「あっ!歯が生えてる!」
赤ちゃんの乳歯が、徐々に生え揃ってくる様子は、我が子の成長を感じ、嬉しい気持ちになりますよね。
赤ちゃんの乳歯は、早い子では3ヶ月頃から生え始め、9か月頃には生え揃うと言われています。
一気に生えるのではなく、ポツポツと徐々に生えるため、形や並び方を見て「あれ?こんな生え方で問題ないのかな?」と不安になるママパパもいるでしょう。
ここでは、そんな赤ちゃんの乳歯について徹底解剖!
- 乳歯の歯並びについて絶対に知っておきたいこと
- 乳歯の歯並びがおかしいと思った時に行うべきこと
- 将来綺麗な歯並びになるために日頃から心がけたいこと
などをご紹介していきます。
この記事を読めば、きっとあなたの赤ちゃんの歯並びに関する、不安や疑問は解消されます!
綺麗な歯並びは、我が子への一生のプレゼント。
歯並びについて正しい知識を持ち、子どもが美しい歯並びになるよう、サポートしていきましょう!
目次
1、乳歯は2歳半ごろまで生え続ける!
赤ちゃんの乳歯は、生後3ヶ月~9ヶ月頃に順番に生え始め、多くの場合2歳半頃までに生え揃うのが特徴です。
(1)乳歯は下の前歯から生え始める
乳歯は下の前歯から生え始め、1歳頃には上下で合計8本の歯が生えますが、個人差もかなりあるようです。
- 1歳前頃に、ようやく最初の下の前歯が生えてきた
- 生後3ヶ月頃から乳歯が生え始めたため、授乳の時に乳首が痛い
- 下の前歯より先に、上の前歯が生えてきた
このように、乳歯が生え始める時期や順序は様々で、一説ではおよそ2割の子どもが、前歯以外の乳歯から生え始めるとも言われています。
前歯以外の乳歯から生え始めた場合、ママパパは驚いてしまうかもしれませんが、過度に心配する必要はありません。
しばらく様子を見て、気になる場合は小児歯科医に相談してみましょう。
(2)1歳半頃には奥歯が生え始める
1歳半頃には、食べ物を噛み砕く役割がある上下の奥歯(第一乳臼歯)が4本生え、乳歯は合計12本になります。
奥歯が生えることで、上手に食べ物を噛み砕けるようになるため、食べられる離乳食のレパートリーも増え、食欲も増す時期です。
(3)2歳頃には犬歯が生え始める
2歳頃には、食べ物にかぶりついて引き裂く役割がある、上下の犬歯(乳犬歯)が生え、乳歯は合計16本になります。
歯の本数が増えて離乳食が進むに従い、歯に汚れが残りやすくなってきます。正しい歯磨きを心がけ、虫歯を予防しましょう。
子どもの正しい歯磨きの仕方については、「子ども・歯磨き」でご紹介していますので、併せてご覧ください。
(4)2歳半頃には乳歯が全て生え揃う
2歳半頃には奥歯4本(第二乳臼歯)が生え、乳歯は合計20本になります。これで、全ての乳歯が生え揃いました!
このように、乳歯は2年程かけてゆっくり生え揃っていきますが、この間、赤ちゃんの歯並びなど、気になる点が出てくるママパパもいるでしょう。
そんなママパパのため、次は、赤ちゃんの歯並びに関する疑問を解決していきます!
2、赤ちゃんの歯並びについて絶対に知っておきたい7つのこと
子どもの笑顔は何物にも代えがたい宝物。
そんな可愛らしい笑顔からのぞく、歯並びが気になっているママパパもいるのではないでしょうか?
すきっ歯だけど大丈夫?乳歯の歯並びは永久歯に影響する?など、乳歯の歯並びにまつわる疑問を、解決していきます!
(1)その乳歯の歯並び!顎の成長が原因かも!?
乳歯がガタガタに生え、決して歯並びが良いとは言えない子どもは少なくありません。
実はこれ、子どもの顎が成長途中であることが原因で、珍しいことではないのです!
顎の発育のピークは12歳~18歳と言われており、乳歯が生えている幼児期は顎の発育はまだまだ成長途中です。
そのため、乳歯の数や大きさに対して顎が小さすぎたり、反対に大きすぎたりすることが原因で、乳歯の歯並びが悪くなると言われています。
顎の発育がピークを過ぎるまで、歯並びが悪いことは、ある意味正常な発育をしている証なのです。
そのため、乳歯の歯並びに関して神経質に悩む必要はありません!
(2)乳歯の歯並びは永久歯には影響しない・・・?
乳歯の歯並びが悪いと、永久歯もガタガタに生えるのでは?と心配になるママパパもいると思います。
しかし、乳歯の歯並びが永久歯の生え方に大きな影響を及ぼすことは少ないようです。
しかし、乳歯の「虫歯」は、永久歯の生え方に影響を及ぼす可能性が大いにあります!
乳歯の酷い虫歯を放置すると、虫歯が原因で早期に乳歯が抜けてしまいます。すると、両サイドの歯が傾き、永久歯が生えるスペースが失われてしまうのです。
そのため永久歯は、仕方なく本来生える場所とは違う場所から生えてきてしまい、結果として歯並びが崩れてしまいます!
このことから、将来の歯並びを美しいものにするためには、乳歯の歯並びを気にするより、正しいデンタルケアで虫歯を作らせないことの方が、より大切だと言えそうです。
乳歯の虫歯を作らせず、もし虫歯になっても早期に治療することを心がけましょう!
(3)生える途中は歯が動く!
乳歯が生えてきた!と、喜んだのも束の間、何だか乳歯が斜めに生えてきている!と心配になっているママパパもいるのではないでしょうか?
しかしこれは正常な現象。慌てることはありません!
乳歯が生える途中は歯が動くため、斜めに生え始めることもあるのです。
乳歯が生えきってしまえば、真っすぐになることがほとんどなため、安心してください。
(4)すきっ歯は実は正常?
乳歯が隙間だらけでほぼ全ての歯がすきっ歯!という子どもがいますが、これは将来の永久歯にとって、とても良いことです!
永久歯は乳歯より大きく、本数もずっと多いのが特徴。
そのため、乳歯と乳歯の間に隙間があるということは、永久歯が生えるスペースがまだ十分にあるという証です!
反対に、乳歯が隙間なくびっしり詰まって生えている場合は、将来永久歯が生えるスペースが不足し、歯並びが悪くなる可能性もあります。
その場合は小児歯科医と相談し、将来的に歯列矯正することも視野にいれておきましょう。
(5)注意!治療が必要なすきっ歯もある
お伝えしたように、乳歯のすきっ歯はほとんどの場合問題なく、むしろ正常な現象です。
しかし、中には外科手術が必要なすきっ歯があるのをご存知でしょうか?
上唇と歯茎をつなぐ靭帯が大きく発達し、前歯の隙間に食い込んでしまっているため、上の乳歯がすきっ歯になっている場合があります。
この状態は「上唇小帯付着位置異常」と呼ばれ、そのまま放置すると永久歯に生え変わっても、すきっ歯のままになってしまう可能性があるのです!
年齢が上がるに従って自然治癒することもありますが、程度によっては外科手術を進められるケースもあるようです。
子どもの前歯がすきっ歯な場合、正常なすきっ歯なのか、それとも手術が必要なすきっ歯なのか見極めるためにも、歯科を受診して判断してもらうことをおすすめします。
(6)歯並びは遺伝も関係するが、生活習慣と食育環境にも大きく左右される
親の顎の骨格や大きさが、子どもに遺伝する可能性は確かにあります。そのため親の歯並びが悪いと、結果として子どもの歯並びも悪くなることは否定できません。
しかし、子どもの歯並びが全て遺伝的要素で決まるかといえば、そうではありません。
乳歯の虫歯予防や、顎の発育を促す食生活を心がけるなど、毎日の生活習慣や食生活の積み重ねが、子どもの将来の歯並びに良い影響を与えることが分かっています。
- 根菜など、固いものも食べる習慣をつける
- 食べ物全般をよく噛んで食べる習慣をつける
- 正しい歯磨きを毎日行い、虫歯を予防する
このように、私達親のちょっとした心がけ次第で、将来の子どもの歯並びは変わってくるのです!
未来の子どもの歯並びのために、虫歯予防と顎を鍛える食生活を心がけましょう!
(7)生え始めの歯ケアは「ガーゼで拭き取る」程度でOK
乳歯が生え揃ってから歯磨きを始めるのではなく、乳歯が生え始めた、生後5、6ヶ月辺りからデンタルケアを始めましょう。
まだ歯磨きが難しい赤ちゃんは、ガーゼで歯の表面の汚れを軽く拭き取るなど、簡単なケアから始め、徐々に歯磨きに慣れさせていくのがおすすめです。
3、赤ちゃんの歯の異常と、歯医者に相談にいくべきタイミング
赤ちゃんの乳歯で気になることはあるけれど、歯科医院に行く方が良いのか、判断に迷う時もありますね。
以下のケースを、受診の一つの目安にしてみて下さい。
(1)乳歯が生えてこない
乳歯が生え始める時期は個人差も大きいため、多少の前後を気にする必要はありません。
しかし、1歳を過ぎても最初の乳歯が生えてこない場合は、一度歯科医院を受診し相談してみましょう。
生まれつき乳歯の本数が足りない「先天性欠如」や、2つの歯が1つにくっ付いてしまっている「癒合歯」、乳歯が歯肉に埋没しているケースなどが考えられます。
(2)産まれた時に既に歯が生えている
千人に一人位の割合で、産まれた時に既に歯が生えていることがあり、これを「先天性歯」と呼びます。
先天性歯が生えている場合は、歯科医院で適切な治療や対処法を相談する必要があります。
先天性歯がしっかりと生えていて授乳に影響がなさそうな場合は、そのまま様子を見ますが、歯がぐらぐら抜けそうな場合や、歯が赤ちゃんの口内を傷つける恐れがある場合などは、歯科医の判断で抜歯や歯の先端を丸く加工するなどの処置が施されるようです。
(3)乳歯が生える順番があまりにも違う
乳歯は下の前歯から奥歯へ順番に生えるのが普通ですが、多少の個人差はさほど気にする必要はありません。
しかし、あまりにも生える順番が違う場合は、将来の永久歯の歯並びに影響を及ぼすこともあるため、歯科医院で相談してみましょう。
(4)歯石が付着している
乳歯の裏に白い歯石が付着しているのを見つけ、びっくりした経験があるママパパもいるのではないでしょうか?
赤ちゃんの場合、歯石がただちに虫歯の原因になることは少ないため、慌てて歯科医院を受診する必要はありません。
赤ちゃんの口内に虫歯菌がいる可能性は低く、もし虫歯菌がいたとしても、唾液分泌の多い赤ちゃんの口の中では、繁殖しにくいのです。
しかし、歯石が多く溜まった結果、歯肉炎や歯周病を引き起こしている場合は注意が必要。痛みを伴い、赤ちゃんが苦痛を感じることもあるのです。
歯石が多く溜まり気になる場合や、既に歯肉炎などの症状が出ている場合は、日々のデンタルケアの方法も含め、小児歯科医に相談しましょう。
(5)乳歯の色が黄色い
普通、乳歯は乳白色をしていますが、黄色や茶色の歯、歯の表面にくぼみや白斑がある場合は、「エナメル質形成不全」の可能性があります。
エナメル質形成不全は、何等かの理由で歯の表面のエナメル質が形成されなかったことが原因で引き起こされ、重度の場合は知覚過敏や虫歯になりやすいといった症状が出ます。
気付いた時点で歯科医院を受診し、相談しましょう。
4、将来綺麗な歯並びになるためにしたいこと
子どもの未来の歯並びのために、今、私達親には何ができるのでしょうか?
(1)定期的に検診に行く
定期歯科健診に行くことで、虫歯の予防ができるのはもちろん、素人では気付くことができない乳歯の異変に、いち早く対処してもらうことができます!
実際に私の子どもは、上唇と歯茎をつなぐ靭帯が大きく発達していることを定期歯科検診で発見・治療してもらい、将来すきっ歯になることを免れました!
何か異常を感じ歯科医院を受診するのではなく、何も起こらないために、乳歯が生え始めたら定期歯科検診を受けることを習慣にしましょう。
多くの小児歯科では、一度検診を受診すると、次回の検診の案内を適切な時期にハガキなどでお知らせしてくれますよ!
(2)乳歯の虫歯もしっかり治療する
いずれ抜けてしまう乳歯。どうせ抜けるなら少々の虫歯は放っておいてもいいかな?
将来子どもの歯並びを美しくしてあげたいのなら、このような考えは今すぐ捨ててください!
お伝えしたように、乳歯の虫歯が原因で、永久歯の歯並びが悪くなる可能性が十分にあります。
虫歯を作らないよう日々のデンタルケアを正しく行い、できてしまった虫歯はできるだけ早く治療することを心がけましょう。
(3)指しゃぶりはケースバイケース
指しゃぶりは、私達が思う以上に歯や顎に強い力が加わっています。
これが習慣となれば、毎日の積み重ねでとても大きな負荷が歯や顎にかかることになり、歯並びや喋り方、唇の形や呼吸法などに、大きな影響を与えてしまうことが分かっています。
赤ちゃんの頃の一定時期の指しゃぶりは、安心感やリラックスする効果もあるため、ある程度は仕方のないことですが、幼児期の長期に及ぶ指しゃぶりは、やめさせたほうが良いでしょう。
しかし、中には受け口の改善のために、上の前歯の裏側に当て、歯を前に押し出す指しゃぶりを誘導する方法もあるようです。
「指しゃぶり=直ちにやめさせる」のではなく、時期や期間、歯並びに応じて臨機応変に対応することが望ましいでしょう。
その判断のためにも、気になる場合は一度歯科医院を受診し、今後どうするべきか相談することをおすすめします。
(4)歯列矯正を視野に入れる
乳歯がびっしり詰まって生えていたり、自分自身の歯並びが遺伝しているのでは?と、子どもの将来の歯並びが気になる場合は、歯列矯正の相談を歯科医師に早めに相談しておくことも大切です。
早めに相談することで、乳歯と永久歯が混合する、早期の段階からの治療も可能となり、歯を抜かずに済むなどのメリットも多くあります。
(5)口呼吸は鼻呼吸へ改善
口呼吸が習慣になると、口の周りの筋肉が低下するため、噛む力が弱くなり顎の発育の妨げになることがあります。
また、常に口が開いている影響から、舌が口の上の部分から離れている状態(低位舌)になってしまい、内側からの支えが無くなってしまいます。
これらの状況が続くと、歯列や顎の発育に良くない影響を及ぼすことが分かっています!
子どもが口呼吸をしている場合は、一度歯科医院を受診し、対処法を相談しましょう。
まとめ
日本でも、人の印象を大きく左右する因子の一つになりつつある歯並び。
私達親のちょっとした心がけや意識次第で、子どもの歯並びが悪くなることは防げます!
子どもの未来へ、素敵なスマイルをプレゼントしてあげましょう!
趣味は薬膳料理とヨガ。
よく食べよく寝る元気いっぱいの息子(3歳)のママ。
かわいいけれどいつも足にまとわりついてくる甘えん坊の息子の将来が心配。
あと仕事と育児で毎日がいっぱいいっぱい。
きちんと料理や掃除をしたいのに家事の時間が確保できないのが悩み。