リトミック教育はなんと今から約100年前に提唱された音楽教育方法です。
最近になってまた話題になりつつありますが、興味があるママは「実際のところどうなの?」っていうのが聞きたいところ。
そこで今回は、ママたちのリトミック体験談と実際にリトミックで効果があると言われている内容が本当なのかどうかを調べてまとめてみました。
目次
1、リトミックとは
リトミックとは、冒頭でも話した通り今から約100年前に提唱された音楽教育方法です。
提唱したのはスイスの作曲家であり、音楽家でもあるエミール・ジャック=ダルクローズです。
昔の人は、小さいときからすぐに楽器を習わせたり、楽譜を読む勉強をさせていたようです。
それにたいして疑問をもった彼は「体を使って音楽を楽しみながら音楽を覚える」方法を編み出したのです。
ダルクローズは、闇雲に音楽をやらせるのではなく、音を聞き、感じ、奏でて、そしてそこから更に自分の手で旋律を作っていくことで音楽への興味と音感を学ばせていこうとしたのです。
その教育方法が評価され、現代でも派生して様々な形でのこっています。
(1)リトミックはどんなことをするの?
ダルクローズはリトミックを3つに分けています
- 曲に合わせて踊ったり、全身を使って体操したりする
- 曲のリズムにのって楽器を叩いたり、踊ったりする
- 即興で自由に音を鳴らしたり歌ったりする
新聞紙で音を鳴らして音そのものを楽しみ、先生のピアノの音と合わせて何かをすることで音楽を楽しむことを大事にしながらいろんなことを学んでいきます。
2、実はすごい!リトミックのもたらす効果とは?
実際にリトミックをしている教室の様子
音楽教育の基礎としてダルクローズが作ったリトミックですが、将来、音楽を習う予定がないお子さんでもリトミック教室に通わせることでお子さんに様々な良い影響があります。
幼児時期は右脳がどんどん発達していく時期なので、視覚や聴覚、触覚を刺激することをたくさん体験させてあげると、お子さんの感性が豊かになると言われています。
音楽に合わせていろんなことをするリトミックは聴覚を刺激する習い事です。どんなことができるようになるのか見てみましょう。
(1)メンタル・表現力
音楽に合わせて自分の持っている楽器を叩いたり、踊ったりするのがリトミックです。
音楽を聞いて、お子さんが自分で音楽のニュアンスやイメージをつかみ取り、さらにそれを自分が思ったように身体で表現します。
主体性を重視しているプログラムが組まれているプログラムなので、「自分で考えて、それを表現する、あるいは実行する」ということが自然とできるようになっていきます。
また、ダルクローズいわく、自主的に何かを表現して発表していくことで、お子さんは自信を付けていくことができるようになるそうです。
(2)リズム感
リトミックのプログラムの中には、音楽に合わせてリズムで遊ぶような内容も組み込まれています。
通常リズム感を得ることは幼児の時期だとなかなか難しいものではあるのですが、音楽に合わせてリズミカルに体全体を動かしていくことにより、それを習得することができるようになるそうです。
もちろんリズム感といえば特に将来、音楽などをやろうと思っているお子さんにとっても重要ですが、その他にもリズム感は、今後のおしゃべりに影響してくるようですので、お子さんにとって重要な土台になりうるかもしれないのです。
(3)社会性
先生の支持していく内容によってどんどんやることが変わっていくリトミックは、お子さんに社会性を身につけさせていきます。
ダルクローズいわく、状況に対しての判断力やそこからの行動力、物事に対する向上力なども養うことができるようになるそうです。
3、リトミック教育が輩出した偉人たち
提唱されてから約100年経っているリトミックは、様々な形で現代の音楽教育に根付いています。
リトミック教育の中でも音楽の表現力を重きに置いて派生しているスズキ・メソードというものがあります。
スズキ・メソードは様々なミュージシャンを排出しており、ここで一部の方を紹介させていただきます。
- 東誠三 – ピアニスト、東京芸術大学准教授、国際スズキ・メソード音楽院教授、ピアノ科出身、片岡ハルコに師事
- 上野達弘 – 法学者、立教大学法学部教授、チェロ科出身
- 大谷康子 – ヴァイオリニスト、東京交響楽団コンサートマスター、ヴァイオリン科出身、西崎信二に師事
- 奥村愛 – ヴァイオリニスト、父でありアムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団の元ヴァイオリン奏者、ヴィオリストの奥村に師事
- 小林美恵 – ヴァイオリニスト、ロン=ティボー国際コンクール第1位(日本人初)、大内実名子、高杉忠一、小林武史に師事
- 田中康夫 – 小説家、元長野県知事、衆議院議員、ヴァイオリン科出身
- 松田理奈 – ヴァイオリニスト、第73回日本音楽コンクールバイオリン部門第1位、ヴァイオリン科出身、小林庸男に師事
- 松波恵子 – チェリスト、新日本フィルハーモニー交響楽団元首席チェリスト、チェロ科出身
- 宮前丈明 – フルーティスト、元横浜国立大学医学部助教、フルート科出身、高橋利夫に師事
- 山田晃子 – ヴァイオリニスト、ロン=ティボー国際コンクール第1位(史上最年少)、ヴァイオリン科出身、母玲子に師事
Wikipedia – スズキ・メソードより抜粋(https://ja.wikipedia.org/wiki/)
4、リトミックの効果をママたちの体験談から見てみる
(1)Mさん(2歳・女の子)
子供が音楽に将来興味を持つかもしれないと思い、思い切ってリトミックに参加してみました。
同世代のお子さんとも一緒に行動する機会を作ったほうがいいかもしれないと思ったのも理由の一つです。
最初はぐずってずっと抱っこしたままレッスンを受けていたり、先生の言うことを無視して走り回ったりしていましたが、他の子からいい刺激を受けて最終的に先生の言うことを聞きながらいろんな動きをすることができるようになりました。
(2)Pさん(満7ヶ月・女の子)
音楽にのりながら身体を動かしていた子供を見て、音楽が好きなんだと思いリトミック教材を購入しました。
英語教材だったんですが、私も一緒になってやることで10ヶ月あたりから徐々に英語を理解することができるようになってきました。
親子で楽しむことができるので、おもちゃを購入するよりも経済的なのかもしれないな、なんて。
リトミックはぱっと効果は出ないと思いますが、ちょっとでも身についたら良いなと思いながら継続的にやらせてあげることが大事だと思います。
(3)Mさん(3歳・男の子)
友だちに誘われて、近くの公民館で開催されている月3,000円くらいのリトミック教室に親子で通うことになりました。
他のリトミック教室とどっちに行くか悩んでいたのですが、決め手は公民館の先生が厳しく子供を教えてくれたことです。
子供の今後のためにもなるなと思い公民館のリトミック教室にしました。
通い始めたことによって同世代の他の子達と触れ合う機会を得ることができて刺激されたのか、自分の主張を話すようになったり、少しずつ社会性が身についてきたり、役になったかな、と感じています。
(4)リトミックは何歳から始めるべきなのか
お子さんは3歳くらいまでは右脳で学習をしていると言われています。右脳に刺激を与えることができるリトミック教室は、3歳までのお子さんに向いています。
リトミック教室を実際覗いてみると、1歳未満の子から3歳までのお子さんまで幅広く参加されているのが伺えるようです。
お子さんの年齢に分かれて開催している場所もあるので、自分のお子さんの年齢に合わせた場所に行くのがおすすめです。
5、家でもできる?リトミック
音楽を歌いながらお子さんと何かをすることが、実はもう既にリトミックなのだということをご存知でしたか?
砕いて言うと、音楽に合わせていろんなことをして遊ぶので、実はちょっとしたことでリトミックは簡単に自宅で実践することができるのです。
リトミック教室に行く前に、自宅で手軽に始めてみましょう。ここでは自宅で手軽にできるリトミックのアイディアをお教えします。
(1)手遊び歌
お気づきの方もいるでしょう。手遊び歌は全部リトミックです。リズムにのりながら、歌を歌って手を動かす。まさにリトミックです。
このサイトに沢山手遊び歌が載っているので、お子さんと遊んでみましょう。
「てあそびドットコム」(http://www.teasobi.com/teasobi/)
(2)お風呂で何も用意せずにできるリトミック
髪の毛や身体を洗う時に、歌を歌いながら手やスポンジなどを動かし、お子さんをリズムに合わせて洗います。
湯船の中でも水面をリズムよく歌を歌いながら叩いて遊びましょう。歌はママの即興でもちろんOKです。お子さんに歌う番を振ったりしてお子さんにも即興させると良いでしょう。
(3)歯磨き中にできるリトミック
おかあさんといっしょで流れていた有名な歯磨きの歌、ご存知ですか?
はみがきじょうずかな(http://ikuji-log.net/entry/20151105200247-2#6)
これを歌いながらリズムに合わせて歯ブラシしてあげるのも、実はリトミックです。
(4)空いたペットボトルや新聞紙を楽器に
お子さんが小さい場合は、簡単な打楽器でも使用して演奏することが難しいです。
空のペットボトルをちょっとしたお歌と合わせて叩いたり、新聞紙を丸める音を聞かせて親子で楽しんだりするのも楽しいですよ。
(5)リトミックは、アイディア次第!
自宅にあるどんなものでもアイディア次第でリトミックになります。ここに載せたものだけでなく、思いついたら何か実践してみましょう。
6、リトミック教室に通い始めるには?
(1)リトミック教室の選び方
①リトミック教室が開催されている場所
リトミックは音楽教室だけしかやってないように思われがちですが、実は様々な場所で開催されています。
- リトミック専門教室
- 音楽教室
- 市町村の学館
- 文化会館
- 市民ホール
- 公民館
これだけ見ても、実に様々な場所で開催されていることがわかります。
場合によっては個人の方が開催されていて、ネットで募集されておらず、実は公民館などの掲示板に募集用紙が貼り付けられているだけ、なんてこともありますので、ぜひ足を運んで自分の地区で開催されている教室を探してみてください。
②リトミック教室を選ぶ基準
リトミック教室は様々な場所で開催されています。お子さんに合う場所を選ぶのが一番なのですが、ママたちの判断基準になる項目を列挙してみました。
- 自宅からの距離
- 予算
- 他の生徒の年齢層
- プログラムの内容
このあたりの内容も考慮して、「ここだ!」と思える場所に目星をつけて体験コースに申し込んでみると良いでしょう。
(2)体験入学をして内容を確認してみる
場所が決まったら、次は是非一度体験教室に申し込んでみましょう。
お子さんに合う合わないがまずありますので、体験入学をして何回か通ってみてお子さんの反応を見てみるのが大事です。
一度お子さんに「これからこういう場所にいくからね」と何をするか話してから教室に行ってみましょう。
こういったことから体験入学を開催されているところが多いです。
先生との相性や、周りのお子さんとの相性、音楽に合わせて何かをすることが好きなのかどうかも見ながら、リトミックに挑戦してみましょう。
(3)リトミック教室に必要なもの
リトミック教室に必要なものは基本的にありません。
リトミックはお子さんが身体を使って音楽を自分なりに表現したり、体を使ってリズミカルに動いたりすることが主な内容なので、新たに楽器を用意したり、何か服を着たり、ということは必要ないようです。
場所によっては楽器を貸し出ししている場所もあるのですが、逆にこれだけ持ってきてね、と言われる場所もあるので、必ず確認しておくようにしましょう。
運動をたくさんするので、お子さんが汗をかいたときのためにタオルと着替えを持っていくのはありかもしれませんね。水分補給も忘れずにしましょう。
(4)リトミック教室の費用は?
金額は年齢と場所によって変わってくるようで、1回あたり500円〜3,000円と幅があるようです。
音楽教室などの場所では数ヶ月分を前払いしたり、公民館でやっているようなサークルでするリトミックは月謝で貰っていたりと、支払い方法も異なるので注意しましょう。
まとめ
リトミックは表現力や主体性を育むと言われていますが、どういう音楽をどういう風に捉えて表現するのか、我が子の思考を見るのもママ的には面白い習い事だと思います。
様々な場所で開催されているリトミック、見学ができる教室もあるので、ぜひ一度覗いてみてください。
趣味は薬膳料理とヨガ。
よく食べよく寝る元気いっぱいの息子(3歳)のママ。
かわいいけれどいつも足にまとわりついてくる甘えん坊の息子の将来が心配。
あと仕事と育児で毎日がいっぱいいっぱい。
きちんと料理や掃除をしたいのに家事の時間が確保できないのが悩み。