そろばん、と聞くと一昔前のもの、というイメージがありませんか。江戸時代には「読み、書き、そろばん」と言われ、寺子屋で多くの子どもたちが教わっていたように、そろばんは昔から習い事の定番です。
しかし、ここ数年は電卓やコンピュータなどを使用することが多くなり、そろばんはほとんど使われなくなりました。
にもかかわらず、子どもの習い事としてはいまだに根強い人気を誇っています。また、いまだに小学校でも算数の授業で採用されています。それはなぜなのでしょうか?!
この記事では、子どもがそろばんを習う効果やそろばんの選び方、おすすめのそろばんメーカーなどについてご紹介していきます!
目次
1、そろばんはいつから始めるのがよい?
そろばんは、何歳ぐらいから始めるのがいいのでしょうか。
脳科学によると、脳は12歳頃までに大きく発達すると言われており、特に7〜8歳ぐらいまでが急成長する時期と考えられています。
そろばん、と言うと一般的に論理的な思考を司る左脳が発達するイメージがありますが、左脳だけではありません。目と指先をよく使うので、特に右脳の発達にも良い影響を与えると言われています。
ですので、そろばんを開始するのは数字が認識できるようになる5歳頃から小学校1、2年頃が最適という意見が目立ちます。それ以降だと暗算などが身に付きにくくなっていくことがあります。
2、そろばんを習うメリットとは?
(1)計算力がアップする
そろばんをやっていた人は、計算が早い人が多い印象がありますよね。計算が早いだけでなく、2桁×2桁のようなちょっと複雑な計算でも暗算でできてしまう人も珍しくありません。また、それによって数字が身近で得意なものになっていくことから、算数好きにつながる子どもも多いようです。
(2)集中力と忍耐力が身に着く
そろばんは一度やったら終わりではなく、長期にわたる反復学習、忍耐力が必須です。また、一つ打ち間違うだけで、計算が大きく狂います。限られた時間の中で集中して計算し、正解した時の喜びはとても大きいです。このようにして、集中力と忍耐力が自然と高まっていきます。
(3)右脳の発達で記憶力や創造力が発達する
論理的思考(計算も)は左脳ですが、暗算をすることによって右脳が司るイメージやひらめきの力も身につくため、右脳と左脳、バランスよく成長していきます。
(4)手先が器用になる
小さな珠(たま)を手先ですばやく動かすことにより手先が器用になり、そこから右脳の発達にもつながります。
(5)費用が安い
そろばんを習うにあたっては、スポーツや学習塾などの習い事と違ってそれほど道具や教材などの準備をする必要がありません。
そろばんとそろばんを入れる袋だけでいいというところもあります。それにともなって、習い事の中では月謝が安い傾向にあります。
日本珠算連盟によると、東京都内の平均的な月謝は6000円(週3回・1回あたり1時間)、幅はありますが一月あたり4,000円〜12,000円ぐらいが相場のようです。週3回と考えれば、授業料もかなり安いと言えますね。
3、そろばんを習うデメリットとは?
いいことずくめのように思えるそろばんですが、どんなデメリットがあるでしょうか。
そろばんは、「早く正確に」に特化しがちなため、すぐに計算ができる問題以外に対応するのが難しくなる、例えば計算の意味を考えたり、他の計算方法を工夫してみたりするといったような、試行錯誤する問題には弱くなるという意見もあります。
ただ計算だけをしていると、小学校中学年から高学年にかけて算数で出る「読み解き」が必要な問題を解くことはできません。中学受験になってくると、論理的思考力が試される問題も多数、出題されます。
小学校高学年にもなると読み解く力がある前提で、初めて、そろばんで鍛えられた計算力がいかんなく発揮されるといっても過言ではありません。
そろばんを習うこと自体は決してデメリットではありませんが、成長に応じて求められるものも変わっていくので、そろばんができれば算数は大丈夫!というわけではないことは意識しておきましょう。
4、そろばん教室ってどんなところ?
そろばん教室ではいったいどんなことをするのでしょうか。一般的なそろばん教室についてご紹介します。
(1)授業内容
そろばん教室は、そろばんの級によって授業時間が異なってきます。
そろばん10級から8級などの初心者の場合、まずは何よりテキストに沿った基礎力を身に着けることからはじまります。
数字に親しみをもてるところからスタートし、足し算引き算などを繰り返し行っていくので、無理なく上達することができます。
紙のテキストだけでなく、最近はタブレットを利用して子供たちが楽しくそろばんを身に着けられるようにしている教室もあります。体験教室を開催しているところで、まずは試してみるのも良いかもしれません。
(2)月謝と頻度
週1から3回で、月5000円~10000円が一般的です。検定試験を行う前は特別に回数が増えることもあります。
(3)検定試験がある(珠算・暗算)
日本にはそろばん検定を行う団体が2つあります。日本珠算連盟(日本商工会議所関与)と全国珠算教育連盟です。
日本珠算連盟では1級から6級の試験を行っています。全国珠算教育連盟では、上記に加えて7級以下の初心者用検定や、段検定、また暗算の検定も行っています。
検定試験があることにより、子供達の意欲向上につながっています。
(4)実際に通った体験談
実際にそろばん教室に通っている子どもの保護者の体験談をいくつかご紹介しましょう。
「そろばんでの成功体験を重ねた結果、他のことにもどんどん意欲的に自信をもってトライすることができるようになりました。今では勉強やスポーツを継続的に行っています。」
「苦手だった算数が、そろばんでの計算力向上により得意になってきました。また、友達も教室に通っているので、協調性なども身に付きました。」
「検定試験に挑み、落ちた時の悔しい思い、また受かった時の嬉しさなど、普通に生活していてはなかなか味わえない体験をさせてもらってます。」
「なんでも成し遂げられるまでコツコツ、持続的に行う力が身に着くようになりました。本人はとても楽しそうです。」
計算力だけでなく、さまざまな力が身につくと実感できるようです。
(5)近くの教室を探すことが出来るサイト
日本珠算連盟のサイトでは、連盟に加入している珠算塾を検索することができます。無料体験カードもついているので、是非一度、検索してみてください!
http://www.shuzan.jp/kyoshitsu/lesson/
5、そろばんの選び方
(1)桁数(13桁、23桁、27桁)
そろばんの素材はたくさんありますが、目的に合わせて選びましょう。
代表的なものをご紹介します。
①カバ玉
最もよく見かけるのがカバ玉です。手になじみやすく、初心者はもちろんのこと、中級者、上級者も使っています。最初に購入するとしたら、このカバ玉がよいでしょう。
②ツゲ玉
手になじむまでに時間はかかるものの、使う人にとって一番よくなじむのはこのツゲ玉といわれています。既に上級者の場合や、この先長くそろばんを使っていく人向けです。
③プラスチック玉
プラスチック玉は軽くて値段も安いのが特徴ですが、玉が滑りにくかったり、軽すぎて非常に扱いにくかったりというように、実質的にはあまり役立ちません。そろばん教室で使うのであれば、先に掲載したカバ玉が良いでしょう。
(2)桁数(13桁、23桁、27桁)
そろばんを習うのであれば、23桁そろばんがおすすめです。そろばんを習っていると、桁数はどんどん増えていきます。
そのときになって小さいそろばんから大きなそろばんに変更すると、手の位置も異なってきますし、子どもにとっては使いづらくなります。最初から23桁のそろばんをおすすめします。
23桁のそろばんは一番よく使われており、そろばん10段(最高段位)の試験でも使うことができます。
(3)ワンタッチ機能の有無
ワンタッチ式のそろばんは、ボタンを一回押すと元に戻すことができる(ご破算)優れモノです。試験問題など、早く解くときにもかなり便利です。
そろばんに慣れない幼児にも、ワンタッチ式はあったほうがいいでしょう。そろばんをもとに戻すのは、幼児にはハードルが高いのです。
このように、そろばんにはいくつか選び方のポイントがありますが、そろばんを習うのであれば先生に相談してみるのが一番でしょう。そろばんの先生は、そろばんのことをとてもよく知っています。
相談すると、その子にあうそろばんを選んでくださるでしょう。
6、おすすめのそろばんメーカー3選
(1)トモエ算盤
生産から販売まで一貫した体制がとられています。そのため、品質管理はもちろんのこと、注文から販売までが非常に迅速と評判です。価格も全国統一。また、そろばん生産のみならず「英語でそろばん教室」など、そろばんの普及に幅広く活動しています。
(2)亀嵩算盤
国内きっての老舗そろばんメーカー。なんと大正11年創立です。社是の「使う人の気持で作れ」は代々受け継がれている精神です。平成27年には「島根県ふるさと伝統工芸品」の指定を受け、国内のみならず海外にもそろばんを届けています。
(3)雲州堂
明治より100年以上の伝統がある老舗、雲州堂。そろばんのドリルや関連商品も販売しています。職人の魂がこもったそろばんは高級感があり、子供から大人まで幅広く使われています。
7、小さいうちはおもちゃのそろばんもおすすめ
まだ教室に通うには早い、数もあまりよくわかっていない小さい子どもには、最初におもちゃのそろばんを与えてみて、興味を持たせるところからスタートしてみるのはどうでしょうか?
(1)べびーそろばん 山のくじら舎
出典:https://yamanokujira.jp/fs/yamanokujira/t019
まずは、木のおもちゃが豊富な山のくじら舎から。山のくじら舎は皇室ご愛用で、このベビーそろばんは秋篠宮両殿下もご購入された一品です。
とっても可愛らしいフォルムで、5の位に、ハートや星、動物の形が入っています。一つ一つ手作りで作られており、子供の小さな手でも動かせるように工夫がされています。
4種類の木を使っていて、それぞれの木のぬくもりを感じることができるのも魅力です。また、かなり丈夫に作られており、安全にも配慮されています。名入れをすることができるので、プレゼントにもおすすめですよ。
(2)七田式(しちだ) 百玉そろばん
出典:https://www.shichida.com/detail.aspx?sh=110202
次は、幼児教育で有名な七田式から。通常のそろばんとは大きく形は異なるものの、百玉そろばんを使っていると数、序数などが自然と学べるようになっています。
かわいいイラストがあったり、100個の玉はカラフルにつくられているなど、子供もが楽しく遊ぶことができるよう工夫されています。
(3)くもん出版 玉そろばん120
出典:https://www.kumonshuppan.com
くもんからも小さい子ども向けのそろばんが発売されています。玉を動かし、声に出して120までの数を覚えることができる「玉そろばん」です。
小さな子どもにもちょうど良い高さで、珠も大きく動かしやすいです。毎日動かしているうちに、大きな数字も言えるようになっていることでしょう。
まとめ
今回は、子どもに人気の習い事であるそろばん教室についてご紹介しました。子どもにそろばんを習わせるメリットも参考になりましたか?
脳トレとして、国内だけでなく、海外にもそろばん教室は増えてきています。
そろばんを習うことで子供が計算に強くなり、脳の発達、集中力や忍耐力の向上に繋がっていくといいですね!
趣味はHIPHOPダンスとショッピング。
最近では3歳になる娘と渋谷や原宿の古着屋巡りがブーム。
仲良しな反面、口が達者になった娘との言い合いも増え、毎日イライラする事も多し…。
子育ての息抜き時間を、どう上手く確保すればいいのか模索中。