「子供がなかなか食べない」「好き嫌いがあって食べさせるのが大変」「子供の食事に悩んでいる」なんてこと、小さなお子さんがいらっしゃるパパママなら一つや二つ悩みはあるもの。
最近は保育園や幼稚園などでもいろんな食育が取り入れられていますが、やはり子供にとっていちばん大事なのは家庭での楽しい食事。お母さん、お父さんと一緒の楽しい食卓から、お子さんはいろいろなことを学んでいきます。
でも、家庭で食育をするといっても、何から手を付けていいのかわからない、という方も多いのではないでしょうか?
そこでおすすめしたいのが、絵本を活用すること。ふだん読み聞かせする本に、食について扱った絵本を加えるだけで、楽しく食育できるんです。
今回は、ご家庭で子供と楽しく食育するのに役立つ絵本を9冊紹介します。他にも、食育を進めていく上で役立つご両親向けの食育本に、好き嫌いでお悩みの方向けの成功間違いなし!レシピなども紹介します。
目次
1、食育とは?
「食育」とは一体どういうものでどう進めていけばいいのでしょうか。
(1)幼児期の「食育」が大切な理由
「三つ子の魂百まで」ということわざがあります。幼いころ身についた習慣や性格は年をとっても変わらない、と言われていますが食事に関しても同様で、幼児のあいだに身についた食習慣や味覚、食に対する考え方は、一生涯に影響すると言われています。その時期に、生きていく上で大事な「食べる」ということを子供がスムーズに習得できるようにするのが食育です。
「保育園・幼稚園ではどんな食育活動をしているのかな?」ということを参考にしつつ、幼児期という大事な時期にご家庭でも是非楽しく食育してみましょう。
お子さんの食育に取り組むのをいい機会として、お母さん・お父さんの食習慣も見直すきっかけになりますよ。
(2)食育を通じて目指したいお子さんの育ちの姿
それでは、「食育」には具体的にどのような目標があるのでしょうか?
厚生労働省では、食育を通して子どもに期待する姿として、「5つの子ども像」を掲げています。参考になるので、順番に説明していきましょう。
①お腹がすくリズムの持てる子ども
日常生活のリズムの中で、「お腹がすいた!」という感覚を子どもに感じさせてあげましょう。よく遊び、充実した生活を送り、空腹感や食欲を感じ、それを満たす幸せを感じられれば、子供も食事が楽しくなるはず。
健康的な暮らしをして、朝昼晩の三食をそれぞれしっかりと食べる習慣をつけることは子供ならずとも大切ですよね。
②食べたいもの、好きなものが増える子ども
自分から新しい食べ物に興味や関心をもち、食べてみようと思う気持ちを伸ばしてあげましょう。
子どものころ、本や映像で主人公が食べている料理に興味を持った、という方も多いのではないでしょうか?
そのように、体験を通して興味と関心を育てることを指しています。
親自身も、子供に「好き嫌いをなくそう!」というよりも「好きなものを増やそう!」という考えで接してみましょう。
③一緒に食べたい人がいる子ども
誰かと楽しく食事することで、食事自体も食事の時間も子供にとって充実したものとなります。子どもが一人で食べるのではなく、みんなで食事を準備したり、一緒に食べて食材に関して話したり、一緒に食事を楽しむ環境が大切です。
でも、共働きで夫婦ともに帰りが遅くなりがち、近くにおじいさんやおばあさんもいない、というご家庭ですと、難しいかもしれません。そのような場合でも、できる範囲でそのぶんお休みの日には楽しく食卓を囲む、お弁当に手書きのメモを添えるなどして、お子さんが家族のつながりを感じることができるようにする方法もあります。
④食事作り、準備に関わる子ども
食事をつくることや食事の準備を一緒にする経験が、子供に食事に関する知識や興味を広げます。小さいうちに、お手伝いが身についているとその後も自分から進んでお手伝いをするようになったり、自分のことを自分でできるようになります。
⑤食べ物を話題にする子ども
食べ物を話題にしてたくさん人と話すような環境を整えてあげましょう。自分が何を食べているのか、どんな味がするのかなど、感じたことを言葉で表現することができます。また、何かを食べるということは「いのち」をいただいているということを親子で話すなど、「食べる」ということから様々な方向へ子供の興味を広げることで、子供の探求学習の力を伸ばせます。
2、種類別!自然と食育に触れることができる絵本を見てみよう
さて、目標を達成して子供たちに楽しい食事の経験をさせてあげたいものの、熱心になるあまりに厳しくなって、親も子供も食事がいやな時間になったというのはよくある話。食育をどう進めればいいのか、悩ましいところですよね。
そこでおすすめなのが「絵本」です。
絵本の読み聞かせをしているというお母さん・お父さんも多いかと思いますが、その絵本に是非「食育」の要素を取り入れてみてください。
食育にもなる、子供たちが大好きな絵本を紹介します。
(1)食べる楽しみを育む絵本
食育で大切なことのひとつは、食べる楽しさを伝えること。
食べることが楽しみになれば、自然と食べたいもの、好きなものが増えたり、食べ物を話題にするようになったりします。
① 「いただきまあす」出版:福音館書店 作:わなたべしげお 絵:おおともやすお
食事の後は、床は食べ物だらけ!なんていう散らかしがちなお子さんに悩んでいる親御さんにおすすめの一冊です。
はじめのうちはスプーンやフォークをがんばって使おうとするけれど、どうにも上手くいかずに、最後には手づかみで食べ始めてしまうこぐまのお話です。
実は、子どもが散らかすのには「学び」の側面もあります。
赤ちゃんや、1歳半ごろからのイヤイヤ期に、お子さんは「遊び食べ」をするようになります。手づかみで食べたり、食べ物で遊び始めたり…。大人から見ると、すぐにでもやめさせたい!と思ってしまうかもしれませんが、実は「遊び食べ」は、無理に抑える必要はないのです。
これは、子どもが成長するための大切な過程です。触感、舌触り、歯ごたえなどを実験して、食べるものについて学んでいる行動なのです。
今は、全身でいろんなものを感じて身につけている時期だと思って、後片付けは大変ですが!温かく見守りましょう。この時期にお行儀よく食べる、というのを親がいったん後回しにすることで、楽しく食べるお子さんに育ちますよ。
「子どもが一人で食べれるようになったころはよく散らかしてしまっていたけれど、今思えば、本人なりに一生懸命食べていたんだと思います。よく叱ってしまっていましたが、今この本を読んで、育児に大切なのはおだやかさだと気付きました」という感想がありました。
②「たべるのだいすき!−みんなげんき−」出版:金の星社 作:吉田隆子作 絵:せべまさゆき
「子どもが食事にそれほど興味なさそう」とか、「“あれが食べたい”とかあまり聞かない」と思っている親御さんも少なくないのではないでしょうか?
そこでおすすめしたいのがこの一冊です。
食べ物が人間の元気をつくることを紹介して、食べ物ごとに種類や生まれるまでの様子を紹介。どの食べ物がどんな「元気」に繋がるのかという栄養の話が、お子さんにもわかりやすく伝わります。
子供は、興味が湧くと自分から行動に出るもの。絵本で出てきた食べ物が実際に食事で出てきたら、「あーこれ絵本で見たねー!どういう味なのかなぁ?」など、うながしてみては?
絵本の紹介サイトを見てみると、「もともと嫌いな食べ物のないほうだったけれど、好きなものもあんまり無いようで、リクエストを聞くことはほとんど無かったんです。でも、この本を読み聞かせてあげてから、ほうれん草のおひたしが食べたい!とか、オムライスを作って欲しい!と言ってもらえるようになりました」という口コミがありました。
また、食べ物の話だけでなく「出す」ところの話もあるので、トイレトレーニングに役立ったという口コミもありました。
③「しろくまちゃんのほっとけーき」出版:こぐま社 作:わかやまけん
「食べる」だけでなく、その前後の「準備する」「片付ける」という部分も知ってほしい、と考える方にピッタリの絵本です。
しろくまちゃんがフライパン、お皿、材料を準備して、お母さんと一緒にホットケーキを作り、こぐまちゃんと一緒に食べて、一緒にお皿を洗う…というお話です。
この本を読んだ後に、お子さんと一緒に実際にホットケーキを作ってみてはいかがでしょうか?準備から片付けまで、実際に経験することで絵本の世界だけでなく、自分自身の経験になります。
また、擬音語の勉強になるというのもポイント。ホットケーキを開いている場面では、「ぽたあんとフライパンに生地を流します」「ぷつぷつとホットケーキが焼けてきました」「ふくふくと膨らんできました」というような擬音語がたくさん使われています。語彙も増えると同時に、擬音語に強弱をつけて歌のように読んであげると、お子さんも喜びますよ。
(2)食材の好き嫌いがなくなる絵本
子どもの好き嫌いで困っている親御さんは多いですよね。そんな時も、絵本はとても役立ちます。続いては、お子さんの偏食を改善したい!と思っている方にぜひおすすめしたい絵本をご紹介します。
①「やさいのおなか」出版:福音館書店 作・絵:きうちかつ
子どもに野菜をもっと好きになってほしい、という方におすすめの一冊。食卓に並ぶことも多い野菜の断面(おなか)が次々と登場する、クイズ形式の絵本です。ただ読み聞かせるだけではなくて、クイズ形式なので、親子一緒に楽しめます。絵本を読んだあとは台所で一緒に野菜を切ってみて、どうなるか試してみると、より楽しく学べます。
切った野菜でスタンプをしてみても楽しいですよ。白いTシャツを買ってきて、それに野菜のスタンプを押して着てみると、もっと野菜が好きになれるかもしれません。食育と知育を兼ねた遊びとしておすすめです。
食材に興味がわけば、その味が気になり、食べず嫌いを減らせるかもしれませんよ。
「せっかく野菜の名前を覚えたけれど、なかなか食べようとしない子どもに読み聞かせてみました。断面の絵やカラーの絵で野菜に興味を持ってくれたみたいで、冷蔵庫から野菜を引っ張り出しては、形や色に感動している様子です」というレビューがありました。
②「やさいのおしゃべり」出版:金の星社 作:泉なほ 絵:いもとようこ
野菜がちょっと苦手なお子さんの心に訴えかけるような絵本です。好き嫌いをなくしたい、という方におすすめです。
内容は、スーパーから買われた野菜たちが、余って捨てられていく野菜を見てドキドキしながら、野菜室の中で「自分の出番はいつだろうか」とおしゃべりする…というもの。
暗い話ではなく、「その家の女の子が野菜たちの言葉が分かり、野菜たちみんなが食べられるようにお母さんにメニューをリクエストする」という、ハッピーエンドですので、ご安心ください。
「ミイラになったしょうが、変わり果てた姿のダイコンを見て、反省しつつも親子でたくさん笑えた!」という口コミがありました。親子一緒にたのしく食育できる本としておすすめの一冊です。
絵本の紹介サイトでみなさんの感想を見てみると、「イラストが可愛くて思わず購入しました!野菜だけでなくて、忘れられて捨てられたハムの話や、冷凍室に3年放置されているごはんの話など、ちょっとドキッとしてしまうところもありました…」という話も。
子どもと一緒に冷蔵庫の中を確認しながら読み聞かせをすると、「れいちゃん(主人公)のように好き嫌いなく食べよう」と言ってくれることもあるそうです。
③「やさい もぐもぐ」出版:ひかりのくに 作・絵:ふくざわゆみこ
こちらも同じく、子どもに野菜をもっと好きになってほしい!という方におすすめの本です。
絵本の中には新鮮な野菜と、それを使ったおいしそうな料理のイラストがたくさん。
野菜を紹介する→野菜を切る→野菜を使った料理の紹介、という流れが繰り返されます。
料理はひとつだけではなくて何種類も並んでいるので、「きょうはなに食べたい?」と親子の会話も弾みます。中身はかぼちゃ、とまと、とうもろこしといった夏野菜が多いそうなので、夏に読み聞かせてあげて、その日の晩ごはんは季節の野菜で作ったサラダなどにしてみても良いかもしれません。
「食べたいものが増える」「食事を話題にする」という食育だけでなく、葉野菜をちぎるぐらいであれば小さいお子さんにも安心して任せることができるので、絵本を読んだ後に、登場した野菜を使って一緒にサラダを作るなどして、「食事作りと準備」の食育もできますね。
この本を読み聞かせてあげると、絵本に描かれている美味しそうな料理がとても魅力的に思えるようで、「トマトやかぼちゃがうつわになったサラダ作って!」というふうに、自分から野菜をリクエストしてくれることが増えたという口コミも。
野菜嫌いを野菜好きにするポイントが詰まった絵本です。
(3)食材や作った人に感謝する心を育む絵本
生きていく上で、私たちはたくさんの命をいただいていること。
また、食材が家に届くまでに関わる人々や、ご家庭で料理をする人がいるからご飯が食べられているということを知ることも、食育の一つです。小さいお子さんには少し複雑な話かもしれませんが、絵本を介せば伝わりやすくなります。
しっかりと心から「いただきます」「ごちそうさま」を言える子どもに育てましょう。
①「げんききゅうしょくいただきます!」出版:童心社 作・絵:つちだよしはる
子どもたちに、安心・安全な給食を食べさせようと、子どもたちの顔見知りのおじいちゃんやおばあちゃんが作った野菜。
作る人たちは子どもたちの顔を思い浮かべながら作り、子どもたちはつくった人の顔を思い浮かべながら食べる。ふだん食べている食材に、いろいろな人の気持ちがこもっている事を感じさせてくれる一冊です。
「苦手な食材がある、食が細い、(園での給食を含む)外での食事が苦手」といった、子どもの食についての悩みがあったけれど、この絵本を読み聞かせてあげると楽しく食べる気持ちになったみたいで、たくさん食べてくれるようになった!という口コミがありました。
②「しんでくれた」出版:佼成出版社 作:谷川俊太郎 絵:塚本やすし
インパクトのあるタイトルの一冊。谷川俊太郎さんの詩を絵本にした作品です。食べものへの感謝の気持ちを育みたい方におすすめします。
“うし しんでくれた ぼくのために/そいではんばーぐになった/ありがとう うし”という詩からは、人間は他のいきものの命を食べて生きていることをはっきりと学ばせてくれます。食事について改めて考えさせられた、という一方で、「生々しすぎて子どもにはふさわしくない」という意見や、「『しんでくれた』というタイトルはあまりに一方的な見方だ」という意見もあります。
いろいろな知識を身につけた大人には少しひっかかるところもあるかもしれませんが、感受性豊かで何の予備知識のない子どもは、大人とは違った視点でこの絵本を捉えていることもあります。のうちに、食といのちに関して考えるきっかけにもきっとなるでしょう。食育として子どもに「教えてあげる」というよりも、親子で「いっしょに考える」きっかけにしてみてはいかがでしょうか?
③「いのちをいただく みいちゃんがお肉になる日」出版:講談社 原案:坂本義喜 作:内田美智子 絵:魚戸おさむとゆかいななかまたち
こちらは、食べ物だけでなく働く人への感謝の気持ちを育む一冊。食肉解体業に携わる、実在の人物の体験談をもとに書かれた絵本です。
ずっと自分の仕事を嫌だと思いながら食肉解体業をしていた坂本さん。あるとき、息子のしのぶくんの授業参観のとき、父親の仕事を格好悪いと思って「ふつうの肉屋」と答えたしのぶくんに、先生はその仕事がどれだけみんなにとって大切なものか教えます。息子の理解に励まされ仕事を続ける坂本さんですが、食肉加工センターに牛を連れてきた女の子が牛と別れを惜しむ様子を見て、解体の仕事をやめると息子に打ち明けます。そんな坂本さんに、息子のしのぶくんが言ったことは…
10万部を超えるヒット作となった本に基づく絵本です。
(4)番外編:親のための食育参考書
ここまででお子さん向けの食育絵本を紹介しましたが、食育をする大人が、食事に関しての知識を増やしておいたり、自分の考えをまとめておくことは、お子さんの食育にとても役立ちます。おすすめの大人向け食育本をご紹介します。
①「好き嫌いをなくす幼児食―心に栄養、頭に栄養」出版:女子栄養大学出版部 著者:加藤初枝
東京家政大学にある保育園の給食で子どもたちが食べている給食のレシピを紹介。
小さいお子さんは、年齢ごとに食べる能力が違います。それに合わせたレシピを探すのは、けっこうな手間になることも…。
でも、この本が一冊あれば、その悩みが解決します。調理法や食品のグループごとに、「この食材ならこうすれば食べやすくなります」といったポイントや、管理栄養士の方の経験から得た工夫がまとめられています。
「一人目の子どもの食事でスランプに陥ってしまって、子どもがあまり食べなくなって困り果てていた」という切実な悩みを抱えていたお母さんからは、「この本に掲載されている多方向の専門家のお話を読みましたが、どこにでもあるような話ではなく、また、世のおかあさんへの優しさが伝わって、自然と前向きになることができました。今までのやり方を否定されるわけではないので、素直に受け入れることができます」という感想が投稿されていました。
②「子どもがつくるほんものごはん 生きる力がつく「食育」レシピ」出版:クレヨンハウス 著者:坂本廣子
お子さんが小さいうちに料理を手伝ってもらうのは、知育・食育にとても良いこととされています。とはいえ、実際に包丁や火を扱わせるとなると勇気がいりますよね。
この本はただのレシピ集ではなく、まず、子どもを台所に立たせるための親の心得から始まります。ひととおり読めば、「ちゃんと道具を揃えて、子どもと料理をしてみたい!」と思うと評判です。
おにぎりのようなシンプルなものから、焼豚、しめ鯖といった本格的なものまでいろいろなレシピが載っていて、親子一緒にできる食育にぴったりの本です。
はじめて息子さんに料理をさせてみた、というお母さんからは、「息子を信じて、包丁を使って材料を切る、火を使って調理をする、という流れをやらせてみました。息子は疲れたようでしたが、同時にものすごい達成感を得たようで、自分でレシピを探すようになっています。子どもに任せるのはとても不安ですが、この本に書いてあったことを参考に、「料理」に触れさせる食育はとても価値があると思います」という口コミが投稿されていました。
③「子どもも家族もぺろり完食! 新渡戸文化子ども園のすごい給食」出版:新潮社 著者:鮑子奈緒美
小さなお子さんのいるご家庭は、料理のことで悩みを抱えていることが少なくありません。
「子ども用に塩分を控えめにしたら、夫も子どももあんまり食べない」
「レシピ本を見ても、大人2人と子どもだとどの位の分量になるのか一見わかりづらい」
「保育園ではよく食べているらしいけど、なぜか家では少食」
といった悩みはよく聞きますよね。そんなご家庭におすすめなのがこちらの本。
「大人と子ども、どちらにとっても美味しく食べられる味付け」
「大人2人+子ども2人の分量が基準なので扱いやすい」
「保育園で大人気の実績のあるレシピばかりを紹介」
といったポイントを抑えて、いろいろなレシピを紹介しています。
「いつもは野菜入りの料理をあまり食べなかった子どもでも、美味しい美味しいといってぱくぱく食べてくれました!あと、子ども向けの料理だとどうしても薄味になってしまいがちでしたが、この本の料理はちょうどいい味付けなので、私も夫もおいしく食べています!これからの料理が楽しみです!」というレビューがありました。
3、園の先生のように「読み聞かせ」するための読み聞かせのコツ3ポイント
ここまでに紹介した絵本は、ぜひ、お母さん・お父さんからお子さんに「読み聞かせ」することによって食育に役立てていただきたいのですが、そのまえに、「読み聞かせのコツ」についてお伝えします。
ただなんとなく読み聞かせてあげるよりも、コツを抑えて読み聞かせてあげるだけで、よりしっかりとした「食育」ができますし、お子さんにももっと楽しんでもらえますよ!
コツといってもそんなに難しいものではありませんし、たったの3ポイント。
この3ポイントを意識しておくだけで、ご自宅でも、幼稚園や保育園の先生のように上手に読み聞かせをしてあげることができるんです。
それでは、順番に見ていきましょう。
(1)落ち着いた口調で読むようにする
あまり大げさに声色を変えたり、ジェスチャーを交えたりすると、子どもの興味が絵本から読み手に移ってしまいます。
想像力を膨らませてあげるのも大事なポイント。落ち着いてゆっくりと読み聞かせてあげることを心がけましょう。
また、読み聞かせているときに無意識に早口になってしまう方もいます。
はっきり、ゆっくりということを意識するくらいでちょうどいいことも。
(2)アドリブは入れないようにする
本の文章は、場面の絵とテンポよく合うように考えられています。
ことばが少し難しいかな?と思っても、言い換えたり、言葉の意味を挟んだりせずに読み聞かせましょう。
また、子どもからの質問に答えるのは子供のペースなのでOKですが、大人から質問を投げかけるなどしてお話を中断すると、子供がお話に集中できなくなるのであまりおすすめできません。
(3)絵本は繰り返し読むようにする
イギリスのサセックス大学の研究によれば、同じ本を繰り返し読んであげたほうが、より早く子どもは知識を吸収するそうです。
また、二度目の読み聞かせのときは子どもの反応が多くなり、一度目に気づかなかった点にもよく気づくようになるそうです。
同じ話ばかりで読む方も辛い時があるかもしれませんが、繰り返し読んであげましょう。
また、読み聞かせをするときに、本に出てくるもの、たとえば野菜なども一緒に用意しておくと、より学びが深まります。
料理になる前、まだ「材料」の野菜を、見たり触ったりすることで、より身近なものとして感じることができます。
絵本の話と実体験を結びつけると、質の良い学びができますよ。
4、食育するなら一緒に使ってみてほしいグッズと歌
食育の絵本を読んだ後に、グッズを使って一緒になにかをしたり、歌を一緒に歌ったりすればさらに効果的。
それぞれ、おすすめのグッズと歌を紹介します。
(1)食育グッズの紹介
①「はじめてのおままごと 焼き魚セット」
和食にフォーカスしたおままごとセット。木でできた材料や包丁を使って、切る、焼く、盛り付けといった一連の流れを、安全に体験することができます。
ポイントは、マジックテープではなくて磁石式なので汚れにくいということ。
「切る」ことのできるおままごとセットは、断面にマジックテープがくっついているタイプが多いのですが、マジックテープ部分にゴミが付いたりして不衛生なのが気になるという方も。磁石式だとその心配がありません。
また、魚をさばく過程が本格的なのもポイント。頭を取る、腹から背にさばく、三枚おろしを作るという流れが再現されています。
おはしも付属しているので、厚焼き玉子を巻く、納豆をつかむ、といった動きを通して、実際の食べ物を使わずに、おはしを使う練習ができるのもポイントです。これなら散らかしてしまう心配もありません。
②「はじめての食育 おままごとずかん」
100%木製の、おままごとの食材セットと食育アイテムのセットです。
食育アイテムには食材のカードがついていて、たとえばトマトなら、旬の時期、育つ場所、知って楽しい豆知識などがまとめられています。
ただおままごとで遊ぶだけではなくて、ひとつひとつの食材について知識を深めることができますね。
服部栄養専門学校の服部幸應氏が監修していて、食育効果はお墨付きです。
株式会社明治のサイトでは、親子で楽しむレシピが複数公開されています。
- 温めた牛乳にお酢を加えてカッテージチーズを作る
- クリームを振り続けてフレッシュバターを作る
というような簡単にできるレシピを、お子さんと一緒に試してみると良いかもしれません。
(2)食育絵本と組み合わせたいうたの紹介
①カレーライスのうた
カレーの材料の、にんじん・たまねぎ・お肉などが出て来る手遊び歌です。
まず大人が歌って、つぎに子どもが歌う、という歌です。
レシピを覚えたら、一緒にカレーを作ってみるのもおすすめです。
②お弁当箱のうた
おにぎりの入ったおべんとうばこの歌です。
いろいろなアレンジがあって、時代によってはサンドイッチだったときもあるとか。
にんじん、さくらんぼ、しいたけ、ごぼうと、食材の名前と数字がかかっているので、数字を教えるのも兼ねて一緒に歌ってみるのも良いでしょう。
5、食育絵本と組み合わせよう!嫌いな野菜も美味しく食べてもらうためのおすすめレシピとアイデア
食育の絵本の他にもこれで好き嫌いが改善した!というものが「自分で作る」ということ。
絵本の内容と関連付けたレシピで、おいしく楽しく好き嫌いを治せるように働きかけてみましょう。
各レシピには、どの絵本と組み合わせるのが良いかも書きましたが、どれも共通するのは「一緒に作ってみると良い」ということです。
好き嫌いの悩みを解決した!という方の話を聞いてみると、何より効果的なのは「子どもと一緒に作る」ことだったとか。
確かに、子どもの頃に自分で作った料理は美味しく感じられましたよね。
お子さんと一緒に楽しく、好き嫌いを改善してみましょう。
(1)緑黄色野菜と胡麻のホットケーキ
人参や、緑の野菜がちょっと苦手なお子さんにおすすめのレシピ。
すりおろし人参と、刻んだ小松菜が入ったホットケーキです。
多めに焼いても冷凍保存できるので、作りおきも効いて便利なレシピです。
イヤイヤ期に、とにかく緑黄色野菜を食べたがらなくなった1歳9ヶ月の娘さんが、これはパクパク頬張ってくれた!というのがレシピの生い立ちだそうです。
たとえば、主人公がお母さんと一緒にホットケーキを作る、「しろくまちゃんのほっとけーき」といった絵本を読んだ後に一緒に作ってみると、もっと美味しく・楽しく食べられますよ。
作り方はこちらのCookpadのレシピのページをご覧ください。
(2)簡単ケークサレ
玉ねぎ、人参、じゃがいも、ほうれん草が入ったケークサレ(塩味のケーキ)です。
レシピではこの4つですが、基本的に野菜であればなんでも大丈夫。
根菜系や、葉物野菜の相性がよさそうですね。
あと、野菜ではないですが、魚肉ソーセージも合うそうです。
冷蔵庫にあるものを組み合わせて作れるので、「やさいのおしゃべり」を読み聞かせた後に、お子さんと一緒に冷蔵庫を覗いてみて、いろんな組み合わせを相談しながら作ってみても良いかもしれません。
作り方はこちらのCookpadのレシピのページをご覧ください。
(3)こどもピーマンの肉詰め焼き
「こどもピーマン」というピーマンがあるのをご存知でしたか?
こどもでも美味しく食べられるように開発されたピーマンの品種で、普通のピーマンより苦味や酸味が抑えられているんです。
タキイ種苗のホームページでは、こどもピーマンを使ったレシピが多数公開されていますが、特におすすめなのが肉詰め焼き。
それほど手間がかからず、ピーマン感が薄れて、ジューシーで美味しいので子どもにも人気です。
「やさい もぐもぐ」のような、野菜とレシピが一緒になった絵本を読んだ後に、この「こどもピーマン」を使って肉詰めを作ってみると、一層おいしくいただけそうですね。
作り方はこちら(タキイ種苗のレシピページ)をご覧ください。
6、まとめ
食育絵本に関する今回の記事、いかがでしたか?
食育の目的から、絵本の紹介、最後に食育グッズ・レシピの紹介までまとめました。
お子さんと一緒に絵本を読んで、それをきっかけに一緒に買い物に行ったり、家族で料理をしたりすることが、最高の食育につながります。
こちらの内容がお役に立てば幸いです!
趣味は薬膳料理とヨガ。
よく食べよく寝る元気いっぱいの息子(3歳)のママ。
かわいいけれどいつも足にまとわりついてくる甘えん坊の息子の将来が心配。
あと仕事と育児で毎日がいっぱいいっぱい。
きちんと料理や掃除をしたいのに家事の時間が確保できないのが悩み。