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どこまで頼って平気?データに見る孫育ての実態と祖父母の本音とは

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夫婦共働きが珍しくない今、子どもの世話を、おじいちゃん・おばあちゃんに頼っている人も少なくありません。

その一方で、おじいちゃん・おばあちゃんが、孫の世話に疲れ切っている様子があるのも事実です。

「孫疲れ」「孫ブルー」という言葉もフォーカスされている中、今回はおじいちゃん・おばあちゃんの「本音」を知るべく、統計データに大注目!

  • 祖父母にどの程度頼っていいのか?
  • 祖父母は孫と関わりたいと思っているのか?

など、おじいちゃん・おばあちゃんの本心を掘り下げます!

祖父母との触れ合いを大事にしつつ、どのような点に気を付ければ、皆がハッピーでいられるのか?その心構えや注意点もご紹介していきますよ。

1、今、「孫育て」が注目を浴びるワケ

昔から、祖父母に子どもの世話を頼むことはあったはずですが、なぜ今「孫育て」が注目を浴びているのでしょうか?

皆さんご存知のように、現在の日本は「核家族化」が進行し、祖父母と別居している家庭が沢山あります。その一方で、夫婦共働きや地域社会の希薄化などから、祖父母の育児サポートが欠かせない存在になっています。

そのため、「別居」しているにも関わらず、定期的・継続的に育児を手伝う祖父母が増加しており、それに伴う負担が大きくなっているという現状があるのです。

例えば、

  • 孫が風邪をひいた時には、祖母が数日間泊まり込みで面倒を見る
  • ママパパの出張が重なった時には、子どもを祖父母の家に預ける
  • 残業で遅くなった時には、1時間かけて祖父母が幼稚園へお迎えに行く

など、同居していれば家族の一員として当たり前にできる孫の世話も、別居しているが故に、負担が大きくなってしまいます。

特に、わざわざ通う「距離感」や、泊まり込みで面倒をみる「疲労感」といった問題は、別居しなければ発生しない「孫育ての新たな問題」として、注目されるようになったのです!

2、どの世代も、祖父母の孫育てには肯定的

孫育ての新たな問題が注目されている中でも、祖父母が孫の世話をすることに対し、多くの人が「肯定的」な意見を持っています!

内閣府のどこまで頼って平気?データに見る孫育ての実態と祖父母の本音とはによると、男女・年代・都市規模・世帯構成・夫婦就労状況に関わらず、「子どもの就学前に、育児や家事において祖父母の手助けを望ましい」と考えている人が、7割~8割近くにのぼることが分かっています。

このように、老若男女問わず、多くの人々が「祖父母も子育てに関わるべき!」と考える理由は、一体何なのでしょうか?

実は、祖父母が育児に参加すると、「親」「孫」「祖父母」のそれぞれに、大きなメリットが生まれることが分かっているのです!

3、祖父母と関わるメリット

祖父母が子育てに関わるメリットを、「親」「孫」「祖父母」の3者それぞれについてみていきましょう。

(1)孫にとってのメリット

まずは、孫にとってのメリットをみていきましょう。

①自己肯定感が高まる

おじいちゃん・おばあちゃんは、子どもにとって「絶対的味方」です!

友達とケンカをして落ち込んだ時など、親なら「もっとこうしたら?」など、つい説教じみたことを言ってしまいがちですが、おじいちゃん・おばあちゃんは違います!どんな時も、大きな優しさで子どもを安心させてくれますよね。

このように、親以外に愛情を与えてくれる存在は、子どもの情緒を安定させ「自己肯定感」を育んでくれるのです。

②柔軟な考えができるようになる

おじいちゃん・おばあちゃんの存在は、親以外の価値観を子ども伝えてくれます。

身近な大人が親のみでは、どうしても親の価値観や考えが子どもに強く影響しますが、そこに新たな風を吹かせてくれるのが祖父母の存在なのです。

祖父母と過ごす時間の中、多様な価値観を肌で感じることで、子どもはより柔軟で、偏りのない考え方ができるようになりますよ。

③高齢者への理解が生まれる

日頃からおじいちゃん・おばあちゃんの優しさを感じることで、子どもの心にも、高齢者への理解や親切心が芽生えます。

祖父母へのいたわりの心が高齢者全体に向くことで、電車でお年寄りに席を譲るなど、困っている人に手を差し伸べる気持ちが育まれますよ。

(2)親にとってのメリット

続いて、親にとってのメリットをみていきましょう。

①とにかく助かる!

共働き夫婦の中には、祖父母のサポートがなければ、生活が立ち行かなくなる人も大勢いるでしょう。

忙しい自分達に代わって、子どもの世話から教育まで担ってくれる祖父母の存在は、「ありがたい!」の一言!子どもの看病など、民間のシッターに依頼すれば高額な費用が掛かる中、すぐに飛んできてくれて、しかも愛情深く子どもを見てくれるのは祖父母以外に考えられません。

②育児に悩んだ時の相談相手になってくれる

ママパパが育児に悩んだ時、祖父母は頼りになる相談相手になってくれます。

いつも孫の面倒をみているからこそ、的確なアドバイスや新たな考え方を、ママパパに教えることができるのです。

中には、祖父母の方が孫の変化にいち早く気付く!そんな事例もあるようです。

(3)祖父母にとってのメリット

孫の世話をする祖父母にも、メリットが沢山あるようです!

①生きがいや楽しみが増える

孫が生きがい!孫育てのお陰で楽しみが増えた!そんなおじいちゃん・おばあちゃんも数多くいるようです。

子ども達全員が巣立ち「空きの巣症候群」のようになるシニアがいる中、孫の存在がおじいちゃん・おばあちゃんを元気付ける存在になっているのですね。

②若返る祖父母も!?

孫の世話をしていると、沢山の人に出会います。習い事の付き添いや幼稚園の送り迎えなど、外出する機会が増えるため、自分の「見た目」に気を遣い若々しくなる人も!

中には、孫繋がりで友達ができる祖父母もいるようで、新たな刺激が若返りに一役買っているのかもしれませんね。

いかがでしょうか?孫育てが「親」「孫」「祖父母」の3者に、こんなにも多くのメリットをもたらすとは驚きですね!

4、祖父母にやってほしいのはどんなこと?

孫育てのメリットをお分かり頂けたところで、続いて、ママパパが祖父母に望んでいる役割についてみていきましょう。

内閣府の「平成25年度「家族と地域における子育てに関する意識調査」によると、ママパパが祖父母に期待する手助けは、以下ようになっています!

第1位:子どもの話しや遊び相手

第2位:子どもに祖父母の経験や知恵を伝える

第3位:日常生活上のしつけをする

第4位:食事の用意

第5位:子どもが病気の際の看病

子どもの「世話」に関することが上位かと思いきや、意外にも「子どもの遊び相手」や「祖父母の経験や知恵を伝える」ことが1位、2位という結果になっています!

これは、ママパパが祖父母を単なる「育児要員」として捉えているのではなく、おじいちゃん・おばあちゃんだからこそできる「教育」をして欲しいという、期待の表れとも言えそうですね。

5、祖父母の本音とは?

それでは、いよいよ「おじいちゃん・おばあちゃんの本音」に迫ります!

(1)祖父母は「複雑な胸中」で孫を預かっている

皆さんは、祖父母がどのような気持ちで孫育てを担っているか、想像がつくでしょうか?

こちらのグラフは、第一生命経済研究所が行った「祖父母による孫育て支援の実態と意識」(全国の孫がいる55歳~74歳の男女1000人に実施)をもとに、「親が子育てを祖父母に頼ることと、祖父母が孫の世話を引き受けることについての考え方」について表したものです。

ご覧になって分かる通り、「孫の世話は親が行うべきだが、頼られたら引き受けるべき」と感じているおじいちゃん・おばあちゃんが半数以上にのぼり、「ママパパは祖父母を頼ってよいし、祖父母はそれを引き受けるべき」と感じているおじいちゃん・おばあちゃんは、全体の17%に留まっています。

つまり、「孫大歓迎!いつでも頼ってね。それが当然だから!」と考えている祖父母は少数で、半数以上の祖父母が「孫の世話は本来ママパパがするべきだけど…。娘や息子のためには引き受けた方がいいだろう。」という複雑な意識を抱いているのです!

おじいちゃん・おばあちゃんの多くが、私達娘・息子のことを想って孫育てに協力してくれているなんて、本当に頭が上がりませんね。

(2)祖父母に聞いた!孫育ての本音

データからみる祖父母の本音が分かったところで、リアルなおじいちゃん・おばあちゃんの声を聞いてみましょう!

  • 共働きの娘夫婦の助けになればと思い、幼稚園のお迎えを毎日こなしています。習い事にも連れて行くため体力的に辛い日もありますが、孫の成長を側で感じられるのは何よりの幸せです。(65歳・4歳の孫のおばあちゃん)
  • 現役時代は働き詰めで、ろくに子どもと関わってきませんでした。今、私にできるのは孫と遊んでやることぐらいですが、「じいじがいい!」と言って懐いてくれることが、本当にうれしく楽しい毎日です。(69歳・5歳と3歳のおじいちゃん)
  • 息子夫婦にお願いされて、週に2日、幼稚園のお迎えから寝かしつけまで行っています。お嫁さんの育児のやり方もありますし、今は昔と勝手が違うことも沢山。どこまで踏み込んでいいのか?正直、気を遣って疲れることもありますよ。(58歳・4歳のおばあちゃん)
  • 普段遠方にいる孫ですが、夏休みや冬休みには、我が家へ長期滞在するのが恒例です。でも、年齢と共に体力が衰えてきたので、「孫だけでの滞在は一週間くらいにして欲しい!」と息子にお願いしましたよ。(68歳・7歳と10歳のおばあちゃん)

子どもと関われなかった時間を取り戻すかのように、孫と遊ぶおじいちゃん。体力的にきつくても、娘や息子のために頑張っているおばあちゃん。それぞれのリアルな気持ちが分かりましたね。

親はいつまでも親ですが、確実に歳をとっていきます。祖父母の負担を少しでも減らすには、私達はどのような点に注意すればよいのでしょうか?次で詳しく見ていきましょう。

6、祖父母に頼るときの注意点

祖父母に頼るのは当たり前!このような意識では、おじいちゃん・おばあちゃんの負担がどんどん大きくなってしまいます。

親しき仲にも礼儀あり!祖父母に頼る時は、以下のような点に注意して下さいね。

(1)祖父母の体力面を考慮する

「これ位は大丈夫!」と思っていても、歳を重ねた祖父母にとっては、体力的、精神的にきついことも多々あります。「今日は大丈夫だった?」など、祖父母の様子を気にかけながら、無理のない範囲でお願いすることを心掛けましょう。

(2)祖父母の予定を優先する

「私は仕事なんだから!」と、祖父母の予定を無視して我儘なお願いをしていませんか?

祖父母に予定がある時には、シッターや病児保育など、別の手段が利用できるよう備えておくことも大切です。

(3)祖父母の手助けを「当然」と思わない!

「祖父母なんだから、手助けするのは当たり前!」このような気持ちを抱いていると、お互いの関係がギクシャクすることに繋がります。

先ほどご紹介したように、おじいちゃん・おばあちゃんは複雑な思いのなか、娘や息子のために孫育てを頑張っています。

そんな想いを踏みにじることがないよう、常に感謝の気持ちをもち、それを表現することも大切です。

(4)育児に関する「世代間のギャップ」はあって当然!

昔と今では、子育ての常識も随分変化しました。おやつの与え方やお風呂の入れ方など、あらゆるシーンで「自分とは違う!」と違和感を持つこともあるでしょう。

しかし、子どもの世話を頼んだからには、ダメ出しはNG!どうしても譲れない要望があるなら、事前に伝えるのがマナーです。

7、お互いに思いやって全員がハッピーな関係を築くには

先にお伝えした「祖父母に頼る時の注意点」の他にも、地方自治体やNPO法人が、ためになる孫育てのヒントを沢山発表しています!

いずれも、「親」「孫」「祖父母」全員が、ハッピーな関係になれる情報が満載です!是非一度、目を通してみることをおすすめします。

祖父母手帳は、おじいちゃん・おばあちゃんに手渡すのもおすすめですよ。

まとめ

おじいちゃん・おばあちゃんの本音は、お分かり頂けたでしょうか?

おじいちゃん・おばあちゃんは、子どものため!孫のため!という一心で、孫育てを買って出てくれています。

その温かい気持ちをしっかりと受け止め、私達ママパパは、できるだけ祖父母の負担を減らす工夫を考えましょう。

全員がハッピーに過ごせるよう、「親しき仲にも礼儀あり」の精神を忘れないことが大切です!

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