しつけ

台所・風呂場・買い物は学びの宝庫!お手伝い好きの子どもが賢い理由

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

皆さんは、お子様に「お手伝い」をさせていますか?

自分でやった方が早いから、お手伝いから足が遠のいている…。そんなママパパもいるでしょう。

しかし、教育関係の著書が多数ある、小川大介氏と西村則康氏のお二方は、口を揃えて「お手伝いをするべき!」と述べています。

しかも、

  • 最も学べるチャンスの一つがお手伝い
  • キッチンは子どもを伸ばす「タネ」の宝庫
  • 社会科の基礎は「買い物」で身につく

など、「お手伝いが学びに直結する」と言うから驚きです!

今回は、中学受験のスペシャリストである小川大介氏の著書「5歳から始める最高の中学受験」とカリスマ家庭教師!西村則康氏の著書「やってはいけない小3までの親の習慣」から、「お手伝い」に焦点を当ててご紹介!

  • お手伝いをする子がなぜ賢く育つのか?
  • 何歳でどんなお手伝いをすればいいのか?
  • 手伝いでどんなことが学べるのか?

など、気になる情報満載でお伝えしていきます。

机上の学習では決して養えない「真の学び」とは何なのか?じっくりみていきましょう!

1、お手伝いは「学び」!

「手伝いをさせていたら、勉強や習い事の時間が無くなる!」など、お手伝いと勉強を「真逆」に感じる人も多いでしょう。

しかし、この考えは今すぐ捨てるべき!実はお手伝いには、「自ら学ぶ力」や「知識の土台を育むパワー」があると言われているのです。

このような力を本格的な勉強が始まる前に育むことで、後の「伸び」を支えると、小川氏と西村氏も述べています。そのため、【幼児期~小学校低学年の子】ほど、お手伝いをすることが大切なのです。

中学受験を視野に入れ、小学校低学年から塾通いを始める子もいるでしょう。しかし、勉強ばかりさせていると後悔することになりかねません。

是非、お子様が小さい今こそ、毎日の生活にお手伝いを取り入れましょう!

2、お手伝いが子どもに与えるメリット

それでは早速、お手伝いが子どもに与えるメリットを詳しくみていきましょう。

(1)「勉強」という意識を持たずに知識を吸収できる

お手伝いは、子どもに「勉強」という意識を持たせず、自然に知識を身に付けることが可能です!

例えば、お風呂掃除をお願いした場合を考えてみましょう。

子どもにお風呂掃除クリーナーを手渡すと、「これ、どうやって使うの?」と聞いてくるでしょう。その時、「1㎡に1プッシュと書いているね!」など、あえて単位を出して説明するとどうでしょうか?

子どもが「平方メートルって何!?」と、興味を持ったら大チャンス!1㎡がどのくらいなのかお風呂場で示してあげれば、子どもはその広さを、実体験として理解することでしょう。

ところが、「勉強」として「1㎡」を初めて習うとどうでしょうか?多くの場合、広さの感覚が分からずチンプンカンプン。「1㎡は1㎠何個分?」などの問いに、トンチンカンな答えを出す子も少なくないのです。

このように、お手伝いを通して「楽しみながら」得た知識は、断然定着が早いです!是非、幼い今こそ沢山のお手伝いを経験させてあげましょう。

(2)学ぶことの楽しさを実感できる

手伝いは、学びの楽しさや喜びを実感するのにもってこい!

例えば卵焼きを作る時、最初はグチャグチャになってしまった女の子。ママのように上手に作るにはどうすればいいだろう?と考えるうちに、卵がちょうどよく固まるタイミングや、ひっくり返す時のコツを学びます。

何回もチャレンジして美しい卵焼きができた時、その喜びは最高潮!「学ぶことの楽しさ」を感じると同時に、自分で出来たという「自信」も得ます。

このように、学びの楽しさや喜びを体験している子は、本格的な受験勉強がスタートした後、その強みを発揮します。受動的に「勉強させられる」のではなく、能動的に「勉強を楽しむ」ことができるのです!

是非、お手伝いの時間を子どもと共有し、できる喜びを伝えてあげて下さいね。

(3)「段取り」を立てるスキルがアップ

習い事や学校で疲れているのか、帰宅後はダラダラしてなかなか宿題にも取り掛かれない。

このよう子は、「何時までに」「何を」「どれくらい」するべきか分かっていません。つまり、「段取り」や「計画」を立てることが、全くできていないのです。

実はこんな子にも、お手伝いパワーが発揮されます!

家事は、段取りが全てと言っても過言ではありません。その一部を子どもに担ってもらうことで、自然と計画や段取りを立てる力が身に付くのです。

小川氏と西村氏も、「段取り」を立てることの大切さを説いています。成績が良い子は段取り上手!とも言われているため。是非お子様が小さい今のうちに、手伝いを通して「段取り」を立てる経験をさせてあげましょう。

3、年齢別!おすすめのお手伝い&学べること

お手伝いのメリットをお分かり頂けたところで、おすすめの手伝いを、【種類別】&【年齢別】にご紹介!どんな学びがあるか?小川氏と西村氏の考えを、ふんだんに盛り込んでお伝えしていきます。

(1)台所編

それでは、台所で出来るお手伝いからみていきましょう!

①2歳頃

2歳頃の子どもは、ママの真似が大好き!台所での作業も、楽しんで行ってくれますよ。

  • 野菜を洗う
  • 簡単な調理(こねる・まぜる)
  • お箸を並べる

など、簡単にできることから始めましょう!野菜に触れる、ひき肉をこねる、卵を混ぜるなど、沢山の感覚に触れることで、五感を刺激することができますよ。

②3~4歳頃

3~4歳頃の子どもには、2歳頃にしていたお手伝いより、もうワンランク難しいことをさせましょう。そうすることで、「自分でできた!」「ママの役に立った!」という感覚を味わうことができますよ。

  • 料理の下ごしらえ
  • 米とぎ
  • ご飯をつぐ
  • 食器を運ぶ
  • 簡単な食器洗い
  • 簡単なものを包丁で切る

など、ちょっと難しい作業にも挑戦しましょう!

3~4歳になると、意外に包丁も使えます。危ないと思われがちですが、キュウリなど切りやすいものから始めてみましょう。もちろん、ママパパは隣でサポートしてあげて下さいね。

また、食器を運ぶ際には、あえて割れる可能性があるのにもチャレンジ!「そっと運ばなければ割れる」ことを、子どもが学べるチャンスです。

米とぎは、最初は沢山お米がこぼれますが、ママパパはグッと我慢。「ありがとう!」「ママ助かった!」などの声掛けをすれば、お手伝いのヤル気もさらにアップしますよ。

③5~7歳頃

5~7歳になると、お味噌汁など簡単な料理ができる子もチラホラ。

  • 包丁で切る
  • 調理の手伝い 
  • 炊飯器でお米を焚く
  • ピーラーで皮を剥く
  • 簡単な火を使う調理
  • 食器洗いを任せる

など、料理の下ごしらえ~片付けまで、一連の作業を任せてみましょう!

小学校1年生にもなれば、野菜以外にも様々な食材が切れるようになります。同じ魚でも、切り身・開き・刺身などがあること、豆腐は手の平に乗せると切りやすいことなど、実際にお手伝いをすることで、沢山の学びが生まれます!

特に、台所での作業は「理科」に繋がる知識が多く学べると、小川氏と西村氏は述べています。

麺つゆを「1対2に希釈してくれる?」など、あえて「希釈」というワードを使えば、子どもは薄めることの意味を理解します。砂糖は水よりお湯の方が溶けやすい、野菜に塩を掛けると水が出る、野菜を切れば種の様子が分かるなど、実体験を通して、これから学ぶ理科の知識を身に付けることができるのです。

ママパパは「勉強に役立つから覚えなさい!」ではなく、子どもに任せつつ必要な際には声掛け&サポートをする姿勢で、お手伝いの楽しさを伝えましょう。

(2)お風呂掃除・洗濯編

続いて、お風呂掃除&洗濯で、子どもができる手伝いをみていきましょう。

①2歳頃

お風呂掃除や洗濯物は2歳児には難しいと思われがちですが、任せられる作業もあります。

  • お風呂で遊んだおもちゃを片付ける
  • タオルをたたむ

など、簡単な手伝いをお願いしましょう。自分で遊んだおもちゃは自分で片づける!という、整理整頓の基本を学ぶことができますよ。

また、タオルを綺麗にたためれば、Tシャツやズボンなどもスムーズにたためるようになります。洗濯物の基本を、2歳でも身に付けることができるのです。

②3~4歳頃

3~4歳頃は、できることが少しずつ増えてきます。

  • シャンプーやボディーソープなどを元に位置に戻す
  • ブラシやスポンジを使った清掃にチャレンジ
  • 自分の洗濯物をたたむ
  • 自分の洗濯物を収納する

など、子どもにどんどんお願いしてみましょう!

お風呂掃除では、使ったもの(シャンプーやボディーソープなど)の片付けの他、ブラシやスポンジを使った床掃除にもチャレンジ!ブラシやスポンジは、撫でるだけでは汚れは落ちないなど、お風呂掃除の基本が身に付きます。

また、自分の洗濯物をたたんで収納する作業は、自主性を育む第一歩!少々雑でも大目に見て、自分でできることの喜びを実感させてあげましょう。

③5~7歳頃

5~7歳になると、「自分」のことから「家族」のことへ、お手伝いの幅が広がります!

  • 洗剤を使った清掃にチャレンジ 
  • 浴槽を綺麗に掃除
  • 家族の洗濯物をたたむ
  • 家族の洗濯物を収納する
  • 簡単な洗濯物を干す

など、その内容も本格化!特に、洗剤を使ったお風呂掃除は、「算数」や「理科」にも通じる学びの宝庫です。

先ほどご紹介したように、「㎡」など広さの感覚が理解できるうえ、「アルカリ性」や「酸性」など、意味は曖昧でも「用語」として頭にインプットすることができるのです。

すると、授業で「酸性」「アルカリ性」「中性」を学んだ時、「あー!アルカリ性って、お風呂掃除の洗剤に書いてあったことだ!」と、自分の体験と結び付けて理解し、学習がスムーズに進みます。

このように、もともと知っていた知識に未知の知識が結びつくと、学習が加速すると小川氏と西村氏も述べています。

洗剤はちょっと危ないかも…。と思っても、年長や小学校低学年になれば大抵の子は使いこなせます!ママパパが手助けをしてあげながら、是非チャレンジしてみて下さいね。

(3)買い物編

最後に、買い物中にできるお手伝いをご紹介していきます。

①2歳頃

2歳頃は、「買い物」を楽しむことを重視しましょう!様々な物が売られている様子や、沢山の人で賑わう雰囲気などを感じることが、子どもの刺激になりますよ。

また、この時期は手先がどんどん発達するため、積極的に沢山の物に触れさせるのも大切です。

もし分かる野菜があれば、「人参をとって!」など、お願いしてみるのもいいでしょう。買った野菜や魚に触れて、感触を感じさせるのも良いでしょう。

②3~4歳頃

3~4歳頃になると、買い物のお手伝いで学べることが増えてきます。

  • 子どもに商品を選ばせる 
  • 数の要素を入れる  
  • 旬の話をする

など、様々な科目に通じる基礎知識を養うことができますよ。

例えば、商品を選ばせることで、子どもは「カテゴリー」を意識します。鮮魚コーナー、野菜コーナー、冷凍食品コーナーなどの分類を理解することは、実は今後の学習において大変重要!「まとめる力」や「共通点・相違点をみつける力」に繋がります。

また、買い物に「数」の要素を取り入れるのもポイントです。「明日は○○ちゃんが遊びに来るから、お菓子は全部で何個買えばいいかな?」など、親子の会話に計算の要素を散りばめましょう。幼児の数の概念は、実体験を通した方が定着が早いと言われていますよ。

さらに、旬の話をするのもおすすめです!「もう鰆が売られている!春だねえ。」「鰆っていう漢字は、魚へんに春と書くんだよ。」など、ママパパが知っている限りの情報を話し、どんどん知識を広げてあげましょう。

③5~7歳頃

5~7歳になると、徐々にお金の概念を伝えましょう。

  • お金の計算をしてみる 
  • 定額のお小遣いを渡す
  • 産地の話をする

などの他、「割引」や「セール」の話をしてみるのも良いでしょう。

ただし、「〇%引き」や「〇割引」の意味を、躍起になって教える必要はありません。それよりも、「10円が10枚で100円」「100円を出して80円の物を買うと、20円のおつりがくる」と言うことを、自然に学ばせることが大切です。

また、お小遣いを渡して好きなように使わせてみるのもGOOD!「あと100円あれば好きなお菓子が買えるのに。」「このおもちゃを買ったら、あと〇円しか残らないなぁ…。我慢しようかな。」など、指示されたわけでもないのに、自然に足し算、引き算の基礎を理解していきますよ。

さらに、産地の話をするのもおすすめです!「このサーモンはチリ産。こっちのサーモンは北海道産。ところで、チリってどこにあるか知ってる?」など、素朴な疑問を子どもに投げかけてみましょう。帰宅後に地図や地球儀で一緒に調べれば、また一つ知識が増えますね。

4、子どもがお手伝いを楽しむコツ

2歳~7歳までの低年齢の子どもでも、お手伝いで沢山の学びが生まれることが分かりましたね。

しかし、お手伝いがいつまでも楽しいものであるためには、ちょっとした注意が必要。子どもがお手伝いを楽しめるか否かは、ママパパの手腕にかかっているのです!

  • 沢山褒める
  • ママパパが助かっていることを伝える
  • ケチをつけない
  • 時には後からフォローする(コッソリやりなおしてあげる)

など、親の忍耐が必要なのも確かですが、お手伝いが強制的で辛いものになっては意味がありません。ここはグッと我慢して、楽しさ第一で頑張りましょう!

まとめ

お手伝いには、数えきれないほどのメリットがあることが分かりましたね。

一粒で二度おいしい「お手伝い+学習」は、気軽にチャレンジできるものばかり!利用しない手はありません。

幼い今こそ、日常にお手伝いを取り入れ、「賢い子」の素地を作りましょう。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

コメントを残す

*

PAGE TOP