- 子どもの電車愛が凄すぎて、他のおもちゃで遊んでくれない。
- 鉄道一辺倒だけど、このままで大丈夫?
- 鉄道だけでなく、他への興味も伸ばしたい!
と、お悩みの子鉄ママパパもいるでしょう。
しかし、あれこれ心配して不安になる必要は全くありません!
今回は、福山市立大学教授の弘田陽介先生の「電車好きな子はかしこくなる」を参考に、【電車と子育ての関係】を発信していきます。
- 電車好きを知育につなげる方法は?
- 電車好きな子はなぜ賢くなるのか?その理由を知りたい!
このような人は、是非続きをお読みください。
目次
1、子鉄は「鉄道オタクになるんじゃ…?」その心配は不要です!
子どもの鉄道愛が凄すぎて、寝ても覚めても電車の話!遊びに出掛けるのも、電車関連の場所ばかり…。
電車好きなのは悪いことではないけれど、このままじゃ鉄道オタクになるのでは!?と、心配している人もいるでしょう。
しかし、その心配は一切無用です!
「電車好きな子は賢い」という話を聞いたことがある人もいると思いますが、実はこれは真実です!
鉄道は、記憶力や学力といった「認知スキル」と、自己コントロールや人間関係などの「非認知スキル」の両面を育むことができると言われているのです。
これについて詳しく書かれている本が、冒頭でご紹介した「電車が好きな子はかしこくなる」です!
タイトルを一目見るだけで、子鉄のママパパなら飛びつきたくなりますが、中を読んでみるとさらにビックリ!「電車好きでいいんだ!」、「子鉄は賢くなるんだ!」と、ママパパに自信を与えてくれる情報が満載です。
一体どんな本なのか?次で詳しくみていきましょう。
2、子鉄は大きな長所!「鉄道育児」を考える人におすすめの書籍
「電車が好きな子はかしこくなる」は、福山市立大学教授の弘田陽介先生の著書です。
弘田先生の専門は教育哲学・教育史で、今も現役で教壇に立っている先生です。教育の専門家の先生が「電車と子育て」について詳しく記しているとあり、期待が高まりますね!
この本では、
- なぜ電車好きな子は賢くなるのか?
- 鉄道が、「認知スキル」と「非認知スキル」の育成にどう関係しているのか?
- 令和の新しい教育にも、鉄道好きが力を発揮する理由
などが、主に書かれています。
今回は、子鉄ママパパが特に気になるであろう、「どうして鉄道好きだと賢くなるの?その根拠が知りたい!」ということにフォーカスしていきましょう!
3、子鉄が賢くなる3つの理由
書店には鉄道関連の絵本が所狭しと並び、電車おもちゃの種類は数えきれないほどありますよね。
なぜ、鉄道はこれほど子ども達を魅了するのか?そして、なぜ「電車好き=賢くなる」と言えるのか?弘田先生が考える、3つの理由をご紹介していきます。
(1)子鉄理由①:鉄道は成長に応じた遊びを提供してくれるため
一口に「電車好き!」といっても、鉄道遊びは成長に応じて目まぐるしく変化します。
最初は電車の絵本を読むだけだったのが、次に電車おもちゃに興味を示し、やがて本物の電車の種類、駅、時刻表などへと、興味が大きく広がります。
つまり電車遊びは、その時期に最も適切な遊びを子どもに提供してくれるのです。
このように、子どもの成長に適した遊びや取り組みを与えることは、教育の鉄則と言われています!難しすぎることや簡単すぎることでは、子どもの伸びが止まってしまうのです。
子どもの興味関心に合わせてどんどん遊びを広げられる電車は、まさに「子どもの成長を後押しする遊び」と言っても過言ではないでしょう。
(2)子鉄理由②:鉄道を通して興味を広げることができるため
鉄道遊びが成長に応じて大きく広がることで、子どもの興味関心もどんどん引き出されます!
- 電車の名前を知りたいがために、字が読めるようになる
- あと〇駅、〇番線ホーム、時速〇キロなど、数の感覚が養われる
- 乗車時間や時刻表などから、時間の感覚が養われる
- 路線図への興味が、日本国内の地名や位置関係にまで広がる
- 〇〇駅で乗り換えなど、目的地までの行き方を考えるようになる
- 電車のデザインの細かい違いに気付く、識別力が身に付く
- 車両の色の違いへの興味が、色彩感覚に繋がる
- 発車のメロディや車内の音楽への興味から、音を聞き分ける能力が養われる
- 実際に電車に乗ることで、公共マナーが身に付く
など、電車好きが高じて、数えきれないほど多くのことを学べるのです。
「勉強」という意識を持たずに、算数・国語・社会などの知識がこれほど身に付く遊びが他にあるでしょうか?
「好きこそ物の上手なれ」とは、まさにこのこと!ママパパは、お子様の電車好きに自信をもって下さいね。
(3)子鉄理由③:日本の電車おもちゃが世界に類を見ないほど素晴らしいため
日本にいると、電車おもちゃの豊富さやクオリティを当たり前のように感じてしまいますが、日本の電車おもちゃは世界に類を見ないほど素晴らしいものです。
特に電車おもちゃの代表格とも言える「プラレール」は、説明の必要がないほど子ども達に大人気!簡単に遊べる手軽さと、決して子ども騙しではない本格さを兼ね備えていますよね。
このようなハイクオリティな電車おもちゃの登場も、日本の子ども達が電車好きになり、そして沢山のことに興味を広げるきっかけになったと言えるでしょう。
さて、電車好きな子が賢くなる理由が分かったところで、続いて「認知スキル」と「非認知スキル」がなぜ鉄道で育まれるのか?詳しくみていきましょう。
4、「認知スキル」と「非認知スキル」は子鉄=鉄道で育む!
記憶力などの学力を左右する「認知スキル」と、人間関係などの社会性を左右する「非認知スキル」。
その両方が鉄道で育まれる!と弘田先生は述べていますが、それは一体どういうことなのでしょうか?
(1)「認知スキル」は電車遊びで養われる!
皆さんは、「幼い子の電車遊び」と聞くとどんなものをイメージしますか?
- 電車おもちゃを目で追う
- 電車を色や形で分類する
- 電車おもちゃで見立て遊びをする
- 好きな電車を集めてコレクションする
実は、これら全ての遊びが認知スキルの育成に大きく関係しているのです。
動く電車を目で追うことは、子どもの「動くものを目で追う本能」を養いますし、電車を色や形で分類することは、カテゴリーを理解することに繋がります。
また、子どもは実物の電車とおもちゃの電車を同じものだと認識していることがよくあり、子どもの空想の中では、目の前のおもちゃの電車は現実の鉄道と同じになります!そして、あれこれ想像して駅や電車、トンネルなどを配置する中で、手先の巧緻性やデザイン力も養われていくのです。
さらに、自分のお気に入りの鉄道をコレクションすることは「所有原理」と言われており、電車のことを徹底的にリサーチし、覚え、全て集めようとすることで自分の心を満たします。(仮面ライダーなどのシリーズ物はすぐに集め終わってしまいますが、電車はそうはいきません!集めても集めても終わらない、奥の深さがありますよね。)
この所有原理は就学後の学習にも共通する部分があり、教科書の一つ一つを積み上げて学習することで、やがて全体像をマスターするという原理に似ているのです。
このように、「電車遊び」は多岐に及び、その一つ一つが「認知スキル」の育成に繋がっています!
是非、子鉄の「もっと電車で遊びたい!」という欲求を大切にし、子どもの可能性を大きく広げてあげましょう。
(2)「非認知スキル」は人と鉄道との関わり合いで育つ!
学力を司る「認知スキル」だけでなく、人付き合いの力「非認知スキル」も鉄道を通して育まれます!
「非認知スキル」は、特に【鉄道と人との関わり合い】によって育まれると弘田先生は述べていますが、鉄道と人の関わり合いと言われてもピンとこない人もいるでしょう。
- 子どもを駅で抱っこして、通り過ぎる電車を何本も見る
- 子どもを膝にのせて電車絵本を読む
- 電車移動で公共マナーを学ぶ
- 電車おもちゃの組み立てを親子一緒に楽しむ
など、電車遊びには人、とりわけ親子の関わり合いが沢山あるのです!
子どもを抱っこして電車を見ることは、親と子が同じ対象に興味を注いでいる状態です。これは発達心理学では「共同注意」と呼ばれており、親子関係の愛着を形成する大切な要素なのです。同様のことが、子どもと電車絵本を読むことや、電車おもちゃを一緒に組み立てることにも言えますね。
また、電車移動では、社会の一員としてどんな振舞いをすればよいのか?身をもって学ぶこともできます。
このように、電車遊びをすることで人との関わりを自然に持つことができ、その一つ一つが「非認知スキル」の育成に繋がるのです。
(3)番外編:なぜ「認知スキル」と「非認知スキル」の両方が大切なの?
「人は、学力さえ高ければ将来成功する」
このような考えが間違っていることは、これまでの人生経験から何となく実感していることと思いますが、これを証明する興味深い実験があるのをご存知でしょうか?
シカゴ大学のノーベル経済学賞受賞者のヘックマン氏は、低所得のアフリカ系世帯の子ども達に幼児教育を施し、その後を長年に渡り観察する実験を行いました。
すると実験直後、実験対象者の子ども達は同じ地域の実験対象外の子どもよりIQが高いことが判明し、その後の人生も生活面で良い環境にいることが明らかになりました。
しかしここからが興味深い点で、実験から数年経つと、実験対象者と対象外の子どものIQはほとんど変わらなくなったというのです。
両者のIQは実験後数年でほとんど変わらなくなったにも関わらず、その後の人生では幼児教育を受けた子どもの方が良い生活を送っている。
このことは、子どもの将来の成功は「IQ=認知スキル」だけでなく、「社会性=非認知スキル」が大きく関わっていることの証明と言えるでしょう。
電車遊びは、「認知スキル」と「非認知スキル」の両方を育む素晴らしい遊びです!是非、自信を持って思う存分電車遊びを楽しませてあげて下さいね。
5、鉄道を子鉄育児に活かす3つの方法
電車おもちゃや実際の電車を見る以外にも、子鉄魂を熱くさせる方法が沢山あります!ここでは、弘田先生おすすめの方法を3つご紹介していきますよ。
(1)図鑑を活用しよう!
子鉄には、是非電車図鑑を見せてあげましょう。
電車図鑑は、子どもの電車への興味をさらに深く掘り下げる最高のツールです!近所の電車しか知らなかった子が、図鑑を見て新幹線の存在を認識し、さらに新幹線には沢山の種類・特徴があることを学びます。
このように、図鑑からどんどん興味の幅を広げることは、成績をアップさせる子の特徴の1つとも言われています!
弘田先生曰く、成績を伸ばし続ける子の親は「勉強しなさい!」とは言わずに、図鑑を活用して子どもの好奇心を上手に伸ばすそうです。
是非、親子で図鑑を見ながら、電車談義に花を咲かせてみてはいかがでしょうか?
(2)博物館もおすすめ!
図鑑と同様に、博物館もおすすめです!
博物館は、子どもの電車の知識の収集・整理、そして新しい興味の扉を開いてくれる素晴らしい場所です!
クリエイティブキッズでは、おすすめの鉄道博物館もご紹介しています。是非参考にして下さいね。
(3)鉄道ならパパの力も発揮しやすい!
子どもとの関り方が分からない…。そんなパパでも、電車遊びならお手の物!という人も多いでしょう。
電車遊びを通して父親との会話が増えれば、家族の絆もより一層深まります。一緒に電車で出掛けたり旅行の計画を立てたりするのも、楽しみの一つになるでしょう。
電車遊びを通し、ママだけでなくパパとの愛着も形成できれば最高ですね。
まとめ
「電車好きな子は賢くなる」
このことは単なる噂ではなく、真実ということが弘田先生の著書で明らかとなりましたね!
キーワードは「認知スキル」と「非認知スキル」!この2つを鉄道育児で引き出し、お子様の将来の可能性を大きく伸ばしてあげましょう。
11歳と8歳の女の子二人のママ
子供もだいぶ手が離れたので好きだったライター業を再開。
家族との時間を大切にしつつ、ライブ参戦や映画鑑賞など自分の時間もゆっくり取り戻し中。
ただ、娘たちの成長と比例して必要となる一緒に遊ぶ体力の維持に格闘する日々。