赤ちゃんを授かることはこの上ない喜び!新たな命の尊さに、思わず胸が熱くなりますよね。
しかし、一人目の妊娠時と決定的に違うのは「上の子は大丈夫かな!?」という一抹の不安がよぎること…。「赤ちゃん返りするよ!」「上の子を優先して可愛がってね!」という噂もよく耳にするため、上の子のケアはどうすればいいの?と、二人目の妊娠中から悩んでいるママもいるでしょう。
そこで今回は、「二人目の妊娠と上の子のケア」について徹底的に調査!上の子優先ができるのか?そのために先輩ママはどんな工夫をしてきたのか?体験談を交えながら、完全レポートしていきます。
目次
1、二人目誕生!上の子にみられる変化とその対処法
二人目の妊娠&誕生が発覚した時、上の子にはどんな変化が起こるのでしょうか?いわゆる「赤ちゃん返り」の具体例をみていきましょう。
(1)夜泣き
二人目の妊娠&誕生をきっかけに、上の子の「夜泣き」が始まることがあるようです。
今までママの愛情を独り占めしたのに、いつも自分がいたママの胸の中には生まれたばかりの赤ちゃんがいる…。この現実をうまく処理することができず、夜中に突然泣き出したり絶叫したりするのです。
一説では、ふと目が覚めた時に「ママがいない!ママが奪われた!」という現実に引き戻されることが原因とも言われています。
このような場合は、
- 昼間はいつでも上の子を抱っこできるようにする(下の子は「おんぶ」がおすすめ)
- ママが上の子を愛していることを、昼間にたくさん話して聞かせる
など、とにかく上の子が起きている昼間は、たくさん構ってあげることが大切です。
(2)度を越えたワガママ
お兄ちゃん・お姉ちゃんになった途端に、度を越えたワガママを連発しはじめる子もいます。一人で着替えをしなくなる、親の言うこと全てに反抗するなど「幼児退行」がみられるのです。
このような行動は、「もっと構って!」「私に目を向けて!」「もっと可愛がって!」という子どもからのSOS!
- ワガママを真に受けて叱らない
- ワガママは軽くあしらい、上の子への愛情を伝える
など、SOSを受け止めてあげることが大切です。
赤ちゃん返りが原因のワガママは、この時期だけのもの!お子様本来の姿ではないため、「しつけ」としてワガママを叱る必要はありません。軽くあしらい、その分ママの愛情をたっぷり伝えましょう。
(3)赤ちゃんへの意地悪
可愛がられている赤ちゃんへの「羨ましい気持ち」や、自分だって可愛がられたい!という「妬ましい気持ち」が増してくると、その矛先が「赤ちゃん」へ向く時があります。
上の子が赤ちゃんをつねったり、足を引っ張ったりする光景を目の当たりにすると、「何してるの!いい加減にしなさい!」「あっちに行ってなさい!」と怒ってしまうこともあるでしょう。
しかし、その対応は逆効果。上の子はますます悲しい気持ちになり、赤ちゃんへの意地悪がエスカレートすることにも繋がりかねません。
- 上の子が赤ちゃんを可愛がっている姿を見かけたら、「○○くん、えらいね!かっこいいお兄ちゃんだね!」と、大袈裟なほど褒める
- 赤ちゃんに意地悪をした場合は、怒るのではなく「ママ悲しいよ。」など、諭すように気持ちを伝える
赤ちゃんへの意地悪は、上の子がママを欲していることの表れです。叱りたい気持ちも分かりますが、冷静に対処してあげましょう。
(4)長子としての嬉しい変化も!
ここまで読んで頂くと「赤ちゃん返りって大変!」と不安になるママもいるかもしれませんが、中には嬉しい変化もあります。
お兄ちゃん・お姉ちゃんになったという自覚が芽生え、赤ちゃんを可愛がったり、時にはママを労わる姿を見せてくれることもあるのです。
上の子は、「赤ちゃんは可愛い。でも自分も構って欲しい。」という葛藤を続けながら、徐々にお兄ちゃん・お姉ちゃんとしての成長を遂げていきます。
私達ママパパは【上の子優先】で愛情をたっぷり伝えつつ、その様子を温かな目で見守りたいものですね。
2、産後のママに【上の子優先】は可能?
二人目の赤ちゃんを抱いた瞬間、これまで一心に注いでいた上の子への愛情が二分するのを感じる人も少なくありません。
これは気持ちの面だけではなく、物理的にも言えること!子どもが2倍になるがゆえに、掛けられる時間や手間が半分になるのは仕方のないことなのです。
果たしてこのような状況の中、【上の子優先】で育児をするのは可能なのでしょうか?
(1)先輩ママの体験談
先輩ママは【上の子優先】ができていたのでしょうか?体験談をみていきましょう。
- 産後は母性本能がMAXな時期。なぜか上の子が赤ちゃんに触れることに、物凄い抵抗を感じました。「赤ちゃんに触らないで! 」と、叱ったことも…。そんな状態だったため、当然上の子にも優しくなれず可哀そうな思いをさせたと後悔しています。(29歳・2児のママ)
- 赤ちゃん返りの予習は万全!何でもかかってこい!と思っていましたが、いざ経験するとかなりのストレス。何とか平常心を保っていましたが、子ども達が寝た後、夫に八つ当たりしていたかもしれません…。(38歳・2児のママ)
- 二人目出産と同時に、上の子が「モンスターなの!?」と疑うほど荒れました。これが噂の赤ちゃん返りだと思い、自分を押しこらえ必死に上の子をケア!結果、2ヶ月ほどで赤ちゃん返りは終息しましたが、もう二度と経験したくないほど大変でした…。(32歳・2児のママ)
先輩ママの体験談をみると、皆さん本当に苦労しながら「赤ちゃん返り」と向き合った様子が分かりますね。
心理的に上の子を可愛いと思えない時期があっても、何とか乗り切ることができているようです。
(2)スマートに【上の子優先】ができるママは少ない!
二人目が誕生したばかりの時期は、ママは二人育児の初心者!そのため、スムーズに【上の子優先】ができるママは少ないようです。多くのママが、上の子と赤ちゃんとのはざまで悩んでいます。
実は筆者も【上の子優先】の育児がうまくできず、思い悩んだ経験があります。
上の子を素直に可愛がれない時期があり、ニオイすらダメに…。それでも、自分なりに【上の子優先】を意識していたつもりでしたが、子どもには分かったのでしょう。ある日、「ママなんて嫌い。赤ちゃんも嫌い。みんな嫌い。」とつぶやいて、丸くなって泣き始めてしまったのです。その日の夜は、普段はこれまで全くなかった夜泣きまで経験しました。
その姿を目の当たりにし私も号泣。自分のふがいなさにハッ!として、情けない気持ちでいっぱいになりました。
この経験から皆さんにお伝えしたいのは、「ママも生身の人間」だということです。私は子どもが泣きじゃくる姿を見て、やっと「これじゃダメだ!」と気付くことができました。
ママも人間!最初から全てを悟って、スマートに振舞える人なんてきっといません。
時には思い通りにいかず涙したり、自分を情けなく思ったりする時もあるでしょう。それでも、子どもの様子に気付き改善することができれば、それで十分なのではないでしょうか?
3、【上の子優先】を叶える先輩ママの工夫
様々な苦労をしながらも何とか【上の子優先】を叶えてきた、頼れる先輩ママ達の工夫をみていきましょう。
(1)兄弟が生まれることを事前に話す
赤ちゃんの誕生を、事前に子どもに伝えているママは大多数いました!
- 二人目が安定期に入った時、上の子に赤ちゃんが誕生することを伝えました。「妹が生まれたら、一緒に遊べるよ!」「楽しいよ!」と、プラスの声掛けをしました。そのせいか、誕生後もとても可愛がってくれています。(38歳・2児の母)
- お腹の中に赤ちゃんがいることが、イマイチ理解できていなかったお兄ちゃん。そこで思いついたのがエコー写真を見せること!実際に写真を見てからは、「赤ちゃんここだねぇ!」と、お腹に手を当ててくれるようになりました。
どんな子でも、急に赤ちゃんが家族の一員といわれるとビックリしますよね。赤ちゃんが生まれてくることを事前に話すことで、上の子も心の準備ができるのではないでしょうか?
(2)上の子としっかり向き合う
【上の子優先】を叶えるには、まずは上の子との時間をもつことが大切。多くのママが、工夫して上の子と向き合う時間を確保していたようです。
- 出産後、まずは上の子と会わせようと思い、病院で弟と対面を果たしてから登園してもらいました!疎外感を感じることがなかったせいか、弟をすんなり受け入れとてもかわいがっています。(29歳・2児のママ)
- 赤ちゃんがお昼寝した隙に、上の子と一緒におやつを食べながら、会話する時間を確保していました。その時は「○○ちゃん(二人目の赤ちゃん)には秘密ね!」と言って、特別感を演出していました。自分もママにとって特別な存在なんだ!と思えたのか、妹に意地悪をしたことは一度もありません。(35歳・2児のママ)
- 我が家には3人子どもがいますが、名前で呼び合うことにしています。おかげで「お姉ちゃんなんだから!」というフレーズが出ることもなく、上の子に我慢をさせたり、負担をかけることもありません。家族みんなが、「個」を尊重できるのでおすすめですよ。(42歳・3児のママ)
みなさん工夫して、上の子と向き合う育児を実践しているようですね。名前で呼び合うのは、すぐにでも取り入れたいアイディアです!
(3)言葉&態度で愛情を伝える
二人目が誕生した直後は、ママからの愛情を欲する時期。いつも以上に愛情表現していた!という先輩ママも大勢いるようです。
- 二人目の時には余裕がなく、上の子に寂しい思いをさせました。そこで3人目の時は、上の子達が甘えてくる前に先手を打って「大好きだよ!」と言ってハグしていました。この方法は、かなり効果を感じましたよ!(39歳・3児のママ)
- 今日はあまり上の子と向き合えなかったな…と思った日でも、寝る前の絵本と愛情表現だけは欠かしたことがありません。満たされた状態で眠りにつけるようで、夜泣きを一度もなかったです。(28歳・2児のママ)
子どもを愛していることは、ママパパにとっては当たり前のことですよね。あまりにも当然のこと過ぎて、つい愛情表現を忘れる人もいるでしょう。
しかし、子どもがママパパの態度だけで愛を感じるのは至難の業。小さい子は特にそうです。是非「言葉と態度」の両方で上の子へたくさんの愛情を伝えてあげて下さいね。
(4)周囲には遠慮なく頼る
赤ちゃんのお世話だけでなく、上の子に関することでも遠慮なく周囲の手を借りた!というママもたくさんいました。
- 「なるべく普段の環境を変えない方が、子どもの不安が少ないよ。」と母が言ってくれたので、泊まり込みで来てもらいました。料理や洗濯は母がしてくれたため、上の子と向き合う時間がとれました!母のサポートのお陰で心に余裕が生まれたのが一番有難かったです。(36歳・2児の母)
- 義理両親、実両親共に忙しく、頼れる人がいませんでした。そこで、思い切ってファミリーサポートを利用!幼稚園への送迎や夕飯の準備など、手際よく行ってくれたため、本当に助かりました。(35歳・2児の母)
- 入院中は祖父母の家に上の子をあずけることに。そのため、定期的にお泊りに行き、おばあちゃんと寝る練習をしました!おかげで、ママの入院時もグズることなく祖父母の家を満喫していたようです。(40歳・2児の母)
頼れる親戚がいなくても、現在は様々な育児サービスが充実しています。
- ネットスーパー(イオンのネットスーパー:https://shop.aeon.com/)
- ファミリーサポート制度(厚生労働省:https://www.mhlw.go.jp)
- 産前産後の有料サービス(ニチイライフ:http://www.nichiiweb.jp)
- 家事代行(カジフル:https://kajifull.com/users/pregnant/)
などを上手に組み合わせ、上の子との時間を確保して下さいね!
どうしても思い悩み誰かに相談したいときには、「育児相談」などを活用するのもおすすめです。子育てのプロが親身になって相談に応じてくれますよ。
- 日本助産師会
(全国の子育て・女性健康支援センター:http://www.midwife.or.jp)
(5)その他のことは手を抜く
上の子のケアを優先させるために、その他のことは手を抜いた!という意見もたくさん見受けられました。
- 赤ちゃんの世話と家事をしていたら、あっと言う間に一日が終了。上の子と遊ぶ時間なんて全くないことに気付きました。そこで、もう掃除はいいや!と割り切り、上の子優先にシフト。部屋は散らかっていましたが、上の子はいつも笑顔で過ごせていましたよ。(30歳・2児の母)
- 上の子と赤ちゃんを一緒にお風呂に入れるのって、本当に大変!冬だったので、上の子の髪は2日に1回の洗髪に!その分の時間は、上の子との遊びに回しました。(33歳・2児の母)
掃除はいつでもできますが、上の子のケアは今しかできませんよね。少々の汚れは割り切り、上の子との時間に回しましょう!
4、実は繊細!「イイ子」ほどケアが必要
激しい夜泣きやワガママで、自分に構って欲しい!という訴えをする子が一方、特に赤ちゃん返りの様子が見られない子もいます。「うちの子は赤ちゃん返りもなくて、正直助かるなぁ。」と、ホッとしたと同時に安心しますよね。
しかし、手が掛からない子ほど、実は注意が必要な場合があるのです!
いわゆる「イイ子」は、ママの感情を先読みします。「こうするとママが悲しむから我慢しよう。」「赤ちゃんは可愛がらなくてはいけない。」など、大人が喜ぶ行動をしようと無理をしてしまうことがあります。
このように無意識に我慢をした結果、「蕁麻疹・アレルギー・食欲不振・チック」など、体調に何らかの異変が起きる場合があるのです。
我が子にこのような症状が起きると、責任を重く感じてしまうママもいるでしょう。しかしこれらの症状は、赤ちゃん返りが原因なら一過性のことが多いようです。自分を責めず、愛情をたくさん伝えることで対処しましょう。
※ただしこれらの症状は、赤ちゃん返りではない別の原因も考えられます。酷い場合は必ず小児科医に相談しましょう。
まとめ
多くの先輩ママが、赤ちゃんと上の子の間で葛藤しつつも【上の子優先育児】を頑張っていた様子が伺えましたね。
二人目の妊娠・出産は喜ばしい反面、上の子が心配なママはたくさんいます。しかし、「上の子の心配」をしている時点で、子どもに対する愛情タンクは満タンです!
ご紹介した先輩ママの声を参考に、自信をもって二人目育児を楽しんで下さいね。
11歳と8歳の女の子二人のママ
子供もだいぶ手が離れたので好きだったライター業を再開。
家族との時間を大切にしつつ、ライブ参戦や映画鑑賞など自分の時間もゆっくり取り戻し中。
ただ、娘たちの成長と比例して必要となる一緒に遊ぶ体力の維持に格闘する日々。