幼児教育

プログラミング教育スタート!子どもへの影響は?その実態を徹底調査

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2020年度、いよいよ小学校でプログラミング教育が必修になります!

巷には「プログラミング教室」と銘打った習い事も増え始め、「うちの子も通わせた方がいいのかな?」と考えている人もいるでしょう。

しかし、「そもそも、なぜプログラミング教育が必要なの?」このような疑問はありませんか?

  • なぜプログラミング教育が必修化されたの?
  • 子どもにとってどんなメリットがあるか知りたい
  • 日本のプログラミング教育は、海外に比べてどうなの?
  • プログラミング教室に行った方がいいの?家でも学べるの?

など、プログラミング教育の「本質」や「全体像」が知りたい人は、是非続きをお読みください!

1、子どものプログラミング教育が必修化されたワケ

はじめに、なぜプログラミング教育が必修化されるのか?その必要性を詳しくみていきましょう。

(1)プログラミングで動く社会に適応するため

社会を見渡すと、私達の生活は「プログラミング」なしでは成り立ちません。スマホ・家電・自動車など、プログラム制御されているものが日常生活に深く浸透していますよね。

この先も、情報化やグローバル化は進む一方であることが予測され、人工知能AIが人間の職業を奪うのでは?という「不安」も多く聞こえています。

予測が難しいこれからの未来を、柔軟に、そして前向きにとらえ、子ども達自身が未来を創造する「創り手」になるには、学校教育の場でもそれに備えることが大切だ!そんな考えから、プログラミング教育の必修化が決定されたのです。

ポイント✔:プログラミング教育で情報化社会に適応する力を養う!

(2)コンピューターとは何なのか?を理解するため

スマホやタブレットは子ども達にも馴染み深い機器ですが、あたかも「魔法の箱」のような感覚で使用している子が大半です。

「仕組みは分からないけど、便利だから使っている。」このような状態では、到来するであろうAI時代に備えることができるのか?疑問が残りますよね。

  • コンピューターは「プログラミング」で動いていることを知る
  • コンピューターの仕組みを理解する

このようなことを学べば、将来より主体的にコンピューターに関わることが可能になります。

これからの時代、「どのような職業に就くにせよ、コンピューターを使いこなす能力が必須」と、文部科学省も提言しています。プログラミング教育の必修化は、その礎を養う目的があるのです。

ポイント✔:プログラミング教育で、身の回りにあるIT機器の仕組みを理解!

(3)プログラミング的思考を育むため

プログラミング的思考とは、「こうしたい!」という目的を果たすためには、どのように動けばいいのか?どのように組み合わせればいいのか?どう改善すればいいのか?を、順序立てて論理的に考える力を指します。

このような能力を身に付ければ、将来プログラミングに携わるか否かに関わらず、「常に良い手段」を選択することが可能になります!

仕事をするうえで困難にぶつかった時、自らの判断で論理的に解決することができる人材は、どのような社会でも求められます。プログラミングを学ぶことで、「ロジカル」な考え方を養って欲しい!そんな思いも、プログラミング教育には込められているのです。

ポイント✔:プログラミング教育で「論理的思考」が育まれる!

(4)日本はIT人材が不足しているため

先にお伝えしたように、現代社会はプログラミングと切っても切り離せない関係ですが、日本はそれを担う人材が不足しています!

経済産業省が平成28年に発表した「IT人材の最新動向と将来推計に関する調査結果」では、IT人材は2015年時点で約17万人不足しており、2019年をピークにさらに減少!2030年には59万人もの不足が予想されているのです。

日本が世界を渡り歩くためには、IT業界を担う人材を育成することも大切です。

その裾野を広げるためにも、「プログラミング教育」は大切な役割を果たすと言えるでしょう。

ポイント✔:プログラミング教育でITに興味が湧く➡IT人材の裾野が広がる!

いかがでしょうか?プログラミング教育は子ども達にとって必要不可欠であり、沢山のメリットが期待できることも分かりましたね!

2、日本と世界のプログラミング教育事情

プログラミング教育の必要性が分かったところで、次に日本の「プログラミング教育のレベル」をみていきましょう。

海外と比較して、日本のプログラミング教育はどうなか?分析してみました。

(1)海外におけるプログラミング教育の現状

諸外国でも、続々とプログラミング教育がスタートしています。

こちらの表は、平成26年度「諸外国におけるプログラミング教育に関する研究」をもとに、「諸外国のプログラミング教育の現状」を簡易的に示した表です。

国名

初等教育

プログラミング教育内容

イギリス

・初等教育におけるプログラミング教育が最も充実

・5歳~プログラミング教育が必修

・初等教育でアルゴリズムの理解、簡単なプログラム作成など、高度なテクニックを学んでいる

ロシア

・初等教育におけるプログラミング関連の授業が必修

・算術演算を数字と数式で表現して問題を解決する能力や、簡単なアルゴリズムの構築を行う

・表、チャート、グラフ、データ集計、分析する力を育み、プログラミング教育に繋げている

ハンガリー

・初等教育「Informatik」の一部としてプログラミング教育が必修

・「Informatik」は、1~12年生の間に継続して教えられる

フィンランド

・2016年秋に初等教育におけるプログラミングが必須化

・算数・数学のカリキュラムの一部として導入

エストニア

・初等教育でプログラミングは必修ではないが、学校によっては学んでいることも

・プログラミング教育の実施は学校裁量

・ロボットプログラム、ゲームプログラムを用いてプログラミングに興味を持たせる活動が主

アメリカ

(カリフォルニア)

・制度化されたプログラミング教育はなし

・プログラミング教育の実施は学校裁量

・初等教育ではScratchを用いることが多い

フランス

×

・平成26年度時点では、初等教育でプログラミング教育はなされていない

・数学の一部として、15歳~17歳に限りプログラミング教育を実施

韓国

・初等教育で「技術・家庭」の科目としてICTリテラシー(情報教育)を中心とする内容が必修。

・プログラミング教育が本格的に始まるのは、中学・高校になってから

中国

(上海)

・小中学校におけるプログラミング教育は特に定められていない

・しかし「情報科学技術」という科目が必修化され、情報に関する教養を育む狙いがある

インド

・小学校低学年からプログラミング教育を導入

・そこから10年程かけてHTML、XML,C++など高度な内容を指導

・学校(公立・私立)によって指導内容や規定が異なる

〇:初等教育でプログラミングが必修科目

△:初等教育でプログラミングが必修科目ではないが、何らかの形で学んでいる

×:初等教育でプログラミングを学んでいない

※本表は文部科学省平成26年度「諸外国におけるプログラミング教育に関する研究」をもとに独自に作成したものです。学校教育制度は国ごとに異なるため、各国のプログラミング教育を簡易的に示したものとして捉えて下さい。

こちらの表をみてみると、

  • 初等教育からプログラミングを「必修科目」としているのはイギリス・ロシア・ハンガリー・フィンランドの4か国
  • エストニア・韓国・インドは初等教育におけるプログラミング教育が必修ではないが、積極的に学ばれている傾向が伺える
  • フランスは平成26年度時点では初等教育でプログラミング教育がなされていない
  • アメリカ(カリフォルニア)は制度化されたプログラミング教育がない

ということが分かりますね!

このように、海外のプログラミング教育は国により大きなばらつきがあるのが現状で、世界の誰もが当然のように学ぶとは、まだ言えないことが分かりますね。

(2)日本のプログラミング教育は進んでいる?遅れている?

続いて、日本のプログラミング教育に着目してみましょう。

①日本でもプログラミング教育は既に始まっている!

「2020年度から、いよいよプログラミング教育がスタートする!」と考えているママパパも多いと思いますが、実は、既に中学・高校ではプログラミング教育が始まっています。

中学校では「技術家庭」において既にプログラミング教育がなされており、「プログラムによる計測・制御」という単元で実施!高校でも、「社会と情報」「情報の科学」の計2つが選択必修科目になり、アルゴリズムとプログラム、ネットワークシステム、データベース、情報システム実習など、比較的高度な内容も学んでいるのです。

このように、「中高生は既にプログラミングを学んでいる」という現状に加え、さらに2020年度からは、小学校でもプログラミング教育が必修化されるというわけです!

②小学校ではどのような方法でプログラミングを教えるの?

2020年度に必修化される小学校でのプログラミング教育ですが、プログラミング言語などの「スキル」を詳しく教えるわけではありません。

先に記したように、小学校でのプログラミング教育は、プログラミングに親しみ、ロジカルな考え方を学ぶことが重視されているのです。

そのため、「プログラミング」という教科が設けられわけではなく、総合的な学習の時間、理科、算数、音楽、図画工作、クラブ活動などの一部に、プログラミング教育が盛り込まれることが計画されているのです。

しかし「これを行う!」という内容が明確に決められているわけではないため、

  • 先生がプログラミング教育に慣れていない
  • 授業をどのように進めるべきか悩む!

など、課題があるのも事実です。

このような課題を解決すべく、官民協働で「未来の学びコンソーシアム」という組織を設立!先生方のプログラミング教育に関する悩みを、サポートしていく体制も整いつつあるようです。

③日本のプログラミング教育は遅れているわけではない!

ここまで読んで頂き、日本のプログラミング教育は遅れていると思いますか?進んでいると思いますか?

  • 初等教育からプログラミングを必修科目としているのは4か国のみ
  • 先進国でも、小学校でプログラミング教育が必修化されていない国がある
  • 日本では中高生を対象としたプログラミング教育は既になされている
  • 2020年度からは、小学校でもプログラミング教育が必修化される

以上を踏まえると、「世界と比べてとてつもなく進んでいるわけではないが、遅れているわけではない!」というのが、日本のプログラミング教育の現状と言えるのではないでしょうか?

3、プラスαで学ぶなら「ビジュアルプログラミング」がおすすめ

世界と比較して、決して遅れているわけではない日本のプログラミング教育。

しかし、プラスαでもう少し踏み込んだプログラミング教育を受けさせたい!という際には、「ビジュアルプログラミング」がおすすめです。

(1)ビジュアルプログラミングとは?

ビジュアルプログラミングとは、プログラム言語を知らなくても簡単にできる、子ども向けのプログラミングソフトです。

ドラッグ&ドロップなど、幼い子でも容易な操作でプログラムを組めるのが大きな特徴で、以下の3つの種類があります。

  • ブロックタイプ:指示が書かれたブロックを繋ぎ、プログラムを構築する。
  • フロータイプ:フローチャートのように指示などを並べ、線で繋ぐことでプログラムを構築する
  • 独自ルールタイプ:上記2つ以外の独自ルールを採用しているビジュアルプログラミング

文章を読んで理解できる子(年長~小学校低学年)には「ブロックタイプ」や「フロータイプ」、幼児には未就学児向けの「独自ルールタイプ」がおすすめです。

(参考:知りたい!プログラミングツール図鑑|https://tool-zukan.com

(2)ビジュアルプログラミングを体験するには?

ブロックタイプなら「Scratch」、フロータイプなら「MESH」、独自ルールタイプなら「Viscuit」などが有名ですが、これらを体験するにはどうすればいいのでしょうか?

このようなビジュアルプログラミングソフトは、無料・有料のものがあり、ダウンロードして自宅で取り組むことが基本的に可能です!

しかし、問題はその操作方法。結論から述べると、ママパパがプログラミングに詳しくない場合、自力で教えるのは難しい場合もあるようです。

実は私も「Scratch」を体験したことがありますが、子どもに教えるには自分がその倍以上理解していることが必要だなぁ…。と実感したため、親子でプログラミング教室の体験レッスンを受けました!

しかし、一通りレッスンを終えて先生がおっしゃった一言は「小学生になったらまたおいで!」でした。お話を聞いた限り、やはり当時年中の娘にScratchは時期尚早とのことでした。

ただし、先ほどお伝えしたように独自ルールタイプなら、未就学児でも楽しめるものが沢山あります!次で、未就学児でも楽しめるビジュアルプログラミングをご紹介するので参考にして下さいね。

※「Scratch」について詳しく知りたい方は、「子どものプログラミング教育なら「スクラッチ」。概要から始め方まで徹底解説!」をご覧ください。

4、初心者ママパパでも大丈夫!おすすめのビジュアルプログラミング

子どもと一緒に取り組みやすく、家庭で体験できるビジュアルプログラミングを集めました。

こちらの5つは操作が簡単で分かりやすいため、プログラミングの知識ゼロのママパパでも大丈夫!

お子様と楽しむためのコツは、

  • まずはママパパがチャレンジして仕組みを理解する
  • 子どもが慣れるまでは、ママパパが横にいて指導する
  • 強制するのではなく遊びの一環として楽しむ
  • ビジュアルプログラミングで作品ができたら、沢山褒めてあげる

このようなポイントに注意して、家庭でビジュアルプログラミングを楽しみましょう。

まとめ

子ども達を取り巻く社会は、刻一刻と変わっています。

日本のプログラミング教育は、世界に比べて決して遅れているわけではなさそうですが、目まぐるしく移り変わるIT社会に適応するには、学校&家庭でのサポートが必要なのかもしれません。

まずは気軽にチャレンジできる「ビジュアルプログラミング」に挑戦し、お子様にプログラミングの楽しさを伝えてあげることから始めましょう!

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