「ママ、トイレに行きたい…。」、「さっき行ったばかりでしょ!?」
- 最近、子どものトイレが近すぎる…。
- 家を出る前にトイレを済ませたのに、車に乗るとすぐにトイレに行きたがる。
- 習い事や学校でも、頻繁にトイレに行っているようだ。
このようなお子様の症状は、もしかすると【子どもの頻尿】かもしれません。
今回は、子どもの頻尿の原因や正しい対処法、そして子どもの頻尿を経験したママ達による頻尿克服体験談をまとめました。
「頻尿が治らず不安…。」、「原因をみつけ、辛い頻尿から解放してあげたい。」子どもの頻尿を目の前に、大きな不安に押しつぶされそうなママパパもいるでしょう。
この記事が、お子様の頻尿解決に少しでも役立つことができれば幸いです。
目次
1、頻尿とは
頻尿とは、読んで字のごとく【何度もおしっこに行きたくなる】、または【実際に何度もおしっこに行く】状態を指します。
具体的には、
- 1日に8回以上おしっこに行く
- 寝ている間に2回以上おしっこに行く
- 自分自身でおしっこの回数が多いと感じる
など、昼間や夜間に頻繁に尿意を感じる症状を、「頻尿」または「夜間頻尿」(寝ている間)と呼ぶのです。
子どもが急に頻尿の症状を訴えると、「一体どうしちゃったの!?」とママパパは不安になりますが、その原因は大きく2つに分けられます。頻尿の原因は何なのか?次で詳しくみていきましょう。
2、頻尿の主な原因は2つ!
頻尿の主な原因は、「病気」と「ストレス」の2つです。それぞれ詳しくみていきましょう。
(1)病気
頻尿の1つ目の大きな原因は、「病気」です。
- 過活動膀胱:尿が溜まってないにも関わらず、勝手に膀胱が収縮する
- 膀胱がん:腫瘍が膀胱を刺激し、頻繁に尿意を催すことがある
- 尿路系の感染症:尿路系の炎症が膀胱を刺激し、頻尿になることがある
- 多尿:糖尿病や腎臓病、水分摂取量の増加などで尿の量が増え、頻尿になることがある
など、頻尿を引き起こす病気は少なくありません。
ただし、子どもの場合は「膀胱がん」や「多尿」は稀で、「過活動膀胱」や「尿路系の感染症」のケースが多いようです。
※頻尿を引き起こす病気は、ご紹介したものが全てではありません。
※ご紹介した病気全てが、常に頻尿を伴うとは限りません。
(2)ストレス
頻尿の2つ目の大きな原因は「ストレス」で、心の不安や緊張などから頻尿が起こることを、「心因性頻尿」と呼びます。
- 友人関係の不安
- 塾や習い事に行きたくない!というストレス
- 夫婦不仲
- 弟や妹の誕生
- トイレトレーニングのプレッシャー
- 引っ越しや進級に伴う環境の変化
など、心因性頻尿の原因は、誰もが経験する日常の中に潜んでいます。
次では、「病気」と「ストレス」が原因で起こる頻尿のサインと、ママパパがすべき正しい対処法をみていきましょう。
3、【病気が原因の頻尿】サインと対処法
病気が原因の頻尿の、サイン(兆候)と対処法をみていきましょう。
(1)【病気が原因の頻尿】のサイン
病気が原因の頻尿は、
- 血尿
- 腹痛
- 排尿時の痛み
- 発熱
- 激しいのどの渇き
など、頻尿と並行して何等かの症状がみられるケースもあるようです。ママパパは子どもの様子をよく見て、次でご紹介する適切な対処を行いましょう。
(2)【病気が原因の頻尿】の対処法
病気が原因の頻尿は、【病院に連れていくこと】こそが、親ができる最も正しい対処法です!自分達で病気を治すのは不可能なため、必ず適切な治療を受けさせましょう。
例えば、子どもによくみられる「尿路系の感染症」の場合、適切な治療を行えば数日で治ることが多いですが、放置すると痛みや発熱を伴い悪化します。
また、同じく子どもに起きやすい「過活動膀胱」の場合は、「おもらし」や「夜尿症」を併発することもよくあります。そうなると、子どもの生活の質が下がり、学校生活に不安を感じてしまう場合もあります。
子どもの膀胱の機能が成熟するのを待ちつつ、医師の判断で尿をためる膀胱のトレーニングをしたり、薬を服用したりすることで、根気強く治療することが大切です。
私の場合、子どもが3歳の頃に「おしっこ痛い!痛い!」と言い出したことがあったのですが、「シャワーで流して清潔にすれば大丈夫。」と思い込み、病院には連れていきませんでした。すると次の日熱が出て、膀胱炎になっていたことが分かりました。呑気に構えていた自分を反省しました…。
4、【心因性の頻尿】サインと対処法
心因性の頻尿の、サイン(兆候)と対処法をみていきましょう。
(1)【心因性頻尿】のサイン
心因性頻尿の場合、何らかのストレスが単発、または複合して頻尿を引き起こしている可能性があります。
- 学校に行きたがらない
- 家で口数が少なくなった
- 習い事に行こうとすると、何度もトイレに行きたがる
- 子どもの様子が暗い
- 学校の様子を聞いても話したがらない
- 親の様子をうかがっている
- 全てにおいてやる気や気力を感じられない
などのサインが、頻尿と並行して見られることもあるようです。
(2)【心因性頻尿】の対処法
心因性頻尿の場合も、まずは医療機関を受診して「心因性頻尿」の診断を受けることが大切です。
場合によっては、医師の判断で【薬による治療】や【排尿感覚を開ける訓練】を行うこともあるため、まずは病院にいきましょう。
そのうえで、
①子どもの話を聞く
②頻尿の原因を探る
③学校や習い事と連携する
以上の【3つのステップ】を家庭で実践してみましょう。
子どもの話を聞いて頻尿の原因を探り、もし原因が学校にあるなら、担任の先生に連絡して改善をはかることも大切です。家庭内に問題がある場合には、夫婦で話し合い早急に解決すべきでしょう。
ただし、この3ステップを行う時には注意すべき大切なポイントがあります。それは、【心配し過ぎない】ことです!
親が心配し過ぎて「原因は何なの!?言いなさい!」など強く迫ると、益々頻尿が悪化することがあります。頻尿を心配する気持ちは痛いほど分かりますが、子ども自身、何が原因で頻尿になっているのか分かっていないことも多いです。
- あからさまに「原因は何!?」と聞くのはNG!
- 話の中からそれとなく頻尿の原因を探る
- 親自身が子どもにストレスをかけてないか振り返る
- 子どもに過度な刺激を与えない
- 子どもの前では頻尿は「知らんぷり」する
- その陰で、担任や習い事と連携する
以上のポイントをおさえ、【見守る気持ち】でお子様の頻尿と向き合いましょう。
5、【先輩ママの体験談】子どもの頻尿、乗り越えました!
それでは、実際に子どもの頻尿を経験したママ達の、貴重な体験談をみていきましょう。
(1)学校の友人関係が原因で頻尿になったAちゃん
娘の頻尿は、ある晩突然起きました。「おやすみ。」と言ってベッドに入った後もなかなか寝ずにトイレに数度行くようになり、「何かおかしい…。」と思っていた矢先、担任の先生から「ここ数日、1時間の授業内で何度もトイレに行っています。」と心配の連絡を頂きました。
自分では思い当たるふしがなかったため、最初は「膀胱炎かな?」と思い病院を受診。しかし、待ち時間にも数分おきに差し迫った様子でトイレに行く様子を見て、「これは、心の問題かも?」と強く感じました。
病院では、エコー、血液検査、レントゲン、尿検査など詳しく調べましたが異常なし。医師からは、「おそらく心因性頻尿です。」と言われました。
- まずは見守ること
- ストレスの原因が分かるなら取り除くこと
この2つを指示されたため、すぐに担任と連携して何か変わったことが学校でなかったか探りました。
結果、娘の場合は「友人関係」の悩みが原因でした。
しかし、この原因を探るのが一苦労でした…。私には素直に話してくれず、何度も話を聞いて娘の気持ちをほぐし、やっと泣きながらポツポツと話しをしてくれました。思えば、下の子が生まれてから数年、娘に厳しく接することが多く、嫌なことがあっても私に伝えにくい環境だったのだと思います。
頻尿の引き金は友人関係ですが、それをすぐに解決できなかったのは子どもに対する接し方に問題があったんだ…。と、すごく反省しました。
友人関係は先生の介入で解決。娘に対する接し方も、夫婦で劇的に変えました。すると、頻尿は1か月ほどかけて徐々によくなり、今ではほとんど症状がみられません。
ポイント:医師による「心因性頻尿」という診断と、家庭&学校の連携が頻尿改善のカギ!
(2)塾のプレッシャーで頻尿になったBくん
中学受験塾に通い始めた小学校4年生の夏、息子が急に頻尿になりました。
母親の私からみると、「やっぱりか…。」というのが第一の感想でした。なぜなら夫が受験に対し熱くなり、家庭学習の量が増加。クラス分けテストの後は、「なぜあれほどやった箇所を間違うんだ!?」など、厳しく叱咤していたからです。その様子は私から見てもハードで可哀そうに思っていましたが、それが子どものためだと勘違いしていたんです。
しばらく様子を見ていたんですが、頻尿は改善せずむしろ酷くなりました。テストなど緊張するシーンに限って何度もトイレに行きたがり、私達親もどうしたら良いか分からずパニック状態に…。
「自分達だけでは解決できない!」そう思って塾の先生に相談したところ、親身に話を聞いてくれ、私達に対するアドバイスや、厳しいお言葉もいただきました。
それを夫に話したところ、夫は涙を流して反省…。「自分は〇〇のためだと思って頑張っていた。でも、それは間違いだった。まだ4年生。楽しくやらなきゃ意味ないよな。」と、深く自分を悔いていました。
それからというもの、夫の態度が激変!「楽しく勉強する」をモットーに、沢山の工夫をして息子と二人三脚で歩んでいたら、いつの間にか息子の頻尿は治っていました!
ポイント!:親が原因の頻尿は、思い切って第三者に介入してもらうことも大切!
(3)トイトレで頻尿になったCくん
息子のトイトレがなかなか進まず、「叱ってはいけない。」と分かっているのに、ついイライラして怒鳴ることもありました。
そうしているうちに息子は無事におむつを卒業したのですが、安堵したのも束の間、何度もトイレに行くようになってしまったんです…。
- 家を出る前にトイレは済ませたのに、車に乗ると5分も経たないうちに「トイレに行きたい…。」と言う。
- 遊園地や公園でも頻繁にトイレに行きたがる。
など、今思えば完全に厳しいトイトレのせいで、おもらしに恐怖感を抱いていたんだと思うのですが、当時の私にはそれが分かりませんでした…。
ある日、息子が風邪をひいたので小児科を受診したところ、案の定待ち時間に何回もトイレに行きたがる息子。その様子を見て、看護師さんが「大丈夫ですか?先生に相談してみませんか?」と、声を掛けてくれました。
先生からは、息子がトイレにプレッシャーを感じていること。しばらくの間は、何も言わず様子を見ること。もしおもらしをしても、何も言わず淡々と処理することなどをアドバイスされました。
「自分のせいで息子がこうなってしまった…。」と後悔の涙を流していたところ、先生から「お母さん、一生懸命頑張ったんですね。深く考えないで大丈夫!すぐ治るよ。」と声を掛けていただき安心しました。
その後、先生のアドバイス通りにしたところ、頻尿は全くなくなりました!今年小学1年生になり、毎日元気に登校しています。
ポイント!:トイトレで一時的に頻尿になるのは珍しいことではない。ママパパは自分を責めず、正しい対処をしよう!
まとめ
子どもの頻尿を目の当たりにすると、ママパパの方が焦って不安定になることも少なくありません。
しかし、頻尿で1番苦しんでいるのはお子様自身です!特に心因性頻尿の場合、子どもは「悩み」と「頻尿」のWパンチを受けている可能性が高く、大変苦しい状態です。
お子様の話に耳を傾け、医師・家庭・学校などと連携して、頻尿を焦らずゆっくり治していきましょう。
3歳と6歳の子を持つママライター。子ども達を「食うに困らない人間」に育てるべく、0歳から様々な幼児教育を実践!その効果が出ているかはさて置き…育児と仕事に全力投球中の30代です。夫と家事全般の優先順位が下がる一方なのが悩みの種。