離乳食も完了に近づき、ご飯もおやつもしっかり食べ始めた頃、毎日の習慣として大切なのが歯磨きです!
毎日のことゆえに、スムーズに楽しくしたいものですが、はじめは歯磨きを嫌がる子どもが多いのが現状のようです。
なぜ子どもは歯磨きを嫌がるのでしょうか?
ここでは、子どもが歯磨きを嫌う理由や、子どもの歯磨きで気を付ける点、楽しく歯磨きをするコツなど、役に立つ情報満載でお伝えします!
子どもがスムーズに、そして楽しんで歯磨きができるよう、力になれれば幸いです。
目次
1、子供の歯磨きの大切さ
ひと昔前に比べ、子どもの虫歯は格段に減っています。
歯磨きや仕上げ磨きが習慣になったことや、乳歯へのフッ素塗布の普及など、「予防歯科」の大切さが徐々に広まってきたからでしょう。
しかし、小学生で虫歯がある子どもは、未だに半数にのぼると言われており、
「乳児はいずれ抜けるし、虫歯になっても大丈夫。」という考えを持つ親も、少なくないようです。
しかし、乳歯の虫歯を放置しておくと、様々なリスクを将来の子どもに背負わせることになるのを、ご存知ですか?
乳歯の虫歯が歯の根っこにまで到達すると、下に生えている永久歯が、虫歯菌に感染してしまうこともあります。
また、虫歯で乳歯が早期に抜けた場合、永久歯が真っすぐ生えないという問題が生じることも。
私達親世代が正しい知識を持ち、一生使う子どもの歯を守ってあげましょう。
※乳歯の虫歯について「子ども・虫歯」でも詳しくご紹介しています。
2、子供が歯磨きを嫌がる理由は何?
子どもに歯磨きを好きになってもらうには、もし今お子さんが歯磨きを嫌がっていたら、理由があるはずです!まずは嫌がる理由からみていきましょう!
多くの子ども達が不快に感じる、歯磨きの嫌な部分をご紹介します。
(1)歯ブラシが気持ち悪い
歯磨き自体が、子どもにとって、固くザラザラな棒を無理やり口に入れられる、不快な行為になっている可能性があります。
この場合、まずは子どもが歯ブラシに慣れることから始めましょう!
赤ちゃん用の小ぶりで柔らかい歯ブラシを子どもに持たせ、好きなようにカミカミさせてあげましょう。そうすることで、歯ブラシの感覚に徐々に慣れることができます。
(2)顎(あご)が疲れてしまう
口を開けたままでじっとしてることに慣れていないと、顎が疲れ、唾もたまってきます。
「きつくなったら休憩しようね。」と優しく声を掛け、子どものペースで歯磨きをさせてあげましょう。
たまった唾を、適宜吐き出させてあげるのも忘れずに!
(3)歯磨きが痛い
歯ブラシを痛く感じている場合、ブラシ部分が硬すぎる可能性があります。
子どもの歯茎は柔らかく繊細。必ず、子ども用に作られた、柔らかいブラシのものを使用しましょう。
また、磨く時に力を入れ過ぎている可能性もあります。どれくらいの力加減が良いのか、丁寧に教えてあげましょう。
(4)ママパパが怖い
子どもが嫌がれば嫌がるほど、ママ・パパはイライラしてしまい、遂に爆発!なんてことはありませんか?
子どもに歯磨きを好きになってもらうためにも、怒るのは禁物。
「歯磨き=ママパパが怒るもの」という認識を子どもが持ってしまいます。
また、歯磨きをきちんとさせたい気持ちが先走り、力任せに無理やり押さえつけて歯磨きする行為も、歯磨きに対する恐怖心を抱かせてしまう原因になります。
歯磨きタイムの前に簡単なマッサージを組み合わせたり、歯磨き=楽しい時間になると、親子ともにストレスが減りますよ。
(5)イヤイヤ期に突入した
歯も生え揃い、歯磨きを丁寧にする必要が出てくる頃、ちょうど始まるのが「イヤイヤ期」!
イヤイヤ期は、自分でしたいのに上手くできないもどかしさや、伝えたいことを、上手く言葉で表現できない悔しさからくるものだと言われています。
この時期は、自分の行動によって周囲がどのような反応を示し、その結果自分がどう受け入れられるのかを学ぶ大切な時期で、成長の証でもあります。
ただ、何をするにも「イヤイヤ!」で、歯磨きも例外ではありません!イヤイヤ期の歯磨きに悪戦苦闘しているママパパも多くいるようです。
イヤイヤ期をうまく乗り切るには、以下のようなポイントがあります。
- 子どもの気持ちを一旦受け入れる
- 子どもの意見を認める
- そのうえで、ママパパの意見を伝える
- 子どもが納得するまで根気強く諭す
イヤイヤ期に歯磨きを嫌がる場合も、このポイントを踏まえ丁寧に対処することが大切です。
- なぜ歯磨きが嫌なのか聞き、子どもの意見を認めて共感する
- 歯磨きの嫌な部分を取り除いた方法を、提案する
- 子どもが歯磨きをすることができたら、一緒に喜び褒めてあげる
毎日の歯磨きの度に「イヤ!イヤ!」と言われ、疲れてしまうこともあると思います。しかし、いつかは終わりを迎え、子どもは驚くほど大きな成長を遂げます!
それを楽しみに、イヤイヤ期の歯磨きを乗り切りましょう!
3、歯磨きが好きになるためのアイディア6選
(1)歯磨きする理由を丁寧に説明する
言葉を理解できる年齢なら、なぜ歯磨きが嫌なのかを子どもに聞いてあげ、そのうえで、歯磨きの大切さを丁寧に説明しましょう。
「歯磨きしないと歯に虫さんが来て、○○くんの歯が食べられちゃうんだよ!」
「歯磨きをすれば、歯がピカピカ!かっこよくなるね!」
など、子どもに分かりやすい表現で伝えるのがポイントです!
また、絵本を使って説明するのもおすすめです。絵本は絵がある分、子どもがより歯磨きの大切さをイメージしやすいでしょう。
幼児にも分かりやすい、歯磨きにおすすめの絵本をご紹介します。
①はみがきれっしゃ しゅっぱつしんこう!くぼ まちこ(著) 価格:¥1,080
出典:Amazon
歯ブラシを、子どもが大好きな列車に例え、次々に歯の汚れを取っていきます!最後に歯はピカピカに!子どもに歯磨きの大切さを教えるとともに、楽しさを伝えることのできる絵本です。
②すきすきはみがき なかや みわ(著)価格:¥648
出典:Amazon
歯磨きをしないとお口の中にばい菌が!ばい菌たちをみて、子どもは口を大きく開けて、歯磨きしてくれますよ。
(2)数を数える・歯磨き歌を歌いながら
ママパパが数を数えながら、楽しく歯磨きするのもおすすめです!
「10数え終わるまで、歯磨きしようね!」
など、約束を決めて歯磨きをすると、ゴールが分かりやすいというメリットがあります。
子どもはゴールまで一生懸命頑張りますが、時間がかかりすぎると我慢できなくなるため、手早く丁寧に磨くことが大切です!
また、歯磨き歌もおすすめです!
楽しい音楽に合わせて、ノリノリで歯磨きしてくれること間違いなしです!
①はながっぱ 「しゅわぴか☆はみがき」
子ども達が大好きなはなかっぱの主題歌。普段聞き慣れているテンポのよいリズムで、スムーズに歯磨きをしてくれそうです!
②はみがきのうた 東京ハイジ
なぜ歯磨きが必要なのかが分かる歌。子どもに分かりやすい歌詞と曲調で、覚えやすそうですね!
数や歌を使えば、子どもが楽しみながら歯磨きをすることができそうです!
頑張って磨けた後は、たっぷり褒めてあげることも忘れずに!
(3)つばを捨てるときに休みながら
口に唾がたまって上手く処理できない場合、よだれが溢れ、口の中も不快感でいっぱいになります。
時間はかかりますが、適宜唾を捨て、その際に休憩をはさみましょう。休憩することで、少しリフレッシュして、もう一度歯磨きを頑張ることができます。その結果、丁寧に歯磨きをすることができるでしょう。
時間はかかりますが、歯磨きが辛いと感じている子どもにとって有効です。
(4)歯磨き粉を工夫する
子ども用の歯磨き粉の多くは、刺激の少ないフルーツ味や可愛いいキャラクターのパッケージに入っており、ジェルタイプや練りタイプのもの、粉状のものなど、沢山の種類があります。
通常の練りタイプのものより、ジェルタイプの方が口に残りにくく、不快感が少ないなど、子どもの好みがあると思うので、それに合うものを探してあげましょう!
また、「子どもが楽しんで歯磨きをする」という点に特化し、見た目や味で選ぶのも一つの方法です。
「今日はりんご味にしようか!」
「今日はアンパンマンが歯磨き手伝ってくれるよ!」
という具合に、子どもが飽きずに、楽しく歯磨きできる工夫をしましょう。
歯磨き粉に描かれているキャラクターを、人形に見立てて動かしながら、
「○○くーん!早く僕をお口にいれてよ!」
と、声掛けするのも効果的です。
好きなキャラクターや味を揃え、色々なパターンを試してみましょう!
子どもが喜ぶおすすめの歯磨き粉をご紹介します!
①クリニカKid‘sハミガキ ジューシーグレープ 価格:¥327
出典:Amazon
スタンダードな練り歯磨き粉。美味しいブドウ味と可愛いミッキーに子ども達も大喜び。楽しく歯磨きできそうです!
②ライオン チェックアップジェル バナナ 60g 価格:¥626
出典:Amazon
珍しいバナナ味の歯磨き粉。子どもが不快感を抱きにくいジェルタイプなのも魅力です。歯科医院でも取り扱われている歯磨きジェルです。
③ウィステリア製薬 粉状歯磨き粉 ブリアン 価格:¥3,919
出典:ウィステリア製薬
珍しい粉状の歯磨き粉。うがいの必要がなく、そのまま食べても安心なのが魅力です。物珍しさから、子どもも進んで歯磨きしてくれるかも?!
(5)力加減を調整する
子どもに歯磨きをするときには、力加減に注意しましょう。
きれいに磨こうとつい力が入ってしまいますが、あくまでも優しく細かい動きで。
特に、「歯肉(歯茎)」と上唇と歯茎をつなぐ「スジ」には注意が必要。この部分にブラシが当たると、子どもは痛がり不快感を覚え、歯磨きを嫌がる原因になります!
ブラッシングする時は、優しく、手早く、丁寧に!この3点に気を付けると良いでしょう。
(6)【番外編】ママの歯を磨いてもらう
子どもを歯磨き好きにする、ちょっとユニークな方法!
子どもにママの歯を磨いてもらいましょう!
磨かれている間は、歯ブラシが頬などに当たり、ママはちょっと痛いかもしれませんが、我慢してあげて下さい!
子どもは、「自分がママの歯を磨いてあげたんだ!」という喜びでいっぱいになります。また、自分が歯磨きをされている時の様子も分かり、安心するようです。
ママの歯を磨いてもらった後は、「次はママが〇〇くんの歯を磨いてあげるね!」
と声を掛けてみてください!
きっと。「はーい!」と元気な返事が返ってくることでしょう。
ママの歯を磨くという行為は、子どもにとってとても興味深く、ワクワクすることです。
この気持ちを大切にし、歯磨きが楽しいものだと言うことを、子どもに実感してもらえる良い方法ですね!
4、虫歯を予防する子供の仕上げ歯磨きテクニック
子どもの虫歯を防ぐ、正しい歯磨きの仕方とはどんなものなのでしょうか?
今まで自己流で磨いていたというママパパも、この機会に正しい磨き方を覚えましょう!
(1)どんな姿勢で磨くのがベスト?
ハミガキの基本的な姿勢には「立たせ磨き」と「ねかせ磨き」があります。
立たせ磨きは、大人が子どものサイドに膝立ちになり、お腹や脇で子どもの頭を支えながら磨く姿勢です。
ねかせ磨きは、大人が座り、子どもの頭を膝に乗せて磨く姿勢です。
立たせ磨きが難しい場合は、ねかせ磨きで磨きますが、それでも暴れることがあります。
子どもが納得して自ら口を開くのが理想ですが、歯の汚れが酷い時など、どうしても嫌がるところを磨かなければいけない時もあります。
そんな時は、子どもの肩辺りを、大人の足で固定する姿勢がおすすめです。
大人が足を開いて座り、両足の間に子どもの頭を置きます。そして、足で子どもの両肩辺りを優しく固定し、安全を確保してから磨きましょう!
この方法は、歯科医も推奨する方法です。
(2)1箇所につき20回以上磨こう
歯垢はなかなか落とすことができないため、1か所につき20回以上ブラッシングするのが理想です。
この時、程よい力加減で、細かく丁寧に歯ブラシを動かすのがポイント!
強く磨きすぎると、歯茎を傷める原因になる可能性があるため、注意してください。
(3)丁寧に磨きたい場所
乳歯で虫歯になりやすい歯は、「奥歯4本」と「上の前歯」だと言われています。
前歯は比較的磨きやすいですが、奥歯は、上下左右4か所のかみ合わせ部分まで、しっかりとブラシを当てて磨くことが大切です。
また、ママパパの利き手側の犬歯も、磨き残しが多い傾向にあるようです。
磨きにくい歯を知っているだけで、歯磨きの意識が変わります。隅々まで丁寧に磨くことを心がけましょう!
5、歯磨きをするときにチェックしておきたいポイント
(1)歯磨きにかける時間
子どもの場合、1回の歯磨きに3分程度かけるのが理想と言われています。
虫歯の原因となる「歯垢」をきれいに取り除くには、1本の歯を5、6秒磨く必要があるため、全ての歯を磨くと3分ほどかかるのです。
しかし、子どもが3分じっとして歯磨きをするのは、簡単ではありません。
その場合は、1日1回でもいいので、ママパパが仕上げ磨きを3分してあげましょう!
(2)歯磨きをするタイミング
歯磨きをするタイミングは、毎食後が理想です。
歯と歯の間にはさまった食べかすや歯垢は、虫歯の原因となります。食事の度にきれいに掃除し、汚れの蓄積を防ぎましょう!
しかし、小さな子どもに毎食後歯磨きをさせるのは、大変なことも多いです。特にイヤイヤ期は、歯磨きをさせるのに時間もかかります。忙しい朝などは、時間が足りない!なんてこともあるでしょう。
そんな時は「就寝前の仕上げ磨き」を徹底して下さい!
歯磨きの回数を多くするのももちろん大切ですが、1日1回でもしっかり磨く方が、効果が高いとも言われています。
特に、就寝中は唾液の分泌が減るため、虫歯菌が増殖しやすい時間帯です。寝る前の仕上げ磨きを丁寧に行い、子どもの虫歯を防ぎましょう!
(3)1日に何回歯磨きをすべき?
毎食後歯磨き=3回に加え、就寝前に1回、合計1日4回歯磨きをするのが理想と言われています。
自分で磨ける子どもの場合は、3回は自分で、就寝前の歯磨きをママパパがしてあげると、虫歯対策はバッチリです!
ただし、それが難しい場合は回数にこだわらず、歯磨きをするタイミング同様、就寝前の歯磨きに時間をかけることで、フォローしましょう!
6、さらに虫歯を予防していくために
(1)デンタルフロスを使用して、歯の間も綺麗に
デンタルフロスを使っているママパパも多いと思いますが、子どもにも1週間に2回程度、デンタルフロスで歯間の掃除をしてあげましょう。
乳歯の歯並びは三者三様。隙間がなく、歯がびっしりと生えている場合、デンタルフロスでの掃除が特に大切です。
2歳ごろから、就寝前の仕上げ磨き後のデンタルフロスを、習慣にしましょう!
子どもの小さな口でも使いやすい、子ども用デンタルフロスも販売されていますよ。
①子供用フロスちゃん 1パック(20本入)価格:¥400
出典:Amazon
子どもの口に合う小さなデンタルフロス。危険が少ない丸い形状で安心です。
(2)歯垢染め出し液で、汚れを鏡で見えるように
歯垢染め出し液をご存知ですか?
歯垢染め出し液は、文字通り、歯に付着している歯垢を赤く染め出す液体です。歯科医院で、一度は経験したことがあるママパパも多いと思います。
歯垢染め出し液を使えば、磨き残しが一目瞭然!
赤く染め出された箇所を、歯ブラシやフロスを使って丁寧に落としていきましょう。
ここでポイントなのが、一度染め出しとブラッシングが完了したら、再度染め出し液を使い、落としきれなかった歯垢を確認することです!
こうすることで歯の隅々まできれいになる他、自分が磨き残しやすい箇所を確認することができます。
磨き残しやすい箇所が確認できたら、毎日の歯磨きで重点的に磨くようにしましょう!
(3)歯ブラシの交換時期は毛先が開いてきたら
歯ブラシは、一体どのタイミングで交換すればよいか迷うことも多いと思いますが、目安は「毛先が開いてきた頃」です。
毛先が広がれば広がる程、歯垢の除去効率は下ると言われている他、長期間の使用で毛先に雑菌も多く繁殖してしまいます。
毛先が開いてくるのは、およそ1ヶ月。交換の目安にしましょう。
いざ交換したい時のために、歯ブラシをまとめ買いしておくと便利です。
まとめ
いかがでしたか?
幼い頃の正しい歯磨き習慣は、一生もの。
子どもが楽しく、自ら進んで歯磨きできるよう、ママパパはサポートしてあげて下さいね!
虫歯のない健康的な歯を目指し、親子一緒に頑張りましょう!
趣味は薬膳料理とヨガ。
よく食べよく寝る元気いっぱいの息子(3歳)のママ。
かわいいけれどいつも足にまとわりついてくる甘えん坊の息子の将来が心配。
あと仕事と育児で毎日がいっぱいいっぱい。
きちんと料理や掃除をしたいのに家事の時間が確保できないのが悩み。