図書館で10人待ちは当たり前!人気絵本作家「ヨシタケシンスケ」さんをご存知でしょうか?
コミカルでどこか不思議な作風は唯一無二の存在で、子どもはもちろん大人からも人気です。
今回は、そんなヨシタケシンスケさんの絵本に大注目!ヨシタケシンスケさんってどんな人?なぜ老若男女問わず愛されるの?など、その秘密に迫ります。
さらに、2020年4月に発売されたばかりの、「レッツはおなか」を読んだ感想もレポしますよ。
それでは、めくるめくヨシタケシンスケさんの世界を堪能していきましょう!
目次
1、人気絵本作家!「ヨシタケシンスケ」さんってどんな人?
出典:https://www.ehonnavi.net/author.asp?n=28099
ヨシタケシンスケさんは、今、飛ぶ鳥を落とす勢いで人気の絵本作家!
元々イラストレーターとして活動していましたが、2013年に絵本作家としてデビューして以来、数々の賞を受賞。これまでに、何と400万部以上を売り上げているというから驚きです!
「ヨシタケシンスケ」という名前をご存知ない方でも、この絵本の表紙を見れば「あ!見かけたことがある!」と、ピンとくるのではないでしょうか?
こちらの「りんごかもしれない」は、ヨシタケシンスケさんの代表作!りんご一つでどんどん広がる想像に、新鮮な驚きを感じる一冊です。
さて、絵本の表紙を見て何か気付くことはありませんか?そうです!ヨシタケさんの絵は、極シンプルな「線画」で描かれているのが特徴です。
実は、ヨシタケシンスケさんの原画は、「A4の紙」に「太さ0.3mmのペン」で描かれています!そのため、よく見かけるファンタスティックな絵とは異なり、シンプルで無駄がなく、でも細かい!そんな独特のスタイルが特徴なのです。
そして、この独特な「絵」にこそ、ヨシタケシンスケさんの絵本の魅力、そして人気の秘密が詰まっています。
2、ヨシタケシンスケさんの絵本が人気のワケ
ヨシタケさんの絵に、どんな秘密が隠されているのか!?ヨシタケシンスケさんの絵本が、世代を超えて愛される理由に迫ります。
(1)人気の秘密①:【苦手を削ぎ落とすこと】で生まれた絵
ヨシタケシンスケさんならではの独特な絵本の数々は、見る者を和ませる力があり、老若男女問わず愛されています。
特に、シンプルなのに細かく、どこかクスっと笑えるコミカルな絵は唯一無二の存在ですが、実は【苦手を削ぎ落とす】ことで生まれたと言われています。
大変意外ですが、ヨシタケさんは大きな絵を描くことや、自分で色付けするのが苦手だそうです。また、絵本にありがちなファンタジックな物語も一から作ったことがないと述べています。
このように、苦手なことを全部取っ払った結果生まれたのが、ヨシタケさんならではの絵本スタイル!それが今までにない珍しい作品として受け入れられ、愛されている所以なのです。
(2)人気の秘密②:あえて【笑顔】を描かない
ヨシタケさんの絵本には、笑顔の人物がほとんどいません。その理由は簡単で、ヨシタケさん自身が「安易な笑顔を描きたくない!」と考えているから。
ヨシタケさんは、安易な笑顔の絵は「読み手の半分」を傷つける!と考えているそうです。子育てに喜びを感じているママパパは、挿絵の笑顔に「そうそう!私も一緒。」と共感するでしょう。
しかし、子育てに疲れ「もうママなんてやめたい…!」と感じている人はどうでしょうか?「私はこんな風に笑えない。やっぱりだめな母親だ…。」と落ち込み、傷ついてしまいますよね。
この様に読み手のことを考え、あえて笑顔を描かないのもヨシタケさんの大きなこだわりの一つ。老若男女問わず、万人に愛されるわけが分かりますね!
(3)人気の秘密③:パパとしての【育児経験】が反映されている
「どうしてここまでママパパの気持ちが分かるの?」と感じた人もいるかと思いますが、実はヨシタケさんは2人の男の子のパパ!
ヨシタケさんの子どもが、ゴミ箱から輪ゴムを拾ってきたことをヒントに描かれた「わたしのわごむはわたさない」や、自身のパパとしての戸惑いを伝える育児エッセイ、「ヨチヨチ父」など、ヨシタケさん自身の子育て経験が作品に反映されているのです。
しかも、多くの作品は育児や生活全般の「理想」を追い求めるものではなく、どちらかというとダークサイドな側面を、正直に、でも面白おかしく描いているため、子どもをもつママパパから絶大な支持を集めています!
育児に疲れたけど…。でも子どもって可愛いよね。そんな風に感じさせてくれるのも、ヨシタケシンスケ作品の大きな魅力の一つです。
(4)人気の秘密④:読み手によって様々な解釈ができる!
ヨシタケシンスケさんの絵本は、読み手によって様々な解釈ができることでも知られています。
これは、ハッキリとした表現ではなく、それとなくゆっくり読み手に訴える作風だからこそなせる業!決して派手ではなく、むしろ地味な表現がじわじわと心に響くため、読み手自身が物語を噛み砕き、自分なりに解釈することができるのです。
ドラマティックでテンポのよい作品とは対極だからこそ、万人に親しまれる絵本に仕上がっていることが分かりますね!
このように、ヨシタケシンスケさんの絵本には、多くの人が楽しめる要素が満載です!
今回は、そんなヨシタケさんのルーツを知るべく、「レッツシリーズ」の最新作、「レッツはおなか」を子ども達と読んでみました。
3、ヨシタケシンスケさんの絵本最新作「レッツはおなか」を3歳と7歳が読んでみた!
「レッツはおなか」は、児童文学作家のひこ・田中さんが文章を手掛け、ヨシタケシンスケさんがイラストを担当している、レッツシリーズの最新作!
実は、このお二方がタックを組むのは、ヨシタケシンスケさんが絵本を出す前から始まっています!レッツシリーズは、ヨシタケさんが子ども向けの絵本に取り組んだ記念とも言える絵本なのです。
5歳の「レッツ」とかあさん・とうさんが、ひょんなことから「赤ちゃん」や「天国」について話す様子がコミカルに描かれた内容に、「5歳児ってこんな風に考えているんだ!」、「夫婦仲良く、楽しく子育てしていこう!」と改めて思ったのが、母である私の感想です。
しかし、子ども達は私とは違う想いを感じたようです。
3歳の下の子は、ヨシタケさんの絵をまじまじと見ながら、「おへそとおへそがくっ付いてる!」「僕のおへそもママとくっついていたの?」など、興味津々!
7歳の上の子は、読み終わると同時に「ママ大好き。」とつぶやきながら私に抱きつき、お腹に耳を当てて「ここから生まれてきたんだね。音がするね。」と、しみじみ語っていました。
私は夫婦仲や子育ての尊さを感じましたが、子ども達は私に対する愛や、自分の誕生の不思議を実感しているように見えました。
感想は違っても、全員が共通して「愛」を感じていたことに驚きを感じ、思いがけず、温かな気持ちに包まれた読み聞かせタイムになりましたよ。
是非、待望のシリーズ最新作を手に取り、何の変哲もない日常に溢れた「愛」を、今一度感じてみてはいかがでしょうか?
4、おすすめのヨシタケシンスケさんの絵本10選
それでは、ヨシタケシンスケさんの人気絵本の中から、おすすめをピックアップしてご紹介していきたいと思います!
(1)りんごかもしれない
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子どもの創造力は無限大!たった1つのりんごで、どこまでも広がるイメージに脱帽。
学校から帰って目にしたりんご。主人公の男の子は「りんごがある。」で終わらず、どこまでも想像を広げます。「そうきたか!」と、思わずママパパもうなってしまう展開に目が釘付け。読む前と後では、物の捉え方が180度変わるかも!?そんな不思議で面白い、ヨシタケシンスケさんの代表作です。
(2)なつみはなんにでもなれる
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小さな子どもに大うけ!主人公の「なつみ」が何になりきっているのか?クイズ感覚で楽しめる一冊。
子どもならではの表現力で、なつみは一生懸命「これなーんだ?」とお母さんにクイズを出しますが…。お母さんには全然分かりません!きっとママパパは、子どもの想像力の豊かさに改めて感心することでしょう。小さな子どもは、読み終わった瞬間から「なつみごっこ」を始めます!是非、何を表現しているか?お子様と一緒にクイズを楽しんでみて下さいね。
(3)こねてのばして
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赤ちゃんにもおすすめ!親子のスキンシップに一役買う、リズミカルな一冊。
じっくり噛み砕く内容が多いヨシタケシンスケの作品ですが、こちらの絵本は赤ちゃんから楽しめます!粘土でもない、パン生地でもない、不思議な物体をこねてのばして…。お子様のホッペやお腹を、こねこね、ビヨーン!リズムをつけて歌のように楽しみながら、親子のスキンシップを楽しみましょう。
(4)あるかしら書店
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「本の本、あります」街はずれの書店ではどんな本にも出会えます!
「不思議な本」や「あるかもしれない本」との出会いを通し、「本っていいね!」と言いたくなる1冊。ちょっと高度な内容なので、ヨシタケシンスケさんの世界観を体感したいママパパにもおすすめです!
(5)このあとどうしちゃおう
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死後の世界をクスッと面白く、でも大真面目に考えるきっかけを与えてくれる一冊。
ヨシタケさんが、両親を亡くしたことをきっかけに描いた作品。面白さと悲しさの両方が混在する不思議なストーリーで、死について「大真面目」に考えるきっかけをくれる絵本です。「死」について興味を持ちはじめたお子様にも。
(6)りゆうがあります
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大人になると見えなくなる!子どもの気持ちを汲み取ることの大切さを、ユーモアいっぱいに伝えます
鼻ほじりや貧乏ゆすりなど、子どもの困った癖には全て理由がある。ヨシタケさん風に解釈された癖の理由は、ハチャメチャだけど面白い!そして、子どもの気持ちを汲み取ることの大切さを、思い出させてくれる一冊です。
(7)おしっこちょっぴりもれたろう
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「おもらししても、まぁいっか!」親子でおもらしの悩みが軽くなる!?温かみのある一冊
主人公のもれたろうくんは、いつも「ちょっぴり」おしっこがもれてしまいます。でも、「ちょっとだしまぁいっか!」トイレトレーニングに行き詰っている親子の心を、フワッと軽くしてくれる絵本です。
(8)ぼくのニセモノをつくるには
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自分って何だろう?客観的に己をみつめることで、自己を尊ぶ感情が生まれます。
やりたくないことは、「ぼくのニセモノ」にやらせちゃえ!でも、自分ってどんな人だろう?自分を知るのは意外に難しい。考えれば考えるほど「ぼくのニセモノ」を作るのは難しいと気付き、そして「自分は自分」、「人生をどう切り開くかは自分次第!」そんな、自己を尊ぶ感情を育んでくれる一冊です。
(9)ふまんがあります
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子ども達は理不尽さを感じている!育児でイライラした心に、クスッと笑いを与えてくれる傑作。
「なんで僕だけ!?」子どもが日々感じている「理不尽さ」を、ストレートに表現した一冊。「子どもの頃私もそう感じてた!」と、共感するママパパが続出しています!親子でワハハと笑えば、育児のイライラも吹っ飛びますよ。表紙の女の子が何とも言えない表情で、ヨシタケシンスケさん観察眼の凄さを物語っています!
(10)ころべばいいのに
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「嫌い」を乗り越えた先に見える世界がある!?ネガティブな気持ちをシュールに描いた、ヨシタケ流の解釈とは?
嫌なことをしてくる子なんて、全員石につまずいて転べばいいのに!そんなネガティブな気持ちを抱いた主人公は、いつしか「嫌な気持ち」自体と向き合うように。「嫌い」を乗り越えた先に分かる、「かわし方」や「向き合い方」に気付かされる一冊です。心が発達した、小学校高学年におすすめです。お子様に、「嫌いな人との対峙法」を教えてあげたいママパパにも!
まとめ
ヨシタケシンスケさんの魅力は伝わりましたか?
ドラマティックでファンタスティック!そんな展開は一切ないのに、読み終わった後に心が温かくなる。老若男女問わず愛されるヨシタケさんの作品は、親子の愛や人間の本質に迫る素晴らしい絵本ばかりです。
読んだことのない人は、是非おすすめの中から1冊どうぞ!
3歳と6歳の子を持つママライター。子ども達を「食うに困らない人間」に育てるべく、0歳から様々な幼児教育を実践!その効果が出ているかはさて置き…育児と仕事に全力投球中の30代です。夫と家事全般の優先順位が下がる一方なのが悩みの種。