「おむつなし育児」という単語を見て、随分ワイルドな育児だな、と思った方、考え方を改めましょう。
おむつなし育児とは、決して「常日頃から赤ちゃんがおむつをせずに過ごす」育児ではありません。
必要なタイミングで、おしっこやうんちをする時に外に排出させる事を親が手伝う育児、それがおむつなし育児です。
おむつなし育児をすると、おしりがかぶれにくくなったり、トイレトレーニングががとてもスムーズだったりと、良いこと盛りだくさん。
実はこのおむつなし育児、難しいことは何にもないんです。
赤ちゃんが元々持っている本能を手助けしてあげているだけなのです。
まだまだ日本では少数派ですが、実践してみると良いこと盛りだくさん。
この記事でおむつなし育児について詳しくなって、ぜひ実践して赤ちゃんの排泄を早くて新生児期から手伝いましょう。
目次
1、おむつなし育児とは?
(1)人間本来の排泄物を外に出そうとという機能を活用する育児
人間は本来誰でも清潔でいたい欲求をもっていますが、おしりをいつも清潔に保ちたいのは、赤ちゃんもやっぱり同じ。おむつなし育児は、排泄を自然な形で行えるように助ける、自然な育児法です。
(2)おむつをしているとどうなるのか?
おむつ育児(赤ちゃんにおむつをして育児する)の場合、数回の排泄を赤ちゃんも親もスルーすることになります。赤ちゃんも次第に慣れていき、おしっこを何回しても何も言わなくなっていってしまいます。
そしてそのまま慣れておむつに排泄していると、トイレトレーニングは結構大変。
子供からすれば、赤ちゃんのときからおむつの中にするように促され、1年、2年とたち、そしてある日突然、おしっこやうんちはトイレでしなさい!と言われるのです。そこからトイレトレーニングのスタート。一度染み付いた習慣を一から変えるわけですから、赤ちゃんもママやパパも大変ですよね。
(3)おむつなし育児はいつから始めるの?なぜ?
おむつに慣れきって、おむつの中で排泄する事が常識になってしまう前に排泄のプレ練習をママやパパと始めることが、おむつなし育児のポイントです。
だからなるべく早く始めてあげると、赤ちゃんだけでなく、パパやママも楽になります。大体離乳食を開始・または開始して少したった頃の生後6ヶ月頃から始めると良いとされています。皆さんの体験談を見ても大体同じ頃に始められていますね。
しかし、出産後は自分の体調管理も大変です。出産後に両親などからサポートを得られないこともあるでしょう。自分の体調も見て体を休めることを優先し、落ち着いてきたらスタートするようにしましょう。
2、おむつなし育児のメリット・デメリット
(1)おむつからおむつ無しへの移行がスムーズ
おむつを長く付けてしまっていると、おしっこやうんちはおむつの中でするもの、と認識してしまいます。そうすると今度は、おむつ無しの状態で排泄をするのが困難な状況となります。
おむつなし育児は、最初から排泄をおむつではないところにする事をサポートしていくので、おむつを外すときでもスムーズに移行することが出来ます。
(2)おむつ代が減る
例えば通常の紙おむつをつけて育児されている方が一か月に約270枚(1日平均9枚)消費したとすると、おむつ代は平均で3000〜4000円程度になります。これがおむつ無し育児だと節約できます。
しかし、おむつなし育児は排泄失敗をした時のための掃除用具などを最初に揃えないといけないため、その分は金額はかかります。
親子共におむつなし育児に慣れてくると、おまるでの排泄成功率が上がるので、それに応じておむつの消費量は減っていくので、長い目で見ると、おむつ代が節約できます。
(3)赤ちゃんとの絆が深まる
最終的には、親が様々な赤ちゃんの排泄欲求サインが分かるようになります。
これは排泄のみにとどまらず、赤ちゃんの心がよく分かるようになるので、他の面でもコミュニケーションが進み育児が楽しくなりますよ。
(4)おしりがかぶれにくくなる
おしりかぶれの一番の原因は、排泄物をそのままにしておくことです。
おしっこやウンチは、皮膚に大きく刺激を与えるのです。体内の老廃物、大腸菌などの腸内細菌や酵素などが含まれているからです。
とくに下痢のウンチなどは刺激性が非常に高いです。
おむつなし育児だと、この刺激から赤ちゃんのお肌を守ることができます。
3、新生児〜生後6ヶ月までに始めるおむつなし育児実践法
間違えてはいけないのは、基本おむつはするということであり、必要な時だけ外しておまるで排泄を援助する、ということです。
これを踏まえた上で、親子の絆を深めていけるおむつなし育児の実践法をお伝えしていきます。
(1)排泄の合図を決める
「おしっこして良いよ」「ウンチして良いよ」という意味の声掛けの合図を決めておきましょう。おまるに座った時に合図をして、赤ちゃんに排泄を促します。
このように合図を決めておくと、のちに赤ちゃん自身からのお知らせの言葉になります。「シーシー」(おしっこ)、「ウンウン」(うんち)などの言葉がおすすめです。
(2)排泄の仕草を知る
赤ちゃんは排泄前に一定の仕草、サインを見せることがあります。
赤ちゃんによってサインは様々なので、見極められるようにするには、30分〜1時間赤ちゃんを観察し、いつ排泄をするのかを観察してみましょう。
例えば他のママたちの体験談を見てみると、以下のようなサインがあります。
- 泣く
- つばをブーッと吐く
- 身体に力を入れる・表情がこわばる
- 身体をもぞもぞさせる・足をバタバタさせる
- (抱っこ中)身体をのけぞる
- (笑っていたり騒いでいたりしたのに)突然静かになる
- おならをする
- 親をじっと見る
最終的にパパママも、そのサインを感じられるようになります。
(3)1日の中で排泄しやすいタイミングを知る
赤ちゃんにも、排泄をしやすいタイミングというものがあります。
- 起床後すぐ
- 授乳前
- 授乳中
- 授乳後
- 外出先から戻った時
- おふろに入る前
このタイミングで、おまるに座るようにしてみましょう。
赤ちゃんは眠っている時は殆ど排泄をしないので、起きたらおまるに座らせてあげることからまずは守っていきましょう。これを繰り返すうちに、赤ちゃんが起きてすぐの排泄率は高まりますよ。
(4)排泄場所を学習する
おまるで排泄をするということを、赤ちゃんが学べるようにするのも大事なことです。これも繰り返していくうちに「おまるで排泄をするんだな」ということが赤ちゃんも分かるようになっていきます。
(5)排泄の姿勢を見つける
赤ちゃんには、排泄しやすい姿勢というものがあります。
赤ちゃんによって気持ちよく排泄できる姿勢が異なります。いろいろ試してみて、赤ちゃんが楽に出来る姿勢を探してみましょう!
おすすめの姿勢をご紹介します。
横になっている赤ちゃんにおまるを添える |
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授乳しながら、お尻の下あたりにおまるを添える |
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洗面台やトイレ |
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おまるを足で挟んで赤ちゃんを後ろから支える |
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お座りが出来る子は、一人でおまるに座らせる |
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立った状態(専用おまる、風呂場など)壁に手を置けるようにすると安定します |
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一緒に便座に座って後ろ側から赤ちゃんを支える |
出典:http://omutsunashi.org/howto/
4、おむつなし育児の注意点
(1)おまる排泄に失敗したら、赤ちゃんを拭いて、汚した場所もすぐに掃除
赤ちゃんはシャワーで綺麗にしてあげると、パパママにとっても楽です。赤ちゃんの排泄物からの感染症防止のためにも、汚した場所は綺麗に拭き、アルコールスプレーなどをかけましょう。
(2)排泄のタイミングを見極めれなくてもイライラしない
パパママのイライラは赤ちゃんにも伝わります。排泄を見極められなくても焦らずに。おしっこやウンチが出たらラッキーくらいの心構えで気楽に考えましょう。
(3)赤ちゃんもママもストレス無く始められる環境を整えること
赤ちゃんはいつ排泄をするかは分かりません。赤ちゃんのすぐそばにおまるを用意しておきましょう。汚してしまった場合に拭き掃除するセットも準備しておくとよいです。絨毯や畳は汚れが染みこみやすいので、排泄の場所として使う場合はビニールシートをひいておきましょう。
前もって準備することが、ストレスなく始められるコツです。
(4)排泄物は、水で流してトイレに流そう
おまるにした排泄物は特別な処理は特に必要ありません。トイレにそのまま捨てて水で綺麗に洗いましょう。
5、外でもらくらく?外出時の「おむつなし育児」攻略法
赤ちゃんとの外出時はおむつのほうが楽ですよね。でも外でもおむつなし育児が実践できれば、赤ちゃんにとっては「いつもと同じ」なので楽に過ごすことができますよ。ここではパパママも楽に実践できる方法をご紹介します。
(1)コミュニケーションを大切に!外でも基本は家と同じ
赤ちゃんは言葉で伝えることができません。しかし、ママから話しかけてもらうことは確実に親子のコミュニケーションに繋がります。
外でも家の中と同じように赤ちゃんに語りかけ、親子のコミュニケーションをおろそかにしない感覚を大事にする事こそ、おむつなし育児を成功に導いていく第一歩です。
(2)外のトイレはどのように利用すれば良いの?
おむつなし育児を実践しているのだから人に迷惑をかけてしまうのは当たりまえなんてことは、もってのほかです。
お店のおトイレは汚れないようにしましょう。もし汚れてしまったら、きちんと拭いてから出るようにしましょう。広めのトイレを使うと、楽に利用することができます。
外出先はいつもと状況が違い、赤ちゃんが不安になることもあります。赤ちゃんが安心して排泄できるようにママが声掛けをしてあげて、しっかりコミュニケーションをとるようにしましょう。
(3)外に行くのが怖かったら、紙おむつを使おう
外で「おむつなし」を実践するのは怖いと思う方もいらっしゃいますよね。
おむつなし育児を実践している人は、外出時限定で紙おむつを使う人が多いです。紙おむつをパンツのように装着して、排泄する時に脱がすようにしましょう。
いつもは布おむつを使っていて、外出の際は紙おむつにする場合、「今日はお出かけだから、すぐにトイレ(おまる)に行けないかも。だから今日は紙おむつを付けるね。もし濡れたら、早く交換できるように頑張るね!お出かけ、楽しみだね!」など事前の声掛けも忘れないようにしましょう。
(4)出来なくても大丈夫!赤ちゃんのペースに合わせてデビューしよう
赤ちゃんが怖がると、のちのおむつなし育児にも支障を与えてしまうことがあります。すぐにできなくても大丈夫です!赤ちゃんのペースを見ながらゆっくり気楽にデビューできたらいいですね。
6、あると便利なおむつなし育児グッズ
(1)股割れズボン
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前開きで作られており、おしっこサインの際は手早くあけることができます。排泄時にとても楽です。
(2)おまる・バケツ
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おむつなし育児に大変人気が高い商品です。見た目もシンプルで、蓋もついているため部屋に置いておいても気になりません。
(3)おしりふき
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amazonでのレビューが600件を超えており、とても使いやすいと評判のおしりふきです。厚手なのでしっかり拭けますよ。
(4)消臭スプレー・除菌アルコールスプレー
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床などが汚れた時にこのアイテムは必須です。
合成界面活性剤・保存料・着色料・香料・アルコールは一切使用していないため、赤ちゃんがいるお部屋にも安心して使うことができます。
(5)雑巾
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こちらは水含みが良いタイプです。サイズも使いやすいです。汚れもサッと拭き取ることができます。
7、まとめ
いかがでしょうか?
今回は、「おむつなし育児はどういったものなのか」 を紹介してきました。
おむつをパンツのようにして扱うおむつなし育児、全然ワイルドではなく、実践ハードルも想像しているよりも高くありません。
赤ちゃんの催しを感じ取ることが出来るようになった時に感じる親子の絆は、おむつなし育児を実践した人にしか分かりません。
今回の記事を参考に、 赤ちゃんとのコミュニケーションライフをより充実させてください!
趣味は薬膳料理とヨガ。
よく食べよく寝る元気いっぱいの息子(3歳)のママ。
かわいいけれどいつも足にまとわりついてくる甘えん坊の息子の将来が心配。
あと仕事と育児で毎日がいっぱいいっぱい。
きちんと料理や掃除をしたいのに家事の時間が確保できないのが悩み。