「虫を飼ってみたい!」そんなお子様の一言に、ドキッ!とした経験はありませんか?
「昆虫を飼うのは大変そうだし、何より死なせてしまってはかわいそう。」と、尻込みしている方もいるかもしれませんが、昆虫を飼育することは、単なる「観察」の域を超えた素晴らしい体験!
日常生活では実感するチャンスが少ない、「命の尊さ」や「思いやりの心」などを学べる、最高の教育機会なのです。
そこでこの記事では、昆虫の飼育に必要な情報を完全網羅!虫を飼うメリットや、初心者でも飼育しやすい虫の種類など、もりだくさんの内容でお伝えします。
この夏は、親子で虫の飼育にチャレンジ!普段の生活では気付けない、お子様の「心の成長」を実感することができますよ。
目次
1、思う存分、虫と触れ合わせてみよう
ひと昔前まで、昆虫と子どもの距離は非常に近く、外に出れば気軽に触れ合える存在でした。
ところが、社会の発展と共に虫と触れ合える環境は激減!おまけに、現代の子ども達は習い事などが忙しく、外で遊ぶ機会すら減ってしまっているのが現状です。
そのため、子どもが虫と触れ合うには、意識して機会を作るしかない状況になりつつあるのです。
- 道端や公園にいる身近な虫に興味をもたせる
- 子どもが、動くものに触りたい!捕まえたい!という気持ちを大切にする
- 危険が及ばない限り、積極的に虫を触らせてあげる
など、少しでも虫に目を向ける機会を作ってあげて下さいね。
特に最近では、ママパパが過剰に警戒し、「汚いから触っちゃダメ!」「虫は怖いよ、危ないよ!」など、虫を触ることに制限をかけている家庭も少なくありません。しかしこれでは、虫に全く触れることができない「虫嫌いな子ども」になってしまうことが容易に想像できますよね。
そうならないためにも、まずは私達親が昆虫に興味を示し、子どもを「虫の世界」へ導いてあげることが大切です。
2、虫を飼育することのメリットとは
単なる「観察」だけじゃない!虫を飼うことで、子ども達には一体どんなメリットがあるのでしょうか?
(1)命への理解が深まる
虫を飼育していると、高い頻度で昆虫の「死」に出くわします。「昨日まで元気だった虫が動かない・・・。」など、子どもは死を間近で感じることになるのです。
「死なせてしまうとかわいそうだから、飼えない。」と思っているママパパもいるかもしれませんが、子どもが小さいうちは仕方ありません。むしろ、死を受け入れ、そこから命の大切さを学ぶチャンスだと捉えましょう!
(2)思いやりの心が育つ
虫のエサやりや飼育ケースの掃除など、虫に愛情を持って「お世話」してあげることで、子どもに思いやりの心が生まれます。
さらに、「虫は元気にしてるかな?」など、気に掛ける存在ができることで、自分以外の他者への興味関心を育むとも言われています。
他者に興味を示し思いやりを持って接することは、人間関係をスムーズにする基本です。是非、昆虫の飼育を通し「優しい心」を育んであげて下さいね。
(3)責任感が育つ
虫の世話を子どもに積極的に任せることで、責任感や使命感、義務感などが育ちます。
しかし、どんなに世話をしていても、自然の昆虫相手では死なせてしまうことも多々あります。そのような経験も学びの糧になるのが、昆虫飼育の最大のメリットの一つですね。
(4)好奇心を刺激する
昆虫を飼っていると、毎日様々な発見があります。鳴き方や脱皮の様子、好みのエサなど、子どもの好奇心を刺激する要素がもりだくさん!
ぜひ昆虫の飼育を通し、お子様の好奇心の芽を育ててあげて下さいね。
3、飼育にオススメの虫7選
昆虫初心者でも飼いやすい、飼育におすすめの虫をご紹介します。
(1)ダンゴムシ
ダンゴムシは都会でも簡単に見つけることができ、そのうえ飼いやすい虫の代表格!
透明なケースに土や枯葉、石などを入れれば、すぐに飼い始めることが可能です。雑食のため、野菜の切れ端や煮干し、鰹節など、身近にあるものをエサにできるのも嬉しいポイント。
運が良ければ、脱皮の様子などを観察することもできますよ!
ちなみに、ダンゴムシは昆虫ではなく「甲殻類」。このような違いも、飼育してこそ興味がもてる情報ですね。
(2)アゲハチョウ
アゲハチョウを飼う醍醐味は、何と言っても「卵→幼虫→さなぎ→成虫」という変化を観察できる点!無事にきれいなチョウになったときには感動もひとしおです!
柑橘系の葉っぱの裏に1mm程の黄色い卵を産むため、見つけることができたらぜひ飼育にチャレンジして欲しい昆虫です。
ただし、幼虫のエサとなる柑橘系の葉っぱが確保できなければ、エサ不足でうまく成長することができません。みかんの木が庭にあるなど、エサを準備できるか確かめてから飼育して下さいね。
(3)アリ
アリは非常に小さな生き物ですが、土の中で繰り広げられる世界は壮大!
透明ケースに土を入れてアリを飼育すれば、巣を広げたり、エサを運んだりする様子が観察できます。女王アリも一緒に飼育すれば、産卵や子育てを間近で見ることも可能です!
ただし、透明ケースはアリが逃げないよう密閉できるものが必要なため、「アリ飼育キット」などを活用するのがおすすめです。
(4)カブトムシ
子どもに人気ナンバー1の昆虫と言えば、カブトムシ!複数捕まえて飼えば、すもうや綱引き、木登りレースなど、いろいろな遊びが楽しめます。
また、飼育だけでなく、採集から楽しめるのもカブトムシのいいところ。
11月~4月頃、腐葉土がある雑木林などを掘り起こすと、幼虫を見つけることができます!成虫の命はとても短いですが、幼虫から飼えば長く観察することが可能です。
(5)クワガタ
カブトムシと並ぶ勢いで人気なのが、クワガタですよね!子ども達に広く親しまれているため、「飼育キット」も千円程で手に入れることができますよ。
カブトムシ同様に採集から楽しむのもいいですが、産卵にチャレンジするのもおすすめです。オス1匹に対し、メス2匹程度を同時に飼育すると良いでしょう。
ただし、似ているからと言って、クワガタとカブトムシを一緒の飼育ケースで飼うのはおすすめできません。お互いに傷つけ合い、警戒して卵を産まないことも多いです。
(6)コオロギ
ハネを震わせて出す音が「秋の風物詩」となっているコオロギ。お子様に、季節の移り変わりを感じてもらえる昆虫の一つですよね。
コオロギは雑食のため、人が食べるものは大抵エサになります。野菜の切れ端や煮干し、鰹節など、家にあるものでOKです。
ただし、エサの腐敗や不足には注意が必要。エサが腐ると不衛生になりますし、エサが足りなくなると「共食い」してしまうこともあります!
(7)カタツムリ
カタツムリは動きが遅いため、採集も簡単!梅雨の時期、ニョキッと目を出したカタツムリを見かけたらぜひ飼育してみましょう。
飼育ケースに土を入れ、野菜をエサにするだけで準備OK!キャベツ・キュウリ・カボチャなど、どんな野菜が好きか観察するのも面白いですよ。
ただし、「湿った環境」を用意してあげることを忘れてはいけません。カタツムリは湿気を好むため、霧吹きなどで定期的に水分を与えましょう。
いかがでしたか?身近な昆虫は、案外簡単に飼うことができそうですよね!もし飼育で分からないことがあれば、子どもと一緒に「図鑑」で調べてみるのもおすすめです。
※図鑑に関しては「子どもの好奇心を伸ばそう!知識が楽しく身につくおすすめ図鑑13選 」にて詳しく記載しています。併せてご覧ください。
4、飼育に必要なアイテムとは?
これさえあれば大丈夫!昆虫飼育に必要な基本のアイテムをご紹介します。
(1)飼育ケース
昆虫の「住処」となる飼育ケースは、昆虫初心者さんが悩むアイテムの一つ。
「立派な飼育ケースを置くスペースもないし、昆虫飼育は諦めよう・・・。」と思っている方もいるようですが、飼育ケースをわざわざ買う必要はありません!家にあるペットボトルや瓶、タッパーなどで十分代用可能です。
- 虫が逃げないようフタができる
- 空気穴を必ず開ける
この2点さえ守れば、手軽に昆虫飼育にチャレンジすることができますよ。
(2)土
次に必要になるのは、土です。捕獲した昆虫が生息していたあたりの土を用いるのもいいですが、腐葉土などを購入するのもおすすめです。
特にカブトムシの幼虫などを飼育する際には、栄養が豊富に含まれた土が必要なため、専用の腐葉土などを用いるとなおGOOD!
土の乾燥を防ぐため、定期的に水分を噴霧するのも忘れずに!
(3)枝や葉
昆虫には身をひそめる場所が必要です。生息していた環境に近付けるためにも、枝や葉などを一緒に入れてあげましょう。
(4)エサ
エサやりが大変だから飼えない?そんなことはありません!
ダンゴムシやコオロギなど、身近な昆虫のエサは、簡単に手に入るものばかりです。
カブトムシやクワガタは専用のゼリーが必要ですが、ネット販売はもちろん、ホームセンターなどで数百円から購入することができますよ!
5、飼育するのは難しい?
昆虫の飼育しやすさは、ズバリ「虫の種類」によります!
先ほどご紹介した身近にいる虫達なら、エサやり、霧吹き、掃除などの簡単な世話で飼育することが可能です。
しかし、「ヘラクレスオオカブト」や「コーカサスオオカブト」など、海外から輸入された昆虫の中には、飼育が難しいものも多々あります。
どんな虫を飼うにせよ、「事前に虫の特性をよく調べる」ことを忘れないで下さいね!
6、虫を飼う上で守るべきルール
自然を守りながら安全に虫を飼育するには、「ルール」を守ることが大切です。
(1)危険な虫は飼育しない
自然に生息している虫の中には、当然ですが危険な虫もたくさんいます。
有毒なヒアリやヒラズゲンセイ(赤いクワガタ)など、好奇心旺盛な子ども達が誤って捕獲しないよう注意が必要です。
珍しい昆虫や知らない昆虫を捕獲する際には、危険がないか十分調べることを忘れないで下さいね。
(2)希少品種は捕獲しない
山林などへ出向くと、普段はお目にかかれない「希少品種」に出くわすことがあります。
ゲンゴロウやミノムシなど、昔は日本中どこにでもいた昆虫でも、今では絶滅危惧種になっていることが少なくありません。
豊かな自然を子ども達に引き継ぐためにも、希少品種は捕まえないよう心がけましょう!
(3)購入した昆虫はリリースしない
生態系を壊すことに繋がるため、ペットショップや祭りの縁日で購入した昆虫は、絶対に自然に返してはいけません。
特に、外国産の昆虫をリリースすると日本の在来種が捕食され、いなくなってしまう可能性も大いにあります。先ほどご紹介したミノムシも、「ヤドリバエ」という外来種が原因で生息数が激減したと言われています!
7、虫は飼えない、という場合は昆虫イベントも!
どうしても虫は飼えないという人は、昆虫をテーマにしたイベントに参加してみましょう。特に夏休みは昆虫シーズン!各地で楽しいイベントが開催されていますよ。
(1)【秋田】世界のカブトムシ大集合!おもしろ昆虫展
参考:http://www.akitafurusatomura.co.jp
【日時】2019年7月13日~8月25日
【料金】3歳以上¥600
「秋田ふるさと村」で開催されているこちらのイベントは、普段なかなかお目にかかれない「ヘラクレスオオカブト」を放し飼い!間近で観察したり、記念撮影をすることもできますよ。触れ合いコーナーでは、約100匹のカブトムシやクワガタに、実際に触ることも可能です。
さらに、何と「昆虫」が食べられるコーナーまであるから驚きです!
昆虫を通して「非日常体験」ができる楽しいイベントに、ぜひ参加してみて下さいね。
(2)【東京】大昆虫展in東京スカイツリータウン
【日時】2019年7月20日~9月1日
【料金】高校生以上¥1,000・4歳以上¥700・親子券(大人+子ども各1名)¥1,500
東京スカイツリータウンソラマチ5階で開催されるこちらのイベントは、毎年大人気!今年は、「スポーツ」をテーマに、跳ねる力が一番強い虫は?カブトムシは人間の〇倍力持ち!など、昆虫のメダリストを探してみましょう!
毎週金曜日と土曜日は「ナイトデイ」が開催されており、夜にしか見ることができない昆虫の生態を観察することができますよ。
(3)【長野】カブトムシドーム
【期間】2019年7月6日~8月18日(本格的な特別公開は7月20日予定)
【料金】入場無料
上信越自動車道佐久平PA直結!長野県佐久市の平尾山公園内にある「カブトムシドーム」が、この夏プレオープンしています。ネット状の巨大なドーム内にカブトムシが放し飼いにされているため、木々の間を飛び交う様子を観察したり、実際に触れることが可能です!
カブトムシの販売(オス¥500、メス¥400)もされているため、採集に行けないけど飼ってみたい!という方にもおすすめですよ。
(4)【大阪】特別展昆虫
【日時】2019年7月13日~9月29日
【料金】大人¥1,200(当日券は¥1,400)・高大生¥600(当日券は¥800)
大阪市立自然史博物館で行われている「特別展昆虫」は、「昆活(こんかつ)」を合言葉に、インスタグラムなどでも話題です。
普段は小さな昆虫が、2mの巨大模型で出迎え!数万点という圧倒的な数の標本が集結しているため、見ごたえも十分です。小学生未満の子どもでも、保護者同伴で楽しめるワークショップがあるため、ぜひ参加してみてくださいね。
(5)【福岡】昆虫なぜ?なに?大発見〜みて・さわって・たいけんしよう!〜
参考:http://www.science.pref.fukuoka.jp/
【日時】2019年7月6日~9月1日
【料金】一般¥400・高校生以下¥200(土曜日は高校生以下無料)・4歳未満無料・65歳以上無料
見て、触って、体験できる!久留米市にある福岡県青少年科学館では、昆虫の夏の特別展が開催されています。
「生体観察コーナー」や「クイズコーナー」、子ども達が楽しみにしている「触れ合いコーナー」など、昆虫にまつわる充実の内容を楽しむことができますよ!
最新映像技術「VR体験コーナー」では、古代のゴキブリが目の前に!?ここでしか味わえない、大迫力の映像を楽しむことができますよ。
まとめ
難しいと思われがちな昆虫飼育ですが、実は気負わず始められることが分かりましたね!
虫と触れ合うことで、子ども達は様々なことを学びます。
この夏はぜひ、家族みんなで昆虫飼育にチャレンジしてみて下さいね!
趣味は薬膳料理とヨガ。
よく食べよく寝る元気いっぱいの息子(3歳)のママ。
かわいいけれどいつも足にまとわりついてくる甘えん坊の息子の将来が心配。
あと仕事と育児で毎日がいっぱいいっぱい。
きちんと料理や掃除をしたいのに家事の時間が確保できないのが悩み。