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赤ちゃんに卵を安全に食べさせるために気をつけたい6つの注意点

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卵は栄養が豊富ですし、様々な料理に使用されているので赤ちゃんの頃から慣れさせたい食品の一つです。

しかし、赤ちゃんが発症するアレルギーの中で多いのが卵アレルギーだとも言われていて、慎重になる親御さんも多いのではないでしょうか。

ここでは、実際どのくらいのときにあげ始めるのが良いのか、どのように食べさせたら良いのか、湿疹などの反応が出てしまった状況での対処法や、卵の食べさせ方で最適なタイミングをご紹介していきます。

1、赤ちゃんに卵を与えるときに気をつけたい理由

赤ちゃんに卵を食べさせるときになぜ気をつけなければならないのか?これには2つの理由があります。

  • サルモネラ菌など、菌類の感染
  • アレルギー

単語だけ見ると怖いですね。それぞれ見ていきましょう。

(1)サルモネラ菌など、菌類への感染

卵にはサルモネラ菌が含まれている可能性があります。

サルモネラ菌は強力な菌なので、幼児期に感染すると症状が悪化してしまうため危険です。

サルモネラ菌は熱処理によって殺菌できるので、赤ちゃんに食べさせる場合はしっかりと加熱処理をしてサルモネラ菌を除去する必要があります。

(2)アレルギー

アレルギーも気をつけないといけない内容の一つですね。特に卵は幼児期にアレルギー症状が出やすいと言われているので、注意しなければいけません。

2、離乳食の卵はいつから食べさせて良いのか?

 

卵を食べさせるのはいつからが良いのか。卵黄から始めて大丈夫なようであれば、その後に卵白へとステップアップするのが一般的に良いと言われています。

これは、卵白に含まれている物質が卵アレルギーを引き起こす原因だからです。卵黄にもアレルギーの原因となるものが含まれていますが、卵白のアレルギー原因物質は熱処理で大半が破壊・変化させることができます。

卵黄に慣れてから、卵白を含む全卵を食べさせる、が基本的流れになります。

(1)最初は卵黄、早くて6ヶ月から?

赤ちゃんは早くて6ヶ月頃から消化器官が発達し始めます。一般的にはその頃から卵黄を食べさせ始めても良いと言われています。初めての食品を食べ始めるときは、ほんの少しの量から始めましょう。

①なぜ卵黄から初めて次に卵白なのか

これは卵アレルギーが理由です。

冒頭でもご説明したとおり、卵アレルギーはオボアルブミンとオボムコイドというタンパク質に反応することがわかっています。これらは卵白に混入している割合が多いのです。

②【重要】完全に火を通したものを!

赤ちゃんに食べさせる卵は、必ず完全に火を通したものを食べさせてください。火を通すことで殺菌でき、アレルギーを引き起こす原因である卵黄に含まれるタンパク質が構造変化し、アレルギーを起こしにくくなります。

完全に卵へ火を通すには、卵をお湯に入れて沸騰させてから約15分間茹で続ける必要があります。半熟部分が少しでも残っているとアレルゲンのタンパク質が十分構造変化されておらず、結果アレルギーを引き起こしやすくなってしまう可能性があるので気をつけましょう。

完全に卵へ火を通したら、卵黄だけを取り出して一度水で溶きましょう。

溶いたものを赤ちゃんに少量ずつ、最初は多量の水で薄めたものをスプーン1杯与えて様子を見てください。

(2)全卵は卵黄を食べさせ始めてから2ヶ月後くらいが目安です

全卵は、卵黄を食べさせ始めてアレルギーのような目立った症状がないとわかってから2ヶ月後辺りが目安です。

卵黄を食べられたから全卵も食べられる!と油断してはいけません。アレルギーを引き起こすアレルゲンは卵黄と卵白で異なります。

そして一般的に卵白に含まれているアレルゲン、オボムコイドと呼ばれるタンパク質が卵アレルギーになる一番の原因と言われているからです。

①卵白は加熱してもアレルギー症状を引き起こします

卵黄に含まれているアレルゲンは加熱すると加熱変化をして、アレルギー反応を起こしにくくなります。

しかし、卵白に含まれているアレルゲンは熱処理をしてもアレルギー性質を失いにくいと言われています。

全卵を食べさせる時は卵黄のときよりも注意してあげてください。

(3)最初に湿疹などの反応が出ても焦らない

卵を食べ始めたときに、口の周りに軽度の湿疹が出る場合もあります。軽度な湿疹は身体がまだ卵に慣れていないだけなので、初期の頃はこういった反応が出ます。

とはいえ新しい食品を食べ始めてから反応が出ると不安ですよね。軽度な症状は、歳を重ねていくにつれて出なくなっていく場合もありますが、湿疹が出た際には大丈夫だろうと勝手に判断せず、一度卵を食べるのをやめて、近くの小児科に相談しにいくのもおすすめです。

気をつけなければいけないのは、体全身に湿疹ができてしまい赤ちゃんが不機嫌になってしまう、などの重度の症状が見て取れた場合です。

この場合は卵を食べさせることをやめて、すぐにかかりつけの医者に診てもらいましょう。

3、赤ちゃんに卵を食べさせるときの6つの注意点

赤ちゃんに卵を食べさせるときに注意しておきたいことを6つにまとめてみました。

赤ちゃんに卵を食べさせる際にはこれらのポイントに注意しましょう。

(1)1歳をすぎるまでは必ず完全に火を通す

消化器官がまだ発達していないので、1歳をすぎるまでは必ず完全に火を通したものをあげるようにしましょう。

熱処理をすることでアレルギーを引き起こしにくくすることができ、サルモネラ菌を滅菌処理するためにも必要な作業です。

これは卵黄でも全卵でも、ゆで卵ではなくスクランブルエッグなどになっても変わりません。基本的には火を通しましょう。

(2)最初に食べさせるときは2回目のごはんに

赤ちゃんは一度にたくさんご飯を食べることができないので、時間を分けて1日に数回食べます。

卵を食べるときにおすすめの時間帯は、朝起きて1回目のご飯が終わった後の次の2回目のご飯です。

①起きてから2回目のご飯で卵を取り入れる理由は?

その日2回目のご離乳食時に卵を取り入れる理由は2つあります。

  • 赤ちゃんのその日の調子を1回目のご飯で確認するため
  • 病院が営業中のときに様子を見ることができる

万が一アレルギーが出てしまった場合でも午前中であれば、病院に行って様子を見てもらうことができます。

新しい食べ物でアレルギーが懸念される場合は、先に病院の診察時間をチェックしてからあげると良いでしょう。

(3)卵を連続であげ続けない

連続して卵を食べさせ続けないことも実は大事です。卵などのタンパク質は野菜などと比べて赤ちゃんの消化に負荷がかかる食べ物です。

負荷がかかってしまった状態で更に負荷をかけてしまうと、身体になんらかのサインが出てくることがあります。例えば、最初は食べていてなんともなかったのに、湿疹が出ることもあります。(湿疹はアレルギーが無く、連続して食べていない場合でも出ることがあります)

身体に卵がどういう食べ物なのかを覚えてもらうために、急がずゆっくりとすすめましょう。

(4)アレルギーのような反応が出ても自分で判断しない

卵は赤ちゃんに負荷をかける食べ物だとご紹介しました。幼いころは身体が慣れるまで湿疹などが、口周りに出てしまうことがあります。

しかし、これを自己判断して、「卵アレルギーだった」と結論付けるのは早いです。

もしも心配な場合は、アレルギーのチェックをしてみるか、過負荷試験を行っている小児科に一度相談して、卵アレルギーなのかチェックしに行くことをおすすめします。

過負荷試験とは、実際に病院で卵を食べてみて、幼児の身体に出る反応を見る試験です。医者と看護婦が診ている状態で行うので安心です。

(5)保存はしない

離乳食は一度に少量しかあげないので、ある程度の量を作って冷凍庫に保管しているという方も多いと思います。

卵製品は足が早く、菌が繁殖する速度が早いので保存はしないようにしましょう。

消費するといっても調理に使用するのは基本的に卵一個だと思いますので万が一残ってしまったら、残りは他の料理に使うなど、親が食べてしまいましょう。

(6)加工食品は塩分に気をつける

卵を使用した加工食品で、赤ちゃんでも食べられそうなものは卵豆腐や茶碗蒸しなどが挙げられます。

これらは赤ちゃんにとっては塩分が高いので、基本的に卵の加工食品を食べさせる場合は自作するか、赤ちゃん用に整えられている加工食品を購入するようにしましょう。

(7)卵が含まれているお菓子は状況に応じて

卵が含まれているお菓子は身体に現れる変化がないかどうかをみながら食べさせるようにしましょう。

卵ボーロなどの有名なお菓子は生後7−8ヶ月ごろから食べることができると言われています。ちょうど離乳食を始めてから2−3ヶ月経って少しずつ固形物のものに変化していく頃ですね。

赤ちゃんの成長に合わせたお菓子もサブで食べさせていくと食の幅が広がっていきます。

4、赤ちゃんが卵アレルギーが発生してしまった場合は?

卵アレルギーが発生してしまった場合は、赤ちゃんの様子をよく見ながら対処法を変えましょう。

医師監修のこちら(http://www.allergy-i.jp/kayumi/food-allergy/allergy-book/practice-04.html )の記事によると、アレルギーは体調などによっても症状が変化する場合があるので、ご自身で判断はせずに、迷ったらすぐに医療機関に駆けつける心構えでいましょう。

(1)症状が軽度〜中度の場合

症状が軽度または中度の場合は、赤ちゃんの様子をよく観察しながら対処していきます。

  • すぐに食べたものを吐かせます。(食後30分以上経っている場合は行いません)
  • 処方されている薬がある場合は飲ませます。
  • 症状が進行しない場合はそのまま様子を見ます。収まったら後日医療機関で診てもらいましょう。
  • もし仮に症状が進行してしまったり、収まらない場合はすぐに医療機関で受診しましょう。

上記は一例です。年齢によっては食べ物を吐くことができません。必ずお医者さんに症状が起きてしまった場合にどうすれば良いのかを相談しておきましょう。

(2)症状が重度の場合

意識を失ったり、血圧が下がってしまったりするなど、ショック症状が表れてしまった場合はできるだけ早くアナフィラキシーショックの対処法であるアドレナリン筋肉注射をおこなう必要があります。

もしもこのような症状が現れたらすぐに救急車を呼びましょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

卵は子供の好きな食べ物に入っていたり、その後の食事でとても便利だったりしますよね。しかし、卵に挑戦していくことは、はじめは怖いかもしれません。

ゆっくり焦らず、子供の様子をしっかりみていれば大丈夫。もしもの時は自己判断せず、すぐに病院に相談しましょう。そのためにも、普段からかかりつけの病院があると安心ですね。

 

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