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乳児の我が子がインフルエンザになったときのために見ておきたいまとめ

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大人・子どもに関わらず、感染すると大変辛い思いをするインフルエンザ。

特に、乳幼児は大人と比べ抵抗力が弱いため、感染すると重症化することも少なくありません。

また、インフルエンザウイルスは、その感染力の高さも特徴の一つ。ひとたび流行が始まると、世界的なパンデミック(大流行)となるため、油断できません。

もし自分の赤ちゃんが感染したら・・・と思うと、気が気ではありませんね。

そこでここでは、乳児をインフルエンザ感染から守る方法や、感染した場合の正しい対処法についてお伝えします。

乳児のインフルエンザ感染について正しく理解し、我が子を守りましょう!

目次

1、乳児のインフルエンザ

乳児がインフルエンザに感染した場合、どのような症状が出るかご存知でしょうか?

ここでは、乳児のインフルエンザの特徴や風邪との違いについて、詳しくお伝えします。

(1)乳児でもかかる!インフルエンザとは?

インフルエンザとは、「インフルエンザウイルス」が原因の感染症ですが、一般の風邪とは分けて考えるべき「酷くなりやすい感染症」です。

毎年世界各国で流行し、重篤化すると死亡することもある感染症で、人類に残されている最大級の伝染病と言っても、過言ではありません。

一般に、生後3ヶ月くらいまでの乳児は、母親からもらった免疫のおかげで、病気になりにくいとされていますが、絶対に罹らないとは言い切れません

そのため乳児を持つママは、インフルエンザの予防法や、罹った時の対処法など、予備知識を持っておきましょう!

いざ我が子が感染した時に、慌てずに済みます!

(2)インフルエンザの一般的な特徴

インフルエンザは、「接触感染」、「飛沫感染」が主な感性経路で、インフルエンザウイルスが口や鼻、目の粘膜などから体内に侵入するところから始まります。

その後1日~4日間程の潜伏期間を経て症状が現れることが多いですが、乳幼児の場合は24時間以内に発症するケースもあるようです。

インフルエンザ発症後、1日~3日は以下のような症状があります。

  • 突然38℃以上の高熱が出る
  • 全身の倦怠感
  • 食欲不振
  • 関節痛
  • 筋肉痛
  • 頭痛

その後少し遅れて、

  • 鼻水
  • 喉の痛み
  • 下痢や嘔吐

などの症状が現れることもあります。

赤ちゃんの発熱をはじめ、咳や鼻水、食欲がないなどは、「ママに見える症状」ですが、倦怠感や関節・筋肉・頭痛は、「見た目には分からない症状」です。

赤ちゃんは喋って症状を伝えることができません。そのため、ママが赤ちゃんの様子をよく観察し、変化に気付いてあげることが大切です!

  • 明らかに元気がなく、きつそうにぐったりしている
  • 機嫌が悪くずっと泣いてぐずっている

高熱や咳・鼻水の他、このような様子が見られた場合はインフルエンザを疑い、医療機関を受診しましょう。

(3)インフルエンザと風邪の違い

インフルエンザと風邪の大きな違いは、その「症状」にあります。

風邪の症状は比較的軽く、重篤化することは殆どありませんが、インフルエンザは急な高熱や全身の激しい倦怠感、食欲不振などが表れます。

感染したことのある人は分かると思いますが、身体がかなり「キツイ」状態に陥ります。

しかし、見た目には咳や鼻水など、風邪と見分けがつかないことも多いです。

ママは赤ちゃんの様子に気を配り、「38℃以上の高熱」を一つの判断のポイントとしましょう。

(4)インフルエンザには合併症も

インフルエンザは感染すると重症化しやすいため、罹りたくない感染症の代表格とも言えますが、さらに恐ろしいのは「インフルエンザの合併症」です。

インフルエンザで亡くなった方の大半は、合併症が原因とも言われているのです。

合併症の種類には、

  • インフルエンザ脳症
  • 急性細気管支炎
  • 急性気管支炎
  • 肺炎
  • 中耳炎

などがあります。

特に、5歳以下の子どもや高齢者、妊婦は合併症になるリスクが高いとされているため、早期診断・早期回復が大切です。

ママは赤ちゃんの様子に気を配り、少しでもおかしいと感じる場合は、かかりつけの小児科に相談するなど、早めの対処を心がけましょう!

(5)赤ちゃんにインフルエンザ治療薬は使える?

インフルエンザの治療薬の使用には、各医療機関の医師によっても、様々な方針があります。

インフルエンザ治療薬には以下の種類があります。

  • タミフル・・・内服薬
  • リレンザ・・・吸入薬
  • イナビル・・・吸入薬
  • ラピアクタ・・・点滴薬
  • ゾフルーザ・・・内服薬

このうち、乳幼児などの子どもへの使用が推奨されているのは「タミフル」と「ラピアクタ」です。

タミフルは、生後2週間以上であれば使用できるとされていますが、医師によっては生後6ヶ月以上から使用するという方針もあります。

また、ラピアクタは点滴薬のため、入院時などに使用されることがあります。

インフルエンザは自然治癒も見込める感染症であり、全てのインフルエンザ患者に治療薬が処方されるわけではありません。

医師は、乳幼児の月齢や様態を見極め適切に投薬指示を出しているため、指示に従いましょう。

2、インフルエンザが流行る時期

参考:東京都感染症情報センター

ご存知の通り、インフルエンザは、感染時期に「季節性」があります。

インフルエンザは毎年冬季に大流行をみせますが、実は10月頭から患者が出はじめ、1月、2月をピークに、なんと5月頃まで感染患者がいるのです!

5月と言えば、春から夏に季節も変わる時期です。インフルエンザの流行が落ち着いても、油断せず赤ちゃんの様子を観察し、適格に医療機関を受診しましょう。

3、インフルエンザにかかった?!と思ったら

もし、赤ちゃんがインフルエンザにかかったかも?と思ったら、ママはまずどんな対処をすればいいのでしょうか?

(1)乳児の症状を確認

「あれ、何だか体温が熱い!」

赤ちゃんの発熱に気付いたママは慌ててしまいがちですが、まずは赤ちゃんの様子を確認することが大切です。

  • 38℃以上の高熱がないか?
  • 咳・鼻水はあるか?
  • 機嫌は悪いか?
  • 食欲はあるか?
  • ぐったりとした様子はないか?

以上のような、インフルエンザの特徴となる症状の有無をチェックしましょう。

そして、医療機関で医師に適格に症状の説明ができるよう、体温やおよその授乳量などを、軽くメモしておくことをおすすめします。

(2)周りの状況を確認

インフルエンザは「流行」があります。身の回りでインフルエンザが流行っていないか、思い返してみましょう。

もし周囲にインフルエンザに感染している人がいた場合は、診断の判断材料になるため、医療機関を受診した際に医師に伝えましょう。

特にお兄ちゃん・お姉ちゃんがいる場合、保育園や幼稚園で知らないうちにインフルエンザウイルスに感染し、赤ちゃんにうつるというケースもあります。

園によっては、インフルエンザに関する情報を逐一開示していることもあるので、流行時期には気にかけておきましょう。

(3)1人で決めないで!医療機関に相談・受診を!

「熱はあるけど、咳や鼻水は出ていないからインフルエンザじゃなさそう。」

ちょっと待ってください!

このように、ママが1人で自己判断することは絶対にやめて下さい!

誤った判断で医療機関の受診が遅れれば、適切な治療が遅れます。その結果、重篤な合併症を引き起こすことにもなりかねないのです!

また、家にある解熱剤を自己判断で赤ちゃんに使用するのも絶対にやめましょう。

インフルエンザを発症している乳幼児に、むやみに解熱剤を使用すると「インフルエンザ脳症」を引き起こす可能性があるとも言われているのです。

インフルエンザかどうかに関わらず、自己判断での投薬は非常に危険です。

赤ちゃんの体調不良を感じた際は、医療機関を受診し、適切な治療を受けましょう!

(4)検査キットでは、正確に判断できず、再診になることも

インフルエンザか判断するには、病院で検査を受ける必要があります。

インフルエンザの検査は、その場で結果が分かる「迅速抗原検出キット」が用いられており、10分程度で結果が出ます。

しかし、ウイルスの量が少ないと、たとえインフルエンザに感染していても、インフルエンザ陰性となってしまうことがあるのです。

そのため、インフルエンザを疑う症状があるにも関わらず陰性になる場合は、翌日再検査を受けるよう、再診を指示されることもあります。

(5)重症化した場合は迷わず緊急外来や救急車を。

赤ちゃんは大人と比べ抵抗力も少ないため、インフルエンザに感染すると、重症化してしまうケースも少なくありません。

けいれんや意識障害、呼吸がしづらい、水分も受けない、などの症状が見られた場合は、合併症を引き起こしている可能性もあります。

その際は、迷わず救急外来を受診し、場合によっては救急車の要請も視野に入れましょう。

(6)夜間で困った時は小児救急電話相談(#8000)も頼ってみて

小児救急電話相談【♯8000】をご存知でしょうか?

「♯8000」は、平成16年に厚生労働省が開始した事業で、休日や夜間の子どもの急な病気に、どのように対処したらいいのか、医療機関を受診すべきなのかを、小児科医や看護師が電話でアドバイスしてくれます。

「救急外来に行くべき?」

「翌朝まで医療機関の受診を待っても大丈夫?」

など、子どもの体調に関して不安に思うことがあれば、【♯8000】を頼ってみて下さい。

電話の掛け方は簡単!

①♯8000と、♯も含めてダイヤルする。

②小児科医師、看護師が電話対応し、適切な対処の仕方、受診するタイミングなどを含め、アドバイスしてくれます。

ただし、【♯8000】では「医療機関の案内」をすることはできません。どの病院を受診すればいいか探す場合は、各県の救急医療情報センターに相談しましょう。

小児救急電話相談【♯8000】について、より詳しく知りたい方は小児救急電話相談について(厚生労働省)をご参照下さい。

4、乳児のためのインフルエンザ対策

乳幼児が感染すると重症化するケースもあるインフルエンザ。できれば我が子には感染してほしくないのが、ママの気持ちです。

そこでここでは、乳児をインフルエンザから守るための方法を徹底解剖!

正しい知識で、大切な我が子をインフルエンザから守りましょう!

(1)インフルエンザ予防方法

①ワクチン接種

インフルエンザの予防策として有効な方法の一つに、ワクチンの予防接種があります。

日本では、生後6ヶ月以上の赤ちゃんからインフルエンザの予防接種をうけることができますが、日本内科学会では、1歳以上からの摂取を推奨しています。

これは、1歳未満の乳児の対象数が少ないため、インフルエンザワクチンの有効性を示す確証が認められなかったことが理由です。

また、1歳以上6歳未満の子どもについては、インフルエンザワクチンの有効率は20%~30%であり、ワクチン接種の意義があるという見解がなされています。

詳しくは日本小児科学会 乳幼児(6歳未満)に対するインフルエンザワクチン接種についてを、ご覧ください。

このように、乳幼児に対して一定の効果があるインフルエンザワクチンですが、費用がいくらかかるかご存知でしょうか?

インフルエンザの予防接種は、保険適応外。

1回あたり、およそ2,500円~5,000円程度が相場で、医療機関によって金額も異なります。

13歳未満の子どもは、2回接種することが推奨されているため、全部で5,000円~10,000円程度かかる計算になります。

少し高いと感じる方もいるかもしれませんが、インフルエンザの予防接種に助成金が支払われる場合があることをご存知でしょうか?

加入している保険組合や、企業、地域の自治体がインフルエンザ予防接種の費用補助を行っている場合があるのです。

接種前に、一度自治体や各種機関に問い合わせてみましょう!

②流行している時は外出を控える            

インフルエンザの感染を避けるには、なるべくインフルエンザウイルスとの接触を避けることが大切です。

電車やバス、エレベーターなど、不特定多数の人と接触する可能性のある場所は、要注意です!

不要な外出は控え、必要最低限にとどめましょう。

③家族がマスクをする

例え家族にインフルエンザの感染者がいなくても、いつ誰が発症するか分かりません。

赤ちゃんはマスクをすることができないため、家族は予防のためにも、インフルエンザ流行時にはマスクをしましょう。

通常販売されているマスクは、空中に浮遊するインフルエンザウイルスをガードすることは難しいですが、「飛沫ウイルス」には効果を発揮します。

飛沫ウイルスとは、くしゃみや咳によって排出された、ウイルスを含む唾液や鼻水のしぶきです。

インフルエンザは、飛沫感染と接触感染によってうつるので、マスクをすることに一定の効果は望めます。

④体調管理

体が弱っていると免疫力が低下し、インフルエンザなどの感染症にかかりやすくなります。日頃から、乳幼児に適した食事や睡眠を確保し、体調を整えてあげることも大切です。

また基本ですが、日ごろから手洗いうがいも習慣として徹底しましょう。

⑤適切な湿度

適切な部屋の湿度をご存知でしょうか?

湿度50%~60%が、ウイルスの活性化を抑制する湿度とされており、これより低すぎても高すぎても、反対にウイルスが活性化してしまうと言われています。

インフルエンザの流行時期は、加湿器などで常時加湿し、部屋の湿度に気を配りましょう。

(2)家族がインフルエンザにかからないためにできること

赤ちゃんのお世話をすべきママが、インフルエンザにかかってしまったら?

想像するだけでも怖いですね。

赤ちゃんをインフルエンザから守るには、ママやパパ自身もインフルエンザから身を守らなければいけません!

手洗いうがいの徹底や加湿など、先に述べた予防法をきちんと行いましょう。

それでも感染した場合は、できれば赤ちゃんとは別の部屋で過ごし、お世話が必要な最低限の時間だけの接触に留めましょう。その際は、マスクの着用も忘れずに!

(3)番外編!赤ちゃんがインフルエンザに感染しないための予防例と注意すべきこと

インフルエンザウイルスは感染力が高く、乾燥に強いという特徴があります。

大切な赤ちゃんをインフルエンザから守るため、家庭ではどんな予防法ができるのか、ご紹介します!

①基本的な予防法の徹底!

インフルエンザ予防の基本!

手洗いうがい、家の湿度(50%〜60%)、規則正しい生活など、インフルエンザウイルスを寄せ付けないための基本的な予防法を、きちんと実行しましょう!

この時の大切なポイントは「家族全員で予防法を徹底すること」です!

ママ一人ではなく、その他の家族も協力して予防法の徹底に取り組みましょう!

(参考:LION 正しい手洗い正しいうがい

②パパやママはマスクをする!

マスクは手軽にできる予防法の1つです。

特に、人混みによく行く可能性のあるパパは、どこでインフルエンザウイルスに感染するか分かりません。予防のために、症状がなくてもマスクしましょう!

③ゴミ箱にフタをする!

もし家族の中にインフルエンザの人がいた場合、鼻水や痰が付着したティッシュは、すぐにフタ付きのゴミ箱に捨てましょう!

ウイルスの飛沫や、赤ちゃんが誤って触れてしまうことの予防になります。

④ウイルス等を除去できるスプレーを活用しよう!

5、自分がインフルエンザになってしまったら?

どんなに予防法を徹底していても、インフルエンザになることはあります!

もしママ自身がインフルエンザに感染してしまったら、どんなことに気を付けながら家事育児をこなせばいいのでしょうか?

(1)赤ちゃんから離れる

極力赤ちゃんから離れて生活することが、感染拡大の最大の予防になります。

頼れる人(祖父母や親戚)がいる場合は、助けてもらいたいですが、インフルエンザ患者のいる家庭に来てもらうのは、感染拡大に繋がることも。

近所に頼れる人がいる場合は、家には立ち入らずに、食事の用意や買い出しだけでも手伝ってもらえると助かりますよ。

またママが重症の場合は、完治するまで赤ちゃんを預けるなどの対応も視野に入れましょう。

近所に頼れる人がいない場合は、自治体が運営する「ショートステイ」や「トワイライトステイ」を利用する方法もあります。

  • ショートステイ(短期入所生活支援)

政府が推進している一時預かり事業の一つ。地方自治体が主導し、乳児院や児童養護施設で子どもを預かってくれます。

養育者の出産や病気、看病、その他の理由で養育が困難な場合に利用できます。

  • トワイライトステイ(夜間保育)

地方自治体が行っている一時保育の一つ。夜間保育所や養護施設、支援センターなどで、18時~22時まで、場合によっては22時以降の一泊預かりもできます。

こちらも、養育者の出産や病気、看病、その他の理由で養育が困難な場合に利用できます。

詳しくは、自治体のショートステイ・トワイライトステイ実施機関にお問い合わせください。

全国のショートステイ・トワイライトステイ実施一覧

(2)赤ちゃんから離れることが難しい場合は?

生まれたばかりの赤ちゃんがいたり、母乳育児をしている場合では、赤ちゃんを預けるのは難しいのが現状です。

その場合は以下のポイントに注意し、赤ちゃんや他の家族への感染リスクを最小限に抑えましょう!

  • ママは安静に!

まず第一に、ママは安静を心がけましょう。インフルエンザの症状のピーク時には、起き上がるのも困難なほど体がきつくなる場合もあります。

パパにも相談し、1日だけでも仕事を休んでもらうなどの措置を考えましょう!

  • 赤ちゃんに触れる時間は最小限に!

授乳やおむつ替えなど、赤ちゃんにどうしても触れなければならない時以外は、極力赤ちゃんと離れましょう。

特に、授乳中などはママの呼気が赤ちゃんにかかりやすいです。必ずまずくを着用しましょう!

  • 感染予防徹底!

ゴミ箱にフタをする、手洗いうがい、湿度(50%~60%)マスクの着用、こまめな換気など、基本的な感染予防を徹底しましょう!

  • 料理はしない!

インフルエンザに感染しているママが料理をすると、食べ物にインフルエンザウイルスが付着しそこから家族に感染する可能性もあります。

出前やお惣菜に頼り、料理は極力控えましょう!

どうしても料理する必要がある場合は、マスクとビニール手袋をつけて調理することをおすすめします。

まとめ

いかがでしたか?

感染すると大変辛いインフルエンザ。

我が子を守るためにも、日ごろからの体調管理や、流行時期の予防法を徹底することが大切です。

完全にインフルエンザを防ぐことは難しいですが、適切な予防と治療を行えば、軽症で済むことも多いです。

家族全員で一致団結し、インフルエンザシーズンを乗り切りましょう!

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