「何回言ったら分かるのよ!?」、「いい加減にしなさいよ!」
怒り狂った強い口調で、子どもを叱りつけたことが何回あるでしょうか?私は数えきれません…。
- 子どもを叱っていると、途中から怒りをぶつけるだけになっている…。
- もうキレるような叱り方はしたくない!
- 正しい叱り方を学んでも、怒っている時には忘れてしまう…。
このような悩みを解決すべく、教育専門家小川大介先生監修の「子どもをりつける親は失格ですか?」の内容をヒントに、先生直伝の正しい叱り方をお伝えします!
そして同時に、「私達ママはなぜキレてしまうのか?」についても深く考えていきますよ。
子どもを叱って自己嫌悪するのはもうウンザリ!そんなママパパは、是非続きをお読み下さい。
目次
1、【現役ママに聞いた!】どんな時に叱りますか?
「また怒ってしまった…。」子どもを強くる自分に、嫌悪感を抱く人は少なくないはず。
実際、現役ママ達はどんな時に?どんな風に?子どもを叱っているのでしょうか。体験談をもとに、詳しくみていきましょう。
(1)些細なことで叱る日々にうんざり
我が家は3人兄弟。食事の最中にふざける、おもちゃを片付けない、朝なかなか起きない、親の話を全く聞いていない、兄弟喧嘩で暴力を振るうなどなど、日常生活の些細なことで叱ることの繰り返しです。
何度叱っても同じことが繰り返されるので、最近では言い聞かせることを忘れて、いきなり怒鳴ることもしばしば…。
子どもの寝顔を見ながら、「今日も怒り過ぎてしまった…。」と反省する毎日ですよ。(45歳・10歳、6歳、3歳の男の子のママ)
(2)完璧主義がマイナスな方向に
子どもの頃、親に厳しく躾けられた私。そのせいか、何でも完璧にしないと気が済まない性格になってしまいました。
会社勤めをしている時はそれでよかったのですが、子育て中の今はこの性格が仇になっている気がします。子どもにも完璧を求めてしまい、習い事の練習を少しでもさぼると強く叱ってしまうんです…。
もうこんな叱り方やめたい!と思っているのに、いざ怒り出すと止まらず、冷静になってから後悔することの繰り返しです。(38歳・8歳の女の子のママ)
(3)叱らない育児を実践しています!
自由にノビノビ成長して欲しいので、子どもが生まれてから一度も叱ったことがありません!ママ友に言うとビックリされるんですが、声を荒げず言い聞かせることを実践しています。
でも最近、園でお友達とトラブルになって息子は初めて叱られたようです。家では叱られない。でも外では叱られる。このギャップをどう埋めればいいのか?最近悩んでいるところです。(32歳・4歳の男の子のママ)
いかがでしたか?
激しく叱った後に後悔すること、よくありますよね!「うんうん!」と頷けるお話ばかりで、共感ぜずにはいられません。
中には、最近流行りの「叱らない育児」を実践しているママもいましたが、実際のところどうなのでしょうか?次で詳しくみていきましょう。
2、実際どうなの?「叱らない育児」
叱らない育児が珍しくない今、子どもにアレコレ言わず、自由に育てている人も少なくありません。
- 親の理想を強制したくない
- 自主性を重んじてノビノビ育てたい
というのがその主旨ですが、調べて見るとそう簡単にはいかないようです。
実は、文部科学省「令和元年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要」によると、小学生による暴力発生件数が、平成26年度を境に急増していることが分かりました。
グラフを見て頂くと、中学生の暴力行為件数は減少傾向、高校生はほぼ横ばいになっているにも関わらず、小学生の暴力行為だけが急増しているのです!
この原因は諸説囁かれていますが、【自分の思い通りにならないとカッとなって暴力を振るう小学生】が増えているのは確かなこと。
先にお伝えしたように、最近では「叱らない教育」を実践している親も一定数いるようですが、「叱らないこと」と「子どものやりたい放題にさせること」をはき違えている親が余りに多いです!
- 友達のおもちゃを横取りする
- 挨拶なしに友達の家に上がりこんで自由に遊ぶ
- 習い事や幼児教室などで、我が物顔で自由に振舞う
信じられないかもしれませんが、子どもがこのような行動をしても、黙って見ている親が沢山いるのです。
このような育てられ方をした子は、社会のルールやマナーを覚えられるはずもなく、気に入らないことがあるとキレる、暴れる、友達に暴力を振るうなどの問題行動を起こしてしまいます。
叱らない育児は、放任主義と同じではありません。そこを間違えないよう、「叱り方」を工夫する必要がありそうですね!
とは言え、叱り過ぎると自己嫌悪に陥るし、叱らない育児は子どものためにならない…。「一体どうやって叱るのが正解なの!?」と、頭を抱えている人も多いでしょう。
そんなあなたに是非おすすめしたいのが、教育専門家である小川大介先生監修の「子どもをりつける親は失格ですか?」という書籍です。
次では、小川先生直伝の「正しい叱り方8カ条」を詳しくお伝えしていきます。
3、小川大介先生直伝!正しい叱り方8カ条
小川先生監修の「子どもをりつける親は失格ですか?」を参考に、正しい叱り方のエッセンスをご紹介していきます。
(1)まずは子どもを認めよう
子どもが「あれ買ってー!」と駄々をこねている時、あなたはどんな対応をしていますか?
「ダメって言ってるでしょ!」と強制的に事態を収拾させようとすると、大抵の場合子どもはもっと怒って、手が付けられなくなりますよね。
このような時、まずは子どもを「認める」ことが大切だと小川先生は述べています。
「このお菓子が欲しかったんだね。」、「これ美味しいから、食べたいよねぇ。」と、まずは子どもの気持ちを代弁して認めてあげましょう。
すると、子どもは認められたことに満足してケロッと機嫌が直ります。
本当に?と疑わしく思いますが、これは事実!私も小川先生の書籍を読んで以来よく使うワザなのですが、かなり効果がありますよ。
(2)「褒める」と「叱る」は同じこと!
小川先生は「褒めると叱るは同じ」と述べています。
ママ達はなぜ叱るのか?それは、「子どもにちゃんとした大人になって欲しい」という強い願いがあるからですよね!
つまり、ママ達は子どもを大切に思っているからこそ、褒めたり叱ったりするのです!確かに、子どもに興味関心がなければ、怒ることも褒めることもしないでしょう。
叱るも褒めるも、その根っこは同じ!このことを知っておくだけで、何だか気持ちが楽になりますね。
(3)ちょっとしたことを褒める
褒めると叱るは同じと言われても、「叱ることばかりで褒めることがない!」というママパパもいるかもしれませんね。
でもそれは、できないことばかりに目が行っているだけかもしれません!
- 靴を自分ではく
- 友達と仲良く遊ぶ
- ご飯を完食した
- 絵本が読めた
など、一見「できて当たり前」と思うことでも、沢山見つけて褒めてあげることが大切だと小川先生は述べています。
そうすることで、子どもの中に「ママパパは自分を見てくれている!」という意識が芽生え、【褒められるから頑張る➡激しく叱ることが減る】という、親子間の良いサイクルが生まれますよ!
(4)パパへSOSのサインを送ろう!
仕事や育児に追われている現代のママ達は、座る暇がないほど大忙し!
ママは毎日限界まで頑張っているのに、癇癪を起して暴れる我が子。「もういい加減にして!知らない!」と、怒鳴りつけてしまうこともありますよね。私も何度となく経験があります…。
そんな時、頑張っているママほど「私が悪いんだ…。もっと強くならなきゃ。頑張らなきゃ。」とさらに無理をしてしまいがちですが、一人で抱え込むのは良くありません。
そんな時は、ママ以外の親、そう!パパを上手に頼って下さい。
ここで、小川先生直伝の「パパを頼る時の魔法の言葉」をお教えします!それは、「ちょっと助けて欲しい」という一言です。このセリフを言われると、ほとんどのパパは本能的に放っておけません!
パパが育児をしないなんてもう過去の話。令和の時代にアップデートした育児を、夫婦で協力して行いましょう!
(5)癇癪は体で受け止めよう!
すぐに癇癪を起す子もいれば、素直に言うことを聞いてくれる子もいますよね。
「うちの子はどうしてこんなに癇癪持ちなの!?」と悩んでいるママパパもいるかもれませんが、癇癪を頻繁に起こすのはエネルギーが高い証拠です!
自分でパワーコントロールができないために、体全体で気持ちを表現してしまうのですね。
そんな時は、まずギュッと抱きしめてあげることが1番大切!そして気持ちが落ち着いてから、話を聞いてあげて下さいね。
(6)「考えたら分かるでしょ!」は通用しない
子育てをしていると、「なんでこんな当たり前のことが分からないんだろう?」と、イライラすることがありますよね。
- 部屋を片付けて!とお願いしたら、自分が出した物しか片付けない
- スリッパを揃えて!と言ったら、スリッパだけ揃えてスニーカーはそのまま
など、「考えたらわかるでしょ!?」と、ウンザリする出来事が頻発します。
実は、このような現象は「9歳の壁」と言われており、この壁を超えるまでは「考えたら分かるでしょ!?」は通用しません!
すなわち、9歳までは「察して」とか「当たり前」ということは考えず、子どもに分かりやすく!短く!ハッキリと!指示を出すことが大切なのです。
このことを知っておけば子どもの行動にイライラすることが減り、無駄に叱ることも激減しますよ。
(7)「過去の自分」を子どもに押し付けない
「子どもが●●をした時、自分は結構な勢いで叱ってしまう。」という、ママパパ独自の「叱りポイント」はありませんか?
このような「叱りポイント」には、ママパパが子どもの頃の「コンプレックス」や「苦い思い出」が関係していることがあります。
- 自分はピアノのコンクール入賞できなかった。だからこそ、子どもが練習をサボるのは許せない!
- 自分は志望大学に合格できなかった。だからこそ、子どもが勉強を嫌がると無性に腹が立つ!
など、過去の自分の願望を子どもに押し付けているケースがあるのです。
ママパパの理想を押し付けるような叱り方は、子どもにとってマイナスな影響しかありません。親の理想を押し付けるのではなく、子どもの気持ちを大切にした育児を目指しましょう。
(8)カッとなった流れで怒り続けるのはNG!
カッとなった勢いで、子どもを怒り続けてしまった経験はありませんか?私もあります…。
でも、このような叱り方は絶対にNG!「虐待予備軍」だと小川先生も述べています。
「あ、今私キレてる…。」と気付いた時は、もしかすると育児や仕事で疲れきった、限界の状態なのかもしれません。先にご紹介したSOSのサインを出し、子どもから少し離れることも大切です。
そして気持ちが落ち着いたら、例え0歳児でも「怒り過ぎてごめんね。」と、自分の非を認めて素直に謝りましょう。
正しい叱り方8カ条はいかがでしたか?
どれも「確かに!」と納得できるものばかりで、早速今日から取り入れてみたくなりますね。
しかし、「正しい叱り方を知っていても、怒ると勢いが止まらず困っている…。」そんな悩みを抱えるママパパもいるでしょう。
でもその悩み、もしかすると「叱ってしまう仕組み」を知ることで解決するかもしれません!
4、ママ達はなぜキレる!?叱ってしまう仕組みを考えよう
長時間怒り続け、もはや自分がなぜ怒り始めたのかも分からない…。
そんな状況の中でも、ママの怒りの根っこにあるのは「子どもが大切」という深い愛情です。
子どもが生まれた瞬間から、息つく間もなく頑張り続けているママ達。ある意味、ブチギレないほうが無理な話です!
自分がキレている際中は、冷静に物事を考える余裕なんてありませんよね。【キレる➡自己嫌悪】のサイクルを繰り返している人もいるかもしれませんが、肝心なのはその後です!
小川先生は、【ブチギレモードの自分を主人公にした再現VTR】を、冷静になった時に想像することをおすすめしています。
こうすることで、キレた原因の真相が段々と明らかになってくるのです。
その原因が「単なる自分の価値観」(もっと子どもにこうなって欲しい!という願望など)に過ぎないなら、次からは「まぁ、これは単なる理想だし、子どもは子ども。私は私。」と、怒りを抑えることができるかもしれませんね。
まとめ
「正しい叱り方」と聞くと、叱っている最中のことばかりに目が行きますが、実は叱る前段階も大切だということがよく分かりましたね。
「褒めると叱るは同じこと!」この言葉を胸に、明日からまた新たな気持ちで、お子様と向き合ってみて下さいね。
3歳と6歳の子を持つママライター。子ども達を「食うに困らない人間」に育てるべく、0歳から様々な幼児教育を実践!その効果が出ているかはさて置き…育児と仕事に全力投球中の30代です。夫と家事全般の優先順位が下がる一方なのが悩みの種。