幼児教育

赤ちゃんのアトピー性皮膚炎について知っておくべき10のこと

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アトピー性皮膚炎とは、様々な要因が複雑に重なって起こってしまう皮膚の炎症です。

体質や環境因子が原因だと考えられていますが、アトピーのはっきりとした原因は解明されていません。

そのため、一概に「あれとこれがだめ!」と言えず、国内で患者数が多いのも特徴の一つ。

厚生労働省によると、2014年の国内の人間で30歳以下の人間が発症している割合は1割の人間が罹患(りかん)していると言われています。

赤ちゃんのアトピー性皮膚炎の原因やその対策、治療法など詳しくご紹介します。

目次

1、アトピー(アトピー性皮膚炎)はとにかくかゆい!アトピーは大人でも我慢できないかゆみが伴う肌のアレルギー

 

アトピー性皮膚炎(以下アトピー)とは、アレルギー反応による皮膚の炎症で、顔や首、間接やお腹などに、赤いブツブツが現れます。

ジュクジュク湿ったものや、カサカサ乾燥したものなど個人差があり、状態が良い・悪いを繰り返しながら、長期に渡って続くことが多い皮膚疾患です。

このアトピー、とにかくかゆいのが大きな特徴で、そのかゆみは大人でも我慢しがたいものです!皮膚を強くかくことで、ますますアトピーが悪化するため、治療が思うように進まない現状もあるほどです。

アトピーを経験したことのない人は、「かかなければ早く治るのに!」と思うかもしれませんが、患者にとっては、「それが出来ていたら、かいていない!」というのが本音でしょう。

強いかゆみや湿疹と上手く付き合いながら、長期に渡って治療する必要があるアトピー。生活の質の低下や、社会生活のしにくさを感じることなく、アトピーとうまく付き合っていくためには、適切な対処・治療を、医師や家族と協力して進めていくことが大切です

2、赤ちゃんのアトピーってどんな症状?まず知っておきたい内容4つ

赤ちゃんは皮膚のバリア機能が弱いため、大人に比べ、湿疹などの皮膚トラブルが起きやすいものです。「赤ちゃんの皮膚にブツブツができた」=「即アトピー」ではありません!

赤ちゃんのアトピーには、いくつかの特徴があるのでご紹介します。

(1)乳児湿疹などとの違いは期間!湿疹が2ヶ月以上続いている

アトピーと似た症状の湿疹は、赤ちゃんにはよく起ります。

皮膚がジュクジュク赤くなり、「アトピーなのでは?」と心配になるママもいるでしょう。しかし、多くの場合は乳児湿疹で、適切な治療をすれば治癒することがほとんどです。

しかし、湿疹の症状がなかなか治らず、2か月以上続いた場合は、アトピーと診断されることがあります。長引く湿疹はアトピーの可能性もあることを、覚えておきましょう。

とは言え、期間だけを頼りに、アトピーと乳児湿疹の違いをママが判断することは難しいです。乳児湿疹が2か月以上続く場合もあるため、医師でも見間違うことがあると言われています。

長引く湿疹は、医療機関を受診し、医師の指示のもと経過をよく観察しましょう。

(2)顔や頭以外にも肘や膝裏、耳たぶの後ろなどに湿疹ができている

アトピーは、肘や膝裏などの間接、耳たぶの後ろなど、皮膚が重なる箇所にできることが多いです。日常生活の何気ない動作で皮膚が擦れる箇所に、アトピーはできやすいという特徴があるのです

赤ちゃんの湿疹が、顔や頭以外にできている場合はアトピーの可能性も含め、注意して経過を観察しましょう。

(3)赤いだけでなく、ジュクジュクした湿疹

ただ赤くなる湿疹ではなく、ジュクジュクと湿った湿疹はアトピーの大きな特徴です。皮膚が重なって擦れている箇所が切れていたり、黄色いかさぶたなどができている場合もあります

(4)2歳頃までには良くなる

個人差はありますが、赤ちゃんのアトピーは2歳ごろまでに治ることが多いと言われています。これは、成長と共に皮膚が強くなっていくためだと考えられています。

あまり神経質にならず、子どもの成長を待ちながら気長に治療していきましょう。

3、赤ちゃんのアトピーをより深く知ろう!アトピーの原因は遺伝とアレルギーだった?原因とメカニズムについて

アトピーは、様々な要因が重なり合って発症していると考えられています。遺伝的要因やアレルギー反応によるものなど、分かりやすく紹介します。

(1)様々な要因によってアレルギー反応が起こり、肌が炎症を起こしてしまう

アトピーは、一種のアレルギーが皮膚を介して出現している、という考えがあります。

人間の体には免疫反応があり、体に侵入してきたウイルスなどを追い出します。この時、体の中では「抗体」と言われる物質が作られ、この抗体がウイルスと戦ってくれるため、人間は病気にならずに済みます。

ところが、免疫反応が誤作動を起こしてしまうことがあります。

花粉や卵など、本来人間にとって害のない物質も追い出そうと、抗体をつくってしまう場合があるのです。その結果、咳や鼻水、下痢などのアレルギー反応を起こしてしまいます。これが花粉症や食物アレルギーのメカニズムです。

このメカニズムと同様に、何らかの物質に対するアレルギー反応が皮膚に起こり、炎症が生じるのがアトピーの一つの原因と言われています。

このような免疫反応の誤作動は、起きる人と起きない人がいます。つまり、アレルギーになりやすい人と、そうではない人がいるのです。

アレルギーになりやすい人のことを「アレルギー体質」と言いますが、このアレルギー体質は遺伝するという考え方があります。実際に、アレルギー症状のある子の親の多くが、何らかのアレルギー性疾患を持っていることが分かっているそうです。

(2)アレルギー反応の要因は様々

このアトピーを起こす原因と考えられる「アレルギー物質」=「アレルゲン」には、様々な種類があると言われています。

ハウスダストやダニ、カビ、花粉、アレルゲンを含む食べ物、化学物質、自分の汗、ペットなど、他にも様々なものが挙げられます。

しかし、どの物質がアレルゲンとなり、アトピーを引き起こしているか特定することは難しく、人によっても異なります

(3)かくことで皮膚バリアがなくなってしまう

人間の皮膚には様々な役割がありますが、最も大切な機能と言ってもいいのが「バリア」機能です。

バリア機能とは、外的刺激から肌を守り、水分を外に逃さずに、みずみずしく保つ機能のことです。特に皮膚の「角質層」がこの役割を担っています。

この角質層の中には、「セラミド」というバリア機能に欠かせない物質があります!セラミドは、皮膚の水分を保つ重要な物質です。

また、セラミドを含む脂質の構造にも、バリア機能に欠かせない秘密があります。それは「ラメラ構造」といわれるものです。ラメラ構造は、様々な物質を通しにくくする構造です。水分が体の外に出るのを防いでくれるだけでなく、アレルゲンになりうる化学物質などの侵入を防いでくれます

ところがこのバリア機能が崩れると、水分不足やアレルゲンの侵入が起こります。すると乾燥によるかゆみと、外的刺激によるかゆみが起こり、皮膚は炎症を起こします。

かくことで、ますます皮膚のバリア機能は失われてしまうのです。

このように、皮膚のバリア機能が崩れた状態になってしまった状態が、アトピーに繋がっていると考えられています

アトピー性皮膚炎の治療では、炎症を起こしている肌を治し、皮膚バリアを正常な状態に戻してあげることが大切です。

(4)悪循環の負のスパイラルに入らないようにすることが大切

皮膚のバリア機能が一旦壊れると強いかゆみが生じ、我慢できずにかいてしまうことを繰り返してしまいます。

  1. 何らかの要因で皮膚のアレルギー反応が起こり、かゆみが生じる
  2. 我慢できずに掻いてしまう。
  3. 皮膚が傷つき、バリア機能が弱くなる。
  4. 角質の水分が少なくなる。
  5. 肌が乾燥し、刺激に弱くなる。
  6. アレルゲンが侵入し、よりかゆくなる。
  7. かくことでますますかゆい範囲が広がってしまう。

以上のような負のスパイラルが起きないよう、「かゆくならないようにすること」と、「肌を守ること」の2つをうまく組み合わせて、治療していくことが大切です。

(5)一人ひとりによって原因が異なる

もしあなたのお子さんがアトピーで、親族に同じアトピー患者がいるなら、「アレルギー体質の遺伝だからしょうがない。」と思っているかもしれません。

しかし、アトピーの引きがねとなる原因は複数あり、ひとりひとり異ります。子どものアトピーが遺伝によるものでも、その原因が同じとは限らないのです。

アトピーを引き起こしているアレルゲンの特定は簡単ではありませんが、アトピーの経過を見ながら、様々な要因を加味して調べてみることも大切です。

4、アトピーを発症しやすい人の特徴

アトピーを発症している人には、いくつかの特徴があります。

(1)家族、または自分に気管支喘息、アレルギー性鼻炎、結膜炎、アトピー性皮膚炎を罹患している人がいる

日本皮膚科学会の、アトピー性皮膚炎診療ガイドラインでは「患者の多くはアトピー素因を持つ」と定義されています。アトピー患者の多くは、このアトピー素因と言われる体質を持ち、アトピーを発症しているのです。

アトピー素因の一つに、家族や自分が、気管支喘息、アレルギー性鼻炎、結膜炎、アトピー性皮膚炎のいずれか、あるいは複数を罹患していることが挙げられます

つまりアトピーは、気管支喘息やアレルギー性鼻炎、結膜炎などと、発症の基本的なメカニズムに共通点があり、これらの病気を併発しやすいのです。

(2)アトピーを発症する人は「IgE抗体」が多い?

もう一つのアトピー素因に、アレルギーと関係がある免疫物質、「IgE抗体」を作りやすい体質であることが挙げられます。

「IgE抗体」とは、アレルゲンが体に侵入したときに、これをキャッチする抗体です。IgE抗体がアレルゲンをキャッチすると、ヒスタミンが放出されます。このヒスタミンが血管や神経を過剰に刺激することで、アレルギー症状が発生してしまうのです。

アトピー患者には、このIgE抗体を生産しやすいタイプの人が多いことが分かっており、このIgE抗体の数値の高さを計測することで、アトピーの原因を解明するためのアレルギー検査を行うこともできます。

このアレルギー検査では様々なことが分かりますが、ここで注意しなければいけないのは、必ずしも検査結果と症状が一致するわけではないということです

実際に、アトピー患者でもIgE数値に何の異常もないという人や、検査結果をもとにアトピー対策をしても治らないという人もいるようです。

アレルギー検査は、アトピー治療の一つの目安となるものに過ぎないことを、覚えておくと良いでしょう。

5、赤ちゃんの時の治る率は80%?アトピーを改善する方法

赤ちゃんの時に発症したアトピーは、成長により皮膚が強くなるにつれ治っていきます。2歳までには完治することが多い様です。

赤ちゃんの酷いアトピーを見ると、親としてはすぐにでも何とかしてあげたくなりますが、あまり神経質になる必要はありません。治療をしつつ、子どもの成長を待ちましょう。

アトピー治療のポイントは、かいてしまった皮膚を治すこと、かゆみを減らすこと、アレルギー反応を起こりにくくすることの、3つ

実際に行われている治療や、家庭でできる民間療法をご紹介します!

(1)皮膚を治す:失ってしまっている皮膚バリアを保護し、炎症を抑えてかゆみを抑える

①ステロイド

抗炎症薬のステロイドは、アトピーの炎症を抑えるために処方されます。

ステロイドはウィーク~ストロンゲストまで5段階にランク付けされており、アトピーの炎症度に合わせ、医師が適切な強さと量を処方します。乳幼児や小児に使用する場合は、基準よりも1ランク低いステロイドを使用することが推奨されているようです。

ステロイドは正しく使えば副作用を抑え、効果の方が大きく発揮される薬ですが、「副作用が心配だから使いたくない。」という声も耳にします。しかし、ステロイドに対し必要以上の不安を感じる人が多く、医師が期待した治療効果を実感できないという現状も報告されています

子どものアトピー治療には、親がアトピー治療の意義を理解し、治療を継続していくことが必要です。不安がある際は、信頼できる医師に納得のいくまで説明してもらい、十分納得のいく治療をしましょう。

②免疫抑制剤

免疫抑制剤は、その名の通り免疫反応を抑える薬で、外用薬、内服薬、注射があります。

人間の免疫反応は、本来体をウイルスなどから守るため欠かせないものですが、アトピー患者の体の中では、免疫が過剰に働き、体に無害なものまで攻撃してしまうことで炎症が発生しています。

この過剰な免疫反を落ち着かせ、正常にすることで炎症を抑えるのが、免疫抑制剤なのです

免疫抑制剤は、ステロイドで十分な効果が見られなかった場合や、反対にステロイドである程度炎症が落ち着いた場合に用いられることが多いようです。

③紫外線療法

紫外線療法とは、紫外線が持つ「免疫の働きを調節する作用」を利用した治療法です。紫外線を発生させるランプを使用し、皮膚に直接照射します。

アトピーの度合いに合ったエネルギー値で照射しますが、この治療には痛みは全くなく患者の負担が小さいのが特徴です。外用薬との併用で、治療効果が上がる場合もあるようです。

④スキンケア

肌のバリア機能を正常に保つには、皮膚を保湿することがとても大切です。処方された保湿剤を正しく使用し、乾燥から肌を守りましょう。

⑤温泉

アトピーの民間療法の一つとして、温泉療法があります。

医師による論文も発表されており、殺菌効果の高い酸性温泉に入浴することが良いと言われています。これは酸性温泉水が、アトピーに悪い影響を及ぼす「黄色ぶどう球菌」に対する殺菌作用があると考えられているためです。

特に草津温泉は強酸性の温泉で、殺菌効果の高い硫黄が沢山含まれているのが特徴です。アトピーの湯治で有名な温泉ですが、個人差もあるため主治医に相談してから利用することをおすすめします

⑥海水浴

海水に15分浸かり、浜辺で休むことを2回繰り返すことでアトピーが改善したという論文があります。

民間療法のため、全てのアトピー患者に効果が出るわけではありません。試してみたい場合は、まず主治医に相談してみましょう。

(2)アレルギー反応を減らす

①ハウスダストの除去

ハウスダストとは、目に見えないホコリのことで、このホコリの中にはダニの死骸や花粉、繊維ゴミ、カビなどが含まれています

このハウスダストを除去するには掃除が一番!掃除機でのこまめな掃除はもちろん、換気や空気清浄機で、空気中に浮遊するハウスダストを除去しましょう。

②ダニ

ハウスダストの中でも、特に人体に影響を及ぼすのがダニです。ダニのいない家はなく、特に寝具などはダニの恰好の住家となっています。

ダニの生命力は強く、成虫を1日水につけていても死ぬことは無いそうです。つまり、布団を水洗いしてもダニは死にません

しぶといダニを家庭で駆除する効果的な方法は、ずばり掃除機で吸うことです!定期的に布団の裏表を掃除機で吸いましょう。この時、ゆっくり時間をかけて吸うのがポイントです。

また、ダニは高温にも弱く、50度以上の熱が20分ほど続くと死んでしまうようです。家庭では、布団に高温を加えることが難しい場合が多いため、ダニ駆除の専門業者に依頼する方法もあります。

③離乳食など食べているものを見直す

普段家で与えている離乳食の中に、アトピーの原因となるアレルゲンが含まれている可能性もあります。

賛否ありますが、早期からの乳製品や卵などのたんぱく質摂取が、乳幼児のアトピーに繋がるという考えもあるようです

今一度、離乳食に使っている食材を見直してみましょう。

④肌を清潔に保つ

アトピー患者の皮膚は、細菌や雑菌の繁殖しやすいアルカリ性になっていることが多いです。また、かくことで皮膚が傷つき体液が流出しますが、そうするとさらに雑菌が繁殖しやすくなります。

細菌や雑菌の繁殖を抑えるために、アトピー患者は皮膚を清潔に保つことが大切です。

夏は1、2回シャワーを浴び、低刺激の石鹸などで優しく洗いましょう

ただし、洗浄後の保湿は忘れないようにしましょう。

⑤衣類の見直し

アトピーを悪化させる要因の一つに、衣類による摩擦があります。アトピー患者は、肌触りが良く、摩擦の少ない衣類を選びましょう。

オーガニックコットンなど、肌に優しい素材がおすすめです。

反対に、ポリエステルなどの化学繊維や、ウールは摩擦が大きいため気を付けましょう。

(3)かゆみのない、安定した状態を保つことで良好に

アトピー治療の1番のポイントと言っても過言でないのは、「かゆみを取り除くこと」です。先に述べたように、かゆみに耐えられずかくことが、アトピーの負のスパイラルを作ってしまいます。

特に、子どもにかくことを我慢させるのは至難の業です。皮膚の炎症を取り除き、バリア機能を復活させることで、かゆみの無い状態を保ちましょう

そのためには、こまめな保湿を親が意識して行うことが大切です。皮膚の状態に合わせた丁度良い保湿を心がけましょう。

6、まとめ

いかがでしたか?子どものアトピーの原因やその対策、治療法を分かっていただけたでしょうか?

子どものアトピー治療は、親の協力なしには成立しません。

アトピーは、子どもの成長と共に必ず治ることを信じ、「皮膚を守りかゆみを取り除くこと」、「アトピーの原因探求と経過の観察」に重点をおいて、医師と連携して治療に取り組みましょう!

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