兄弟児をもつママパパの悩みの種と言えば、兄弟喧嘩。
筆者も4学年差の子ども2人をもつママですが、下の子は3歳のやんちゃ盛り!最近急に喧嘩が増えてきて、その仲裁に奔走する毎日です。
こうして記事を書いている今も、隣の部屋から喧嘩の声が聞こえてきます…。
そこで今回は、兄弟喧嘩とママパパの関わり方を徹底調査!教育論に基づいた話から現役ママのリアルな意見まで、詳しくお伝えしていきます。
兄弟喧嘩は、対処の仕方次第で「成長の機会」にすることも可能。毎日勃発する兄弟喧嘩をプラスの方向にできるなんて、こんな良いことはありませんよね!
兄弟喧嘩を、家族の絆を深めるチャンスに変えてみませんか?
1、兄弟喧嘩、どうしていますか?
些細なことで起きる兄弟喧嘩。まずは現役ママのリアルな現状を覗いてみましょう。
(1)毎日勃発する兄弟喧嘩
年が近い兄弟はもちろん、4・5歳程離れていても喧嘩をする!という話もよく聞きます。我が家も4学年差ですが、ほぼ毎日喧嘩が勃発!休日で丸一日一緒にいる時は、その頻度も物凄いことに…。
- 何度喧嘩を注意しても繰り返される
- 喧嘩の仲裁で怒鳴ることもしばしば
- つい上の子に「お姉ちゃん(お兄ちゃん)でしょ!?」と言ってしまう
- 男兄弟は暴力も日常茶飯事。乱暴になるのではないかと心配が絶えない
- 色々な対処法を試したが、正解が分からない
など、ママ達も兄弟喧嘩には苦戦している様子が伺えます。特に暴力を伴う喧嘩は心配も大きく、悩んでいる人も多いよう。
(2)現役ママ談!こんな兄弟喧嘩を経験しました
多くのママ達が悩む兄弟喧嘩。現役ママ達が実際に目の当たりにした兄弟喧嘩を、具体的にご紹介していきます。
①ミカさん(30代前半)・年子の男の子(5歳・4歳)のケース
うちは年子でしかも男の子同士。噛む・引っ掻く・叩くは日常茶飯事!トイレの順番やおもちゃの取り合いなど、何か一つ行動するごとに喧嘩しているのでは?と思う程。先日はエレベーターのボタン押しの権利を巡り、エレベーター内で掴み合いに。唇が切れて流血したまま登園しました…。
②加奈子さん(30代後半)・2歳差の女の子(5歳・3歳)のケース
我が家は女の子2人、年も近いため些細なことで喧嘩になります。お姉ちゃんが「私は将来プリンセスになる!」と言ったら「私もプリンセスになる!」と妹。この発言が気にくわなかったお姉ちゃんは「プリンセスは私だけ!○○ちゃんには無理だよ!」と大激怒。結局2人はライバルなのねと、感じる日々です。
③ひろえさん(20代後半)・双子の女の子と男の子(2歳)のケース
私には、双子の男女がいます。喧嘩の内容はとにかく物の取り合い!2つ用意してあげたものには見向きもせず、なぜかチャンネルなど1つしかない物を取り合います。「順番!半分!交代!」というセリフを何度言ったか分かりません。
現役ママさんの貴重な意見から、毎日繰り返される喧嘩の実情が手に取るように分かりましたね!このような兄弟喧嘩は一体なぜ怒るのでしょうか?
2、兄弟喧嘩はなぜ起きる?
毎日繰り返される兄弟喧嘩。その対処法をひも解くためにも、なぜ兄弟喧嘩が起きるのか根本的な要因を探っていきましょう。
(1)兄弟は「斜めの関係」
親との関係が「縦」、友達との関係が「横」だとすると、兄弟は「斜めの関係」と言われています。
親の言うことには従う必要があり、友達には遠慮が必要です。しかし、「斜めの関係」の兄弟に対しては、従ったり遠慮したりする必要がないのです!
そのため、兄弟喧嘩では自分の欲求を貫こうとする子が多数います。罵倒したり、時には暴力を使って相手をねじ伏せようとするのです。
私のママ友には、年子の男兄弟を持つ方がいます。そのママは、家で繰り広げられる取っ組み合いの喧嘩に悩んでいたのですが、私から見ればとてもそんな子には見えないのです。特にお兄ちゃんのA君は、園で友達と喧嘩をしても絶対に手を出すことはないそう。
A君の事例からも、「斜めの関係」の兄弟とは、遠慮なしに取っ組み合いをしていることが伺えますね。それと同時に、外では遠慮や我慢する心が育っていることも分かります!
(2)兄弟はライバル
一つ屋根の下で暮らす兄弟は、好きな物を巡って争うライバルです!
- 自分の方がより良いものを得たい
- 自分一人のものにしたい
- ママパパから自分だけが注目を浴びたい
など、様々なシーンで競争意識が働き喧嘩が発生するのです。
私の子どもは4学年差ですが、それでも上の子は下の子をライバル視しています。そのため、年が近い兄弟児は尚更でしょう。
(3)「つもり」と「つもり」のぶつかり合い
言葉が達者でないうちは、子ども同士のコミュニケーションが行き届きません。一緒の遊びをしたい。でも、言葉でうまく表現できない。そんなことがよくあります。
例えば、年齢の近い2歳と3歳兄弟がいたとしましょう。お兄ちゃんは、ミニカーでレースをする「つもり」で遊んでいます。一方弟は、ミニカーを並べて遊んでいる「つもり」でいます。言葉でそれを交わすことがないため、「つもり」と「つもり」のぶつかり合いで、ミニカーを争う喧嘩が起きてしまうのです。
相手のしていることが無性にしてみたい!そんな2・3歳の時期だからこそ起きる「つもり」のぶつかり合いが、喧嘩の要因になることも多いのです。
(参考文献:0~3歳 能力を育てる好奇心を引き出す (著)汐見稔幸)
(4)幼いうちは自己コントロールが難しい
大人には、自己をコントロールする能力「自己制御機能」が備わっていますよね。納得いかないことが起きても、こうすると周囲にどう見られるか?という点をしっかり考えて行動できます。
しかし幼児は、この「自己制御機能」が未熟!今まさに自己コントロールを学んでいる最中なのです。ある実験では、3歳児では「自他調整能力」(相手の欲求も考えながら、自己を主張すること)が乏しいことが分かっています。
そのため、相手が持っていたおもちゃが欲しくなった時、無理やり取り上げてしまうような喧嘩が起きてしまうのですね。
3、兄弟喧嘩は、貴重な成長の場!そのメリットとは
お伝えしたように、成長途中がゆえに起きてしまう兄弟喧嘩。心の健全な発達のために、兄弟喧嘩がもたらすメリットとは何なのか?詳しくお伝えしていきます。
(1)コミュニケーション能力が育まれる
兄弟喧嘩は、コミュニケーション能力を育む絶好の機会と言われています。
- どうすれば自分優位に物事が進むか考える
- 落としどころを付けるために交渉する
- 仲直りする術を学ぶ
- 自分の主張を伝える訓練ができる
など、社会に出てからも欠かせない「対人関係の基礎」を育むと言っても過言ではありません。
5歳のBちゃんはいつも妹と喧嘩ばかり。しかし友達と喧嘩になった際、友達に自分の主張を伝えつつ、相手に譲歩した提案で解決しようとしているBちゃんの姿にママは大変驚いたそうです!
普段の妹と喧嘩をすることで、いつの間にか上手な交渉術が身に付いた証拠ですね。
(2)共感性を学べる
激しい言い合いや取っ組み合いの喧嘩の後でも、気付くと何事もなかったかのように遊んでいる。そんな光景に優しい気持ちになった!というママも大勢います。
兄弟喧嘩は相手と反発し合う行為ですが、実はその後に「共感性」を学べるという側面もあるのです。
喧嘩するけど、やっぱり弟と遊ぶのは最高に楽しい!そんな「やっぱり楽しい!」という感情が、兄弟間で無意識のうちに芽生え、「あの時はやりすぎたなぁ。」と、やがて相手の痛みを理解できるように成長していくのです。
(3)ルールを守る訓練ができる
喧嘩は、兄弟間のルールが破られた時に起きたりもするものです。
- 嘘はつかない
- 無理やり奪い取らない
- 順番や約束を守る
- 喧嘩でも暴力はいけない
上記は、子どもの頃なら些細なことだと笑って済まされます。しかし、大人になってからはどうでしょうか?嘘や約束を破っているようでは、社会的信用を失いますよね。
そうならないためにも、兄弟喧嘩を通し「ルールを守ることの大切さ」をしっかり教えてあげましょう。
(4)加減が分かる
例えば、取っ組み合いの兄弟喧嘩をしたとしましょう。叩いた方は、相手が泣いて痛がる様子にビックリ。アザができれば「やりすぎた!」と心の底から反省するでしょう。
一方叩かれた方も、この位の力で叩かれると痛い、腕より頭の方がさらに痛かったなど、実体験を通して痛みを知ります。言葉の暴力も同様です。
兄弟喧嘩は「予習」の一環!友達と喧嘩をした際の「加減」を知るためにも、兄弟喧嘩はある程度した方が良いのです。
4、いざ兄弟喧嘩が起きたら?喧嘩を「プラス」に変える親の対処方法とは
上記のように、兄弟喧嘩は人間関係を学ぶ絶好の場であることが分かりましたね。ここでは、喧嘩を「プラス」に変える具体的な対処法をご紹介していきます。
(1)基本的には見守る
喧嘩は、自己コントロールや他者との接し方を学ぶ絶好のチャンス。そのため、親はある程度「見守る」ことも大切です。
- 喧嘩が始まったらすぐに仲裁せず、成り行きを見守る
- しばらくしても落としどころが見つからないようなら、「どうしたの?」と声を掛ける
- その際は必ず双方の意見を聞き、ママパパは意見の橋渡し役に徹する
- 余程悪いことをしていない限り「○○が悪い!」というジャッジを下さない
このように、基本的にママパパは聞き役に徹しましょう!子ども達は解決のために意見を言い合う最中にさらに喧嘩がヒートアップしていくことも。そうならないために、双方の意見の橋渡しをしてえあげましょう!
(2)理不尽に怒鳴ってしまった時は素直に謝る
喧嘩を冷静に見守る…。頭では分かっていても、忙しい時やイライラしている時には、つい怒鳴ってしまうこともありますよね。私もよくあります!
- いい加減にしなさい!
- うるさい!
- ○○が我慢しなさい!
など、強い口調で怒鳴ると喧嘩は止まりますよね。そのため、怒鳴ることが一番手っ取り早い喧嘩の終了方法になってしまっている…。というママもいるようです。
特に、「お兄ちゃん(お姉ちゃん)なんだから我慢しなさい!」というセリフは、兄弟のいるママパパなら一度は言ったことがあるのでは?
先ほど、私は「意見の橋渡しをする」と書きましたが、まだうまく言葉にできない下の子の意見を代弁しているうちに、つい肩を持つような表現をしている時がよくあります。「我慢しなさい!」と直接言わなくても、「○○はこう言ってるんだから、分かってあげなさい!」など、間接的に我慢を強いるような表現になっていることも。
怒鳴ったり理不尽なことを言った後は落ち込むママも多いと思いますが、親だって人間!子どもに対し常に聖人君子でいることはできませんよね。
そんな時は、「さっきは気持ちを分かってあげられなくてごめんね。」「ママも言い過ぎたね。」と素直に謝ればOK!ママが謝ることで、お子様が素直に謝ることを学ぶチャンスに繋がりますよ。
(3)アフターフォローの声掛け
兄弟喧嘩の後、きちんと仲直りをしなくてもいつの間にか仲良く遊び始める。そんな姿が見られたら、アフターフォローのチャンスです!
喧嘩で興奮状態の時、何を言っても聞く耳を持たない子どもも多いですが、落ち着いた後ならママパパの話をちゃんと聞いてくれますよ。
①叩いた側へのフォロー
- ○○ちゃんをさっき叩いていたよね?その時、どんな気持ちだったの?
- そっか。おもちゃを〇〇ちゃんに取られたんだね。それはいけないね。
- でも、何があっても叩くのはよくないよね。今度からやめようね。
②叩かれた側へのフォロー
- さっきは痛かったね。
- でも、△△くんは○○ちゃんにおもちゃを取られたのが嫌だったみたいだよ。
- 急におもちゃを取られた△△くんは、どんな気持ちだったか想像してごらん。
- 今度からちゃんと「貸して」って言おうね!
明らかにどちらか一方が悪い理由がない限りは、一方的にどちらかを叱るはよくありません。上記のように、双方の言い分をしっかり聞いたうえでフォローの声掛けをしてあげましょう。
(4)暴力には毅然とした態度を
どんな理由があれ暴力はいけません。様々な意見があるとは思いますが、喧嘩で手をあげているシーンを見かけたら、まずは叱るというママも多いようです。
ママ友の中には、喧嘩で暴力をした場合はいつもより更に迫力のある態度で叱り、パパに登場してもらうという人もいましたよ!
男兄弟では、どうしても取っ組み合いになることもありますが、「暴力はいけない」と言うことを毅然とした態度で何度も伝えることが大切です。
まとめ
激しい喧嘩は悩みの種ですが、喧嘩から多くのことを学べることが分かりましたね!
対処法の一例を詳しく示しましたが、ママパパだっていつもこの通りにできるとは限りませんよね。しかし頭の片隅に置いておくことで、いざ喧嘩の仲裁を行う時に「プラス」の方向に導くことができるでしょう。
喧嘩は成長の大切なプロセス!是非一緒に、見守ることからスタートしてみませんか?
3歳と6歳の子を持つママライター。子ども達を「食うに困らない人間」に育てるべく、0歳から様々な幼児教育を実践!その効果が出ているかはさて置き…育児と仕事に全力投球中の30代です。夫と家事全般の優先順位が下がる一方なのが悩みの種。