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新生児と犬、一緒に暮らすことは出来る?安全・安心に過ごすための注意点とは?

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妊娠中の方で、犬を飼っている方が気になること。それは「いま飼っている犬と新生児が一緒に暮らせるのか?」ということではないでしょうか?

犬も家族の一員。生まれてくる赤ちゃんも、犬も、どちらも大事ですよね。

この記事では、新生児と犬が一緒に暮らすにはどうしたいいのか?気を付けるポイントは何か?を解説していきます。

1、犬と赤ちゃんは一緒に暮らせる?メリットもたくさんあります!

(1)免疫力が向上する

最近、アメリカやフィンランドでは犬と赤ちゃんの関係について研究が進んでいます。そのなかで

  • 赤ちゃんの時期から動物とともに暮らしていた子どもは、アレルギーになりにくい
  • 動物と赤ちゃんが触れ合い、細菌に触れることにより免疫力が高まる

 

  • 犬を飼っているほうが、風邪をひきにくい

という研究、実証結果が出ています。

(2)子供の精神的な発達、安定をもたらす

①いやし効果

赤ちゃんや子供は動物が大好きな子が多いですよね。一緒にいるだけで泣き止んだりする子もいます。犬が赤ちゃんをあやしてくれるようなこともあり、赤ちゃんだけでなく、パパやママもそれを見ていやされたりします。赤ちゃんと犬が仲良くしているのをみるのも楽しみですね。

②精神的な支えになる

犬にも母性本能があります。小さい赤ちゃんをみて、犬が「守らなきゃ!」と使命感をもつのです。危ないことがあったら、吠えて教えてあげたりします。

「犬が守ってくれる」という心は赤ちゃんに伝わります。

幼いころから一緒にいれば、かけがえのない友達になって子供の精神的な支えになってくれます。

③思いやり、命を大切にする心が身につく

動物を大事にすることは、子供の心の成長に大きく良い影響を与えます。動物を大事するその気持ちは、<人間の友達>を大事にする気持ちに必ずつながっていきます。犬を飼っていると、自分の思い通りに行かないことも出てくるでしょう。でもそこで、他者を尊重する思いやりの心も生まれていきます。

感情や情緒教育を、犬を飼っていることで自然と子供にしてあげることができるのです。

2、注意すべきポイントと対処方法

赤ちゃんと犬が一緒に住んでることはメリットがたくさんあります。反面、何に気をつけたらいいのでしょうか?

赤ちゃんが産まれてからではなく、産まれる前からすべきことがありますよ。

(1)アレルギー対策

動物を飼うときに、一番注意しなくてはいけないものがアレルギー対策です。もしアレルギーを発症してしまったら、一緒に住みたくても住めなくなってしまう可能性がでてきます。

そもそもアレルギーとはなんでしょうか?体内に入った正常な物質に対し、体が<異物だ>と過剰に反応してしまい、それによっておこる様々な症状のことをいいます。<異物>を体から取り除くべく<異物除去行為>がでます。すなわち鼻水、くしゃみ、涙、かゆみなどの症状です。

①犬を清潔にしておく

アレルギーのもととなる物質を<アレルゲン>といいます。犬の場合は、犬の毛やフケ、ダニなどにあたります。そのアレルゲンを除去することが大事です。犬を定期的(目安は週2回程度)にシャンプーしてあげ、清潔にしておきましょう。ブラッシングは毎日行ってください。また、トリミングもこまめに行っておくようにしましょう。

②抵抗力の弱い新生児期は、生活する部屋を分ける、ベビーベッドに寝かせる

新生児は、生活する部屋を分けてあげ、またベビーベッドに寝かせることも大事です。ベビーベッドの高さがあれば、犬が飛び乗ることも防げますし、犬の毛やフケ、ダニなどから赤ちゃんを守ってあげられます。

赤ちゃんを直接、床に寝かせてしまうと、アレルゲンを吸い込んでしまう可能性があります。布団も清潔にしましょう。

③空気清浄機やこまめな掃除機がけで室内を清潔にしておく

新生児と犬、生活する部屋を分けても、人間が移動してしまえば 犬の毛やフケ、ダニも一緒に移動することがあります。カーペットの利用はなるべく避ける、掃除は毎日行い、空気清浄機も活用するなどしましょう。

(2)感染症対策

犬の病気、または犬が原因で、赤ちゃんが病気になってしまった場合、大人では考えられないような重篤な症状になることも懸念されます。特に新生児は抵抗力が低いです。対策をしっかりとしましょう。

①犬から人にうつる人畜共通感染症

犬から人にうつるいわゆる人畜共通感染症には、以下のようなものがあります。主なものをあげておきますので、知っておくようにしましょう。

  • ノミアレルギー 人に感染した場合は、かゆみの症状が出ます。犬のノミは駆除が可能です。
  • サルモネラ菌 人が感染すると、免疫機能が低下します。犬のうんち等から感染します。
  • 狂犬病 人に感染すると、中枢神経障害(脊髄炎、末梢神経障害、脳炎)がおきます。狂犬病ワクチンは義務化なので接種必須です。
  • 皮膚糸状菌症 体のどの部分に起こるかによって違ってきますが、体部白癬、爪白癬、頭部白癬、足白癬などがあります。免疫機能が低下して、菌の増殖が防げずにおきることもあります。
  • ブルセラ症 人にも感染し、風邪と似た症状が出ます。経口感染が感染経路です。残念ながらブルセラ症に対してのワクチンはありません。

②犬の予防接種は漏れなく必ず受けておく

犬の予防接種といえば、狂犬病ワクチンです。前述の通り、狂犬病は全ての哺乳類に感染します。人、赤ちゃんも例外ではありません。感染すると、その死亡率はほぼ100%といわれている大変怖い病気です。必ず予防接種は受けさせましょう。

③新生児のうちは犬と赤ちゃんの接触を避ける

犬からの感染経路は、接触感染、顔や口を舐められることで感染します。犬のよだれには、様々な菌がいる可能性があります。新生児との接触は避けさせましょう。産まれる前から、顔をなめさせる行為をやめるようにできたらいですね。

④室内を清潔にしておく

毎日のブラッシング、定期的なシャンプーにくわえ、部屋を綺麗にしましょう。目に見えないホコリや犬の毛などがたくさん落ちていませんか?ソファーやじゅうたんなども、コロコロをかけるなどでこまめに掃除しましょう。

室内犬の場合、犬の毛が生え変わる時期は一定ではありません。季節に関係なく、年中、生え変わってる犬もたくさんいます。特に長毛タイプの犬は、オーバーコートやアンダーコートが落ちます。重ねてになりますが、空気清浄機をおきましょう。犬のにおい防止にもなりますよ。

(3)衛生面

パパママも、犬をさわったら手を洗うようにしましょう。それ以外に衛生面では何を気をつけたらいいのでしょうか?

①犬のトイレや餌、毛などを赤ちゃんが触らないように

気づいたら寝返り、気づいたらハイハイなど、赤ちゃんの成長のスピードは早いです。そして、すぐに口にものをいれて確認します。赤ちゃんは思わぬ行動をするものです。

赤ちゃんがいつの間にか、犬のトイレのうんちやオシッコ、餌や餌のお皿を食べたり舐めたりしてしまわないように、柵をたてたり、手の届かないところに置くなど工夫をしましょう。犬のおもちゃも、放置しないようにしましょう。

②散歩の後の犬の足など

犬は散歩が必須ですよね。帰ったあと、犬の足を綺麗に拭いてあげていますか?部屋の清潔を保つためにも、犬の足は綺麗に拭きましょう。

(4)安全面

①赤ちゃんと相性のよい犬種は?

 

大型犬(ラブラドルレトリバー、セントバーナード等)や人が好きな小型犬(パピヨン、ボストンテリアなど)は同居しやすいと言われています。

しかし、飼い主以外の人が苦手、または警戒心が高い犬は、赤ちゃんとの同居に向いていません。

もちろん、犬種が相性良くても、個々の犬の性格により、あうあわないはありますが、もしこれから犬を選ぶのであれば、性格の穏やかな犬種を選ぶことも考えてみましょう。

②赤ちゃんを布団には寝かせない

敷布団に赤ちゃんを寝かせると、犬が歩くときに踏んでしまったり、手を出してしまいかねません。前述の通り、犬の毛などのアレルゲン吸い込み防止の為にも、ベビーベッドを用意しましょう。犬が赤ちゃんに飛びついたりしないよう、ジャンプ力が高い犬の場合は、ベッドの周りに柵もしっかりとつけましょう。

③犬と赤ちゃんだけにせず、目を離さないようにする

赤ちゃんも不測の行動をしますが、それは犬も同じです。犬と赤ちゃんだけの空間を作らないようにしましょう。例えば地震など、突然の事態に犬が慌てて、ベビーベッドの中に入ってしまったという事例もあります。

④基本的なしつけはしっかりとしておく

赤ちゃんが産まれる前に、まず飼い主と犬との信頼関係構築は必須条件です。常に序列を気にする犬にとって、飼い主との信頼関係が構築できていない場合、犬は赤ちゃんに対して無下に扱う可能性があります。それどころか、たくさん泣く赤ちゃんを<邪魔者>として認識しかねません。犬が赤ちゃんを大事な家族の一員として迎えることができ、犬にとっても赤ちゃんにとっても快適に過ごせるよう、しつけと信頼関係構築は、赤ちゃんが産まれる前にしっかりとしておきましょう。

(5)犬の精神面のケア

赤ちゃんが産まれると、上のお兄ちゃんやお姉ちゃんが<赤ちゃん返り>という行動を起こし、それまで想定できなかったことをすることがあります。自分にしか向けられていなかった愛情が、赤ちゃんに注がれてしまうと勘違いし、寂しさから自分の弟妹なのに、嫉妬で手を挙げてしまうこともあるのです。

それは犬も同じです。赤ちゃんに手を出したり、ストレスがおおいにたまって病気になってしまったり、無駄噛み・無駄吠え・粗相などの行動をおこすことがありますので、犬の精神面のケアもしてあげましょう

①なるべく犬を外に預けない

新生児を家に連れて帰るときは、かなり慌ただしいものです。「犬の世話まで難しいかも」ということで、犬をホテルや他の家に預けてしまうことがありますが できるだけ避けましょう。

赤ちゃんが落ち着いたころに、犬が家に戻った時、いきなり家中の人が赤ちゃんの世話をしている姿を見たら、また、全く見知らぬ存在の赤ちゃんがいたら、犬にとってはどうでしょうか?混乱し、負担になります。

赤ちゃんが初めて家に来る日は、犬も家族の一員として、一緒に家で赤ちゃんを迎えてあげられるようにしましょう

②犬との時間もしっかり取ってあげる

赤ちゃんの世話でとても忙しくなってしまいますが、犬との散歩や遊びなど、犬とのコミュニケーションも欠かさないようにしましょう。犬は愛情に敏感です。思わぬ異常行動につながらないようにしましょう。

③赤ちゃんに興味を持っても過度に叱ったりしない

犬に赤ちゃんが近づいた時、「近づいてはいけない!」と厳しく叱ってしまうと、犬は「赤ちゃんとは仲良くできないんだ。赤ちゃんがいることで自分の行動が制限されるんだ」と感じてしまいます。そうすると、犬は赤ちゃんを敵視してしまい、赤ちゃんに対して手を出したりするようになります。犬が赤ちゃんに興味を持つことは自然のことですし、赤ちゃんと犬との関係を築く大事な最初の一歩です。あまり厳しく叱らないようにしましょう。

④赤ちゃんと少しずつ一緒に遊ばせてみる

赤ちゃんの免疫力が高まる時期になってきたら、パパやママのいる場で、犬と赤ちゃんが楽しく遊べるように促していきましょう。犬も、赤ちゃんのことが好きになり、赤ちゃんも犬のことが好きになっていきますよ。

まとめ

新生児を迎えるときは、様々なことが気になりますよね。愛する家族である犬と、楽しく赤ちゃんが過ごせるだろうか?その心配が今回の記事で少しでもとけたでしょうか?出産後の犬との生活が、よりよくなるようにしっかりと準備していきましょう!

新生児と犬、共に成長出来たらこれ以上、嬉しいことはありませんよね。

より楽しく、より嬉しい赤ちゃんと犬との生活になるよう、願っています!

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