インターネットや交通網の目まぐるしい進歩により、近年、世界の「時間的距離」はとても近くなりました。
それに伴い社会のグローバル化は益々進み、「人類の共通語」として「英語」が必須の世の中になりつつあります。
このような状況の中、子ども達に対する早期英語教育が盛んに行われ始め、今や英語は「人気の習い事ベスト3」に入るほど!
周囲が英語を習い始めると気持ちが焦り「一刻も早く英語を始めなければ!」という思考になりがちです。
しかし、少し立ち止まって考えてみてください。
あなたは、一体なぜ子どもに英語を習わせたいのですか?
母国語もおぼつかない時期から、英語を習う必要が本当にあるのでしょうか?
このような疑問を解決すべく、今回は「子どもの早期英語教育」にについて徹底解剖!
早期英語教育の必要性やメリット・デメリットはもちろん、幼い子どもに合った英語学習のコツなどをお伝えします。
この記事が子どもの英語教育のあり方に悩む、全てのママパパのお役に立てれば幸いです。
1、英語を学ぶ目的とは?
まず初めに、子どもに英語を学ばせる目的は何なのか?一緒に考えていきましょう。
(1)真の国際人を目指す
世界の共通語である英語を学ぶ目的、それは「世界中の人々と円滑にコミュニケーションをとるため」これに尽きると思います。
英語を使いこなせれば、日本を飛び出し活躍できる場が広がります!
そうなれば将来の選択肢は格段に増え、その分より豊かな人生経験や多角的な思考を養うことができるのです。
「社会の役に立つ人間を育てる」
とても壮大なことですが、これが子育ての最終目標とも言われています。
豊かな英語力が身につけば、世界中の人々の役に立つ、真の国際人を目指すことができるのです!
(2)子どもの将来への備え
①安定した職を得る
AIの時代が到来し、「10~20年後には、日本の労働人口の49%以上の仕事が人工知能で代替可能になる!」という予測がなされている現代。
子どもには安定した職を得て、生活力を身に付けて欲しい!こう願うのは、親として当然の考えだと思います。
AIが活躍の場を広げれば、翻訳技術も各段に進歩!もはや英語なんて学ぶ必要がなくなるのでは?このようなことも言われているようですが、それは間違い!
むしろ、翻訳技術が発達するほど英語が世界の言語のハブになるため、益々重要になると予測されています。
子どもの将来のためにも、英語教育は決して軽視できるものではないようですね。
②受験に有利
2020年、日本の大学入試センター試験が大きく変わります。
特に英語の試験は、従来の2技能(読む・聞く)から4技能(読む・聞く・話す・書く)を評価する内容へと大幅に変更!
これは、英語でコミュニケーションをとることの重要性が見直された結果であり、国を挙げて日本人の英語力を向上させようとしていることの表われなのです。
とはいえ、センター試験のような大規模試験で「話す」「書く」といった試験内容を公平に採点するのは至難の業。
それを解決するために、大学入試センターが作問した試験の他、民間の資格・検定試験が用意され、各大学はいずれか、または両方を利用することができるようになったのです!
この民間の資格・検定試験には、私達になじみ深い英検も含まれます!
すなわち、英語をコツコツ学び英検などの民間の資格・検定試験を受けていれば、その結果をそのまま受験で使うことができるのです!
子どもの将来の夢が決まった時、「もっと英語をさせておけばよかった!」と後悔しないためにも、未来を見据えた英語教育が必要なのです。
2、本当に必要?幼少期からの英語
英語を学ぶ目的がハッキリとしたところで、早期英語教育の必要性について様々な角度から見ていきましょう!
(1)2か国語教育は世界のスタンダード?
日本の早期英語教育に対する反応は、二極化しているのが現状!
「言語を吸収しやすい幼少期に、できるだけ早く英語に触れさせるべき!」という推奨派の意見と、「母国語がおぼつかないうちに英語を学ぶと、国語力が育たない!」という反対派の意見に分かれているのです。
しかし世界に視野を広げると、二か国語教育はそれほど珍しいことではありません!
実際に、世界には公用語が複数ある国も少なくないうえ、国民のほとんどが2か国語以上を話す国の方が多いとも言われているのです!
日本では特殊な教育と思われがちな早期英語教育も、世界では普通に行われていることなのですね。
(2)必要?必要ない?早期英語教育は親次第
単一国家の日本。
英語を学ぶのに決して有利な環境とは言えない状況で、英語を流暢に話せる人達は、どのような経緯で英語を学んできたのでしょうか?
「英語を使いこなせるのは、幼少期からの英語教育の賜物!」という人がいる一方、「成長してから能動的に英語を勉強し始めた!」という人の中にも、ネイティブ並みの英語力を持つ人が確かに存在します。
生活環境や教育方針、子ども自身の思いなどが複雑に関係するため、どちらの教育法が英語学習により効果を発揮するのか、一概には言い切れません。
ただ一つ言えるのは、子どもに英語環境を提供できるのは私達親以外にはいないということ!
英語を避けて通れない今、幼少期に英語に触れる時間を持つことは決して行き過ぎた教育ではありません。
まずは英語を楽しむ気持ちから、教えてあげてはいかがでしょうか?
(3)幼少期に英語を学ぶメリット
幼少期に英語に触れることには、私達が考える以上に沢山のメリットがあります!
①幼児期は英語を学ぶのに適している
言語の習得には、脳の「臨界期」があることをご存知でしょうか?
実は0歳~10歳頃までの脳が柔軟な時期こそが、言語習得の黄金期!
ある程度脳が完成された10歳以降に初めて英語を学ぶより、幼少期から英語に触れておく方が、楽に習得できると言われているのです。
②リスニングやスピーキングが上達する
英語と日本語では、その周波数が全く異なります!
日本語 |
125~1,500Hz |
英語 |
2,000~12,000Hz |
「英文は読んで理解できるのに、リスニングになると途端に何と言っているか分からない!」という現象が起きるのは、日本語の周波数に耳が慣れてしまい、英語の周波数を聞き取る能力が育っていないことが原因です!
言語習得の黄金期に、英語と日本語の両方を聞いて耳を慣らしておけば、リスニングも難なくクリアできるのです!
耳が育てば、コミュニケーションを通してスピーキングも自然に上達していきますよ。
③英語の読み書きにもスムーズに移行できる
人の言語能力は、「聞く」➡「話す」➡「読む」➡「書く」の順で発達します。
幼少期に沢山の英語に触れ、「リスニング=聞く」と「スピーキング=話す」という英語の「土台」ができていれば、その後の「読む」と「書く」の部分は、それほど苦労せずスムーズに進めることができます!
④英語に対する自信がつく
幼少期から英語に触れていると、「自分は英語ができるんだ!」という自信が子どもに芽生えます。
この自信が「英語って楽しい!」という気持ちに繋がり、「英語をもっと勉強したい!」という原動力になります!
(4)幼少期に英語を学ぶデメリット
続いて、早期英語教育のデメリットを見ていきましょう。
①国語力が未発達になる可能性
子どもを英語漬けにして、日本語は一切禁止!
このような行き過ぎた早期英語教育は、国語力の低下という事態を招きかねません。
日本で生活し日本の学校に入学するなら、国語力は絶対に必要!
幼少期は母国語をメインに、英語に楽しく触れるような学習法がオススメです。
②英語が嫌いになることも
- 子どもの発音を逐一訂正する
- リスニングやスピーキング能力が育つ前に、無理にペーパーをさせる
- 英語を喋ることを強制する
このような間違った早期英語教育は、子どもにストレスを与えるばかりか、成長途中の子どもの心に、暗い影を落とすことに繋がります。
幼少期の英語教育で一番大切なことは、楽しく学ぶこと!
叱ったり注意することは控え、褒めて伸ばすのがコツです。
③英語を継続する覚悟が必要
幼少期は英語を覚えるのが早い反面、忘れるのもあっと言う間!
せっかく幼少期に培った英語能力も、小学校入学などをきっかけに忘れてしまった!という話も耳にします。
英語力を維持向上させるには、英語を継続的に学ぶ必要があり、これには時間とお金が必要です!
英語学習の長期的なプランを考え、計画的に学習していくことが大切なのです。
3、それでも幼少期にやっておくとよい英語教育
様々な意見やメリット・デメリットがある中、それでも幼少期にすべき英語教育とはどんな内容なのでしょうか?
(1)「耳」と「口」を英語に慣らそう
お伝えしたように、幼少期の子どもは耳が抜群に優れています!
言語習得の黄金時とも言われるこの時期には、「リスニング」と「スピーキング」の2つの能力を鍛えることに重点を置きましょう。
英語ならではのリズムやイントネーションは、幼少期だからこそスムーズに習得できると言われているのです。
是非この機会を逃さず、お子様の英語の「耳」と「口」を育ててあげましょう!
(2)家庭に英語を取り入れよう
もし可能なら、ママパパも家庭で英語を使いましょう!
英語が生活の一部になれば、英語に対して抵抗感を抱くこともありません。
「英語が苦手だから無理!」と思うママパパもいるかもしれませんが、難しく考えなくても大丈夫!
朝起きたら「Good morning!」、おやつの時間に「Apple食べようね~!」など、簡単な言葉で良いのです。
もしお子様が英会話教室に通っていたら、家庭が覚えた英語を披露する場にもなりますよ!
一歩踏み出し、英語を日常に取り入れてみましょう!
(3)日常会話ができるようになった後は?
教材や家庭での取り組み、英会話教室などの成果が表れ、リスニングとスピーキングがある程度できるようになってきたら、リーディングとライティングにも挑戦してみましょう!
まずはアルファベットから始め、徐々に短い単語にチャレンジ!
フォニックスなどの学習法を取り入れるのもオススメです。
※フォニックスについては「バイリンガルを目指す子なら知っておきたいフォニックス英語の全て」で詳しくご紹介しています。併せてご覧ください!
4、幼少期の英語教育のコツ
早期英語教育を成功させるには、いくつかのポイントがあります!
(1)とにかく楽しむ!
早期英語教育で一番大切なのは、「英語を楽しむ気持ち!」
大人が英語を勉強する際には、「英検に合格したい!」「仕事に活かしたい!」など、様々な動機があります。
しかし、子どもが英語を学ぶ動機は「楽しいから!」これしかありません。
ママパパも一緒に英語の歌やダンスを楽しみ、子どもが上手に歌って踊れたら、褒めてあげましょう!
きっと子どもは満面の笑みをみせてくれますよ!
(2)英語を強制しない
英語が義務や強制になった途端、子どもの楽しむ気持ちが失われてしまいます。
大事なことは、いかに英語を「勉強」だと思わせずに、楽しい遊びとして教えるかです。
一度英語嫌いになった子どもに、再度英語を好きになってもらうことは簡単ではありません。
行き過ぎた英語の強制は避け、英語に対するハードルや抵抗感が低くなればOK!という心構えでいるのが大切です!
(3)英語教育について分かり合える友達を作ろう
幼少期の英語教育について、分かり会える友達を作りましょう。
オススメの教材や教室の情報や、英語学習が上手く進まない時の相談など、同じ志を持つママ友パパ友は、心強い味方になってくれますよ!
5、オススメの子ども向け英語教育
英会話教室から家庭でできる取り組みまで、オススメの子ども向け英語教育をご紹介します。
(1)英会話教室
英会話教室は、子どもに英語環境を提供できる身近な方法の一つ!
中でも子ども専用のコースがある英会話教室は、子どもが楽しく英語を学べる工夫を随所に盛り込んでいます!
①ECC KIDS
ECC KIDSでは、子どもの発達段階に応じた多彩なプログラムが準備されています。
中でも1歳半~入会できる「ミニキッズコース」は、30分間に10パターンものアクティビティを行うテンポの早いレッスンが特徴!
幼い子どもでも、飽きずに集中して取り組むことができますよ
②アルク Kiddy CAT英語教室
こちらは、40年以上にわたり英語教材の開発を行っている、「アルク」の子ども向け英会話教室!
英語のプロであるアルクが開発したオリジナル教材を使用し、英語の4技能をバランスよく身に付けることができます。
2歳から通えるコースでは、オリジナルDVDを使用。楽しい映像を見ながら、自然と英語に触れていくスタイルが人気です!
③ヤマハ英語教室
(参考:https://school.jp.yamaha.com)
こちらは、音楽教室で有名なヤマハの英会話教室。
得意の音楽を活かしたレッスンで、英語の「音とリズム」を身に付けることができます!
0歳から学べるコースでは、歌遊びや語りかけ遊びを通して、親子で楽しく英語に触れ合うことができますよ。
(2)英語の絵本
(クリエイティブキッズ:英語好きな子供が読んでいるのはどんな本?幼児向け英語絵本の決定版12選)
絵本の読み聞かせは、家庭で手軽にできる取り組みの一つ!
子どもの想像力や感受性を育てる絵本を活用すれば、豊かな英語時間を過ごすことができますよ。
「英語絵本を流暢に読む自身がない!」というママパパも安心して下さい!
読み聞かせ用CD付きの絵本も多数あるため、英語が苦手な方でも心配いりません。
こちらは、オススメの英語絵本を多数ご紹介しているページです。
きっと、お気に入りの1冊が見つかりますよ。
(3)英語の歌
(クリエイティブキッズ:子どもの英語学習には「歌」がピッタリ!オススメの英語の歌25選を大公開!)
子どもは音楽が大好き!
そのため多くの英会話教室で、英語の歌やダンスが取り入れられています。
こちらのページでは、なぜ子ども達が歌で英語に夢中になるのか詳しく解説!オススメの英語の歌やDVD、CDなども沢山紹介しています。
英語の歌を活用し、楽しく英語に取り組みましょう!
(4)英語のTV番組やDVD
(クリエイティブキッズ:子供が英語を好きになる!上達する!おすすめ英語リスニング教材10選)
英語のTV番組やDVDなどの映像は、子どもの英語習得に大きな力を発揮します!
こちらのページでは、子どもが興味を持って楽しんでくれること間違いなしのTV番組やDVDをご紹介!
コスパの高い動画配信サービスや、無料で見ることができるYoutubeの番組情報もまとめていますよ。
まとめ
賛否が分かれる早期英語教育。
しかし、英語って楽しい!英語が話せて嬉しい!このような気持ちを子どもに実感させてあげることは、決して間違ったことではありません。
英語を心から楽しむ気持ちを忘れず、お子様と一緒にワクワクする英語時間を過ごしてみてはいかがでしょうか?
バランスよく生きる、がモットー。ワークライフバランス重視の生活を模索中。
年子男子(5歳と4歳)のママ。大人になっても仲の良い兄弟に育てること、を意識している。
騒々しい嵐のような日中のあと、夜にひっそりと晩酌するのが一番の楽しみ。