードすることができるので、ぜひ子供の視野を体験してみてください。(以下URL参照)

(出典:東京都福祉保健局|http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp

  • 作り方と使用方法
  • 印刷したものをのりで厚紙に張り付ける。(黒い厚紙を使うとより効果的)
  • はさみで黒線を切り取り、組み立てる。
  • 子どもの目の高さになり、メガネをのぞいてみましょう。

(出典:東京都福祉保健局|www.fukushihoken.metro.tokyo.jp

(2)テレビを近くで見るのは厳禁?

テレビを長時間にわたり、毎日近くで見続けると、将来的に視力が低下する恐れがあります。

とはいえ、忙しい毎日、赤ちゃんがテレビを見ている間に、急いで家事を済ませるママも多いと思います。

そこで、テレビを見るときは、見方や時間に注意しましょう

  • 赤ちゃんがテレビを見る時間は、1日1時間以内にする
  • テレビから離れてみる
  • テレビを見せっぱなしにせず、適宜声掛けをしながらみせる

ポイントは、見せすぎは視力に悪影響を及ぼすことを念頭にいれ、メリハリをつけて見るようにしましょう。

(3)スマホ育児は?

スマートフォンは、赤ちゃんが大好きな音楽や映像、写真を、どこでも簡単に見せることができます。ママやパパの育児負担が減るため、活用している方も多いですよね。

しかし、スマホもテレビ同様、見せすぎると視力が低下する恐れがあります。

スマートフォンから発せられるブルーライトは、エネルギーが強くいため、網膜へダメージを与えることが懸念されている他、長時間浴び続けると、体内リズムが狂う可能性も懸念されています

視力が発達途中の赤ちゃんには、極力見せない方がいいですが、外出先などでどうしても必要な場合は、30分以内にとどめるようにしましょう。

5、目の発達で注意しておくべき動作や病気

赤ちゃんは、大人のように目の異常を自分で訴えることができないため、パパやママが、日ごろから赤ちゃんの様子を観察し、気付いてあげる必要があります。

ここでは、目の発達で注意しておくべき動作や病気について、詳しくご紹介します。

(1)生まれてから1週間以上目が開かない

赤ちゃんは、生まれてしばらくの間は、目が開かないことも多いですが、1週間以上目が開かない場合は、以下のような病気が考えられるため、医師に相談してみましょう。

①先天性眼瞼下垂(がんけんかすい)

眼瞼下垂(がんけんかすい)とは、目を開いたときに、瞼(まぶた)が黒目の上部まで下がっている状態を指します。上方の視野が狭く感じられたり、見た目の問題が生じる病気です。

この眼瞼下垂が、出産直後の赤ちゃんにみられる状態を、先天性眼瞼下垂といいます。

先天性眼瞼下垂の赤ちゃんは、はじめは殆ど目を開けることができません。しかし、日が経つごとに瞼が開くようになる場合がほとんどだと言われており、ある程度瞼が開き、見えづらい様子がなければ、慌てて手術をする必要はありません。

稀に全く瞼が開かない場合や、かなり見えづらい場合には、2歳以下で手術することもあるようです。

先天性眼瞼下垂は、時に視力の発達に影響することもあるため、気になる場合は早めに医師に相談しましょう。

②小眼球症

小眼球症とは、先天的に眼球の大きさが小さい病気で、日本では1万人に1人の割合で発症すると言われています

赤ちゃんが胎内にいる段階で、眼球全体の発達が障害されてしまうことで起こる病気です。角膜、水晶体、網膜、硝子体などの異常も合併して起こることが多く、その程度も、軽度のものから重度のものまで様々です。

完全に治す治療法は見つかっておらず、対処療法が主な治療です。

(2)よく目に涙を浮かべる

目によく涙を浮かべる場合には、先天性鼻涙管閉塞の可能性があります。

私達の目は涙を常に分泌し、その大部分は目頭付近にある上涙点と下涙点という二つの穴に吸い込まれます。そして吸い込まれた涙は、鼻涙管という管を通り、鼻腔へ流れます。

しかし、先天的にこの鼻涙管が塞がった状態のまま産まれてくる赤ちゃんがいます。

この場合、鼻涙管が塞がっているため、涙は行き場に困り、どんどん目にたまって溢れてしまいます。この状態を、先天性鼻涙管閉塞と言います。

先天性鼻涙管閉塞は、生後1年以内にほとんど自然治癒すると言われていますが、治療が必要な場合もあります。

目頭近くの涙嚢のマッサージなどで、鼻涙管の開通を促しますが、生後6ヶ月を過ぎても閉塞したままの場合は、「ブジー」という細い針金を鼻涙管に通して、開通させる手術を行う場合もあります。

赤ちゃんの涙が止まらず気になる場合は、一度眼科を受診することをおすすめします。

(3)目が別々の方向を向いている

斜視とは、片方の目が対象物を見ているにも関わらず、もう片方の目は全く違う方向を向いてしまう状態を指します

目の筋肉や、両眼視機能が未熟なことが原因であることが多く、内斜視、外斜視、上斜視、下斜視に分類され、その程度も様々です。

赤ちゃんの目の方向に違和感を覚えた時、「もしかしたら斜視かも?」と思うママもいるかもしれません。

しかし、赤ちゃんは骨格が未熟なため鼻の付け根が低く、そして広くなっています。そのため、白目の内側が見えず内斜視のように見える場合があるのです。これを偽斜視といいます。

この場合、赤ちゃんの骨格の成長と共に、治るのでさほど心配はいりません。

ただし、本当の斜視の場合は、弱視になる可能性などもあります。赤ちゃんの目線が気になる場合は、自己判断せず、眼科を受診しましょう。

(4)その他パパやママが判断できる、注意しておきたい仕草

赤ちゃんの目がしっかり見えているかどうかを測定するのは、一般の眼科でも難しいと言われています

しかし、「この子、ちゃんと目が見えているのかしら?」と心配になるママをいると思います。特に低月齢のころは、目が合う機会が少ないように感じるなど、不安になることも多いでしょう。

そんな時、ママ自身が赤ちゃんの目の発達をセルフチェックできる項目がいくつかあるので、ご紹介します!

  • 赤ちゃんが、動くものに興味関心をもつか
  • 幼児になると、絵本やテレビなどに興味関心をもつか
  • 片方の目に、目隠しすると嫌がるか
  • カメラ撮影時、フラッシュの光が瞳の中心以外にあると、斜視の可能性がある
  • 目の大きさが、左右極端に違わないか
  • 目の形は丸いか
  • 光を極端に避ける仕草はないか
  • 瞳の色に異常はないか(白く見える、光って見える)

以上、少しでも気になることがあれば、かかりつけの眼科医に相談してみましょう。

まとめ

いかがでしたか?

赤ちゃんの視力は、まだまだ発達段階!

是非、視覚の発達に役立つとトレーニングを生活に取り入れ、楽しく発達を促しましょう!

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