「今日の習い事は〇〇と△△!だから学校の宿題は■時にスタートして▲時には終わらせようね。少し休憩したら出発するよ!」
子育てにある程度の時間管理は欠かせませんが、親が何もかも決めてしまい【子どもはそれに従うだけ】という状況になっていませんか?
- 親が決めたルールに従わせるだけの育児…本当にこれでいいの?
- 「親の私が頑張らなきゃ!」と常に感じ、しんどくなることがある。
- 自分の育児法では、子どもの個性がつぶれるような気がしてならない。
このような【管理型育児】に疲れたママパパを救ってくれるのが、教育家の小川大介先生が提唱する【見守る子育て】です。
見守る子育てとは一体どんなものなのか?今回は、今年1月に発表されたばかりの小川先生の新刊、「自分で学べる子の親がやっている「見守る」子育て」をベースにご紹介していきます。
目次
1、「見守る」子育てとは?
【子育ての成功=学歴】という時代が終わりを告げた今、「何を目安に子育てをすればよいのか分からない…。」という、先の見えない時代に突入しています。
学歴社会の崩壊、急速に加速する情報化社会など、予測できない時代を強く生き抜くためには、子どもに【自分軸】を持たせてあげることが重要だと小川先生は述べています。
「自分はどういう人間で、何が好きで、何が得意なのか?」自分への理解を深め、人生の様々な局面で自分なりの基準で決断できる人間を育てることこそが、子育ての最終目標と言える時代がきているのです。
さて、前置きが長くなりましたが、そんな【自分軸】を育む子育てが、小川先生が提唱する「見守る」子育てです!
小川先生は、これまで一貫して「見守る」子育ての大切さを説いており、子どものありのままの姿をよく観察して、その姿を認めて見守り、その子本来の力と可能性を引き出し育むことをすれば、自ら学び続け自分基準で決断できる子に育つと論じています。
そんな「見守る子育て」のエッセンスを詰め込んだ著書の第1弾、「頭のいい子の親がやっている「見守る」子育て」が2019年に発表されベストセラーに!
さらにその内容をブラッシュアップし、より実生活に活かせる形に仕上げたのが、今回ご紹介する第2弾、「自分で学べる子の親がやっている「見守る」子育て」(2021年)なのです。
2、自分で学び続ける子に育つ「3つの原則」
小川先生の著書、「見守る子育て」の第1弾&第2弾に共通しているのは、自ら学び続ける子には、自信・習慣・学びの「3つの原則」があるということです。
3つの原則について、詳しくみていきましょう。
(1)自信を持つ
自分に自信を持てるのは、大人も子ども関係なく、生きるうえで非常に大切なことですよね。
自信という大きな土台があるからこそ、チャレンジを恐れず進み続けることができるのですが…この自信を育むには、【3歳~9歳】までの親の接し方が非常に大切なことをご存じでしょうか?
自信を育むには、【子どもを褒めること】が重要だと思われがちですが、実はそれだけではありません。
例えば、子どもが親の反応をうかがっている時に、素直に「面白いね!」と価値観を共有してあげることも、「ママパパも面白いと感じているんだ!」、「自分はこのままでいいんだ。」という自信に繋がります。
ちなみに、赤ちゃんは全員自信の塊で、【全能感】と呼ばれる100%の自信を持って生まれています。しかし、この全能感は3~9歳頃に他人を意識することで一度崩れるのです。
そして、子どもはこの時期に、経験や価値観に基づいて自信を再構築するため、幼稚園~低学年頃が、人としての土台形成にいかに重要な時期か分かりますね。
(2)「学びの技術」を得る
「学校の宿題は完璧だし、塾や習い事もしている。これで【学び】はバッチリでしょ!」
確かに塾や習い事に通えば沢山の知識や経験を得ることができますが、それが【子どもへの押し付け】になってはいませんか?
本来、学びとは【学ばされる】のではなく【自分で学び取る】行為です。習い事などで忙しくしていると、パッと見には多くの学びがあるように思えますが、実は【メニューをこなしているだけ】になっていることがよくあります。
これでは、自ら学び続ける子とは大きくかけ離れていますよね。
勉強を強制するのではなく、普段の会話や遊びの中で【学びの技術】を意図的に教えてあげるよう、親が上手に導いてあげることが大切です。
(3)「習慣」を身につける
習慣というのは、誰かに指示されなくてもそれをすることが普通になっている状態。つまり、習慣とは【当たり前の水準を上げていく営み】だと、小川先生は述べています。
朝起きて歯磨きや洗顔をするのは、私達が毎日当たり前にしていることですよね。この状態を【学び】においても作り出すことが大切なのです。
ここで一つ注意しておきたいのは、「楽しくないからやらない。」、「気分がのらないからやめた。」というのは通用しないということ!
努力しなくても、頑張らなくても、呼吸をするように淡々とこなしていくことが【習慣】なのです。
- 新しいことを知る
- 得た知識を覚える
- 何かを読んだり書いたりする
このようなことを、子どもの生活の【当たり前】に組み込んであげましょう!
さて、自ら学び続ける子の3つの原則をお伝えしましたが、実生活で子どもとどう接すればいいのか?具体的な方法が気になりますよね。
そこで次では、「見守る子育て」を実現させるためのコツを、小川先生の著書をベースにご紹介していきます!
3、「見守る子育て」を実践するために!親が覚えておきたいコツ
2021年1月に出版された「自分で学べる子の親がやっている「見守る」子育て」では、「見守る子育て」を実現させるための43のコツが紹介されています。
今回は、その中でも特にママパパに知って欲しいエッセンスを抜き出し、お伝えしていきますよ。
(1)「飽きっぽい」のではなく「好奇心旺盛」ととらえる
「うちの子、ちっともじっとしてない!」親はつい子どもの短所に目が行き、イライラしてしまいますよね。
そんな時には、自分の物差しで子どもをジャッジするのをやめましょう!
うちの子は飽きっぽい、落ち着きがない、話を聞いていない、このような悩みが小川先生のもとにも多く寄せられているそうですが、これには子どもの特性が大きく関係していると言われています。
- 視覚が敏感:周囲がよく見えるため好奇心旺盛で色々なことに気付く
- 身体感覚が敏感:エネルギーにあふれ体を動かすのが大好き
- 聴覚が敏感:周囲の様々な音に敏感に反応する
落ち着きがないと感じる子は、大抵の場合この3つのタイプに分けられます。
それぞれのタイプに合わせた遊びや学びを取り入れれば、好奇心は持ちつつ、集中して取り組める子に育ちますよ。
3つのタイプ別の具体的な接し方については、以下の記事をあわせてご覧下さいね。
(2)「興味を示さない」のではなく「自分の世界がある」ととらえる!
「うちの子は、何を聞いても反応が薄い。」このような悩みは、小川先生のもとにも多く寄せられているそうです。
「せっかく絵本を買ってあげたのに、あまり興味を示さない…。」、「休日にわざわざイベントに連れて行ったのに、イマイチ喜んでいない…。」このような反応をされるとママパパは悲しくなりますが、一呼吸おいて考えて欲しいことが2つあります!
①次々に物事を与えすぎていませんか?
②子どもには既に自分の世界があって、そちらに心を奪われてはいませんか?
子どもはボーっとしている時間に考えを巡らせながら、自分の体験から得た知識や刺激を吸収します。しかし、その暇(いとま)がないほど矢継ぎ早にメニューを与えられては、一つ一つを味わうことができません。
また、本当は自分が大好きな事柄があるのに、親がそれに気づいていないケースもあります。自分が興味のないものを次々に与えられれば、反応が薄くなるのも当然ですよね。
このように、子どもの反応が薄いのには理由があることが多いです。「つまらないの?」、「どうして話したくないの?」と質問攻めにする前に、上の2つをよく考えてみて下さいね。
(3)「なんでだろうね」を口癖にする
小川先生曰く、子どもを賢い子に育てたいなら、色々教え込むより効果的なことがあるそうです!
- 「なんでだろうね」
- 「このあとどうなりそうかな?」
親がこのような声掛けを習慣にすれば、自然と【考える力】が育ちます!
「〇〇を知っている!」で止まるのではなく、「なぜそうなるんだろう?」ということを考えさせ、原因や理由を探ることで、論理的思考や探求心を育むことができますよ!
(4)子どもの「休みたい」を受け止める
子どもが「学校休みたい…。」と言い出すと、「このまま不登校になったらどうしよう…。」と親は焦ってしまいますよね。
そして、「何事もやめずに続けるべき!」、「簡単に投げ出すべきではない!」など、何とか頑張らせようとする親も多いですが、子育てにおける「べき論」は危険だと、小川先生は述べています。
子どもが「休みたい」と訴えた時に親がすることは、何とか登校させようと躍起になるのではなく、【子どもに今何が起きているのか?】を、子どもに寄り添い想像してみることです。
友達との喧嘩をした、先生に叱られた、苦手な体育が嫌など、様々な理由で子どもは学校に行きたくないのかもしれません。
親が気持ちを受け止めてあげるだけで、「やっぱり行く。」とすぐに解決するケースもあるようです!
(5)子どもに真面目に謝る勇気を持つ
皆さんは、子どもに【真面目に謝る】ことをしていますか?
子どもに謝るという行為は、子どもを一人の人間として認めている証拠です!
- 過剰に叱り過ぎた
- 言い方が不適切だった
- 親の間違いをなかったことにした
など、ママパパが謝るべきシーンでは、子どもに心から謝罪することが大切なのです。
子育てを頑張っている親ほど、「自分はこんなに子どものためにしてあげている!」という気持ちが強く、謝るのが苦手な人が多いそうです。
しかし、子どもも一人の人間です!親が間違った時には勇気を出して謝ってみると、今までとは違う新たな親子関係が築けますよ。
いかがでしょうか?ここで紹介した情報はほんの一部!「自分で学べる子の親がやっている「見守る」子育て」には、すぐに使える子育てのコツがまだまだ掲載されています。
「もっと早く知っていれば…。」と、目からウロコのコツも満載なので、是非読んでみて下さいね。
4、【小川先生からのメッセージ】見守る子育てにかける想いとは?
- 親は子どもをもっと信じるべき
- 親として自信をもって子育てをしてほしい
これは、小川先生の「見守る子育て」の根底にある考えです。
私達親は、子どもを愛しています。何より大切に思っています。それゆえに、子どもを強く叱ったりイライラしたりしますよね。
子育てがうまくいかない時には、【怒り・不安・苛立ち・悲しみ】が湧きあがることもありますが、このような親の気持ちを全面に出し過ぎる育児は逆効果!
あれこれ親が口を出すより、好奇心を親に認められ【見守られて育った子】の方が、自ら学び伸び続ける子に育つのです。
「せっかくの子を想う気持ちが、空回りしてはもったいない!」そんな想いから、小川先生は「見守る子育て」を広めようとしているのだと、著書を読み強く感じました。
- 子どものために、幼少期から正しい生活・学習習慣を身に付けさせなきゃ。
- 子どものためには、少々辛くても頑張るのが当たりまえ!
- 子どもには、そんな親の気持ちについてきて欲しい!
熱心に子育てをしている親ほど、このような感情を抱きがちですが、これではママパパも子どもも疲れてしまいます。
「見守る子育て」を少しずつ取り入れ、家族みんながハッピーに過ごせる家庭を築いてみてはいかがでしょうか?
まとめ
自分の育児に自信がない…。叱ってばかりの毎日に嫌気がさす…。
「見守る子育て」は、このようなママパパにこそ取り入れて欲しい育児法です。
小川先生のYouTubeチャンネル「見守る子育て研究所」でも、見守る子育てのコツが多数紹介されています。著書とあわせて、是非ご覧になってみてはいかがでしょうか?
趣味は薬膳料理とヨガ。
よく食べよく寝る元気いっぱいの息子(3歳)のママ。
かわいいけれどいつも足にまとわりついてくる甘えん坊の息子の将来が心配。
あと仕事と育児で毎日がいっぱいいっぱい。
きちんと料理や掃除をしたいのに家事の時間が確保できないのが悩み。