ある日を境に、急に始まる赤ちゃんの人見知り。
ママ以外はダメになってしまって負担も多く戸惑うことありますよね。
人見知りは赤ちゃんの成長過程の一つなので、その子の個性に愛情持って接してあげることがこの時期のポイント。とはいえ、ちょっぴり大変で心に余裕がないときは大人にとっても辛いもの。
今回は赤ちゃんの人見知りの原因や時期、周りの大人はどう対応したらいいのか詳しくご紹介します!
目次
1、赤ちゃんが突然人見知りする原因は?
赤ちゃんが人見知りする原因は、「ママと他人の区別がつくようになった証拠だよ!」という話をよく耳にします。
しかし、赤ちゃんに関する様々な研究が進む中、赤ちゃんの人見知りは「母親と他人の区別がつくようになった」というだけではないようです。
赤ちゃんが、ある時期を境に人見知りを始める原因を、見ていきましょう。
(1)人を識別することが出来るようになってきたため
赤ちゃんは、いつ頃からママと他人を区別することができるのでしょうか?
イギリスの動物学者デスモンド・モリスは、「新生児は生後わずか45時間で、自分の母親と他の子の母親を、体臭から識別できる」という研究結果を発表しています。
つまり、赤ちゃんは生まれてすぐに、母親と他人を区別しているようなのです。
それにも関わらず、産まれてすぐの赤ちゃんが人見知りしないのは、何故でしょうか?
実はこれには、赤ちゃんの「記憶する脳」が関係していると言われています。
赤ちゃんは生後6ヶ月頃を過ぎると、いつも世話をしてくれるママやよく見かける人へ愛着を抱き、それを記憶します。
そして、ママや見慣れた人物、行き慣れた場所以外には抵抗を感じ、それが人見知りとなって表れるのです。
「記憶する脳」が発達し、その人がどういう人かということを識別できるようになったために、人見知りが始まると言えそうですね。
(2)「近づいてみたいけど怖い」という心の葛藤の現れ
さらに最新の研究から、赤ちゃんの人見知りには「怖い」と感じる気持ち、すなわち「恐怖」が密接に関係しているということが分かりました。
しかも興味深いのは、単に他人に対する「恐怖」から人見知りをしているのではなく、「近づきたいけど怖い」という心の葛藤から、人見知りをしているということです。
心の面でも赤ちゃんが発達している証拠ですね。
そして人見知りの傾向が強い赤ちゃんほど、「近づきたいけど怖い」という傾向が強いといわれています。
(出典:科学技術振興機構|http://www.jst.go.jp)
まだ解明されていないことも沢山ありますが、赤ちゃんの人見知りは人嫌いや甘えだけでなく成長の過程だという原因を理解すれば、周りの大人も大変なこの時期を乗り越えられそうですね。
2.個性豊かな赤ちゃんの人見知りとその時期とは?
ママにとっては大変なことも多い、赤ちゃんの人見知り。いつ頃から始まり、いつ終わるのか見ていきましょう!
(1)時期と期間
赤ちゃんの人見知りは、一般的に生後4ヶ月~12ヶ月頃に始まると言われています。
この生後4ヶ月~12カ月頃は、視覚の発達と共に、先に記した「記憶する脳」や「心の発達」が育つ時期と重なります。赤ちゃんは周囲の人の表情を読み取り、恐怖や興味関心を抱きます。それが人見知りとなって表れるのですね。
ただし、人見知りの度合いには個人差があります。
全く人見知りしない子もいれば、生後4ヶ月になる前から人見知りが始まり、2歳を過ぎても人見知りが激しい子もいます。
人見知りの時期は、一つの目安と考えましょう!
(2)個性豊かな赤ちゃんの反応
赤ちゃんの人見知りと聞くと、「エーン!」と泣いている姿を想像する方が多いと思います。実は、赤ちゃんの人見知りには、様々なバリエーションがあるのです!
例えば、普段会うことがない親戚が集まり食事会が開かれたとします。
人見知りがあまりない子は、最初は恥ずかしそうにはにかみますが、すぐに普段と同じ様子に戻ることができるでしょう。
反対に人見知りの激しい子は、ママから離れることできず、一言も声を発しないばかりか、食事にも全く手を付けずに終わることもあるでしょう。
このように、人見知りの反応や度合いは、その子その子でかなりの個人差があるのです!
その他にも、以下のような人見知りの反応があります。
- 激しく泣く
- そっぽを向く
- ママやパパに顔を埋める
- ママやパパの陰に隠れる
- 動きが固まってしまい、微動だにしない
- 笑わなくなる
- ママやパパを目で追う
- 知らない人を凝視する、または目をそらす
- 普段よりおとなしくなる
人見知りがあまりないのも、反対に激しいのも、その子の個性です。何がいいというものではないのでママは、人見知りしている時の子どもの気持ちに寄り添ってあげましょう。
(3)えっ!パパにも人見知り?
赤ちゃんは、初対面の人や慣れていない人に対して人見知りしますが、一緒に暮らしているのにパパに人見知りするというのは、よくある話。
長期出張や単身赴任から帰ってきたら人見知りされた!というパパや、子どもが寝ているうちに家を出で、寝た後に帰宅するパパは経験あるようです。
とはいえ、赤ちゃんはパパを忘れたり嫌いになったのではなく、その時パパに慣れていないだけ。
パパへの人見知りを避けるには、毎日少しでも子どもとの関わりを持つことが大切です!1日にほんの少しだけでも、抱っこして話しかけたり、単身赴任などで一緒にいられない場合は、skypeやfacetimeなどで会話してぜひ触れ合って見てください!
パパの写真を見せたり、パパと赤ちゃんが一緒に遊んでいる動画などを見たりすることも効果的です。
3、人見知りと向き合う7つの方法
赤ちゃんの人見知り、成長の過程とはいえ実際お世話する時には大変なことも多いですよね。
実は大人の対応がうまくいくと、あかちゃんが落ちついたり親もそのタイミングを楽しめたりすることがあります。
続いては赤ちゃんの人見知りに向き合うための、7つの方法をご紹介します!
(1)親が落ち着くための準備をする
子どもを持つと、色んな「はじめて」に遭遇する機会が多いものです。
はじめての幼児教室、はじめての先生、はじめてのママ友など、ママ自身も緊張してしまうことがありませんか?
はじめての人や場所は、私達大人でも多少はドキドキするものです。
そんな時、ママが不安を感じてソワソワと落ち着きがなくなると、赤ちゃんはそれを敏感に感じ取ります。
まずはママが気持ちに余裕を持ち、落ち着いた態度で子どもに接するために、事前の準備と交通機関やその場所の念入りなリサーチがオススメです。
(2)過剰反応は逆効果
赤ちゃんが外出先や知り合いに人見知りの反応を見せると、焦ってしまうママ・パパも多いと思います。
「大きな声で泣くと周りの迷惑になる。」「人見知りした人に対して失礼にあたる。」などという気持ちが先行するあまり、赤ちゃんの人見知りに過剰に反応するのは逆効果です。
例えば、人見知りを避けるため、誰にも会わないよう家に閉じこもったり、知らない人に話しかけられた時、それを無理に遮ったりするなど、他人との接触を極度に避けるのは、赤ちゃんの成長の機会を奪うことにもなりかねません。
赤ちゃんは、知らない人や場所が、怖いものばかりではないことを「経験」から学びます。
「今、人見知りの時期なので」など一言周りに告げるなどしたり、一回ママが赤ちゃんを抱っこして安心させてあげるなどして、子供の気持ちを受け止めてみましょう。
(3)場所見知りにも配慮する
人見知りが始まると、同時に場所見知りが始まることも多いです。
「知らない場所に知らない人」というダブルの環境では、赤ちゃんの不安は一層強いものになってしまいます。
例えば、上の子の行事や大人だけの用事でどうしても赤ちゃんを預けなければならないこともあると思います。初めての場所には、ママと何回か通ってから預けるなどして徐々にその場所にならしてあげると、子供の負担が少ないようです。
まずはどちらか一つの環境で、慣らしてあげるのが良いでしょう。
(4)段階を経て克服する
人見知りは、徐々に慣らしていくことがポイントです。
知らない人に抱っこしてもらう時、はじめはママが隣で赤ちゃんに触れながら抱っこしてもらい、それがクリアできたら少し離れたところで見守るなど、段階的に距離をとっていきましょう。
(5)毎日赤ちゃんと顔を合わせてスキンシップをする
赤ちゃんは、見慣れない人に対して人見知りをするため、毎日顔を合わせてスキンシップをとれば改善することが多いです。
人見知りしてしまう人と、できるだけ顔を合わせてコミュニケーションをとる機会を増やしてみてはいかがでしょうか?
遠方でなかなか会えない場合は、ビデオ通話などを活用するのもおすすめです!
(6)安心できる人だということを見せる
赤ちゃんは、自分が知らない人と、親しい人(ママやパパ)のやり取りの様子を、実によく見ています。
知らない人と、ママやパパが仲良く楽しそうにしているところを見せれば、怖い人ではないことが分かるでしょう。
「この人は、ママの大切な友達だよ。」「怖くないから安心してね。」など、優しく声掛けをしながら、説明しましょう。
知らない場所も同様に、ママやパパがその場を楽しんでいる姿を見せましょう!
実は、まだ喋ることができない赤ちゃんでも、大人の言うことはかなり理解することができ、特に大人の表情から喜怒哀楽を敏感に察知します。
(7)色んな人に接する
赤ちゃんの人見知りには、適度な慣れも必要です。赤ちゃんの様子に注意しながら、少しずつ安心できる色んな人に抱っこしてもらう練習をしてみましょう。
祖父母や兄弟、保育園や幼稚園のお友達など、多くの人達に囲まれて育った子どもは、人見知りが少ないとも言われています。
何事も経験という気持ちで、少しずつ色んな人との触れ合う時間を持たせてみましょう!
祖父母や兄弟などと、なかなか触れ合う機会がない場合は、児童館や公園などで、知らない人と交流する機会を持つのもいいですね!
4、人見知りになったらどうする?親の行動具体例
赤ちゃんが人見知りしている時、親としてどうしたらいいのかポイントを2つご紹介します!
(1)知らない場所で不安がっている場合
赤ちゃんが場所見知りをしてしまい、知らない場所を不安がることはよくあります。
この時、できることなら赤ちゃんを一旦抱っこしたり、少し離れた場所に行ったりして安心できるようにしてあげましょう。赤ちゃんは、安心できる所から知らない場所を観察し、ゆっくりと慣れていきます。
知らない場所に、急に赤ちゃんを置いてけぼりにするのではなく、ママと一緒に、ゆっくりと慣れていくことを意識しましょう!
(2)人見知りを叱らない
1歳過ぎには、人見知りの激しい子とそうでない子の差がハッキリとしてきます。
中には社交的な子もいて、知らない人に頭を下げるそぶりを見せて挨拶をしたり、友達の輪にすぐ入っていける子もいます。
そんな時、我が子の人見知りが激しく、ママから離れられずに固まっている様子を目の当たりにすると、ママはどうしても焦ってしまいますよね。
つい、もどかしくて子供を叱ってしまうと子どもが委縮してしまい、ますます人見知りが激しくなることもあります。
特に、帰宅してから「どうしてあの時、ちゃんとご挨拶できなかったの?!」などと子どもを責めることはやめましょう。
小さな子は、「今」を生きているもの。過ぎ去ったことを後から言われても、一体何のことか理解することが難しいのです。
とは言え、人前で厳しく叱るのもおすすめできません。子どもにもプライドがあり、人前に出ることを嫌いになってしまうこともあります。
人見知りに関しては、「叱る」というより、ママ目線のメッセージを伝えることを意識しましょう!
「ご挨拶してくれたら、ママもお友達も嬉しい気持ちになるよ~」など、ママのストレートな気持ちを伝えれば、子どもは理解してくれることもあります。
人見知りはその子の個性です。そのうち慣れるから大丈夫!という、大きな心で受けとめてあげたいですね。
5、人見知りしない赤ちゃん、その原因は?
赤ちゃんのなかには、全く人見知りしない赤ちゃんもいます。人見知りしない原因は何なのか、詳しくご紹介します!
(1)赤ちゃんが人見知りしなくても心配しないで
多くの赤ちゃんに人見知りが見られる中、我が子が全く人見知りをしないと、それはそれで心配になる方も多いようです。
インターネットで、赤ちゃんが全く人見知りしないことを検索すると、「発達障害」というワードにたどり着くため、益々不安になるママもいるのではないでしょうか?
発達障害の子は、他人と親しい人の区別がつきにくいため、人見知りをしないという特徴が表れると言われています。
以下のような行動を子供がとっている場合は、ママと人を区別している行動なので子供の様子を見て見ましょう。
- ママと離れるときに泣く
- ママが戻ってくると喜ぶ
- ママを後追いする
決めつけずに子どもの様子を注意深くみてみましょう。
(2)人見知りの時期が遅い可能性がある
人見知りがあまりないのも、反対に激しいのも、その子の個性であると紹介しましたが、同じように、人見知りが現れる時期にも個人差があります。
子どもが持って生まれた性格や、育つ環境によっても異なるため、遅れて人見知りがやってくる子ももちろんいます。
例えば、大家族の中で育った赤ちゃんは、人見知りが遅れたり、全くなかったりすることもあるようです。
一般的に人見知りが現れる時期は一つの目安だと考え、心配しすぎないようにしましょう。
(3)赤ちゃんが社交的な性格
人の性格には、先天的に生まれ持った部分と、環境因子(兄弟などの家族構成や育つ環境など)によって後天的に形成される部分があります。
赤ちゃんでも、先天的に生まれ持った個性を既に持っており、明るい子、臆病な子、物静かな子などの特徴が表れます。
中でも、先天的に生まれ持った性格が社交的な赤ちゃんは、人見知りしないことが多い様です。
生まれつき社交的な子は、物おじせず、人とのコミュニケーションを上手にとることができる赤ちゃんなのかもしれませんね!
(4)本当は人見知り中!
「うちの子は人見知りを全くしない!」と思っていても、実は人見知りしていることにママが気づいていないだけ、ということがあります。
お伝えしたように、人見知りの反応には様々なバリエーションがあります!
分かりやすく泣く子もいれば、よく観察しなければ人見知りだと分からない反応を示す子もいます。
- 表情がこわばる
- 視線をそらす
- 気づくとママのそばにいる
このような行動は、注意深く見なければ人見知りだと気づきにくいかもしれません。子どもの様子を、観察してあげましょう。
(5)人見知りしないのは自閉症なのか
確かに、極端に人見知りをしないのは、自閉症の特徴の一つです。あまりに人見知りしないので、自閉症かもしれないと思う方もいらっしゃるようです。
しかし、「全く人見知りしない」=「発達障害(自閉症)」だと、それだけで安易に決めつけるのはやめましょう。
自閉症などの発達障害を持つ子には、全く人見知りしないということ以外にも、様々な特徴が表れます。
- 目線が全く合わない
- あやしても笑わない
- ママが側にいなくても平気で、後追いしない
- 拘りが強い
- 意志疎通が困難
など、感情表現が乏しく、親に対する愛着行動があまり見られないことが多いです。
しかし、これらの特徴があるからと言って、必ずしも自閉症とは言えません。診断は、専門医でも判断が難しい場合があるのです。
もし自閉症などの発達障害が気になる場合は、自分で判断せず保健センターや小児神経科などの専門外来に相談してみましょう。1歳半検診や3歳児検診で相談することもできます。
まとめ
いかがでしたか?
赤ちゃんの人見知りは、成長過程のひとつです!周りの大人が理解してあげることで赤ちゃんはもちろん、お世話する大人もおおらかに過ごせます。実は、この大切な時期に子供をどう伸ばすかは、周りの大人が大きく左右します。
赤ちゃんと一緒に、楽しく人見知りの時期を乗り越えましょう!
バランスよく生きる、がモットー。ワークライフバランス重視の生活を模索中。
年子男子(5歳と4歳)のママ。大人になっても仲の良い兄弟に育てること、を意識している。
騒々しい嵐のような日中のあと、夜にひっそりと晩酌するのが一番の楽しみ。